特許」カテゴリーアーカイブ

先週末春日井まつりに行った日記をblogに書こうと思ったのだが面倒になったので生成AIに任せた


 Bardとchat-GPT3.5を行ったり来たりして書かせたものである。
——

 私はお祭りに行くことがあまりない。人混みが苦手で、屋台の食べ物は高いし、何よりも打ち上げ花火の音が苦手だ。
 そのトラウマは、7年前の吉北ぽぷりさんとの悲恋の思い出によるものだ。彼女はいつも明るく元気で、周りの人を笑顔にするような存在だった。私は彼女と一緒にいたいと思い、勇気を出して告白した。しかし、彼女は別の男の子が好きだと告げ、私は振られてしまった。

 そのショックから立ち直れず、私は打ち上げ花火の音を聞くたびに、ぽぷりさんとの思い出を思い出し、悲しみに暮れてしまうようになった。

 それでも、10月22日に春日井まつりに足を運ぶことを決意した。その理由は、名鉄バスの車内放送で聞いた情報にありました。島崎信長さんがサボテンに関連したコラボを行うという情報が広まり、私はその魅力に引き寄せられた。サボテンに焦点を当てたイベント、春日井まつりは、春日井市の象徴であるサボテンを称える祭典で、特別なサボテンに関連する料理やアクティビティが楽しめる場所として知られている。

 瀬戸市は瀬戸焼きの名産地で、瀬戸物まつりはその名物を称える祭典です。私は行く予定でしたが、当日の天気予報が雨模様だったため、参加を諦めることにしました。ところが、見事に快晴だったそうです。悔しい思いをしましたが、それはお祭りの楽しみの一つですね。

 特別会場に到着すると、華やかな雰囲気に包まれ、楽しい音楽が響いていました。まず最初に試したのは、春日井のサボテンを使用した特製サンドイッチで、その一口にサボテンのユニークな風味が詰まっていました。価格も手頃で、美味しいお土産になりました。

 名鉄バス車内放送で聞いたコラボ情報の兆候を探しました。しかし、残念ながらその兆候を見つけることはできませんでした。そして、私は意外なことに沖縄県の出店が設けられていることに気付きました。その出店で販売されていたのは、チューリップという特定の銘柄の商品で、私はその風味に魅了されました。

 また、から揚げの屋台はほとんどが行列で賑わっており、から揚げの美味しさに人々が引き寄せられていました。その行列を見て、から揚げが本当に愛されていることを再認識しました。

 春日井まつりの持ち帰り品として、ホテルプラザ勝川の「おでかけプリン」、サボテンの2つ、そしてルートビアを手に入れました。これらのアイテムは、楽しい一日の思い出を永遠に刻むための素晴らしい記念品となりました。

 今回の経験は、過去のトラウマを乗り越え、新たな楽しみを見つけるきっかけとなった。お祭りやイベントは、新たな経験を積むための素晴らしい場所であり、次回の冒険も楽しみにしています。

余談

 「おじぃの好きなオリオンビール」という歌のパロディ「おにぃの好きなルートビア」を歌おうかと考えましたが、JASRACからのスラップ訴訟を避けるため、それはやめることにしました。JASRACは何もしていない個人に突然不当請求をしてくる悪の組織です。安全第一です。

——

 以上の文章は前述のように生成AIの作ったものなので、著作権はありません。
 ご自由に再利用してください。どのみち私に請求権はありません。


繰り返しになりますが、またAIの話です


 ニューヨークタイムズが、「自社の記事を生成AIの学習に利用することを禁止する、違反したら法的措置を執る」とか言いだしているらしい。
 その煽りなのかわからないが、また生成AI絡みでおかしなことを言う人が湧き出しているようなので、改めてこの件の記事を書く。

 過去に書いた記事と内容が重複する部分が多いが、ご容赦願いたい。

 まず、ざっと基礎的事項や調べた事を箇条書きにしておく。

  • アメリカでは連邦法とは別に州毎に法律を定める権利があり、ニューヨーク州にはニューヨーク州著作権法という法律が連邦著作権法とは別に存在する。
  • ニューヨークタイムズの言う法的措置がどの法律に基づくものなのかは不明。
  • 利用規約に定めるということだが、少なくとも日本の法律では違法な利用規約は無効になる。
  • WIPO条約でも日本の著作権法でも、学術目的での著作物利用並びにデータとしてコンピュータに著作物を読み込ませる行為は、認められている。(※いわゆるAI学習というのはこのデータを読み込ませる行為に該当する。)
     (但し、アメリカ連邦法やニューヨーク州法がどういう規定になっているかは、詳細不明。)
  • 繰り返しになるが、著作権でアイデアや作風は保護されない。作成、或いはアウトプットされた現物だけが保護対象。これは著作権の大原則なのでどこの国でも一緒。
  • 著作権侵害を主張するには、元の著作物の複製或いは流用であることを立証しなければならない。
     演算せずにデータ転写しているような自称AIだと著作権が絡んでくる可能性があるが、現在メジャーになっている生成AIは内部的には演算をしているだけで、複製も流用もしていない。
  • そもそも、知的財産権は著作権だけではない。

 箇条書きだけでも結構な長さになってしまった。

 まず、ニューヨーク州法については、「そういう制度になっている」としか言い様が無い。
 補足しておけば、日本の自治体が定める条例とは違って正規の法律であり、場合によっては連邦法の内容を上書きすることも認められている。(なので、よく連邦政府と州が訴訟になって、連邦最高裁の民主党系と共和党系の判事の数が問題になるのである。)
 ただ、言うまでもなくニューヨーク州外では通用しない。

 少し話がわき道に逸れるが。19世紀にはニューヨーク州法に聖書を勝手に出版してはいけないという規定があって、その為に独自翻訳した聖書を出版出来なかった男が隣のペンシルベニア州で会社を設立して自分の聖書を出版した、という事もあった。
 ちなみに、その会社は後にカルト宗教団体に変貌して、今も世界中に蔓延している。日本では団体名をものみの塔聖書冊子協会といい、通称エホバの証人として知られている。
 本当に余談なんだが。
 
 つまりは、もしニューヨークタイムズが言う法的根拠がニューヨーク州著作権法なら、国外どころかニューヨーク州外の人間には関係の無い話だ、という事だ。
 地域限定の話でしか無い。

 なのだが、ニューヨークタイムズをジャーナリズムの最高峰と崇める人達は、冷静な反応が出来ていないようである。
 元々AI絡みで騒がれ出した頃から、「著作権」上は何の問題も無いことを著作権の問題があるとかミスリードをしてきた界隈なので、この件では勉強不足なんだなあ、と言わざるを得ない。いくら文系の人達だからITには弱いとは言っても。
 とは言え、さすがに指摘があったのか、最近は知的財産権という言い方に変えているところも多いが。

 ただ、その場合でも「学問の自由とあなたの知的財産権、どちらが優先されますか?」という問い掛けに、私が見てきた限り誰一人答えていない。いや、問いかけが弱かったのかもしれないけど。

 あと、これはジャーナリストに限った話では無いが、知的財産権とは言ってもその権利はまだ法律で保護されてないですよね? 今からですよね? というとこがわかっていない人がいる。
 生成AIにかぎらず、いわゆる「パクリ」「盗作」という行為は知的財産権侵害とされるが、これらの殆どは「著作権侵害」では無い。
 ちなみに、数少ない著作権侵害に該当する盗作の事例が、「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」事件である。ただこの件も、電撃編集部が平謝りして書籍回収して示談したので、法廷には持ち込まれていない。
 他の法律が適用されるケースもあるが、何の法的保護も無くただ社会的慣行だけで縛っているものも多い。当然、社会の進展に伴って業界の外側の人間が入ってくれば、ルールなんて霧散する。
 逆にJASRACのように、権利なんて存在しないのに請求書を送りつけて恫喝し、高額な金銭をふんだくる暴力団のような真似をする輩も横行している。

 この辺をちゃんと法整備して、社会一般で通用する権利を作りましょう。という事を私は唱えているのだが。
 それ以前に著作権や知的財産権の基本のキすら解っていない人間がデカいツラをしている現状では、これも随分と遠い未来になってしまうことだろう。


政治的画像生成テスト-最低賃金


 ネットに書く内容も、政治的な話題となるとだんだん限られてくる。我々が要求すべき事は確かに山ほどあるが、それらは一向に実行されないから、同じ事を何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もヤンデレの如く繰り返さなくてはならない。

 しかし、傍から聞いている側は同じ事ばかり聞かされていると飽きてしまう。飽きる程度ならまだいいが、それが日常化して当たり前の光景になってしまったら、もう終わりだ。要求は要求ですら無くなる。

(だから私は、デモを日常化するなと何度も言ってきたのだ。)

 

 とは言っても要求内容は変わらないので、表現手段、アプローチを変えていく他無い。

 

 幸い、近年人工知能(AI)が発達してきたおかげで、特殊技能を持たない人間でもちょっとしたアイデアがあれば文章やスローガンに色を添える程度のことは出来るようになった。

 

 ということで、今回はAI画像を用いた挿絵付きのプロパガンダ文章を掲載してみることにした。

 

 AI画像の良いところは、著作権がないので、使用権云々を気にしなくて良いところである。

 某自称知的財産に詳しい弁護士が、元絵があるなら著作権が発生するみたいなアホなことをWeb記事で発言していたようだが、あなた相変わらず著作権と工業所有権の区別が付いていませんね、としか言い様が無い。

 以前にも書いたとおり、人間で無い存在が生成した画像は、著作権は存在しない。100%AIが生成した画像なら、無条件で著作権は発生しない。するはずがない。

 それ故に、AI画像は本職の絵描きから猛反発を食らっているが、それに関しては申し訳ない我々にはあなた達に正当な報酬を支払うだけの資金がないのです、と今は言うしか無い。

 思い通りのAI画像を生成するのに必要なコマンド(通称・呪文)を作成する労力を賃金換算したらどっちが高く付くのか? という疑念もあるが、政治的テーマの場合報酬の多寡関係なく引き受けてくれない可能性が高いので、そういう意味でも便利である。

 

 

 ということで、今回は「全国一律最低賃金」をテーマに作成してみた。

 複数の画像生成AIを用いて作成しているが、一部のAIは未だに英文にしか対応していないので(というか、日本語対応のAIも殆どは内部で英文に変換してから処理しているのだが)、生成に使った英文(これもAIを使った自動翻訳である)も併記しておく。 

 

 

 

1.彼女は中小企業で働いている。

She works at a small to medium-sized company. She is long blackhair,and ware suite and black stocking.

paint style is Japanese animation.

1-彼女は中小企業で働いている



 



 

しかし、彼女の給料は時給で1200円しか無い。

However, her hourly wage is only 1200 yen.

She looks it is blown eye and black long permanent hair.

She is long blackhair,and ware suite and black stocking.

paint style is Japanese animation.

しかし彼女の給料は時給で1200円しか無い





 

彼女は有資格者であるが、それ故に複数の業務を担当させられている。大企業の社員の3倍は働いている。

彼女は有資格者である故に複数の業務を担当させられている



 

価格転嫁すると、ここぞとばかりにブラック企業が人件費カットを原資にした安値攻勢に出てくる。

労働組合もこういった経営の現状を知っているので強気に出られない。

 

労働組合もこういった経営の現状を知っているので強気に出られない





 

彼女の給料をあげるには、全国一律で最低賃金1500円にするしかない。

The only way to raise her salary is to set a nationwide minimum wage of 1500 yen.She works at a small to medium-sized company. She is long blackhair,and ware suite and black stocking.

 

彼女の給料をあげるには全国一律で最低賃金1500円にするしかない





 

だが賃上げの原資がないという経営者もいる。その原因の多くは資金繰りの問題だ。




 



 

 

賃上げを実現するには中小企業の資金繰りを支援する必要がある。

 

賃上げを実現するには中小企業の資金繰りを支援する必要がある。



 

 



中小企業を支援して、全国一律で最低賃金1500円を実現しましょう!

 

Let’s support small and medium-sized enterprises and realize a nationwide minimum wage of 1500 yen!

Two woman stand.Left woman,she looks it is blown eye and black long permanent hair.She is long blackhair,and ware suite and black stocking.

The woman on the right has brown short hair and is wearing a white blouse on apron.

picture style is Japanese animation,hiduki yayoi.

 

中小企業を支援して、全国一律で最低賃金1500円を実現しましょう!



 

 

 尚、AIが生成した成果物には著作権はないが、原文の日本語並びに編集後のドキュメントは、荒野草途伸に著作権が存在する。

 が、労働者のために闘う左派勢力の同志が使う限りは、特にうるさいことを言うつもりは無い。むしろ大いに活用し参考にして頂きたい。

※政党だと、全国一律の最低賃金引き上げを主張している党には、社民党・共産党・立憲民主党、などが挙げられます。


デジタル時代の新技術と権利


 ここ数日「AIによる画像生成」が話題になっている。そんな中、mimicという自動画像生成Webサービスが(たぶんこれで2回目だと思うが)騒ぎになって、一部の絵描きが過剰反応するという事態にまでなっていた。
(※mimicは現在サービス停止中)

 mimicに限らずこの手のサービス絡みの騒動は過去に何度か起きていることで、その度に「学習用に画像データを読み込ませることは違法では無い」と指摘されているのだが。わかっていない人が一部にいて、何回言わせる気だとイラッとしたので、Twitterではキツい書き方になってしまった。

 で、この件、mimicの利用規約に対する疑義もあったので、利用規約も確認した。
 こっちは確かに酷かった。この条項違法だから無効でしょ、ってくらい酷かった。

 AIが生成したデータに誰かの権利が付くかのような書き方がされていた。
 そもそもAIが生成したデータには誰の著作権も付かない。AIは人ではないから。人ならざるものが作った著作物は、作ったのがAIだろうがエテ公だろうが、著作権は付かない。(「サル カメラ 著作権」で検索するといろいろ出てくる。)
 誰にも著作権が無いから、「私が描きました」は当然通用しない。
 なのに、AI生成物に著作権が付くかのように記載されていた。

 さらに、その下の条項で、利用者は著作者人格権を放棄するとかアホなことが書いてあった。日本の著作権法では著作者人格権は放棄できないし、そもそもどの法律でも関係なく法で定められた権利を契約で否定することは許されないんですよ。労働基準法で定められた有給休暇取得の権利を契約で破棄させるのは、違法だし無効なんです。
 ちょっとこの規約誰が作ったんだと。契約で全てを支配できると思い込んでんだったら、ファンタジーライトノベルの読み過ぎだぞ。

 とまあ、あまりにも酷い利用規約なので。mimicのサービス停止はこれは当然かな、と思う。会社側がどういう認識かはわからないけど。

 とは言っても、この手のサービスはこれからもどんどん出てくるだろう。中には「週間のび太」みたいなことやり出す奴も出てくるだろうし、そんなことされたらかなわん、というのはさすがに私でもわかる。
 なのだが、現行法ではこれを止める手段が残念ながら、無い。

 この1日考えて、技術的に止める方法として、電子透かしの導入とか、真贋判定AIの構築とか、AIモデルには構築者の個性が出る点をつくだとか、いろいろ方法を考えたのだが。残念ながら足止めや時間稼ぎにはなっても、抜本的解決になるような方法は思い当たらなかった。

 法的には、著作権という制度自体がアイデアや作風画風といった無形な部分は保護しない、という鉄則があるので、著作権の枠組みで考える限りどうしても壁にぶち当たってしまう。

 しかし著作権が限界だから為す術が無いかと言ったら、そうでも無い。工業デザインやプログラムの場合は、著作権も発生するがそれとは別立てで、意匠とかプログラム特許という保護方法が用意されている。意匠や特許ではアイデアやコンセプトも保護される(というよりそっちがメイン)。

 イラストを含めシナリオとか動画とかと言ったコンテンツ分野は、もはや文化芸術の枠組みを超えて産業として成立している。であれば、そういう前提で産業財産権として著作権とは別立ての権利を用意して、そこでアイデアやコンセプトといったものはある程度保護するようにした方がいいのでは無いか。
 もちろん、著作権のような「自動発生・生きてる限り無期限」とはならず、審査した上で期限付、ということになるだろう。ここは特許・意匠も変わらない。

 新しい権利を創設することになるので、国会議員に作れと要求しても1年や2年では出来ないとは思う。が、ほったらかしてたらいつまで経ってもできないので、ハードルが高いとは思うが勉強して要求していく、という事も必要なのでは無かろうか。


”経済安全保障”の範疇に「半導体」があるけどさ


 半導体不足半導体不足言うけどさ。半導体っていうのはシリコンとかガリウムヒ素とかのことでしょ。太陽光パネルだって殆どが半導体製品なわけですし。不足してるのは半導体に電子回路書き込んだチップでしょ。
 と、私は物理学科卒だからどうしても突っ込みたくなるんだけど。

 で、なんで半導体チップが不足してるかというと、日本のルネサスの唯一の工場が去年末に火事で焼けちゃったからなのね。日本だけで無く世界中でオーダーメイド回路のチップ作ってくれる工場がこのルネサスの工場だけだったから、今世界中が代替品探して大騒ぎになってるわけ。
 PCやスマホは汎用チップ使ってるからそこまで深刻な状況にはなってない。

 じゃあ今後日本が半導体チップ安全保障をするにはどうしたらいいかというと、2つ道がある。
 1つはルネサスの工場を2つ作らせること。でもそもそも2つじゃ採算が取れなくて1つに絞ってたわけだから、赤字補填を日本政府がしないといけなくなる。

 2つ目はチップはメーカーが汎用品を使うようにしてオーダーメイド部分はソフトウェアで実装させるように誘導していくこと。今の汎用チップは性能上がってるからリアルタイム処理でも殆どがソフトウェアで出来るはずなの。

 ただ、電子回路とソフトウェアでは作る技術が違うから、ソフトウェア移行するなら技術者育成しないといけない。あとソフトウェアは大型コンピュータ時代の名残で著作権法で保護することになってるから、権利として弱いという問題もある。アルゴリズムや設計思想も含めてソフトウェアを保護する新たな仕組みが必須になってくるのね。

 半導体チップ1つとってもこんだけの事やらないと経済安全保障なんていえないわけだけど。自民党政権はそこまで考えてるのかね?
なんか、議員も支持者も中国ガー中国ガーとか勘違いぶっ放してる連中ばっかに見えるけど、自民党。


高速メモ帳から送信


科学と政治が交叉するとき物語が始まる


 何故かTVも新聞も取り上げようとしない、だが重要な争点としなければならないことが、今回の総選挙にはある。
 科学と政治のあり方だ。

 人類は進歩的生命である。その粋たるものが、科学だ。科学が文明を発展させてきた。
 自然科学は工学や医学、農学の礎である。また、法学や経済学、経営学に代表される社会科学は放っておけば混沌に陥りがちな文明社会にレールを敷いてくれる。人文科学は人間の本質を追究し、またその行動を整理し記録する、謂わば文明の土台作りをしてくれる。
 人類全体にとって、科学は欠かせないものだ。
 日本学術会議の分科会では、第一群が人文・社会系、第二群が生命科学・医療系、第三群が(生物学を除く)自然科学、と分けられているらしい。だがこれらは対立するものでは無く、むしろ相補的な関係にあるのである。好き嫌いならまだしも、どれが役に立ってどれが役に立たないなどという言動は、全く意味を為さない

 鉱物資源が多いわけでも広大な農地があるわけでも無い日本は、科学を軽視して生きていくことなど出来ない。幸い、多くの日本人はここまでは理解してくれる。
 だが、何故かここでおかしな方向に走り出すものが少なくない。その中の典型例が、「科学とは、科学技術=工学(工業技術)の事だ」とばかりに、工学とそれに直接資する物理や化学を偏重する言動をとるものがいる。
 「それが何の役に立つんだ?」という頭の痛くなる言葉を、一体何百回聴かされたことであろうか。

 無論私は工業も物理も否定するつもりは毛頭ない。私はこれでも物理学科卒だ。だが、先に述べたように、科学とは相補的なものだ。本気で工学を発展させたいならば、自然科学に限らず人文社会領域でもありとあらゆる分野を底上げしていかねばならない。
 智嚢とはそのように涵養されてゆき、それが新たな発見を生み出してゆくものだ。これは勿論工学に限らず、他の全ての「科学」に対して言えることだ。

 コロナ禍においても同じ事が言えるだろう。政府が自ら任命した医学者ですら、政府与党に軽んじられるのが日本の現実だ。日本国産のワクチンがなかなか作れないのも、生命科学に於いて短期利益ばかりを追い求め基礎研究を怠ってきた結果だ。
 そして、短期利益至上主義の犠牲になっているのは、何も生命科学だけでは無い

 近年日本人若しくは日本生まれのノーベル賞受賞学者が増えているが、彼らはコメントを求められる度に、基礎研究の重要性を訴える。科学者からしたら至極当然のことなのだが、「科学=科学技術」と勘違いしている日本人、とりわけ一部の政治家には、これだけ口を酸っぱくしていっても尚届かないという事なのだろう。

 事実、今回の総選挙でも「科学技術」の振興を唱えておきながら具体策は出さず、基礎研究の充実には一切触れず、あまつさえ法で定められた日本学術会議の推薦候補を未だに任命しないという、謂わば科学サイドへの敵対行為を続けている政党がある。
 今年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏(※愛媛県生まれだがアメリカ国籍を取得している為現在は日本人では無い)に至っては、受賞に当たっての記者会見でこの日本学術会議の問題に関してはっきりと苦言を呈している。
 どういうわけか、これ以降真鍋氏の言動を日本のマスメディアが伝えることはなくなってしまったが。

 上述の政党に比べれば、まだずっとマシな政党は確かにある。そこそこ本気で、科学重視・科学振興を考えているのだろう。だが一方で、過去に反科学的なカルト集団を党内に引き入れそれに対して一言の反省の弁もない政党と手を組んでもいる。そこが解せない。
 また、こういう「マシな政党」であっても、下の方の候補者や地方議員、党員にまで行くと「自分は数学や物理がきらいだったから」というクソ下らない理由で科学を敵視している愚か者がいるのも、事実である。
 正確に言えば、数学や物理だけが科学では無いということをきちんと教えてこられなかったこの60年あまりの日本の教育、そしてその方針を定めてきた政治にこそ責任があるのだが。

 科学と政治のあり方。そして実際に現場と向き合う行政と科学のあり方。日本の没落とそれに拍車をかけたコロナ禍の最中の総選挙だからこそ、それを争点とし論戦を交わして貰いたかったものなのだが。それにはあまりにも、選挙期間も有権者の意識も、足りなさすぎるのだろう。

 奇跡に近い閃きを発動させる天才でも現れない限り、は。


紛争幇助施設たる東京五輪を批判した結果か?



 7/11のSLS名古屋新刊「父に代わって弁解します」。
 同じものをとらのあな通販に委託した他、電子書籍版をBOOKWALKERにも委託していた。(とら電子版は何故か女子向けで承認されたあと、審査中のままになっている。)
 BOOKWALKERは申請して翌日、7/2に販売許諾の連絡が来た。



BOOK☆WALKER 同人誌・個人出版 著者センターをご利用いただき、
ありがとうございます。

以下の申請の確認が完了しました。
BOOK☆WALKERストアに今後24時間以内には反映されますので
今しばらくお待ちください。

【申請内容】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■申請対象  : 父に代わって弁解します
■申請種別  : 販売申請
※詳しい内容は著者センターでご確認いただけます。

(後略)


 販売開始日は、SLS名古屋と同じ7/11に設定していた。
 SLS名古屋では予想に反して7部も売れるというまずまずの結果であった。

 翌7/12。突然こんなメールが来た。(時間は13:12付。仕事中だったので今し方気づいた)



いつもお世話になっております、ブックウォーカー 同人誌・個人出版担当です。

著者センターに弊社からのご連絡がございますので、以下、ご確認をお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
件名: ご登録作品の停止について

ご利用ありがとうございます。
同人誌・個人出版サービスです。

販売させて頂いております、貴作品、以下1作品についてのご連絡になります。

・父に代わって弁解します

二次創作作品となるため配信停止をさせていただきました。

二次創作作品に関しては、有料・無料にかかわらず弊社が版権元に許諾を
頂いている作品か、著者さまが版権元に許諾を頂いている作品のみ取扱い可能です。

利用規約代9条【本二次作品】の項目をご参照ください。
https://author.bookwalker.jp/info/usepolicy

規約抜粋:
第9条:【本二次作品】
1. 会員は、本原作の利用方法その他諸条件については、二次創作許諾一覧に定める条件及び注意事項等に従うものとします。
2. 会員は、本サービスにおいて、会員が正当な権利を有する場合を除き、二次創作許諾一覧の本原作以外の二次的著作物を配信できないことを確認します。
3. 当社は、会員に事前に通知することなく、いつでも、二次創作許諾一覧を更新することができます。会員は、これに異議を述べないものとします。
4. 会員は、会員が正当な権利を有する場合を除き、本原作を本サービス以外において利用することはできません。
5. 当社は、会員が本条に違反した場合、第21条第2項及び第3項に従って当社が必要と判断する措置を講じることがでるものとし、会員は、これに予め承諾します。

 この規約の第何項に違反しているのかは、全く書かれていない。
 そもそも、7/2日に認証されて10日も経ってから登録停止というのは、随分おかしな話である。
 BOOKWALKERは審査が厳しいので、規約違反なら最初から許諾をdqしたりはしない。(実際、審査段階で却下された電子書籍が何冊かある。)
 それに、他の二次創作作品は引き続き販売継続されている。

「二次創作作品となるため配信停止」という理由は、明らかにおかしい。

 ちなみに、少女歌劇レヴュースタァライトの二次創作については、「(グッズはまずいが)ファンブック程度のものなら作っても良い」と版権元である株式会社ブシロードの会長である木谷高明氏がTwitterで発言しており、それが法的根拠(=正当な権利)である旨奥付にも明記している。
(※ただ、今確認したらTwitterその発言は検索に引っかからなかった。それがいつ消されたのか、或いはただ検索に出てこないだけなのか、Twitterのシステムはいろいろおかしいのでわからない。)

 「原著作者からクレームがついた」という話なら、それはもう事後でも停止せざるをえないし、仕方がない。だが、そういう話ならそう明記すべきだし、それを通知しないのは明らかに信義則違反だ。天下の角川系列のBOOKWALKERがそんな怠慢をするとは思えない。
 ましてや、この奥歯に物の挟まったかのようなメール文である。

 これはきっと何かある。

 だが、それが何なのか、今は憶測で語る程度のことしか出来ない。
 故にせめてもの抵抗として、販売ページの紹介文を、敢えてこちらのblogに掲載しておこう。心当たりの理由が、”こっち”方面しか考えられないので。



父に代わって弁解します

著者
荒野草途伸

配信日
2021/07/11

税込価格
380円 (345円+消費税35円)

あらすじ・内容

ひかりちゃんのお母さん
劇場版少女歌劇レヴュースタァライトが初週2周目とも満員御礼(※東海地方)だったにも関わらず、3周目以降上映回数を1日1回に激減されたどころか社会人が見に行けないような時間帯に上映時間を設定されてしまったのは明らかにおかしい、これはきっと何かある。きっとあの緋色の危険な生き物愛城華恋を封印する為の日本政府の陰謀に違いない。愛城を封印している暇があるならコロナの封印に専念すべきであり、その為にも東京五輪は中止すべきなのだ。そう、時代は疾風よりも閃光なのだ。俺達が、神楽ひかりだ。優木せつ菜(CV巴珠緒)は三船栞子(CV大場なな)にそう語り、レクサスに乗って紛争幇助施設たる東京五輪関連施設を次々に破壊していった。

 …という内容にするつもりだったわけではないが、”ひかりちゃんのお母さん”というテーマで7/11のSLS名古屋で新刊を出そうとしていたのは事実である。しかし6/10に劇場版少女歌劇レヴュースタァライトを初見した結果、ひかりちゃんのお母さんは劇場版で公式キャラに昇格したことが判明し、それまでの計画は全て破棄せざるを得なかった。
 急遽、「言い訳本」というテーマで新刊を出すことにした。ダメ元でひかりちゃんイラストで有名な?炭(ゆえたん)氏に表紙原稿を依頼したところ、意外にも引き受けてもらえたので、私の逃げ道は閉ざされた。訂正。私には希望が生まれた。
 読者からも万民からも一番大切な人からも逃げる事無く、ひたすら言い訳をする。それがこの書籍のテーマである。
 そして願わくば、劇場版少女歌劇レヴュースタァライトを万人が観れるようになる、そんな社会が訪れることを願ってやまない。

 尚、冒頭でも説明しているが、この書籍の本文、文章も4コマも、書いたのは荒野草途伸である。?炭氏では無い。?炭氏の名誉に関わる重大事項なので、これははっきり明記しておく。


 とりあえず現状電子版を配信できていない状態だが、書籍版はとらのあな通販に引き続き委託しているので、読みたい方はそちらをご利用頂きたい。


20190518情報法制セミナー於京都大学(漫画家や有識者から反発を招いた著作権法改正に絡み)



>政府は昨年の通常国会でも同法改正案の提出を目指したが、漫画家や有識者から反発を招き見送った。

 とのことなので、昨年5月に京都大学までわざわざいって聞きにいった、情報法制学会のセミナーの内容のリンクをTwitterに再掲しておくかと思ったら、再掲以前にblogに上げていないことに気づいてしまった。
 こんなだからダメ何だよ俺は。COVID-19騒動のドサクサに紛れて潰された法案また出してくる自民党政権よりはマシなつもりだけど。

 それはさておき。
 以下が、セミナーの講義ノート。

※著作権絡みの部分は、項番3


第6回 情報法制セミナー
5月18日 於 京都大学法経4号棟

1。LINE公共政策室長
神戸市危機管理室 を兼任(委嘱)

 チャットボットを活用した災害時情報収集研究の報告
 神戸市との共同研究

 支援制度があっても、知らないとWebサイトへのアクセスもしない
→知ってもらうにはどうしたらいいか

 災害時の情報は足りていない
 119頼りが現状、情報が足りていない
 防災ヘリからの赤外線判定による火災情報の把握→最終的には目視判定
 119は電話網が破綻したら終わり。阪神淡路でも電話線が断線して、火災情報が消防署に入らなかった。
 SNS時代では、Twitter等の情報が上がってくる。が、デマや過去情報が多い。

 防災科学技術研究所との共同実験。災害情報を問い合わせるLINEのチャットボットを作成した。阪神淡路を想定した災害訓練を実施した。
 一斉同報にメンバーに安否を問合せ、返信を神戸市のオープンデータと突合して、災害マップの作成実験をした。
 最終データ2800件
 情報空白地域の問題(問題がないだけなのか、逆に被害が深刻すぎて情報が送れないのか、原因がわからない)。予測モデルの活用を研究中。
 情報が早ければ、災害救助の決断時間を短縮出来る。
 行政の人は完璧な情報を集めたがる傾向がある
→ある程度の情報が集まった段階で予測判定出来るようにしていけるのではないか

 自治体が実際に実施した場合、119通報との切り分けはどうするのか? という議論になった。消防法では、災害発見者に通報義務がある。SNSへの情報アップは通報に当たらない
 119では、無言電話でも通報確認義務がある。(京都地裁判例。相手が応答能力を喪失している可能性が有るため)
→「通報」である場合、確認義務があるため、SNS発信を「通報」と扱うのは現場からはハードルが高い。
 このような事情がある為、自治体のインターネット情報提供システムは、災害時には切っている(ところもある)
 第3者の肖像の映り込み問題(災害時は免除規定があるが、訓練時にはどうするのか?)
 災害時の写真投稿→消防としては画像情報は非常に欲しいが、社会的には非難されがち
 情報提供・受信を民間運用にすれば、「通報」にあたらないので情報収集はしやすい
→信頼性の観点からは、公側で運用した方が良い

2.災害と個人情報
岡本弁護士

 大阪北部事件のブロック塀倒壊事件→宮城沖地震でブロック塀倒壊による死者が大量に出たことによる改正建築基準法に対応していなかった
(災害の教訓が生かされていない)
 災害対策基本法で、安否情報(個人情報)は開示して良いことになっている。複数機関での安否情報を一元的に管理することが義務づけられている。
 福知山線事故の際に、この法律の規定が周知されておらず、安否情報の確認ができなかった。
 広島土砂災害の際に、広島市は安否情報の公開に6日かかっている。情報共有義務が果たされていない。
 災害弱者名簿。平常時から共有されている必要がある。
 要支援者名簿(災害弱者名簿)は自治体に作成義務がある。(災害対策基本法)。同意を取る必要が無いが、いちいち同意を取って名簿を作っている自治体が未だにある。(同意が取れた人しか名簿化されない)。大規模自治体で、全員の同意を取るのは不可能。その前に災害が来てしまう。
 個人情報収集で同意が無い場合、法令か、災害対策審議会を使う。同意無しにとるには独自に条例を制定する必要があるが、条例制定しているのは26しかない。(残りの自治体は同意依存)
 消費者安全法の法改正で消費者弱者名簿の作成が義務づけられている。災害弱者と概ね被る。滋賀県野洲市は警察から名簿提供を受けて見守り活動を行なっている。災害弱者と概ね被るので、これを転用できる可能性がある。
 被災者台帳すら整備が進んでいない、作っても活用されていない。伊豆大島が唯一の例外。
 個人情報保護条例2000個問題(個人情報のガイドラインを定めた条例制定している自治体が2000しかない)
 災害関連死を防ぐための情報共有も、個人情報保護の壁がある。国が集める必要がある。
 法学部での、災害法教育が殆ど行われていない。

討論:
 大阪北部地震で災害弱者名簿が始めて使われた。同意が取れていないリストが大量に出てきて、3分の1は対応をあきらめざるをえ無かった。
 開示では無くパスワード保護という方法もあるのでは?

質疑応答:

・通信制限の問題にどう対応しなければならないか?
・企業が間に入る以上、企業内部での個人情報対策も考えないといけない
→通信制限は通話で制限がかかってもパケット通信は比較的使える(例:Twitter)熊本地震でも市職員はLINEを使っていた。そこまで切れた場合は、まだ考えられていない。

・要支援者名簿作成の作成義務があるのに、作っていない自治体がある。国が指導して晒し者にすべきだが、実際行われているのか?
→消防庁がアンケートを採っている。全自治体の○×が付いている。99%が出来ている扱いになっている。が、実態は○の中身がマトモでない自治体もある。要支援者の0.7%しか名簿が網羅していないところもある。質的なアンケートを採る必要がある。

・条例の中身を評価する制度が必要なのでは?
→良い条例を作っている自治体もあるのに、それを活用されていない。国が目をつむっている部分がある。

・自治体間の連携が不足している部分もあるのでは?
→研究は必要だが一概には言えない

・LINEの位置情報について。Twitterで拒否反応が多かった。
→常時GPSの情報をとっているわけでは無い。投稿時の位置情報を再取得している。反発が多いので、事前同意を取る形にしている。

・公的部門の個人情報利用は、法律の範囲内であれば情報提供は自由に出来るはずでは?
→できる。条例制定の内容もそれを前提にしている

・(元東京都情報管理担当の方)福祉目的で収集した名簿を災害対策目的に転用していたケースがあった。が、行政機関同士であれば問題無いとして運用していた。

・条例の中身のバラツキはかなり大きい。取得の法的問題に耐えられない条例が多い。民間が萎縮してしまうケースも考えられる。

 
 
 

3.インターネットの海賊版対策と著作権法
神戸大学 前田准教授

海賊版対策といっても、配信側と見る側の両方の対策がある。
現行著作権法では対応する規定がない。対応するにしても別の法律になる。
1~リーチサイト・リーチアプリ
 海賊版サイトへのリンクを提供する行為への対策
 リンクを張ることは著作権侵害に当たらない
2~検索サイト対策
 検索結果に海賊版サイトが出ることの問題
3~ダウンロード違法化
 受け取る側の話。受信も違法に押すべきではないかという議論。

1~について
 海賊版向けのリーチサイトは数多くある。
 リンクを誰が用意しているのか?サイト運営者か?投稿形式か?
 リーチアプリ:リンクの集め方に様々な酒類がある。
 リンク提供行為に著作権法上の規制を設けるか?
 リンクを張ること自体は日常的行為であり、全てに規制が及ぶことは問題
 リンク提供は、著作権侵害の幇助行為として侵害と同等と見なすべき、という考え方
 「悪質」とみなされる構造になっているサイト・アプリに限って規制
 著作権侵害の全てを規制対象とするのか?→全体侵害に限って規制にする方向だった
 運営者責任。違法サイトへのリンクの削除義務。放置は提供と同等という考え方
 
2~について
 検索サービスがいう社側の積極的な協力が当初得られなかった。
 請求権(ソフトロー)による対策が検討された
 自主的取り組みで対応する、ということで関係者の協議で決まった

3~について
 私的複製行為の例外規定が著作権法にある(音楽・動画)例外の例外」
 当初は静止画のみを規制する話だったのが、ソフトウェアも含めろという話が出て、結局著作物全体のダウンロード違法化という話になった
 全著作物を対象にしたことで、意図しない侵害行為という問題が生じてしまった
 有償要件は刑事罰の話、民事にその規定はなかった
 著作権法としての検討が不十分だった。違法か対象の適用の意義が議論されていなかった
 インターネットに関わることは利害関係者が大勢いるのに、一部の特定の関係者だけで話を進めていた。

・ダウンロード違法化に突っ走ってしまった原因は何か?何か団体からの働きかけはあったのか?
→ソフトウェア業界からの働きかけはあった。その他は特に聞いていない。


 ひとまず、以上。
 いろいろ案件が多すぎるので、コメントは少し間って。


5/19市民アクション@愛知6区政党市民対話集会の記録


 5/19(日)に、小牧市・味岡市民センターで行われた「市民アクション@愛知6区の会」の政党市民対話集会に出席してきました。
 前日に京大で行われた情報法制研究会のセミナーからとんぼ帰りでの出席だったので、髭もろくに剃ってない不審者状態での参加でしたが。。。

 とりあえず、内容と感想を、ざっくり書いておきたいと思います。


1.各党の挨拶と見解:

りっけん(立憲民主党)
松田衆院議員代理(秘書)

衆参同日選挙について
 10月の消費税増税について政府から景気悪化の評価先送り論がでている。これを口実とした衆参同日選挙があり得る。
 加えて、安倍晋三の改憲加速発言が出ている。
 立憲民主党としては若年世代の投票率を上げていきたい。

民主(国民民主党)

森本和義氏(前回愛知6区希望の党公認候補)

 参院選で、自民党が議席に危機感を持っている。参院で3分の2を阻止する歴史的意義のある選挙にしたい。
 個人的には9条はさわらないという考え。
 消費増税は、10月には実施すべきでない。
 実質賃金が増えていない。伝統的財政政策が打てなくなっている。株価依存経済になっている。

共産(日本共産党)
内田健前春日井市議(尾中地区委員会副委員長)

 6中総(第6回中央委員会総会)で”本気の野党共闘”を決議した。
 消費税10%中止・8時間労働・社会保障・授業料減免無償化・原発0再エネ推進・沖縄米軍基地新設反対・反差別ハラスメント撲滅、を提言として出している。

社民(社会民主党)
林秀治氏(県連常任幹事)

 参院選は愛知選挙区で候補を立てる予定。但し立てられない場合は、政策合意できる候補の推薦もありうる。
 社民党は地方でそこそこ強い。
 党の正式方針ではないが、消費税は段階的に廃止すべき。法人税所得税の税率戻しを財源にする。
 最低賃金は、当面1000円に、将来的に1500円とするべき。

緑の党
丹羽淳氏

 緑の党は多様な考えを持った人の集まり。故に無党派層に近い。
 前回選挙で自民と野党合計の差は3千票あまり。野党が結集すれば勝てる選挙区。
 小牧市長選では、分裂した自民党の候補を共産党も支援した実績もある。
 無党派層は政党よりも人間としての候補者を重視する。
 坂本龍馬のように、脱藩して結集する覚悟が必要。気持ちだけでも脱藩すること。
 候補者同士の話し合いの必要性。今回の会合も松田氏と森本氏で話し合うべきだった。

2.質疑応答:

・森本氏の発言について、改憲について個人的にはと言ったが、党と考えが違うのか
→党も同じ。ただ、例外的な人はいるかもしれない。

・社民党は消費税0にするという話に同感。財源について詳しく聞きたい
→(共産)消費税は応能負担に反する。応能負担原則の税制にする。
→(社民)1986年まで消費税なしで日本の財政は続いてきた。そこに戻すまで。

・緑の党の話と関連して。候補者と思われる人が森本氏一人しか来ていない。統一候補への本気度が問われる。
→(森本)前回選挙の時に脱藩(無所属)も考えた。連合愛知は気にしない。

・F35について。(小牧基地を抱える)地域にとって重要課題
→(りっけん)党の理念として配備は必要ない。
→(民主)買う必要はない。役に立たない。
→(共産)防衛費増大に反対。専守防衛からも逸脱。
→(社民)元々武力自衛権を否定している。
→(緑)自衛隊は専守防衛。F35は反対。

・若年層に関心のあるテーマとして、4月から施行された残業規制と、昨年末に炎上したダウンロード違法化問題について各党の見解を聞きたい
→(りっけん)党としての見解を調べる。子育て世代を重視して政策提言をしている。
→(民主)仕事量が減らないことが問題。雑用を部下に押しつける悪しき文化は自分も経験した。ただ民の問題なので、法律化には工夫が必要。
→(共産)8時間労働が基本。残業は週15時間までを提言。教育の無償化など学生の関心の高い分野を提言していきたい。
→(社民)残業規制は労働組合が主体となるべき。適正な残業時間は、0時間。
→(緑)長時間労働は少子化の結果。人手不足は70年代から言われていた。経済成長の限界。資本主義が終演に向かっている。答えを出す人は却って危険で、試行錯誤こそが必要。党としてはベーシックインカムを提唱している。
※ダウンロード違法化問題は各党とも持ち帰り

・各党の政策に大差がない。自民党の議席を無くすには一本化が必要。
(※意見のみ)

・前回衆院選で、森本氏で一本化できそうだったというが、1千万の借金をさせてまで無所属で立候補させたのか? お金も必要。
→(森本)お金の問題は自己責任なので特に障壁では無かった。ただ、無所属で出ても他の政党が公認を立ててこられたら終わり。実際、(森本氏が無所属で出たら)希望の党が他の候補者を立てる動きがあった。党に断り無く独断ではできなかった。
 小牧市長選は自分は野党系を支援したが、国民民主の市議は自民系現職を支援した分裂選挙だった。党の方針が定まらなかった結果によるもので、通常なら反党行為。


 ちなみに、残業規制とダウンロード違法化問題の質問をしたのは、私です。
 個人的に絶対に譲れない問題なので。この件で合意賛同できない候補は、到底支援できないし、それで党から文句言われたらそれこそ”脱藩”する。
(※荒野草途伸は現在、共産党の所属です。)

 …まあ、ダウンロード違法化問題が全党持ち帰りというのは、正直脱力でしたが。せめて、えだのんが代表の立民(りっけん)には、回答して貰いたかったところです。

 あと、荒野は前回総選挙の時はまだ瀬戸にいたので、愛知7区の状況は手に取るようにわかっても、6区の情報は全然入ってこなかったので、今回初耳という話が結構多かったです。
(瀬戸市も、瀬戸北高校から北は6区になっとるんですが一応…。)

 特に、森本氏で一本化しかけていた、というのは正直びっくり仰天でした。
 愛知6区はそもそも市民連合自体が無い、だから候補者調整なんかしてない、という風に聞いていたので。
(確かに、「市民連合」は現在も無いです。)

 帰りに共産党の人と話していたら、「(森本氏が)無所属で無くても、せめて立民に行ってくれてたら…(推せたのに)」という話をしていました。まあ、あくまでもその人個人の考えですが。
 でも、古河元久の盟友である森本氏が立民に行くはずは無いとは思いますけどね…。

 あと、質疑の最後に、「市民アクション」のメンバーの1人が、山本太郎(令和新撰組)を猛烈に推していたのが印象的でした。
 幕末の新撰組は、坂本龍馬の命を狙っていた筈なんですけどね…。


文化庁審議会が打ち出した「スクショ違法化」について


 Twitterで吹き上がっている、文化庁審議会が打ち出した「スクショ違法化」について。
 一応、文化庁のサイトでPDFを読み込んでみました。(※2章だけ)

文化庁文化審議会著作権分科会 ・文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会報告書(2019年2月)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/r1390054_02.pdf

 私は法律の専門家では無くただの行政書士試験合格者(行政書士とは言ってない)ですが、一応個人的課題として追いかけている分野でもあるので、読んだ内容を私なりにまとめてみます。

 話題になっているダウンロード(複製行為)(スクショ含む)については、2章で解説されています。

 で。一言で言うと、まあ問題だらけの答申内容です。
 問題点を要約すると、

  • 音楽・映像以外の著作物がお化け化している現状への認識不足(調査不足)
  • 違法アップロード著作物のみを対象とするとしているが、現実には識別不可能
  • ダウンロードという言葉の定義がおかしい
  • SNSでの誹謗中傷の証拠保全など、自己防衛の行為が違法となってしまう危険性がある
  • TPP11対応が目的なのが明白なのだが、論理構成が矛盾している。
  • 他にも公平性を欠く部分が多々あり、法律として不適格。

 細かく取り上げていくと
 まず「ダウンロード」を何故禁止するかということについて

>10月30日の知的財産戦略本部「検証・評価・企画委員会コンテンツ分野を取り扱う会合」におけるタスクフォースの座長による報告53の中でも,「著作権を侵害する静止画(書籍)ダウンロードの違法化の検討等,様々な側面から直ちに取り掛かることが必要な内容について,共通認識が得られた」との説明

>平成21年1月の文化審議会著作権分科会報告書54において,被害が特に顕在化・深刻化している音楽・映像の分野に限ってダウンロードを違法化する

 とあり、加えて「(2)これまでの法改正の経緯」 にて、複製行為に関連する著作権法改正の経緯を列挙しています。
 つまり、ダウンロードを「複製」とみなしている事が前提になっています。

 そして、「3.ダウンロード違法化の対象範囲について(民事・刑事)」にて、

>著作物の種類・分野による限定を行うことなく,広くダウンロード違法化の対象範囲に含めていくべきとの方向性については,概ね共通認識が得られた
(64p)

 とあります。音楽・映像に限定するという従来の方針から転換して、著作物であれば無差別に規制の対象にしよう、という話です。

 一口に著作物といっても、今著作権法の対象になっているものはマンガからキャラクターデザイン、プログラムのソースコードから実行オブジェクト、データベースに至るまで、もう何でもかんでも著作権の中に放り込まれている、はっきり言ってお化け状態です。
 そういう現状を考慮した上で議論が為されたのかというと、文書を読む限りそういう痕跡はなく、それどころか「限定する理由が無い」という理由で著作物全体に規制の範囲を広げると明記されています。

 「(2)音楽・映像以外の著作物(静止画・テキスト等)の特性」という項目で、使用者・権利者双方の観点から現状の著作物の分析が為されています。

 要約すると、音楽・映像に比べて、文章や静止画は適法違法の判断が付けにくいということが、ここからわかります。
 実際問題として。ぶっちゃけ、商業漫画家が描いた漫画と同人作家が趣味であげた漫画なんて、素人には区別なんかつかないですよね。ましてや知らなかった証明なんて、悪魔の証明に等しいです。

>違法化されるのは,あくまで意図的・積極的なダウンロード(複製)行為であり,単に,違法にアップロードされた音楽・映像を視聴・閲覧する行為については,違法とはならない
>視聴・閲覧に伴うキャッシュやプログレッシブ・ダウンロード(複製)についても,法第47条の4第1項の規定により適法となる

 とあります。
 しかし、閲覧を違法としないのでは、著作権侵害を取り締まる、という法改正の目的と矛盾します。
ブラウザ閲覧型の違法サイトは全く規制の対象にならない。)

 他にも、規制要件として「作品を一定のまとまりとしてダウンロードする場合に限定する」(73p)など意味不明な表現や尻抜け感が散見され、一体何のための法改正なのかわかりません。

 何のための規制拡大なのか、さっぱりわかりません。「誰も得しない」と言われてるのは、こういうことなんですね。

 また、そもそもの日本語の問題として。ダウンロードの定義がおかしい。
 キャッシュは適法とされていますが、キャッシュファイルとは閲覧データファイルをサーバーから複製(ダウンロード保存)する行為であり、これをダウンロードで無いとするのは無理がありすぎます。
 一方で、キャッシュファイル(既にローカルに存在する)をローカルストレージの別領域にコピーするのは違法とされています。
 「複製」を禁止する意図であることは汲み取れますが、これは「ダウンロード」とは言いません。
 言葉の定義が間違っています。(だから余計にこんな騒ぎになるのでしょう)

 話題になっているスクショ問題についてですが。スクリーンショットは画面を意図的にファイル保存する行為なので、「画面の複製」ということで規制の対象になると考えられます。
 また、「⑦適法コンテンツのスクリーンショット等の際の写り込み重要な情報と同じページに違法にアップされた著作物が存在する場合(SNSのアイコンに違法物が使用されている場合など)に,スクリーンショット等で保存しようとすることが困難となる。(70p)」という一文があります。
 懸念事項としてわざわざ示されていることから、「スクリーンショットは複製行為」との認識を前提に議論・答申が行われている事は明白です。

 これについて、
>特に経済的被害が顕著である部分,立法措置の必要性が高い部分のみに対応すれば足りる

 との記述があるのみで、弊害に対する明確な対応方針が示されていません。

 スクショに関しては、特にSNSなどで誹謗中傷があった際の証拠画像を保存する際に、タイムラインの前後に違法コンテンツがあってそれが商業著作物であると知っていた場合、証拠のスクショをとっただけで有罪となってしまう危険性があります。
 にも関わらず、ろくな対応方針も示していないのは、これは大問題です。大騒ぎになるのは当たり前です。

 他にも、「複製」が違法か否かのポイントなら、Firefoxのスクショ機能(アメリカにあるmozilla財団のサーバがページ取得して保存する)やGoogleのページキャッシュ(アメリカにあるGoogleのサーバーがページ取得して画像保存する)はどうなるのか? というのもあります。
 アメリカでやってることだから合法? であれば著しく公平性を欠く法制度になります。憲法が定める法の下の平等に反します。

 著作権というと、pixivが立命館大に言いがかりをつけてコンプライアンスレベルの低さを露呈したことで有名な「引用」問題がありますが、これとの兼ね合いはどうなんでしょうか?
 引用は著作権法で認められた行為ですが、現実には引用と言えるかどうかグレーなサイトも数多いです。この場合に「引用」に用いられた著作物をダウンロードしたりスクリーンショットをとった場合、違法になるのでしょうか?
 文書中では懸念事項リストの中にすら入っていません。

 意志を持った複製(ダウンロード)であれば一律に規制の対象としてしまっている為に、問題が生じていると言えます

 では、何故こんなとんでもない答申が飛び出してきたのか。
 考えられる最大の理由が、TPP11対応です。

「(オ)TPP整備法における非親告罪化の対象範囲に準じた限定を行う(刑事)」
「TPP整備法における非親告罪化の対象範囲に準じて対象を限定する」
 と言った項目があり、また第3章「アクセスコントロール等に関する保護の強化」 もTPP11対応を目的としたものだからです。

 しかしこのTPP11対応にも矛盾があり、

>いわゆるTPP11整備法(本年12月30日施行)により,著作権等侵害罪の一部非親告罪化が行われることとなるが,音楽・映像等のダウンロード違法化に係る刑事罰は,その対象となっておらず,引き続き親告罪のままであるところ,今回の対象範囲の拡大に当たっても,当然,ダウンロード違法化に係る刑事罰については,全て親告罪のまま維持することが適当である。

 とありますが、TPP11整備法の非親告罪化規定を援用して対象範囲を規定しているのに、刑事罰については非親告罪化規定の対象外である音楽・映像等のダウンロード違法化を援用すべしという、矛盾した内容になっているのです。法律の作り方として完全に破綻しています。

 国民生活においては、刑事罰は極力抑制するとはありますが、一方で威圧でダウンロードを抑制するというニュアンスの文章もあります。

 この答申のままで法律を作られたら、間違いなく国会は大荒れになるでしょう。
 (安倍自民党政権なので強行採決で通すんでしょうが。)

 ひとまず、こんなところで。いずれ時間のあるときに他の章も読んでみることにします。