政治」カテゴリーアーカイブ

古い記事ばかりでもなんか寂しいので、一昨年の秋に友人に送ったメールでも転載しておく。


一応事実を書いてあるつもりだが間違ってたらすまん
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愛知県は天下のトヨタはじめ製造業が超強い土地柄なんだけど、
(INAXとかカゴメとか日本ガイシとか日本車輌とか)
五大老のリスト見ればわかるように、製造業が1つも入ってない。
特にトヨタは、本社が名古屋市内に無いこともあって五大老から激しくつまはじきされてた。

そういうわけで、トヨタは反中日新聞で、親朝日新聞だった。
(その所為か、自分が高校生ぐらいの頃は朝日は愛知県では地元紙扱いだった。
今はすっかり勢力が衰えちゃったけど)

セ・パが分裂した頃、
「朝日新聞社を名目オーナーに、名古屋にパリーグの市民球団を作ろう」て
運動があった。
ところが、中日新聞社が五大老の力を借りてこれを潰してしまった。
経営戦略としてライバルを潰しにかかるのは当然…とは言え。

ちなみに、当時中日新聞社は読売新聞と提携していた。
(だから読売は80年代まで名古屋に進出してこなかった。)
で、読売新聞が日テレ系列局を作ろうと名古屋テレビを設立した。
中日新聞はライバル社がテレビ局作るのをことごとく潰してきたのだけど
(典型例が岐阜放送。本来朝日系の中京広域県局になるはずだった。)
名古屋テレビは読売系ということで妨害しなかった。
けど名古屋テレビは経営上の理由からNET(現:テレビ朝日)との
クロスネットになった。
その後UHF局が一斉開局になって、名古屋には中京テレビが出来ることになった。
筋からいえば、名古屋テレビが日テレ系単独ネットになって、
中京テレビがテレ朝系になるはずだったのだが、
名古屋テレビの筆頭株主だったトヨタが「朝日でなきゃいかん」と言って
名古屋テレビは読売資本なのにテレ朝系になってしまった。

CBC(中部日本放送)は、その名の通り中日新聞(元は中部日本新聞)の直営局として
設立されて、当初は日テレとTBSのクロスネットだった。
しかし当時はTBSが圧倒的に強かったので、CBCはJNN協定もあって
TBS単独ネットになった。
これに機嫌を損ねた中日新聞は、この後東海テレビ/東海ラジオの方に肩入れするようになった。
それでも中日戦の中継権はCBC・東海で半々で分け合っていたのだが、
CBCが毎日新聞に接近した為に資本引き上げ、
さらに中日戦の中継権を奪い取ってNHKやテレビ愛知に割り振ってしまった。
ただ、CBCはCBCで独自にブランド力を築いており、
さらに中日新聞が東京進出(東京新聞)したのをきっかけに読売新聞が
中日新聞社との提携を解消して名古屋に攻め込んできた為、
結局中日新聞側が折れてCBCは中日戦の中継権を取り戻した。
この件もあってか、中日新聞はTBS・毎日新聞と少し仲良くなり、
後のMXTV開局に繋がっていく。
(MX開局にはTBSが全面協力しており、開局前にはTBSでCMが流れるほどだった)

中日直系となった東海テレビ/東海ラジオは、やはりトヨタと仲が悪く、
日産がスポンサーである人気看板番組の公開収録を栄地下街の広場で毎週行うなど、
トヨタへの挑発行為を続けていた。

トヨタと五大老・中日新聞は犬猿の仲のままだったが、
国鉄民営化でJR東海が誕生したことで、情勢が若干変化。
それまで五大老の一角である名鉄憎しから徹底的に反鉄道だったトヨタが
軌道修正して、JR東海とは経営陣が頻繁に交流するようになった。
その後Jリーグがスタートして、トヨタは名古屋グランパスの筆頭株主になったが、
中日スポーツはグランパス徹底無視の編集方針を採った。
(代わりに、朝日系の日刊スポーツがグランパスを積極的に取り上げた)
逆に、静岡の中日系局であるテレビ静岡を清水エスパルスの筆頭株主にして、
グランパス潰しを謀った。
グランパスの本拠地だった瑞穂運動場は人工芝すら無い雨が降ると池状態になる
酷いグラウンドだったが、一向に整備されなかったのも五大老・中日の圧力だと言われる。
(結局グランパスは、トヨタのお膝元である豊田グラウンドに事実上本拠地を移した)

一方、当時中日球団の本拠地だったナゴヤ球場の最寄り駅は
名鉄ナゴヤ球場前駅(現山王駅)だったが、JR東海がJR貨物の路線と設備を借りて
ナゴヤ球場の目の前にナゴヤ球場正門前という臨時駅を設けて、
中日戦開催日だけ名古屋駅から臨時列車を走らせるという行動に出た。
これに対し、名古屋経済界は即座に大曽根の三菱工場跡地にナゴヤドームを建設し、
わずか数年で完成させて中日球団の本拠地を移してしまった。
(但し大曽根は元々国鉄の駅前街なので、一概にJR潰しとも言えないが)
ちなみにナゴヤドーム計画にトヨタは一切関与せず、代わりに三菱の支援を得た。

その後、金融危機で東海銀行は三和銀行に吸収(UFJ銀行)され、
名鉄は岐阜-豊橋間の路線競争でJR東海にボロ負け、
松坂屋もJR東海が名古屋駅に作った高島屋に押されて衰退、五大老の威光は崩壊した。
当時計画されていた愛知万博・中部空港計画は、激しい反対運動があったこともあって
頓挫状態になり、愛知県が共産県政になる一歩手前にまで追い込まれた。
中部経済界はやむなくトヨタ・JR連合に頭を下げて、
中部空港はトヨタが経営、愛知万博もトヨタ・JRが前面に立って運営することになった。
(但し、中部空港には名鉄の他にJR武豊線を電化・延伸して乗り入れさせる予定だったが、
JR東海は結局手を付けなかった。)

中部経済界の主導権を握ったトヨタは、名古屋回帰路線に転じて
東京本社の機能を名古屋駅前に移転することを決定。
老朽化していた毎日新聞中部本社ビルに目を付け、買い取りを持ちかけるが、
毎日新聞は売却を拒否し、代わりに新高層ビルの共同経営を提案した。
こうして出来たのがミッドランドスクエアである。
(なので、ミッドランドスクエアの地主は毎日新聞社である。)

この経緯もあって、トヨタは朝日新聞から毎日新聞にシフト。
トヨタの後ろ盾を失った朝日新聞は愛知県での勢力を一挙に失い、
結果愛知県の現在の新聞販売数は中日新聞が圧倒的シェアを握っている。
一方毎日新聞は、中京圏での自前販売店を全面撤退させて中日新聞販売店に委託させている。
(元々中京圏のシェアは低く「新聞は副業」というのが毎日新聞中部本社の実態だった)

ただ、中日新聞とトヨタが和解したという話は聞かない。

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ちなみに現状を補足しておくと
TPPに関して、トヨタは推進の旗振り役であり、安倍首相がTPP交渉参加を決めた際にはトヨタの社長に直接報告したくらいである。
なので、トヨタと組んでいる毎日新聞も当然TPP大賛成である。

一方の中日新聞は反TPP派の急先鋒。最近は共産党と仲がいいらしい。

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だからアメリカは、一度沖縄から叩き出すべきだと思うんですよ


 普段、自分は昼休みは飯食って株式市況見たらさっさと寝てしまうのだが。今日は飯食いながら持参ネットブックでこの文章書いている。怒りでとても寝てなんかいられない。
 
 怒りの原因は、これである。
 
 沖縄タイムス:メア氏、9条盾に米軍駐留を正当化
 
 記事タイトルだけ見ると「まーたアメ公がふざけた事言いやがって」程度のものに思えるが(とは言えこれ自体問題発言であることに違いはないのだが)、実際の発言内容を見ると、「よくもまあそれだけいい加減なことを」という、とんでもない内容である。
 
 特に酷いのが、「離婚率と出生率(特に婚外子)が最も高く、アルコール度数の高い酒を飲む文化があり、飲酒運転の比率も高い」ので「沖縄はごまかしの名人で怠惰」だとする部分である。
 確かに離婚率も出生率も高いし、泡盛はアルコール度数高いけど。それを理由に怠惰とか、どういう理屈か。
 
 つーかさ。
 
 アメリカ、てめえにだけは言われたくねえよ!!!
 
 愛知出身で、琉大出て沖縄には結局数年住んだだけで、今は不本意ながら実家に舞い戻っている自分が、沖縄県民の心情とか語るのは烏龍がましいかもしれないが。しかし、これはさすがに看過できない。
 
 
 沖縄県議会は、今朝速攻で、全会一致で抗議決議をしたそうだが。当然の反応だろう。これはもう、保守とか革新とか関係ないし。
 
 
 アメリカ(というか正確には米軍)は、第2次大戦後から1972年の沖縄返還まで沖縄を統治していたが、文献によればそれはもう酷い統治だったと聞く。差別意識から来るものもおそらくはあっただろう。
 それからもう40年経つわけだが、アメリカの沖縄に対する意識は、結局未だに変わっていないということだ。
 これでは、法も条約も踏みにじって、米兵が我が物顔で沖縄島内で暴れ回るようにもなるだろう。
 
 
 ちなみに、沖縄県民は怠惰か、と問われれば、私個人としてははっきりと「否」と答える。
 私の知っている沖縄県民の中で、「こいつ怠け者だな」なんて思えるのなど一握りしかいないし、その程度なら本土にだっている(むしろ、本土の方が酷いようにすら感じる)からだ。
 
 
 過度な基地負担を押しつけられたあげく、こんな侮辱まで受ける。何故沖縄ばかりこんな目に遭わなければいけないのか。
 善良なる日本国民の皆さん、一度真剣に考えてみて欲しい。
 
 
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沖縄県知事選総括


 「総括」なんて言葉を使うと、またイデオロギー先行とか言われるのだろうか。(負け犬の皮肉)
 沖縄県知事選から一ヶ月が経とうとしている。正直、総括なんて全然出来ていないのだが、いくらなんでも一ヶ月超すのは良くない気がするので、とりあえず今まとめられることだけ書いておく。
 さて。まとめと言っても、とにかく今自分の所に入ってくる情報といったら、琉球新報と沖縄タイムスのWeb版ぐらいなもので、ろくな情報が入ってこない。よって、正確な判断が出来ない。というのが正直なところである。
 (愛知県図書館まで行けばタイムスの本誌は閲覧出来るが、微妙に遠いし。それに何故か新報は置いてない。)
 なので、分析や見解は、あくまで「荒野草途伸個人の行動」に付いてのみに限定する。まあ、元々が「荒野草途伸が勝手にやっていること」だったのだから、そもそもそれが順当な行動なのであるが。
 さて。荒野草途伸は今回、「Wiki」という手法を使って、伊波氏の政策を沖縄県民に訴求・浸透させようという策を取った。出来れば、自分以外外の複数の人間(場合によっては仲井眞派や金城派の人にも)に参加して貰って、ドキュメント群を構成していこうと考えていた。
 だが。そもそもこの手法は正しかったのだろうか。
 既に帰沖中に過去の同僚に指摘されていた事なのだが、「Wikiって敷居高くないですか?」と言われた。
 自分は、Wikiなんて基本テキスト打つだけで、整形もHTMLに比べれば遙かに簡単なのだから、そんな敷居高いなんて認識は全く無かった。が、結果は「参加者0」という過酷な現実である。閲覧数自体は決して少なくなかったにもかかわらず、である。
 ちなみに指摘した彼は、SEとして熟練している人であり、Web関係の知識・意識は一般人よりは高いはずである。その彼が「敷居が高い」と言っているのだから、この時点で対策を考えるべきだった。
 次に、アクセス者である。今回の知事選では、荒野草途伸の打つ手は何もかもが後手後手に回ったのだが、特にアクセス解析を本格的に始めたのが投票日1週間前というのは遅すぎた。
 そして、その解析の結果「アクセスの大半が沖縄県外からのものである」という衝撃的な事実が判明した。
 「沖縄の抱えている問題を県外の人に知って貰う」という観点から考えれば、これは決して悪いことではない。それもこのWikiの開設目的の一つでもあるのだから。本土人の沖縄に対する無知・偏見は時として本当に驚くべきレベルの場合がある。どこのクソウヨに吹き込まれたのか知らないが、「薩摩は琉球を侵略などしてない」等と言い出す人間までいる始末である。(ちなみにこの人は、沖縄に敵意を持っているわけでは決して無い。本当にただ、間違った知識を吹き込まれてしまっているのである。)
 そういう意味で、「正確な事実」をWikiのコンセプトにしたのは正解であった。
 だが。沖縄県内からのアクセス数がWiki全体の1/3を切っているというのは、ちょっと衝撃的であった。沖縄県外の人間で、沖縄に関する文書を作成出来る人など、限られている。つまり、文書編纂者が確保出来ないということだ。
 いづれにせよ、文書作成者を募る、という意味では大失敗であった。 
 というか、そもそも「文書作成者」を募る、という手法が正しかったのか、考え直さなくてはならない。
 あと、個人選挙運動という意味では、客観情報を前提にしたWikiに力を入れすぎて、自分が好き勝手にモノが言えるBLOGに力を割く余裕がなかったことが反省点である。
 自分としては、「経済の仲井眞」に対抗して「ITの伊波」を売り込んでいき、その上で「『経済の仲井眞』は実は虚構である」という主張を展開・浸透させられれば余裕で勝てる、と踏んでいたのだが、全然うまくいかなかった。
 BLOGに上げた2文書はそれなりのアクセスがあったが、どうせ本土からのアクセスが大半だろうし(こちらは解析タグを付けていなかったので正確には不明だが。よく考えたら付けることは可能だった。)。中には、明らかに勘違いした本土人のものと思われるコメントもあったし。
 とにかく。政治も選挙も素人な人間が、一人で何かやったところでうまくいくはずがなかったということだ。
 本来であれば伊波選対と緊密な連絡を取った上で、連携して運動を展開していくべきだったのだろうが。しかしそうなると、荒野草途伸が伊波選対の選挙運動員と見なされて公選法違反で摘発されてしまう恐れがあった。
 ぶっちゃけ、自分は逮捕覚悟でやっていた(法廷で争いたいこともあったし)から問題無いのだが、伊波氏や伊波選対にまで累が及ぶようではさすがに困る。ので、伊波選対からは完全に分断した形で独自行動を取っていたのだが。結局、そういうのはうまくいかないということが証明されたわけだ。苦い教訓である。
 しかし、公選法といえば、Wikiの触法性について、愛知県選挙管理委員会に事前に問い合わせていたのだが。2ヶ月以上経つ現在に至るまで、何らの回答も無い。
 別に沖縄県知事選について訊いたわけではなく、あくまで一般論として「こういうWebサイトを作るんだけど、問題無いか?」と、訊いたはずなんだが。まさか完全無視とは思わなかった。これは明らかな職務怠慢ではないか。
 愛知県だって、2月に知事選があるから、決して他人事じゃないはずなのに。
 まあ、愛知のことは脇に置いとくとして。沖縄県の4年間が仲井眞氏に託されたのは事実なのだから、しっかりやって貰いたい。
(落選後、菅首相が訪沖した際に、伊波氏がTwitterで仲井眞氏にエールを送っていたのにはちょっと感動した。自分はここまで人間出来ていない。)
 特に経済政策について、BLOGで指摘した2事項(大学院大学DFS)は、これは何も選挙の為に攻撃の為の攻撃をしたわけではなく、従前から疑問に感じていたことをこの機会に指摘したことであるから、しっかりと受け止めて頂きたい。
 …このBLOGを、仲井眞県政の関係者が見ているかどうかはわからない(つーか見てないだろう)が。
 …ただ。「仲井眞さん、本当に4年間やってくれるの?」という懸念がちょっとあるんだけどね。
 ぶっちゃけ、高齢だし。どんなに本人が元気だ元気だ言っても、常識的には引退してる年齢だし。事実1期目の途中で倒れて入院してるし。病気辞職の可能性は決して低くはない。
 そして。これは正直あまり考えたくないのだが。1998年の、当時の名護市長の「基地受け入れ表明、直後に辞任」という最低最悪な行動に走るのではないか、という懸念である。仲井眞氏がこんな無責任なことをする人だとは思わない(というよりむしろ、県外移設は本音だろう)が、前例として存在する以上、可能性としては0ではないと思っておくべきだろう。
 なんにしろ、4年を待たずに知事選が行われる可能性は充分にある。そしてそのときには、伊波氏には是非再チャレンジして貰って、そして勝って貰いたい。
 その為にも、今自分が出来ることを着実にやっていかねば。…でも、何が出来るんだろう? とりあえず、Wikiは「公約」通り継続するけど。
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やっぱり俺が応援するとダメなのか


 「荒野草途伸が支援する候補は7割以上の確率で落選する」
 このジンクスは、悲しいかなまたしても発動してしまった。
 報道を見ての通り、荒野草途伸の支援していた伊波洋一氏は、4万票の大差で落選してしまいました。
 まさか、30万票も届かないとは。
 政策をきちんと比較してもらえれば絶対当選出来ると踏んでいたのだけど、結局浸透出来なかったという事なのか。
 NHKの調査によると、無党派層は仲井眞4割伊波6割だったらしい。経済政策の現実性をちゃんと理解してもらえれば、無党派7割は取れると見ていたし、実際にそれが取れていれば当選出来ていたはずなのだが。理解してもらえなかったのだろうか。
 結局、「経済は仲井眞」という虚構のブランドイメージを崩せなかったという事か。
 いや、夕方頃から何となく嫌な予感はしていたので、思ったよりショックは少ないのだが。しかし不機嫌なのは間違いない。
 また自民信者共が驚喜しているかと思うと、腹立たしくて仕方がない。
 ぶっちゃけ、「沖縄県民は愚民か!」と叫びたくなるくらいだ。いや、7月の参院選の結果と比べれば、沖縄県民だけを悪く言う事は出来ないか。日本人全体が愚民化している、というより元々そんなに賢くなかったという事か。
 とりあえず、今夜は不貞寝だ。そうする以外無い。
 あと、「いはよーいちうぃき」は、当初の宣言通り、消さずに残します。伊波氏が今後どうするかは全く解らないけど、もし4年後に知事選に再チャレンジするなら、その為の火種として残しておこうと思う。
 総括には、多分一週間はかかるだろう。書くべき事はいっぱいあるので、時間がかかってもこれは必ずやる。
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沖縄振興策を斬ってみる~2.DFSギャラリア沖縄~


DFSギャラリア沖縄とは、那覇市のおもろまち駅前にある、某世界資本が出資している観光客向け巨大免税店のことである。
(参考:Wikipedia「DFSギャラリア・沖縄」)
自分が記憶している限りでは、これの構想が出たのは自分が福岡勤務している時代だったので、2000年~2003年ぐらいの間だろうか。朝日新聞福岡版の片隅に小さく、「自民党の地方議員が沖縄にブランド品の免税店を作ることを企画している」というようなことが書かれていた。
この記事を見た時自分は、「何てバカな事を。て言うかこんなアホな企画実現するわけねー」、と思った。
ところが。数年後、沖縄での働き口が見つかって、転居したところ、それは実在してしまっていた。しかも、那覇新都心の中心駅の駅前という超一等地を全占拠する形で、である。
これを見た時、自分は文字通り開いた口がふさがらなかった。
ではここで、DFS沖縄の何が問題なのか、それを列挙してみよう。重要性は敢えて低い順に挙げていく。
まず、「県外の人間しか使えない」という点である。この点は県内の人間でも航空券さえあれば利用出来るように改善されたらしいが、それも最近の話である。どのみち航空券がなければ使えない。
免税店という性格上そうせざるをえないということなのだろうが、結果としては「沖縄県民にとってメリットがない」施設という事になる。
道の駅の成功例でわかるように、観光客にとって使いやすい施設というのは、地元の人間にとっても使いやすい施設なのである。沖縄の事例で挙げれば那覇の公設市場も該当するだろう。地元の人間を排除した施設など、はっきり言って論外である。
次に、「ブランド品しか置いてない」という点である。これは運営会社の方針なのかなんなのか知らないが、普通の人間は買わないような高級ブランド品しか置いていない。
「免税価格でブランド品を買う目的で沖縄に来る人を呼び込みたい」という思惑があるらしいが、はっきり言って甘いと言わざるをえない。何故なら、そういうブランド志向を持った人間は「旅行先」にもブランド価値を求めたがるからである。どうせ旅行に行くならニューヨークやパリに行きたい、とその手の人なら考えるだろう。
そして。そういう指向を持たない、言い方はまずいかもしれないがまともな人間なら、旅行に行ったら「現地のお土産」が欲しいと思うものである。
何が悲しくて、沖縄に来てまでグッチやシャネルを買わないといけないのか。
それでも万一、たまたまDFSまで来て、ブランド品を買う人間がいたとしよう。実は、これこそが最大の問題である。
簡単な算数のお話だ。お土産を買う予算には上限がある。そこで、DFSでブランド品を買ってしまう。当然、残金は減る。ホテルや飛行機代は後から減らすことは出来ないので、そうなると、地元産のお土産品を買う予算を減らす、ということになってしまう。
この「予算には上限がある」という点が大事なのである。
少し個人的な話になるが、1995年に琉大に入って沖縄と関わって以来、大なり小なり違和感を感じていたことがある。それは、沖縄の人は、どうも本土の人間(特に観光客)はみんな金持ちだと勘違いしているのではないか? ということである。(無論全ての沖縄県民がそうだと言うつもりはない。)
実際には違う。殆どの観光客は、なけなしの金とまではいかなくても、それなりに苦労して蓄えたお金を使って、沖縄に旅行に来ているのである。中には、うなるほどの金と暇を持った人間もいるようだが、そんなものは例外中の例外と考えなければいけない。
お土産予算には上限があるのだ。
その限られた予算の中で、出来るだけ県産品を買ってもらわなければいけないのである。それなのに、DFSはその県産品を買う予算を奪い取っているのである。
最後に。立地の問題である。冒頭で触れたように、DFS沖縄はおもろまち駅前という、那覇新都心の中心駅の、駅前のほぼ全てを占領して建設されている。
これが、観光客の玄関口である空港の近くに設置されていれば、自分もここまで文句は言うまい。だが。新都心という場所に置いたことで、県外の人間にとってもメリットが薄くなっている。わざわざモノレールで20分もかかる場所に置く意味が、どこにあるのだろうか?
そしてそれ以上に重要なのが、土地活用の発想というか、基本である。駅前の一等地と言ったら、商工業住宅を問わず、何にでも活用出来る、使い方次第でいくらでも金の成る木に育てることが出来る土地である。中学校、否小学校の社会科レベルの話である。
そこを、地元住民が事実上使えない、観光客専用施設が丸ごと占領している。
常軌を逸しているとしか思えない。
こんなものは観光立県政策でも何でもない。無知蒙昧、恥さらしの象徴である。「沖縄の政治家はこんなにおバカなんですよ~」と県外に広く喧伝しているようなものである。
ではDFSはどうするべきか。建物は既にあるのだから、いくら無駄な施設だからと言ってわざわざ壊してしまうのも勿体ない。また、今DFSで働いている人の雇用の問題もあるだろう。
一つの案として、全くの私案であり一笑に付してもらってかまわないレベルであるが、こんな活用法はどうだろうか。
扱う品物を、沖縄の県産品を中心に、沖縄周辺の、鹿児島や奄美、台湾、上海といった物産を集める様にする、という風にしてはどうか。農産品・工業製品は問わない。書籍でもいいだろう。
あくまで一案であり、最良の案だとは思っていない。みんなで良い案を持ち寄るのがよいだろう。ただ、とにかく、施設のあり方は「沖縄中心」という発想に改めるべきだ。沖縄県民も自由に利用出来るようにするのは言うまでもない。
「免税」にこだわる必要はないと思うが、どうしてもこだわりたいのであれば秋葉原のように「観光ビザを持っていれば免税」という手段もあるだろう。
と、とりあえずDFS批判はここまでである。
正直、ここまでの言い方をするつもりはなかったのだが、仲井眞陣営は伊波陣営の政策を大パクリしているくせに、どこぞのアホ保守市長が「伊波陣営はイデオロギー先行だ」とかふざけた事をのたまったようなので、頭にきてやった。
反省はしてない。

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沖縄振興策を斬ってみる~1.沖縄科学技術大学院大学~


自分のBLOGや個人ページ全体が、日本社会や沖縄社会に与える影響というのはどのくらいのものなのだろうか。…いやまあ、アクセス数を見れば一目瞭然だとは思うのだが、以前与那国島の防衛問題について書いた(参照)ら半年もしないうちに与那国町で自衛隊誘致運動が起きてしまったことを考えると、つい勘違いをしたくなってしまう。
とりあえず影響力云々は脇に置いといて、従前から疑問に感じていた「沖縄振興策」2点について、今回の沖縄県知事選をきっかけに意見を発信してみようと思う。
1回目は、「沖縄科学技術大学院大学」である。
自分の記憶に間違いがなければ、稲嶺県政の初期頃に自民党の議員が発案して、「沖縄絡み」という事で十分な検証もされずにそのまま事業化されてしまって、当初はITや精密機械も研究科に加える予定だったが、結局予算不足になってしまい当時もてはやされていたバイオ分野1点に絞って、正式な開学はしていないが、恩納村に敷地を造成し研究者も募集中、という状態だったはずである。
仲井眞弘多現知事は、この大学院大学を足がかりに、沖縄をR&D(Research and Development、要するに研究開発)の拠点にしたい、という「夢」を持っているようである。この夢自体は、決して悪いものではない。実現出来るなら最高である。
だが。果たして実現可能だろうか?
まずイの一番に挙げたいのが、「育成された研究者はどこへ行くの?」という問題である。
沖縄科学技術大学院大学では、世界中からトップレベルの研究者を集め、授業は全て英語で行うとしている。もし実現出来れば、確かに優秀な学生が育つことであろう。
だが。その優秀な学生は、一体どこに就職するのであろうか? 沖縄に定着してくれるのだろうか? もっと踏み込んで言ってしまえば、「年収300万も払えないような沖縄の企業が、こんな優秀な学生を雇えるんですか?」という疑問である。
優秀な人間であれば、それに見合った報酬を求めるのは当然である。日本人はそういう意識が低いからあまり実感が沸かないかもしれないが、外国人はこういうところシビアである。そして、沖縄科学技術大学院大学は世界中から優秀な学生を集めることを視野に入れているのだから、当然彼らの視点にあわせて進路も考慮しなければいけない。
アメリカや中国の企業が高報酬を提示すれば、当然そっちに人は流れる、と考えるべきだろう。
結局、2年間沖縄で学んだだけで素通り、沖縄には何の実もない、ということになりかねない。否、むしろその可能性の方が大きい。
あとは、「バイオ分野って実は基本特許の殆どを既に欧米の企業が押さえていて、今から研究をスタートさせたってやれる事なんて限られてるんじゃないですか?」とか、「そもそも世界レベルの研究者を集めるなんて出来るんですか?」とか、そう言ったところだろうか。まあ、些細と言えば些細だが、しかし重要な問題ではある。
ここで、もう一つの問題点を挙げたい。オカネの問題、日本政府から分捕る予算の話である。
これまでは、「沖縄絡み」ということであればほぼ何でも予算がついた。理由は様々だろうが、そこを議論するつもりはない。過去の話だからだ。
問題は現在である。日本政府の財政は火の車である。実際には10年以上前から火の車だったのだが、まともに取り組んだのは橋本内閣(ちなみに自社さ連立政権であった)ぐらいで、後は結局民主党に政権交代するまで殆ど手つかずにされていたと言っていい。
その是非をここで議論するつもりも無い。また別の話だからだ。要は、「日本政府はもう簡単にお金を出してくれないよ。沖縄も例外じゃないよ」ということである。
事実、「事業仕分け」でこの沖縄科学技術大学院大学もやり玉に挙げられているのである。
結局、沖縄科学技術大学院大学の予算は、温存ということになった。だが。これは果たして正解だったのだろうか?
「大学院大学の予算つけたんだから、他の予算はいいよね」という理屈で、本当に沖縄にとって必要な予算を削られる結果になりはしないだろうか。
他の予算を犠牲にしてまで、オカネを分捕るだけの価値が、果たして沖縄科学技術大学院大学にあるだろうか。私は、無いと思う。
もし「大学院」にこだわるのなら、作るべきなのはむしろ社会人向け大学院ではないだろうか。
今沖縄に必要なのは、沖縄に居着くかどうかわからない一握りのエリートなどではなく、沖縄に愛着を持っている優秀な中堅集団だと考えるからだ。

(現在の県の制度でもITOPといった社会人教育プログラムは確かにある。が、前の会社でこれの担当をしていたからわかるのだが、これらの制度は個人単位での利用が事実上出来ない上に、企業側からの申請や事後手続きが非常に面倒くさく、教育制度として充実しているとはとても言い難い。)

どうせ予算獲得するなら、そういった中堅教育の方面での予算獲得を目指すべきであり、費用対効果の薄い沖縄科学技術大学院大学はもうあきらめるべきである。
確かに、「沖縄科学技術大学院大学」の方がインパクトはあるし、格好いいように見える。だが、見た目の派手さに惑わされてはいけない。今、沖縄に何が必要で、そして何が出来るのか。そういう事を現実的に考えなければならない。
そして、以上を踏まえて知事選の話、いきなり飛躍するが全体的な政策の話に移すと。仲井眞氏の政策は夢や願望ばかりで、現実味がない。伊波氏の政策の方が、地味だが確実であると言える。
嘘だと思うなら、両者の政策をきちんと比較検証してみると良い。
さて。次回は、「DFS」について斬ることにする。

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変化を受け入れられる人間が最後には勝つんだろうね


 一年ぶりの沖縄は、何も変わっていないように見えてしかしその実、少しづつ何かが変わっていた。
 何もかもが変わらずにはいられないです。(古河渚)
 その中でも特に衝撃的だったのが、ローソン琉大北口店である。
 日常の愚痴に書いてあるのだが、荒野草途伸はかつてローソン琉大北口店でバイトしていた(参照)。どうでもいいが、鍵の世界にはまりこんだのもこの時期である。
 その当時の琉大北口店のオーナーはUさんという男性だった。その奥さんが店長を勤めるという体制だった。
 いろんな意味でお世話になった。警察とか。
 そのローソン琉大北口店が、移転していた。ライバル店であったココストア琉大北口店(当時はホットスパー)の場所がローソン琉大北口店になっており、元ローソン琉大北口店があった場所は空き家になっていた。
 最初はそれを見たとき、ついにココストアがローソンに破れたのか、と思った。
 久々に来たことだし、ちょっと覗いてみて、もしオーナーか店長がいたらちょっと挨拶でもしていこうかと思い、店内に入った。レジに丁度、「オーナー」の札を掲げた人がいた。しかしその人は、Uさんではなかった。
 「?」と思い、「ここのオーナーって、Uさんという方じゃなっかですか?」とその人に訊いてみたところ、「ここは半年前までココストアだったんですけど、ローソンに変わって店名も引き継いだんですよ」ということだった。
 つまり、実態としては、無くなったのは「ローソン琉大北口店」の方であって、「ココストア琉大北口店」の方が生き残った、と言うことになる。いや、これが正確な表現かどうかわからないが。
 とりあえず、現ローソン琉大北口店のオーナーさんは、Uさんのことは全くわからないという。
 自分が勤めていた当時から「何か別の事業をしたい」と言っていたし、別の業種に転業したのかもしれない。もしかしたら、店自体は残っていたが、オーナーはとっくの昔に変わっていた可能性すらある。その辺は全くわからない。なにしろ、就職して以来一度も足を運んだことはなかったから。
 バイトと言えば、当時琉大東口にあった赤マントという店(ここは1998年に店をたたんでしまった。参照)のTさんというオーナー店長も、当時のバイト仲間も、全く音信不通である。当時は、メールはおろか携帯すら普及していない時代だったから、連絡先の交換とか出来なかったんだよね…。
 そんなわけで、ちょっとセンチメンタルな気分になってしまった琉大訪問だった。ちなみに琉大自体も、生協とか学生会館あたりが昔と変わっていた。
 教官の話によると、自分たちの世代と今の学生では、ずいぶんと違うらしい。良くも悪くも、とんがってないのだそうだ。琉大と言ったら、異色の学生が多いことで全国的にも有名だったのに…。
 まあ、それが時代の流れというものなんだろうね。寂しいけれども、仕方がない。
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「いはよーいちうぃき」開設


 10/17付け文書で、沖縄県知事選に関しては何も動かない方が得策なのかなあという事を書きましたが、やはりどうやら自分は「何かせずにはいられない」という性分のようで、独断で動いてしまうことにしちゃいました。
 そんなわけで、こんなものを作ってみました。
いはよーいちうぃき
 「元宜野湾市長・伊波洋一氏の情報を中心に、沖縄県知事選や沖縄に関する正確な情報を集めていこうという、荒野草途伸の個人コンテンツの一つ」(めんどくさいからWikiよりそのまま引用。て言うかどっちみち自分の文章なんだけど)です。
 とりあえず、自力で更新していく事になると思われますが、もし編集に参加したいという方がいたらそれはもうウェルカムです。(但しwikiのルールは守ってください)
 (ちなみにこのwikiの開設に際して、選挙管理委員会に問題無いか問い合わせを行ったのですが、返信が無いため「黙認された」と見なして開設に踏み切りました。)
 あと、一応「正確な情報」という大義名分を掲げているので、事務所への取材とかもしたいのだけど…。難しいかなあ。
 とりあえず、何でもいいから情報をプリーズ。
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選挙立候補者への政治献金は税金控除の対象になるって知ってました?


 先日お伝えした伊波洋一氏への、ネット献金の準備が出来たそうです。
 
 楽天政治:伊波洋一
http://seiji.rakuten.co.jp/syllabary/info/%E4%BC%8A%E6%B3%A2%E6%B4%8B%E4%B8%80/001895

 情報としては、こんだけなんですが。銀行口座とか示さず敢えてネット献金に絞っているあたりが、IT通の伊波氏らしいです。
 …でもこの楽天ネット献金、使えるカードが微妙に狭いんだよなあ。楽天グループ企業への利用誘導が露骨だし。まあ、楽天ってそういう会社なんだけどね。でも、政治関係ぐらい、もうちょっとパブリックな視点で行こうよ…と思うのですが。
 まあ、国会議員への献金しか受け付けていないYahooよりはましなのかもしれませんが。
 て言うか。沖縄が普及率日本一なEdyで献金できたらもっとよかったのにナ。ブラウザがIEオンリーになるからそれを嫌ったのか…。いや普通にシステム構築がとても間に合わなかったってだけか。
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琉大物理学科というのは沖縄で結構な一大勢力になってると個人的には思うわけです個人的には


 ニュース的にはもう今更かよという話ですが、宜野湾市長の伊波洋一氏が11月の沖縄県知事選への出馬表明をしました。
 伊波洋一オフィシャルサイト
 http://ihayoichi.jp/
 この伊波洋一氏、くさちんにとっては琉大物理学科の先輩に当たるのです。先輩と言っても、学部再編前に卒業した方で、大をつけなきゃいけないレベルの離れようですが。
 とは言いつつ、おなじ物理学科の同窓生である事は間違いありません。物理学科の同窓会でも、二回ほど顔を合わせた事があるのです。…しまったなあ、名刺交換、しておけばよかった。とはいえ、当時勤めてた会社はもう退職しちゃったから、どっちみち意味無いんだけど。
 そういうわけで。今回くさちんは伊波洋一氏を全面支援します。もちろん、ただの先輩だからというだけでなく、左派の立場からというのもありますけど。
 この人がそのうち知事選に出る事はわかっていたので、そのときは手弁当で駆けつけるつもりでいたのですが。予期せず沖縄を離れて実家に帰る事になってしまったので、残念ながらろくな支援活動ができません。
 公式サイトにモバイルサイトの案内がなかったので、「もしモバイルサイト作るだけの人手が足りないならお手伝いしますよ」と申し出たのだが、「モバイルサイトはあります」という返事がきました。どうやら自分の出る幕はないらしい。
 まあ、宜野湾市の行政システム導入の旗振り役やってた様な人だし、その辺で抜かりがあるわけ無いか。
 て言うか、なんか最近自分の応援する人とか勢力がことごとく負ける傾向があるので、支援とかせずむしろ大人しくしてた方がいいのかなあ。最萌とか。最萌とか。最萌とか。
 とりあえず、ブログのランキングは上げたい様なので、せめてその辺で協力しよう。
 新しい沖縄へ。伊波洋一
 


 ついでに、関連団体のリンクも張っておこう。…なんか、2年前に調べた時より、ずいぶんサイトが充実したなあ。
 日本共産党沖縄県委員会
 沖縄社会大衆党
 社民党沖縄県連合
 しかし、現職の仲井間知事も東大工学部卒だし、今回は理系対決という事になるんだなあ。喜納昌吉が出てくるんだったらまた話が変わってくるけど。
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