日別アーカイブ: 2017年4月17日

うるまちほー


 うるまちほーはですねえ。行政的にはうるま市というのですけどね。元は具志川市と石川市、与那城町、勝連町の4市町に分かれていたんですねえ。

 本土の合併市町村にもありがちなんですが、地域主義の非常に強い土地柄で、逆に保革だ左右だ自共だとかそういうのは割とどうでもいいという人が多い土地柄なんですねえ。地域主義が強いので、旧市町ごとの対立意識というのも結構ありましてですね、まあ与勝は割と仲が良いんですが、具志川と石川は仲が良くないらしいんですねえ。
 何故かというと具志川としては元々別に合併何かしなくても十分やっていけたし、それどころか埋め立て地が工業特区として沖縄随一の工業・研究施設地帯として結構栄えているんですねえ。昔は南の沖縄市や北の旧石川市が担っていた本島中部の行政機構も、最近は旧具志川市に移設される施設が結構目立ちますねえ。高速道路が通っていないので本土からの観光客には余り馴染みの無い土地ですが、人口も産業も割と栄えてる場所なんですねえ。
 一方で旧石川市はですねえ、沖縄戦の時の米軍上陸地点になったこともあって、復帰前は米軍の統治施設や関連産業があって割と栄えていたんですけど、復帰後は特にこれといった産業もなくてですねえ。どんどん財政的に苦しくなっていったんですねえ。それで、国や県の方針で、具志川市が石川市を救ってくれという話になってですねえ。でも具志川市としては折角繁栄し始めたのに一人で石川市の面倒を見るのは嫌だということになってですねえ。それで、お隣の与勝も一緒になりましょうという事で、県がまとめたんですねえ。

 与那城町と勝連町は、勝連城跡という古城跡のある与勝半島を南北に分けていた町で、何で分かれてたんだろうと不思議なくらい一体感のある地域なんですねえ。
 与勝半島の周辺には結構有人島が散らばってましてですねえ、南側にある津堅島は甘みのあることで有名な津堅にんじんの栽培地なんですねえ。この島は旧勝連町に当たるんですねえ。勝連町の東端、まあ与勝半島の先っぽとほぼ同じなんですが、そこには沖縄最大の米海軍基地であるホワイトビーチがあって、太平洋艦隊所属の原子力潜水艦の整備をここでやってるんですねえ。表向きは入港時はSLBMは積んでいないことになってるんですねえ。佐藤栄作にノーベル平和賞を取らせる為にそういう話になったんですねえ。
 
 北側には復帰直後に作られた与勝半島から平安座島に延びる海中道路というのがありましてですねえ。

 何故この海中道路が作られたかというとですねえ、平安座島に沖縄石油が石油備蓄基地を作りたかったので、その工事の為にわずか1ヶ月足らずで作ったという伝説があるんですねえ。この海中道路が出来たお陰で、平安座島周辺の有人島も車で沖縄本島と行き来できるようになって、おかげで島民が乗ってる軽自動車もちゃんとナンバープレートを取得しないといけなくなったという笑い話もあるんですねえ。
 この海中道路の途中には、現在では道の駅ならぬ海の駅というのがあるんですねえ。でも船便があるわけではなくて、結局殆どの人は車で行くんですねえ。
 
 島の中でも一番北側に伊計島という島があるんですが、ここは今はあんまり人がいないんですねえ。何故人が少ないかというと、極めて政治的な話になるんですねえ。
 昔はここにリゾートホテルがあったんですねえ。なんですけど、この島々の周辺が、実は米軍の訓練空域になってましてですね、旧勝連町にホワイトビーチという米海軍基地がありましてですね、その関係もあると思うんですけどね、とにかく米軍のヘリとかオスプレイがしょっちゅう飛び交ってるんですね。しかも通常任務じゃなくて、訓練なんですね。訓練という事は当然未熟なパイロットが操縦することも割るわけでして、昨年末にはオスプレイの夜間給油訓練に失敗して挙げ句辺野古新基地のそばの大浦湾に墜落するなんて事故を起こして、退任直前のオバマ大統領の面子を潰すなんて事までやらかしてくれましたね。そういう場所ですからね、この伊計島というところにも割と米軍のヘリが不時着するんですね。普段は農地に不時着するので沖縄防衛局がカネでもみ消したりするんですが、あるときリゾートホテルのプライベートビーチに不時着してしまいましてですね。まあ、リゾートホテルではさすがに包み隠せるわけもなく、そんな危ないホテルには泊まれないと客離れが起きて、ホテルは一回潰れてしまったんですね。ですので、ホテルで雇われていた島民も失業してしまって、ただまあ、島から出ても沖縄にはホテル一杯ありますからですね、よそに再就職した結果島を出てしまって、伊計島は一気に過疎化して、伊計小学校も廃校になってしまったんですね。
 その廃校になった伊計小学校の校舎を今再利用してるのが、カドカワ、というかカドカワと合併した旧ドワンゴが運営する通信制高校の、N高等学校なんですねえ。インターネットを使った通信制高校なので、実際には伊計島には生徒はほぼいないらしいんですけどね。

 沖縄の選挙というと米軍とか安保関係が争点になりがちですけどね。うるま市の場合は、米軍基地もあるにはあるんですけど、そこまで面積を占めてるわけでもないですし、事故や犯罪を起こしてるのは市外の基地から来てるあれなので、市長選の争点として基地問題はなかなか争点にはなりにくいでしょうねえ。
 だからこそ、本土型の就労支援や保育福祉といったことを、きちんと訴えられるかが鍵になってくるでしょうねえ。少なくとも、本土側が法制度込みで時代が激変していることを理解出来る人でないと、勝つのは難しいでしょうねえ。共産党が市政をどうのこうの言ってる連中に支援されたら、そりゃあもう却ってありがた迷惑もいいところでしょうねえ。

(もとなかぐすくそんみんとうらそえしみん だった こうやくさとしおにいさん あいちけん)