2023年新年の挨拶です。
今年は動画収録してみました。
以上、荒野草途伸からの新年の挨拶でした。
2023年新年の挨拶です。
今年は動画収録してみました。
以上、荒野草途伸からの新年の挨拶でした。
秋アニメ(※2022年10-12月期放送アニメ)で、「ぼっち・ざ・ろっく」というのが放送されていた。Twitterでトレンド入りもしているので、ご存知の方も多いだろう。
主人公の後藤ひとり=ぼっちちゃんが女子高生仲間と一緒にライブハウスでのし上がっていく話、ではある、一応。
まず「ぼっちちゃん」というあだ名が酷すぎるというのはあるのだがそれはさておき。このぼっちちゃん、ギターの演奏配信で稼げるくらいの腕前を持っているのだが、ぼっちでコミュ障でひきこもりで空気が読めないという、およそチームとか組織とか社会に適応できなさそうな子である。
そういうところが共感されたのか、あるいはそういう子を見て優越感に浸る人間が多いのかは知らないが、とにかく「ぼっち・ざ・ろっく」の原作コミックスは重版を重ねても追いつかないくらい売れているらしい。
ところで、上で挙げた「ぼっち」「コミュ障」「ひきこもり」「空気が読めない」は、それぞれ症状としては全くの別物、独立した症状である。現実でも併発している人が多い為よく誤解されるが、別物である。ぼっちでもコミュ力高くてアウトドアで察しのいい人はいる。
というより、「ぼっち」という単語自体未だネットスラングの域を出ておらず、明確な定義があるわけではない。私も細かく覚えていないが、数多くの分類がされている。
政府レベルだと「孤独・孤立」という用語があるようだ。菅内閣の時に某野党議員が国会で質問したことがきっかけで、内閣官房に孤独・孤立対策担当室というのが設置されている。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_taisaku/index.html
が、元になった質問自体が「んん? んんんん?」と言いたくなるような内容だったからか、日本政府の考えている孤独孤立というのは心身障害や社会的被害者という捉え方をされているようだ。
勿論そういった人達が少なくないのは事実である。だがぼっちという言葉の範疇で考えると、ベン図の中の円でしかない。
ぼっちの分類の中に孤高系ぼっちというのがあるが、そういった人達からはむしろ政府が俺らの生き方に介入するなふざけるな、とすら言われるだろう。
ただ、孤高系ばかりがぼっちでは無い。好きで孤独でいたいわけではないぼっちもいる。「ぼっち・ざ・ろっく」の中で、ぼっちちゃんのこんな台詞がある。
「空いてるんじゃないんです。空けてるんです」
結束バンドが全然結束していなかったシーンでの台詞であるが、そうかこういう人もいるのだと改めて気づかされた。同時に、ぼっちで無い人にはなかなかその状況に気づきづらいという事も示唆しているエピソード、とも言える。
翻って政治の話である。ぼっち対策にしろ孤立対策にしろ、間違った政策で社会を誘導してしまうととんでもないことになるので、当事者の意見を反映させることは不可欠である。
ところがぼっち、と言うかぼっちちゃんのようなタイプのぼっちは「社会が怖い」とか言って逃げ出しかねないので、意見を汲み取るのは難しい。
ネットでパブコメ募る程度なら意見を寄せる人もいるだろうが、これが立法措置が必要だとなった時に、統一協会の被害者救済法の時みたいに大揉めにモメて署名が必要だ請願が必要だ議員に説明が必要だ記者会見が必要だとなったときに、一体誰が表に出る当事者になるのか。
ぼっち代表として議員を出せば、多少話は早くなるだろう。だが、議員になるには選挙で当選する必要がある。ぼっちがどうやって選挙で勝つのか。もっと正確に言えば、どうやってぼっちが組織相手に勝つのか。
民主主義とは良く言ったもので、誰が議員になるかという事に社会の有り様が反映されている。
ぼっちは議員になれるか。
リスキリングという言葉は、まだあまり知られていないようです。自民党の岸田政権が突如言い出した言葉なので、知れ渡っていないのは当然と言えば当然です。
似たような内容としては「生涯教育」「社会人教育」「職業訓練」、と、過去に何度も出てきています。
私は、用語の選定は別として、社会人になってからの学び直しは必要だし、政府がそれを支援するという理念自体は賛成です。
しかし、自民党にそれができますか?
という疑念を投げかけざるを得ません。
3~4年くらい前に氷河期世代を支援するという話が出た際にも、自民党サイドからは職業訓練を柱とすると言う話が持ち出されて、「それじゃない!!!」と猛反発を買った経緯があります。
何故反感を買ったかというと、氷河期世代が「報われてない」のは、何も教育の機会がなくてスキルが低いからではなく、むしろ大学や専門学校を出てそれなりに学やスキルがあるのにそれに見合った報酬や待遇を得られていない、という不満があるからです。(※ここ、敢えて現在形にしました。)
さらに言えば、その職業訓練支援の内容も、受講者を支援すると言うよりは教育事業者や派遣業者に新しいビジネスチャンスを与えるものでしかなかった、というのもあります。
民間に任せれば民間の需要をくんだ訓練メニューを考えてくれるだろうという思惑があったようですが、ぶっちゃけ実態を知らない者の浅はかな考えです。教育業者は現場の需要なんか全くわかっていません。そして自民党は、業者丸投げです。
例えばITの現場でいえば、「SEが足りない」というのは20年前から言われていますし、これは事実です。ところが、そこで人を育てようという事を外の人に言うと、国でも民間でも「プログラミング教育」をはじめ出すんですね。
プログラミング教育で養成されるのは、「プログラマー」です。プログラマーも不足しているとは言われますが、高い給料出して人が集まらないほど不足しているわけではありません。「プログラマー」で求人出して人が来ないならそれは単に給料が低いからです。
慢性的に不足しているのは「SE(システムエンジニア)」です。顧客の要求を理解して、出来ること出来ないことを峻別して、システムを設計出来る人。あるいは、プログラマーを管理する人。プログラマーの代わりに顧客と折衝する人。日本の場合、こういう人がずっと足りていません。
もちろん、SEには基礎的なプログラミングの知識が必要です。でも、それだけでは事足りません。というか、その程度の話ならコンピュータ系の学科出た新人でも十分知識あります。(そしてそれをやらせて大失敗したのが2000年代初頭です。)
今社会人教育として必要な教育内容は、そこではないんですね。
専門に関わる話なのでつい長々と書いてしまいましたが。自民党政権はもう10年もこういう「違う、そうじゃない」ということばっかやらかして、時間と予算の無駄使いを繰り返しているんです。
こういうの、何もITの分野に限った話ではないと思います。
今回もまた、「リスキリング」と看板だけかけ直していますが、具体的に何のスキルをReするおつもりですか? と言いたくなります。
しかも、もう参院選から5ヶ月経ちますよ? 何でまだ具体的な中身がないんですか。
では学び直しを実現するには、代わりに何をすればよいか。
必要なのは、「時間」「お金」「調整者」です。
時間。どんな訓練メニューを用意したって、受講者が時間を確保できなかったら話になりません。8時間労働という原則が守られていれば時間の確保は難しくないのでしょうが、それが出来ていないのが日本の現実です。
ちなみに、4年前に成立した「働き方改革法」はまだ抜け穴があって、それを修正するよう付帯決議で決められた見直しの時期に来ているんですが、そういう話いっさいありません。
お金。これは出し方はいろいろありますが、1つだけ間違えてはいけないのは「支援すべきは受講者(労働者)であって、業者ではない」ということです。
最後に、調整者。現場と教育機関を橋渡しする人が必要です。
そういうのも民間というか有資格者にやらせればいい、と言うのも一つの考えですが、ただそれをやって失敗し続けてきたのがこの30年です。ある程度行政の力を活用するのが賢いやり方です。
ただ行政は行政で、今とんでもない人手不足ですし、ところによっては実務を低待遇の非正規職員が担っているという役所もあります。これを是正しないと話にならない。
はてさて。このお金・時間・調整者の3つ、自民党政権が用意できるんでしょうか? 私は無理だと思います。
それらを用意できる政権に交代させる。そういう時期に来ているのです。
↑というタイトルを見ると、「えっ」という人が多いかもしれない。正直、私もこのタイトルを付けるか迷った。今回の参院選の候補を見ても、ITに強そうな人はあまりいない。実務経験のある人は更に希少だ。だがそれでも、「相対的に見れば」他党より立憲野党の方が強いと言わざるをえない。それが現実だ。
さしあたり、今回の参院選に立候補している中から、3人ピックアップしてみる。
まずは東京選挙区。立憲民主党から松尾明博という人が出ている。
恥ずかしながら私も参院選告示まで知らなかったのだが、元NTTの技術者で、サーバー運用をしていたらしい。(現在は弁護士をしている。)本物のIT現場出身の候補者だ。
神奈川選挙区は、共産党から浅賀由香という人が再挑戦している。
どこに勤めていたかはわからないが、派遣でSEをやっていた期間があるらしい。ITの現場のことは解っている人である。
比例では、立憲民主党に栗下善行という人がいる。
(今回参院選では何故か表現界隈向け政策を前面に掲げるというトチ狂ったことをしているが、)ORACLEで営業をしていたらしい。技術者では無いが、何もわからんはずはない。でないとORACLEの営業なんて出来ない。
他にも、業界出身では無くてもITに詳しい候補者はいるし、現職の国会議員にはもっといる。
ミスター年金で有名な長妻昭だって、NECの汎用機営業出身だ。(NECでSEやってた父親に聞いたら知らないと言われたが。)
対して、他党はどうか。
維新はITに強いと思っている人がいるかもしれないが、そんな事は無い。私の中では大阪市役所のシステム障害であたふたしていた印象しかない。3年前の話ではあるが。
今回参院選で愛知選挙区からKINGSOFTの創業者が出ている(※選挙広報で初めて知った)が、それ以外の候補のことは全くわからない。というか愛知県は減税日本の候補を維新が共同公認しているだけなので、純粋な維新候補では無い。
こんだけだ。
自民党はどうか。まあ正直酷いものである。
ITの現場出身の議員なんて一人もいない。マスコミからIT通とか持ち上げられている議員はいるが、通ぶってシッタカかまして混乱を招いている連中ばかりである。
デジタル庁という役所が去年発足した。どんな仕事をするのかと様子見をしていたが、仕事の結果云々以前に職員が大量辞職して、挙げ句わずか1年で事務方トップまでやめてしまう事態になってしまった。
職員が辞めた理由はわからない。だが察しは付く。無能な自民党議員のせいだ。
デジタル庁は発足前に職員募集を行っていたが、その大半はSEやWebデザイナーと言った現場レベルの技術職だった。大半はシステム開発か、せいぜい上流工程に当たる仕事をする前提で応募した人間だろう。
ところが自民党は、そんなデジタル庁に「政策立案能力」を求めたのである。
だったら最初からそういう前提で人を集めろという話である。否それ以前に、デジタル庁は自民党政権肝いりで発足した役所だ。だったら政策レベルの話は自民党で用意するのが当然では無いか。政策立案を役所に丸投げすること自体恥ずかしい話である。
これが自民党の「IT通」と呼ばれる議員のレベルである。
更に言えば。誰に吹き込まれたか知らないが今回の参院選で自民党、というか岸田総理総裁が掲げた公約。
「メタバースを含むWeb3の推進」。
言葉の意味を知っている人間なら、首をかしげずにはいられないだろう。それ以上に、具体的に何をやろうとしているのかさっぱりわからない。それはそうだろう。自民党の連中がなにもわかっていないのだから。
ちなみにWeb3というのは暗号化技術を使ってPCやスマホ同士でサーバを介さず直接データをやりとりすることで特定の組織に運営を依存しなくてすむWeb技術、という”理念”である。
その中でメタバース空間を構築できないわけでは無いが、大勢の人間が集まることが前提ならサーバを介した方が効率的に決まっている。Web3である意味が無い。
更に言うならば。参院選告示前に、大阪の朝日放送がメタバース討論会をやろうとして各党に呼びかけたところ、1党を除いた各党が参加を表明した。その唯一不参加表明したのが、自民党。
メタバース云々を公約に掲げておきながら、メタバース討論会に対応できる議員が一人もいなかったのである。300人もの国会議員がいながら。
これが自民党の「IT通」と呼ばれる議員のレベルである。
ほんと勘弁して。マジ勘弁して。
こんな政党が権力を握っているようでは、日本はどんどんIT後進国の下り坂を転げ落ちていくだけである。
つい昨晩、松尾候補者のTwitterスペースで、コロナ対応のデータベースが国と東京都で分かれていて二回入力しないといけないという話が出ていた。データベースを統一するか、分けるにしてもデータ同期するようにすればそんな現場の二度手間はいらなくなるのだが、そうはならないらしい。
大手SIからすれば、システムが分かれていた方が受注機会は増えるし、他社との協議が必要なデータ同期なんて面倒なことはせずに「現場運用」させた方が目先の利益はでるだろう。
中には、下手に情報システムに詳しい議員が与党にいるよりも、「神輿は軽くて馬鹿がいい」とばかりによくわかっていない議員をおだてて既得権益を守った方がいい、と考えている人間もいるかもしれない。
だがよく考えて欲しい。
そうやって現場の不興を買うようなシステム作りばかりやっていたら、そのうち「DXだのIT導入だの、そんなのいらない!」という声が出かねない。そうしたら、待ってましたとばかりにアナログ老害が嬉々としてIT追放に乗り出してくるだろう。
軽くて馬鹿な神輿に縄かけて自分の首を吊ることになるのだ。
IT関係者も、そして関係者で無い人達も、どうかよく考えて今回の参院選の投票先を選んで貰いたい。
専門職非常勤とは言え一応今の身分が国家公務員なので、今回の総選挙には政策論評以外関わることが出来なかった。何でこんな事になったのかといえば生活費が困窮していたからで有り、その件についていろいろ言いたいことはあるが、突き詰めて集約すれば結局「社会が悪い、政治が悪い」という話に行き着くので、今回は言うまい。
それより、野党共闘(左派連合)が不発に終わった、という事で、野党第一党立憲民主党の枝野代表が辞任するらしい。個人的には責任を取るべきは連合の会長、えっと名前何つったっけ、あいつだと思うけどね。
まあ、責任論はさておき。
実のところ、立民・共産が減らしたのは「比例区」であって、小選挙区では立民は増えてるんですよね。
じゃあ、どこの県で増やしてるんだろうと、ざくっと見てみた。
(東京大阪は除外してる。大阪は都でも県でも無いので)
新潟(6)
立民 3→3
無所属 0→1
https://mainichi.jp/senkyo/49shu/area/?kid=15
香川(3)
立民 0→1
国民 1→1
千葉(13)
立民 1→4
神奈川(18)
立民 5→7
静岡(8)
立民 1→2
兵庫(12)
立民 0→1
(維新 0→1)
特に新潟6区はでかい1勝ですね。130票差。
静岡も静岡6区取れれば立民3議席になったはず何だけど。市民連合がラブライバーに喧嘩売ったれいわ新選組と組みやがったからね。沼津でラブライバー敵に回したら、勝てんよ。
とはいえ、上記のように選挙区では東京も含めて増やしてるとこもあるんです。
特に新潟は、6つのうち4で勝ってるので、過半数ですよ。新潟移住したいね、雪かきさえ無ければ。
逆に選挙区でもボロ負けしてるのが、長野と愛知。
愛知の事情は地元なんで敗因はわかってるけど。
長野は何があったの? 今まで野党が勝ててたとこなのに。維新が立てた2区以外取れてない。
共闘してるから、バーターで比例は降ろしたところに、というそもそもそういう話だから、選挙区で統一候補の多い立民の票が前回より減るのは当たり前なんですよ。
だかられいわは比例で0から3になってる。本当は東海ブロックでも取れるだけの票取ったのに、小選挙区との重複立候補しか立てなかったもんだから選挙区で法定得票数取れなかったから公選法の規定で当選者無しになって、その分が公明党に回っちゃったんですよ。まあ比例で取れると思ってなかったんでしょうけど。
「選挙区は立民、比例はれいわ」という人が多かったという事ですかね。名古屋の緑区あたりはそういう人が多いと以前から聞いているので。
逆に共産党は、比例で立民支持層を取り込めなかったと。相変わらずの本村伸子個人票頼み。
比例東海、前回も、立憲民主が大量得票したのに比例候補が足りなくて、自民に1議席回しちゃってるんですよね。
立民は以上のような次第として。問題は共産党。
迂闊な事言うとあの連合のバカ会長の同類と思われかねないからSNSだとダメ出しすら出来ないんだけど。いくらなんでも志井委員長の「我々に責任は一切無い」発言は無いわ。無責任にも程がある。有権者バカにしとんのか。
そもそも、共産党だって本気で野党共闘してたか?
してなかっただろ。勝てるはずの選挙区で共産党が駄々こねて、”共闘”しなかっただろが。
典型例が岐阜5区。立憲民主から今井瑠々(ATOKでも変換できない)という25歳の女性新人が出て、序盤劣勢と言われながら結果として自民ベテランに1万4千票差まで詰め寄っている。共産党候補が取った票が8736なので単純合算しても及ばないが、共産党が候補を降ろして接戦と言われていた岐阜4区の今井雅人が1万9千票差だったことを考えると、ここを「共闘区」として力を入れていれば、勝てたはずだ。
同じ事は、私の地元の愛知6区、以前の住所地の愛知7区でも全く同じ事が言える。両区とも元々リベラル地域なので、一本化すれば100%勝てたはずだ。
6区7区の共産党候補、2人とも顔見知りなんだけどね。
ほんと一体何のつもりだと。
予め断っておくが、来年の参院選に出てきても、俺は絶対に入れんぞ。
激おこ、というより、情けない。
国家公務員の分を超える文章を書いてしまったかもしれんな。せめてボーナスが出るまではクビにしないで貰いたいんだが。
何故かTVも新聞も取り上げようとしない、だが重要な争点としなければならないことが、今回の総選挙にはある。
科学と政治のあり方だ。
人類は進歩的生命である。その粋たるものが、科学だ。科学が文明を発展させてきた。
自然科学は工学や医学、農学の礎である。また、法学や経済学、経営学に代表される社会科学は放っておけば混沌に陥りがちな文明社会にレールを敷いてくれる。人文科学は人間の本質を追究し、またその行動を整理し記録する、謂わば文明の土台作りをしてくれる。
人類全体にとって、科学は欠かせないものだ。
日本学術会議の分科会では、第一群が人文・社会系、第二群が生命科学・医療系、第三群が(生物学を除く)自然科学、と分けられているらしい。だがこれらは対立するものでは無く、むしろ相補的な関係にあるのである。好き嫌いならまだしも、どれが役に立ってどれが役に立たないなどという言動は、全く意味を為さない。
鉱物資源が多いわけでも広大な農地があるわけでも無い日本は、科学を軽視して生きていくことなど出来ない。幸い、多くの日本人はここまでは理解してくれる。
だが、何故かここでおかしな方向に走り出すものが少なくない。その中の典型例が、「科学とは、科学技術=工学(工業技術)の事だ」とばかりに、工学とそれに直接資する物理や化学を偏重する言動をとるものがいる。
「それが何の役に立つんだ?」という頭の痛くなる言葉を、一体何百回聴かされたことであろうか。
無論私は工業も物理も否定するつもりは毛頭ない。私はこれでも物理学科卒だ。だが、先に述べたように、科学とは相補的なものだ。本気で工学を発展させたいならば、自然科学に限らず人文社会領域でもありとあらゆる分野を底上げしていかねばならない。
智嚢とはそのように涵養されてゆき、それが新たな発見を生み出してゆくものだ。これは勿論工学に限らず、他の全ての「科学」に対して言えることだ。
コロナ禍においても同じ事が言えるだろう。政府が自ら任命した医学者ですら、政府与党に軽んじられるのが日本の現実だ。日本国産のワクチンがなかなか作れないのも、生命科学に於いて短期利益ばかりを追い求め基礎研究を怠ってきた結果だ。
そして、短期利益至上主義の犠牲になっているのは、何も生命科学だけでは無い。
近年日本人若しくは日本生まれのノーベル賞受賞学者が増えているが、彼らはコメントを求められる度に、基礎研究の重要性を訴える。科学者からしたら至極当然のことなのだが、「科学=科学技術」と勘違いしている日本人、とりわけ一部の政治家には、これだけ口を酸っぱくしていっても尚届かないという事なのだろう。
事実、今回の総選挙でも「科学技術」の振興を唱えておきながら具体策は出さず、基礎研究の充実には一切触れず、あまつさえ法で定められた日本学術会議の推薦候補を未だに任命しないという、謂わば科学サイドへの敵対行為を続けている政党がある。
今年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏(※愛媛県生まれだがアメリカ国籍を取得している為現在は日本人では無い)に至っては、受賞に当たっての記者会見でこの日本学術会議の問題に関してはっきりと苦言を呈している。
どういうわけか、これ以降真鍋氏の言動を日本のマスメディアが伝えることはなくなってしまったが。
上述の政党に比べれば、まだずっとマシな政党は確かにある。そこそこ本気で、科学重視・科学振興を考えているのだろう。だが一方で、過去に反科学的なカルト集団を党内に引き入れそれに対して一言の反省の弁もない政党と手を組んでもいる。そこが解せない。
また、こういう「マシな政党」であっても、下の方の候補者や地方議員、党員にまで行くと「自分は数学や物理がきらいだったから」というクソ下らない理由で科学を敵視している愚か者がいるのも、事実である。
正確に言えば、数学や物理だけが科学では無いということをきちんと教えてこられなかったこの60年あまりの日本の教育、そしてその方針を定めてきた政治にこそ責任があるのだが。
科学と政治のあり方。そして実際に現場と向き合う行政と科学のあり方。日本の没落とそれに拍車をかけたコロナ禍の最中の総選挙だからこそ、それを争点とし論戦を交わして貰いたかったものなのだが。それにはあまりにも、選挙期間も有権者の意識も、足りなさすぎるのだろう。
奇跡に近い閃きを発動させる天才でも現れない限り、は。
日本国の内閣総理大臣が交代した。新総理は所属する自民党の総裁選の際しきりに「新自由主義からの脱却を訴えてますので!!」と、その言葉だけ聞くとまるで共産党かと思うようなことを叫んでいた。
ではその新自由主義とは何か。正確には、新総理のいう新自由主義とは何なのだろうか。
経済学で言うと、新自由主義とは数理理論に基づきつつケインズ経済学に対抗しようというアメリカの現代経済学の潮流の1であるらしい。
同じく複雑な数学を駆使する金融工学と相性が良かったことから、その現実社会への応用と繁栄は必然的に金融資本主義と軌を一にすることになった。
結果、一言でいうと「金のない人間はプレイヤーにすらなれない」という悲惨な現実が世界中を席巻し、先進国ですら貧困が蔓延する事態を生んだ。
左派勢力、とりわけ日本共産党はこの状況を揶揄して「新自由主義体制」と激しく攻撃した。
途中、自分たちと敵対するものに何でもかんでも「新自由主義」のレッテルを貼るという脱線もあって、国民一般からは新自由主義の意味が分かりづらくなってしまった。
が、2010年代半ば頃から、新自由主義を信奉していた資本家サイドからその矛盾に気づく者が現れ、理論・実践とも見直さなければならないのではないかという機運が生まれた。
2014年にトマ・ピケティの「21世紀の資本」が大ブームになったのはその典型例と言えるだろう。
その結果、それまで日本の既得権益層が好んで唱えていた「結果の平等より機会(チャンス)の平等を」という理屈は、前提条件として「資本の平等(=結果の平等)」が必要である、という認識が浸透し始めた。
「21世紀の資本」で数理的に証明された事柄の一つでもある。
新自由主義にしろ共産主義にしろ、結果の平等を無視することなどできないのである。
さて、新しい総理大臣殿は、この件についてどのような認識でいるのだろうか。
自民党総裁選のさなか、一般学生から教育の在り方についてと割れたとき、彼はためらうことなくこう答えた。「結果の平等より、チャンスを平等にする。こうしなけれなりません!」と。
彼が叫んでいた「新自由主義からの脱却」とは、一体何なのであろうか?
元々言う事がコロコロ180°レベルで変わる、言葉に重みがない人物なので、いちいち言葉尻をあげつらうこと自体が無駄なことなのかもしれないが。
また140字越えしちゃったよ
スカパー!が16日間無料とか来たから、試しにここ数日BBC見てみてるけど、日本マスコミの報道内容と全然違うね。
東京五輪に不参加を決めた国はまだ少数だけど、選手個人だとかなりの数の有力選手が東京五輪不参加を表明してるらしい。
五輪観戦ってどういう目的でするものなのか自分には全くわからないけど、二流三流の選手しか来ないスポーツイベントって、見て面白いのかね? まあ、それは個人の自由というか勝手ですけど。
東京五輪のせいで俺らの生活制約されるのはふざけんな、って10年以上前から言ってんだよね。
世界の一流のスポーツ選手はそういうのちゃんと理解してるんだろうな、と勝手に思っておく。
—
高速メモ帳から送信
労基、ワタミ違法残業に是正勧告時間外は最長月175時間
共同通信 2020/9/29
https://this.kiji.is/683615582487512161
>外食大手のワタミ(東京)が、群馬県内で弁当宅配事業「ワタミの宅食」の営業所長を務める女性社員に対し残業代の未払いがあったとして、労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが29日、同社への取材で分かった。勧告は15日付。女性の加入する労働組合「ブラック企業ユニオン」によると、女性の時間外労働は最長で月175時間に上った。精神疾患を発症して休職中という。
>ワタミは、渡辺美樹会長を6カ月間減俸50%、清水邦晃社長を6カ月間減俸30%とすることも明らかにし、「社員の主張を真摯に受け止め、深く謝罪する」とコメント。残業代は過去にさかのぼって支払う方針としている。
ワタミというと、2008年に社員が過労自殺をしてネット上でブラック企業の筆頭格としてやり玉に挙げられていた会社です。
参考:
ワタミの過労自死事件の和解の凄さに付きとりあえずの解説
渡辺輝人 | 弁護士(京都弁護士会所属)
2015/12/9(水) 11:37
この事件自体は遺族と和解が成立していますが、その一方でまだ事件が係争中の2013年に、創業者で会長の(上記事件での責任も認めている)渡辺美樹氏が自民党から比例区で参院選に立候補し、当選して国会議員となっています。(出馬を誘ったのは、菅義偉現総理大臣だとも言われています。)
そして、昨年参院議員を任期満了で終えて会長職に復帰して、わずか1年で労基からの指導が入る事態に。
残業そのものを削減していこうという流れに、遅ればせながら日本社会がそういう方向に向かっている最中に、残業無くすどころか時間外手当すら払わない。
ワタミだけでは無いとは思いますけど。そういうブラック企業が、まだこの日本には存在する、そういう事実が厳然としてあるのです。
そして大事な事なので何度でも言います。
渡辺美樹が所属していた政党は、自由民主党です。
何とかして”残業代”とか”超過勤務”というものをこの日本から無くそうと踏ん張っている、あの殺人政党です。
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