HIGASHIYAMA LINE


 万博が開催されている所為なのか、名古屋駅は外国っぽい人でいっぱいだ。
 どういうわけか郵便局のATMにまで並んだりしているのも見受けられるのだが、あれはシティバンクの口座から現金を引き出したいという事なんだろうか。日本はクレジットカードの普及率が悪いからねえ・・・。特に交通機関なんか、千円札がないと話にならんし。
 まあ決済の事もそうなんだが、つくづく日本というか名古屋がよそから来た人に不親切だなーと思う事があった。
 まだ先月の、万博が始まって数日の頃の話だが。名古屋駅の地下鉄11番出入口で、アフリカ系の人と遭遇した。アフリカのどこかの国から来たのかもしれないし、アメリカかもしれない。ハイチやフランスかもしれない。それはわからない。どこに行くつもりだったのかも、正確にはわからない。彼は英語しか話さず、私はかつて受験英語の偏差値が30台だったからだ。
 ただ、言葉の中に「HIGASHIYAMA LINE」というフレーズが出てきたため、「ああ地下鉄東山線に乗りたいんだな」という事だけは分かった。「このまま改札に入れば、乗れますよ」と言おうとして、はたと気づいた。指さそうとした先には、「桜通線」と書かれた看板しかなかったからだ。
 名古屋市営地下鉄名古屋駅というのは、東山線の名古屋駅と桜通線の名古屋駅がある。(詳細はリンクをたどっていただきたい)。とは言え、よその都市の地下鉄もそうだと思うが、双方の「名古屋駅」構内の連絡通路で繋がっており、どちらの入り口からでもたどり着けるようにはなっている。ただし道順を知っていれば、であるが。
 件の11番出口には、その道順を示す案内設備が不十分なのだ。自分は地元の人間だから「まあ適当に歩いてりゃそのうちたどり着く」と思えるが、よその土地、しかも日本語も不案内な外国人にそれは酷というものであろう。
 私は一旦そこから出て、東山線側の入り口まで案内する事にした。
 だがこの時、「東山線の入り口まで案内します、階段を上がりましょう」と言いたかったのだが、これを全く英訳する事が出来ず、Go Up Here Withなどと、意味不明の単語を並べ立てる結果になってしまった。当然彼は首をかしげていたが、私が腕を振って踊るように階段を上っていくのを見て、ついて行けばいいと理解したらしい。
 地上に出て、「東山線 HIGASHIYAMA LINE」と書かれた看板が見えるところまで来て、私は叫んだ。
「It’s! It’s! Here is HIGASHIYAMA LINE! We,we arrive the world…」
 It’sはともかくwe arrive the worldって一体何なんだか。全く以て意味不明である。だがそんな怪しい言葉を吐き続ける私に対し、彼は肩を叩いて「Thank you.」と言ってくれた。辛うじて、目的は達せられたのだった。
 とまあ、こんな一件があったわけである。だがそもそも案内が充実していれば、彼はこんな怪しい日本人に頼らずとも東山線に乗れたはずなのである。
 地方都市全部を英語対応化する必要は確かにないと思うが、しかし万博やるんだったらもうちょっとよそ者に親切にしてもなあ、と思うのである。
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HIGASHIYAMA LINE」への2件のフィードバック

  1. たると

    ご苦労様でした
    確かに不案内な人にはとても不親切だと感じることは多いですね
    これも【万博への市民参加】だと思って我慢しましょう・・・あと137日(長いよ)のことですから・・・
    でも、結構我慢ならんことも多いよなぁ・・・

  2. 荒野草途伸

    道案内する事自体は別にかまわないのですよ。ただ、名古屋の入り口であるスティションでいきなり、他人に道を訊かなければいけないというのが、寝・・・・。「名古屋駅は東洋一わかりにくい駅だ」なんて言われてたけど、全然改善されてないんだなあと思ったわけです。

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