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パフォーマンスで現地入りするな


岸田首相が震災地の能登半島の輪島市に行ってすぐ帰ってきたらしいが。

実際の所、岸田首相は現地行く意味あったのか?

輪島入りに自衛隊のヘリを使ったようなので、道路の渋滞を誘発したわけではないと言えるかもしれないが。
今わざわざ首相が現地に行ってやれること事と言ったら、二次避難を不安がる住民に「必ず戻れるようにするから今は避難してください」と説得することぐらい。
だが、そういう事を言ったわけでは無い。

だったら何しに行ったんだと。

今はまだそういう約束をできる段階では無いんだったら、そもそも行くべきじゃない。
ただの自己満足のパフォーマンスでしかない。

参考:
2次避難、わずか6% 古里離れる不安、被災地に9割 能登地震
毎日新聞 2024/1/15 20:43
https://mainichi.jp/articles/20240115/k00/00m/040/252000c

一時避難は分かるけど…「仕事の準備を」「地元に恩返し」故郷に残るそれぞれの理由
中日新聞 2024年1月15日 05時05分
https://www.chunichi.co.jp/article/837705


自民党の支持率が下がっていますが


マスコミ各社の世論調査によると、岸田内閣の支持率に飽き足らず、自民党の支持率も軒並み下がっている。

 アベ派などの資金キックバック問題の影響とされているが、それだけが理由ではないだろう。今年の漢字に「税」が選ばれたことに代表されるように、増税減税インボイスと、税制に対する不信不満を持つ声も大きい。

 また、この1ヶ月で言えば、米軍オスプレイの屋久島沖墜落事故とそれに伴う全世界での運用停止という事件もあった。
 この事件は「オスプレイは安全」という神話を標榜してきた軍拡右派が黙らざるを得ない状況を作り出した。また、日米双方の政府で言うことに違いが出るなど、これまでにない展開もあった。この事件により、日米安保体制の現状に疑問を持ち始めた日本国民も多いだろう。

 これまで自民党を支持してきた層の中には、自民党の掲げる政策や価値感にはあまり賛同していないという人も決して少なくなかった。そういう人達が自民党を支持してきた理由は、大きく利権の為と安保の為に分かれる。

 日米安保を守るのはなんだかんだ言って自民党、という意識で自民党に入れてきた人も多かろう。しかし、その日米安保そのものが疑問符を投げかけねばならない状態になっている。その事に気づき始めた結果、自民党の岩盤支持層が崩れ始めたとも言えるだろう。

 状況のあまりの変化に、追求する野党側の立場に立つ私もついていくのがやっとだ。


土日はビラ配りしてました街宣出来ませんでした代わりにWebに上げました


 「減税」問題で世の中がいろいろざわついているので、街頭でこの問題を訴えるのに時宜にかなった週末だったはずで、原稿も用意していたのですが。
 2万枚のビラが届いてなるはやで配らなければならないので、週末(木~日)はずっと(バスで行ける範囲で)ビラを配っていました。なんとか3千枚弱配りました。

 折角原稿を用意したので、blogには上げておきます。
(今月前半の原稿と一部内容が被りますが。)

こんにちは。無所属メガネの荒野草途伸です。

 減税と言えば企業減税というスタンスだった岸田政権が、所得税減税をついに言い出しました。
 我々が減税は持てる者しか得をしないと言い続けた結果なのかどうかはわかりませんが、低所得世帯に対する給付もするとは言っています。
 ですが、この給付も、減税も、あくまでも一時的なもので、おそらくは1年限定と言われています。給付になる基準はよくわかりません。
 しかも、世帯単位の給付という旧来の制度からは全く抜け出せてはいないのです。
 その所為で所得税減税は世帯所得によって減税額が複雑な計算になるとも報じられています。

 必要なのは、個人単位での給付政策です。
 公平な支援を提供し、社会全体の活力を高める為にも、個人単位の給付政策を展開し、誰もが機会を持ち、経済的に安定した未来を築けるようにすることが不可欠です。

 3年前にコロナ対策の一律給付金というものがありました。この時いろいろ問題点は出ましたが、殆どが給付が世帯単位であった事に起因するものです。
 そもそも受け取っていないという人が結構多いです。本当に必要な人にお金が行き渡らない、或いは一番お金を使う若い人に現金が渡らずに消費に繋がらなかったという実態もあります。
 世帯単位で給付した為です。

 ですから、給付するなら世帯単位では無く、個人単位にしなければなりません。

 また、減税に関しても問題大ありです。
 期間限定で、しかも法改正が必要だから早くても6月という話になっています。実際には6月に所得税が減る保証もありません。会社の経理の対応が追いつかなければ、再来年2月の確定申告還付を待たないといけない可能性すらあります。

 また、そもそも論として、減税のメリットはお金のあるところにしかない、という大問題があります。

 所得税も法人税も、お金を貰った分にしか課税はされません。
 多めに貰っている所からお金を頂戴して、生活を底上げし制度整備をし、あわよくば収入収益を増やせるようになって貰う。それが、本来の政治の役割のはずです。

 しかし、減税というのは考え方が真逆です。

 使い方がおかしいという問題は確かにあります。でもそれは、正しく使わせるように国民が監視していくのが民主主義国家のあり方であって、税金そのものを無くせというのは筋が違います。
 税金は年貢ではありません。なくせば困るのは、生活弱者です。必要なのは支援政策であって、減税ではありません。

 低所得者に必要なのは減税では無く給付です。税金が減っても現金が無ければ何も出来ません。
  中所得者でも、人生をやり直そうと思ったら現金が必要になります。
 減税で恩恵を受けるのは、既に持っている人だけです。減税では無く個人単位の恒久的な給付政策で支援していくべきです。

 ですから、敢えて強い言葉を言いましょう。
 減税は政治の逃げです。

 また、減税措置を行えば、事務手続きに変更を加えなくてはいけなくなります。
 給与計算を担う経理担当の人や経理システムを手がけているシステムエンジニアは、また余計な超過労働を強いられることになるでしょう。たった1年の減税の為に。
 ただでさえ、インボイス対応で経理の業務量が増大して超過勤務を強いられていると、不満が出ている状況にも関わらず、です。

 労働時間規制は、過労死や過労障害が続発し、労働者の生命と健康が脅かされたことを受けて、今から5年前に労働者市民の強い強い要求によって、ようやく実現したものです。
 労働者と市民の声が強い要求と圧力の結果、これらの規制が実現したことを覚えておかねばなりません。

 政治の使命は、国民の命と生活を守ることです。しかし、岸田政権にも自民党にも、その基本的な責任を果たさない姿勢が露骨に表れています。
 経理やITだけではありません。大阪万博に関連して、超法規的措置で労働時間規制を適用外にするなどと言う愚かな発言が出ました。
 命と生活を守る為の施策をしない。折角作っても潰してまわる。それが、今の政権であり、与党です。

 またIT、情報システムに関して言えば、減税するならそれに伴うシステム改修も必須になってしまいます。
 実際に内容が決まるのは法改正後らしいので、年末か、最悪年明けの通常国会で決まるという話になります。
 仕様もわからない状態で改修に着手は出来ません。なので、改修期間、半年もありません。でも、法律で決められてしまったら、会社の都合で延期は出来なくなってしまいます。

 徹夜させるつもりでしょうか?
 精神論で徹夜しろとか言うつもりなのでしょうか?
 ようやく労働時間が減って人が集まるようになってきたIT業界を、またブラック職場筆頭に戻すつもりなのでしょうか?
 徹夜で作ったシステムなど、不具合が起きるに決まっています。私もITでやってきた人間なのでよくわかります。

 ちなみに、そうやって精神論で煽り立てている人達の1つが、政府自民党です。
 マイナカード関連の改修作業。朝の4時まで残業させていると、そんな事を誇らしげに語るような、そんな連中です。

 伝統的家族観が支配する奴隷労働の社会に戻るか。
 私達の仲間がこの10年で勝ち取ってきた社会と政治の進展を維持発展させていくのか。
 今、岐路に立たされています。

 必要なのは、生活と雇用環境、経済に対する本物の支援です。
 勝ち組しか得をしない減税では無く、本物の支援を。精神論に基づいた国威発揚では無く、本物の支援を。
 そして、やり直しのきく社会の実現を。この言葉を以て本日は締めくらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

 尚、ビラはまだ1万7千枚残っています。
 配布を手伝って頂ける方がいらっしゃると、とってもとってもありがたいです。

こちらのWebサイトからダウンロードして配っていただいてもかまいません。今は選挙期間中ではないので。


命軽視逃げ出し政治を斬り本物の支援を春日井市と瀬戸市で訴えた荒野草途伸の街頭演説をネット動画用にやり直したもの (別ドメインに飛びます)


 10/9と10/15に春日井市・瀬戸市で街宣活動をした(した)のですが、ネットにあまり書いていなかったので、自宅で撮り直した動画とその原稿をアップしておきました。

 原稿は政治活動用のサイトにアップしています。
命軽視逃げ出し政治を斬り本物の支援を春日井市と瀬戸市で訴えた荒野草途伸の街頭演説をネット動画用にやり直したもの

 正直、動画は苦手です。
 誰か手伝って欲しいです。


科学的検証は福島にはあっても辺野古には無い


 福島での”処理水”放出で、自民党政権は散々「科学的検証に基づいて」という言葉を繰り返している。しかし、沖縄の辺野古新基地建設では到底科学的検証を行ったとは言えないまま、工事が強行されようとしている。

 まず、ここまでの経緯をおさらいしておくと。

 ここで、以下のような要検証項目が洗い出される。

  1.  最大で水深90メートルとされる軟弱地盤に、水深70メートル前提の杭を打ち込むことで対応出来るのか。
  2.  杭の材料には結局何を使うのか。長さが増えるなら当然質量は大きくなるので、それも考慮しなければならない。
  3.  杭を打ち込むこと、或いは杭の材料によって海洋環境に与える影響はどうなるのか。

 これらの事項について、日本政府は何らの回答も示していない。検証実施中なのか検証着手すらしていないのかすらわからない。

 こんな有様で、「科学的検証は行われました」などと、到底言えない
 にもかかわらず、工事を先に進めようとしている。

 ”処理水”の件で散々科学的科学的と言いながら、大浦湾埋立では科学的検証を行わない口にしないあまつさえ無視するとは、一体どういう事か

まさか、「福島と沖縄では適用される物理法則が違います」とでも言い出すつもりか。
(言うまでも無いが、そんなわけは無い。)

 このような欺瞞に満ちた非科学的なことを続けていれば、行政も政治もどんどん信頼を失っていくことだろう。
 その先に待っているものが何かは、さすがに私にはわからないが。


日本の労働運動の新たな展開~西武百貨店ストライキと最低賃金1500円と~


 日本の労働運動の転換点なのか。
 昨日8月31日は、いろいろと動きがあった。

 中でも、西武百貨店ストライキとそれに対するほぼ全ての労組の連帯、一般市民の態度の変化は特筆すべきものがある。
 ありすぎて書くと長くなりそうだし余計な事まで言い出しそうなので、敢えて抑制しておく。
 各SNSに投稿したとおり、荒野草途伸も31日の昼頃にヨドバシカメラの名古屋松坂屋店前でスト連帯のスタンディングをしたが、「私はそこに立ってました」というただそれだけの話なので。

 そしてもう一つの重要な動きは、岸田政権が突然「最低賃金1500円」を言いだしたこと。もしかしたら西武百貨店ストの影響なのかもしれないが、これは憶測の域を出ない。

 今更言うまでも無い事だが、最賃1500円は野党、それも共産党や社民党などの左派野党が長年主張してきたことだ。中小零細企業への支援も込みで。
 それに対し自民党政権は何やかやと理屈を付けて最賃引き上げには抵抗してきたのだが、何故か昨日になって突然、2030年までに最低賃金を1500円にすると言いだした。その為の中小企業支援の為に補助金制度の見直しも行うとまで踏み込んでいて、これだけ見ると左派野党の主張丸呑みにも見える。

 確かに補助金というのは用途が厳しく制限されており、企業側からすると「えっ、なんで?」となる部分もあるので、見直しして欲しいという声はあるのだろう。

 だが一方で、税金を財源にした公金支出である以上目的外利用は認められない、という理由で補助金の使途には制約が課せられているわけで、見直しと言ってもどこまで出来るんだろう? というのはある。

 それともう1点としては。迂闊に用途を広げると抜け穴が出来て、コロナ禍での雇用調整助成金不正受給のように、悪い経営者が本来労働者に渡るべき金をネコババする、というケースも出かねない。

 そろそろ、こういうのは企業では無く労働者に直接支援するようにしないといけない

 雇用保険は現在では週20時間以上の就労が1ヶ月以上続く雇用契約なら必ず入らなければいけないようになっており、基本的にはほぼ全ての労働者が加入している(ハズ)である。
 この雇用保険の情報を使えば、対象企業で就労している労働者に直接給付することは可能だ。
 収入状況の把握が必要なら、納付された雇用保険料からある程度逆算出来る。その為のシステム開発は必要になるし雇用保険システムは未だに大型コンピュータ上で動くCOBOL製のシステムだという問題はあるが、情報が欲しいだけで基幹システムの計算モジュールをいじくるわけではないので、作れないわけでは無い。複数の健保組合のシステムと連携している(連携しているとは言っていない)マイナ保険証よりも、システム的にはよっぽど単純な話だ。

 ……と、いうような話は、野党(左派野党)の政策として、もっと言えば自分が(仮に)選挙に立候補した際の目玉公約の一つにしたかった内容なのだが。
 最賃1500円を岸田政権にパクられた以上、本家本元の我々も「ウチのはもっといいよ」という政策を出さざるをえない。
 もっといいよと言う以上、私の案よりもいいものがあるなら当然そちらに賛同するが。
 問題は、誰の提案にしても今出すと自民党にパクられかねないという事だ。しかも中途半端に。給食費無償化のときみたいに。

 とは言え、流れが出来るのは悪い事では無い。最賃1500円を岸田政権が掲げるというのなら、露払いは当然自民党がやってくれますよね妨害する人達が矢を射ってきたら当然あなた達が矢面に立ってくれますよね、という風に前向きに捉えるしか無いのか。

 西武百貨店ストライキも、売却計画自体は阻止出来なかったが、この後の出店計画や雇用はおそらく修正されていくのだろうから。


処理水(スタァライトパロディ4コマ)


 トリチウムというのは三重水素のことで、陽子・中性子・中性子の3つから原子核が構成されているので、トリ(=ラテン語で3の意味)と付いているんですね。
 原子核が陽子のみの安定同位体と違って、β崩壊を起こしていく放射能です。その為、IAEA(国際原子力機関)による管理対象になっています。

 トリチウム水海洋廃棄に際しIAEAが監査して、「今回はしょうがないから容認するけど、今後も国際的監視は続けるよ?」と、釘を刺しているわけです。IAEAの監視じゃ無く、国際的監視とわざわざ言っているわけです。仮免許みたいなもんです。お墨付きなんて貰っていません。
 ところが、岸田政権やマスコミは「IAEAがお墨付きを与えた!」と明らかな誤報を垂れ流し続け、その為多くの日本人は何か勘違いをし続けたままです。

 ちなみに、IAEAの事務局長は監査結果を伝えに東京に行った翌日に、福島に行って現地の人達と話をしています。
 岸田文雄は2ヶ月近くも経った今日になってやっと福島に行ったらしいですが。


繰り返しになりますが、またAIの話です


 ニューヨークタイムズが、「自社の記事を生成AIの学習に利用することを禁止する、違反したら法的措置を執る」とか言いだしているらしい。
 その煽りなのかわからないが、また生成AI絡みでおかしなことを言う人が湧き出しているようなので、改めてこの件の記事を書く。

 過去に書いた記事と内容が重複する部分が多いが、ご容赦願いたい。

 まず、ざっと基礎的事項や調べた事を箇条書きにしておく。

  • アメリカでは連邦法とは別に州毎に法律を定める権利があり、ニューヨーク州にはニューヨーク州著作権法という法律が連邦著作権法とは別に存在する。
  • ニューヨークタイムズの言う法的措置がどの法律に基づくものなのかは不明。
  • 利用規約に定めるということだが、少なくとも日本の法律では違法な利用規約は無効になる。
  • WIPO条約でも日本の著作権法でも、学術目的での著作物利用並びにデータとしてコンピュータに著作物を読み込ませる行為は、認められている。(※いわゆるAI学習というのはこのデータを読み込ませる行為に該当する。)
     (但し、アメリカ連邦法やニューヨーク州法がどういう規定になっているかは、詳細不明。)
  • 繰り返しになるが、著作権でアイデアや作風は保護されない。作成、或いはアウトプットされた現物だけが保護対象。これは著作権の大原則なのでどこの国でも一緒。
  • 著作権侵害を主張するには、元の著作物の複製或いは流用であることを立証しなければならない。
     演算せずにデータ転写しているような自称AIだと著作権が絡んでくる可能性があるが、現在メジャーになっている生成AIは内部的には演算をしているだけで、複製も流用もしていない。
  • そもそも、知的財産権は著作権だけではない。

 箇条書きだけでも結構な長さになってしまった。

 まず、ニューヨーク州法については、「そういう制度になっている」としか言い様が無い。
 補足しておけば、日本の自治体が定める条例とは違って正規の法律であり、場合によっては連邦法の内容を上書きすることも認められている。(なので、よく連邦政府と州が訴訟になって、連邦最高裁の民主党系と共和党系の判事の数が問題になるのである。)
 ただ、言うまでもなくニューヨーク州外では通用しない。

 少し話がわき道に逸れるが。19世紀にはニューヨーク州法に聖書を勝手に出版してはいけないという規定があって、その為に独自翻訳した聖書を出版出来なかった男が隣のペンシルベニア州で会社を設立して自分の聖書を出版した、という事もあった。
 ちなみに、その会社は後にカルト宗教団体に変貌して、今も世界中に蔓延している。日本では団体名をものみの塔聖書冊子協会といい、通称エホバの証人として知られている。
 本当に余談なんだが。
 
 つまりは、もしニューヨークタイムズが言う法的根拠がニューヨーク州著作権法なら、国外どころかニューヨーク州外の人間には関係の無い話だ、という事だ。
 地域限定の話でしか無い。

 なのだが、ニューヨークタイムズをジャーナリズムの最高峰と崇める人達は、冷静な反応が出来ていないようである。
 元々AI絡みで騒がれ出した頃から、「著作権」上は何の問題も無いことを著作権の問題があるとかミスリードをしてきた界隈なので、この件では勉強不足なんだなあ、と言わざるを得ない。いくら文系の人達だからITには弱いとは言っても。
 とは言え、さすがに指摘があったのか、最近は知的財産権という言い方に変えているところも多いが。

 ただ、その場合でも「学問の自由とあなたの知的財産権、どちらが優先されますか?」という問い掛けに、私が見てきた限り誰一人答えていない。いや、問いかけが弱かったのかもしれないけど。

 あと、これはジャーナリストに限った話では無いが、知的財産権とは言ってもその権利はまだ法律で保護されてないですよね? 今からですよね? というとこがわかっていない人がいる。
 生成AIにかぎらず、いわゆる「パクリ」「盗作」という行為は知的財産権侵害とされるが、これらの殆どは「著作権侵害」では無い。
 ちなみに、数少ない著作権侵害に該当する盗作の事例が、「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」事件である。ただこの件も、電撃編集部が平謝りして書籍回収して示談したので、法廷には持ち込まれていない。
 他の法律が適用されるケースもあるが、何の法的保護も無くただ社会的慣行だけで縛っているものも多い。当然、社会の進展に伴って業界の外側の人間が入ってくれば、ルールなんて霧散する。
 逆にJASRACのように、権利なんて存在しないのに請求書を送りつけて恫喝し、高額な金銭をふんだくる暴力団のような真似をする輩も横行している。

 この辺をちゃんと法整備して、社会一般で通用する権利を作りましょう。という事を私は唱えているのだが。
 それ以前に著作権や知的財産権の基本のキすら解っていない人間がデカいツラをしている現状では、これも随分と遠い未来になってしまうことだろう。


「もっといろんなアニメを見るべきだったね」(アカツキ・ナガレ)


 今日8/13は、2004年に米軍沖国大占領事件(沖国大米軍ヘリ墜落事件)が起きた日である。
 この事件に関する記事は、7年前にも書いている ので、興味があったらご参照いただきたい。

 どういう見解を持とうが、どれだけ理屈を付けようが、2004年に米軍という外国軍が日本の私有地を不法占拠したという事実を否定することは出来ない。許されない。
 アメリカ合衆国という存在はこの時、法の支配も民主主義も、土足で踏みにじったのだ。
 この歴史的事実は覆らない。

 さて。
 この件とは全く関係はない(※本当は関係ないことは無いのだが、公式には関係ないことになっている)が。
 先日、沖縄からほど近い台湾を訪問した自民党の高齢政治家が、「戦う覚悟」なるものを日本も台湾もアメリカも持つべきだと説いたらしい。

 台湾は今、総統選挙の真っ只中だ。中国との主戦論も含めた過激な言説が飛び交うのもやむを得ないだろう。
 だがそれは台湾の国内事情だ。日本が迎合する必要は無い。否、してはならない。
 
 そもそも、法と民主主義を重んじる政治家であるならば、戦う覚悟よりも「戦わない覚悟」をこそ説くべきだ。
 戦う覚悟など、小学生でも口に出来る。

 それを、迎合なのか自身の政治的威信の維持のためなのかは知らないが、わざわざ台北まで行って戦う覚悟などと煽動する行為を行う。
 何という愚かしさか。

 沖縄では煽動などでは無く、現実に生活を脅かされ続け、飲み水を汚され国道を塞がれ経済発展も阻害され、挙げ句最低限の法すらも守られない。それが何十年も続いている。
 実はこういうのは沖縄に限った話では無く、在日米軍基地の近くではほぼ間違いなく問題が起きている、という事がここ数年で明るみに出ているが。それを差し引いても沖縄の被害は深刻だ。
 よもや、その沖縄に向かって米軍と戦えとエールを送ったつもりではあるまい。

 この話、てっきり耄碌した老人が妄言を吐いているのかと思って当初は静観していたのだが。
 どうやら、外務省は了解済の話らしい。むしろ、入れ知恵くらいしているのかもしれない。

 その入れ知恵の所為なのかは知らないが、この自民党の政治家はその直前にルフィがどうのとかいう発言もしたらしい。が、私はワンピースはあまり詳しくないのでそちらは敢えてスルーする。
 だが、戦う覚悟と言われたら、さすがにこう返したくなる。
 「お前は一体誰と戦っているんだ?」と。

 
 


基礎科学は美談の話の種では無い


 国立科学博物館が資金不足に陥ってクラウドファンディングを実施している、というニュースが話題になっている。
 一方で、国立の施設なのだからこんなものは本来国が出すべきである、防衛費は増やしても科学関連予算は増やさないのか、という声が旧Twitterなどで上がっている。

 今回はクラファンで初日で1億集めたという事で話題になっているが、実際の所こういう科学研究関連の予算不足は日本では割と日常茶飯事である。残念ながら。
 国立科学博物館が担っている収集分類保管という役割も、基礎科学を支える大事な業務だ。しかし、こういうのに予算が付かないのが、今の日本だ。

 日本は基礎科学が弱いというのは随分昔から言われていることだ。決して人材がいないわけではない。むしろ優秀な人間が職も禄も無く食いっぱぐれて挙げ句単純労働に流れてしまっているのが実情だ。
 国立科学博物館の件でも、収蔵する建物が足りないという所ばかりクローズアップされて報道されがちだが、収集分類するための人手、人件費も足りない。というより、むしろそちらが本命だろう。自民党政権では建設予算は割と簡単に付くが、増員予算は社会的な突き上げでも無い限りまず認められない。

 かつては「科学技術」、言い換えれば「すぐカネになる科学」についてはそこそこ予算が付いた時期もあった。が、今ではそういう分野ですら予算が付かなかったり、誰も得しないトチ狂った予算の使い方をしたりというのが現状である。
 酷い議員になると「そういうのは欧米に任せておけば良い」等と言い出す輩もいるくらいだ。

 近年流行のAIの件でもそうだ。
 生成AIが流行ったことで自民党が大慌てでAI対策に乗り出したが、結果出てきた話が「目黒区の空き地に高層ビルを建設して、そこにMITの分校を誘致する」という、ぶっちゃけAI研究には殆ど寄与しないような与太話である。
 しかもその後岸田自民党総裁がなんて言ったかというと、「日本のAI研究は欧米に比べて明らかに劣っている」と東大の講演で言い放っているのである。
 結論から言うと、全く劣って等いない見当はずれの発言だ。
 たまたまOpenAI社のchatGPTが流行っているから話題になりがちなだけで別に日本製のAIが劣っているわけでは無いし、むしろ日本製のAIの長所を実務とマッチングさせて利活用を図っていくのは政府の仕事である。
 それを完全放棄して、アメリカ信仰丸出しの誘致計画を持ち出して、挙げ句日本の研究実績を馬鹿にする。それが、日本の政権与党なのだ。

 翻って、国立科学博物館の件だ。
 名前からわかるように、基礎科学を支える国立の施設である。そこが、1億円以上もの寄付を募らなければいけないというのは、日本の恥である。
 1億も寄付が集まったと美談で片付けていい話では無い。1億も予算が足りていない、付けられないのだ。

 防衛費は1兆円の増額が認められても、科学予算は1億円の予算増も認められない。
 そんな日本に未来は無い。防衛費をどれだけ増やそうが、内部崩壊して終わりだ。

 そうはならない選択を、日本人は果たして出来るか。