DoとAction


 ”アベノミクス”なるパチモン経済政策の第二弾が発表されて、もう二週間以上になります。中身は、なんでしたっけ? 介護待機ゼロとか噴飯物のスローガンが並んでたのは覚えてるんですけど、具体的な中身がまるで無いんですよね。中身が無いんじゃ、「アベノミクスハナカミガナイ!」とスローガン叫ぶ以外に批判のしようが無いんですよね。困るんだよ。
 とは言え「いや、いくら何でも中身が無いって事は無いだろう」と中身が発表されるのをこの半月あまりじっと待ってたんですが。結局出てきたのは、3世代住宅への補助? とか。そんな程度。いや、それって自民党が固執している「伝統的家族観」とやらに助成金出したいだけと違うん? としか。

 という批判もあるにはあるのですが。それ以上に自分が憤ってるのは、「そもそも、アベノミクス第一弾の評価はどうなった?」って所ですね。


 Twitterでも言いましたが、第一弾はどういう結果だったんですか?
 いえね、「三本の矢といいながら三本目がなかなか出ない」と、安倍政権支持の識者からも散々言われてたという事実がありましてね。
 辛うじて「労働法制改革が3本目だ」という定義づけがされたらしいですが。労働法制改革って、あの悪名高き派遣法改悪案ですよね? それと、年明けの通常国会(秋の臨時国会は無くなったらしいので)で審議されるであろう残業代ゼロ法案と、解雇制限緩和。労働者の生活を不安定にする政策ばかりですね。これのどこが経済対策かと。

 とまあ、ちょっと前置きが長くなりましたが。本題は、もう少し一歩引いたところにあるのです。

 PDCAサイクル、というのを、サラリーマンなら聞いた事がある人も多いでしょう。業務改善のために必要な課程や工程を
Plan=立案
Do=実行
Check=検証
Action=反映
という4種類に分類して、これを繰り返す、というものです。

 ところが。どうも、日本人は英語力が無い所為なのかすぐ身勝手な解釈をしたがる所為なのかわかりませんが、政治でも民間でもこのPDCAサイクルは完全に守られていないようです。
 「PD」だけ実行して、延々それを繰り返している。そういう事例があまりにも多いです。
 実行(Do)した後、それが正しかったのか間違ったのか、それをきちんと検証(Check)して、次の立案に反映(Action)させる、という作業が本来必要なのに、それをしていない。だから、間違ったままのPlanを、何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も繰り返す。同じ過ちを繰り返す。

 そういう事例があまりにも多いように見受けられます。

 その典型例としてあげられるのが、前置きで出した「アベノミクス」です。アベノミクス第一弾、まあ百歩譲って「PD」までは出来たとしましょう。その後のチェック&アクションは? どこが正しくてどこが間違っていたか。ちゃんと検証した上で、第二弾とやらに反映したんですか?
 まさか、「検証はやったけどそれは『特定秘密』だから国民には公開しない」なんて言い出さないですよね?

 これ、なにもアベノミクスに限らないんです。例えば、小泉改革。あの人がやったのは、PDまでですよね。そのあと、だれかCAやったんですか? 本筋から言えば、その直後の第一次安倍内閣の仕事の筈なんですけど。チェックなんかほったらかしで、いらんことばっかPDしてましたよね。社保庁民営化とか、残業代ゼロ法案とか。

 まあ、「DoとAction何が違うの?」と訊かれると、私も英語苦手なのできちんと説明はできないですし、PDCAがきちんと普及しないのはその辺が原因かな、と最近までは思っていたのですが。
 でもさすがにCheckぐらいは中学生でもわかるだろうし、世界有数のシンクタンクと言われる霞ヶ関を擁する日本政府まで、同じような(というよりむしろ民間より酷い)過ちを犯すような有様では、これはもっと別の問題があるのかな? と。

 とりあえず、「アベノミクス第二弾」とやらは、「出し直せ、再提出」と言う他無いですね。一国民の立場からして。
 本題が殆どほったらかしになったのは、全部アベの所為だ。あ、Aってこれか-。


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