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三重県は東海か否か


 7月28日の気象庁の台風12号に関する会見で、「人によっては三重県は東海じゃ無いという人もいる」という話が出ていました。

 確かに、地理学上は三重県は「近畿」と分類されていますし、三重県の同人誌即売会には大阪方面から来ている人も結構います。しかし、近畿というのは「中部(地方)」に対して使われる用語であって、「関西」「東海」という区分とは別だと思うのです。そもそも、三重県が近畿であるという定義自体明治以降の話で、江戸時代までは伊勢も志摩も紀州も近畿では無かったのです。
 そして、「東海」の語源は東海道から来ています。ですから、桑名の渡しで有名な三重県が東海地方で無いはずがありません。

 関西というのは関ヶ原より西という意味(※逢坂の関という説もあるようです)なので、三重県で言うと亀山市より西は関西という事になり、実際名張市の辺りは完全に大阪文化だとは効きます。が、四日市も津も松阪も伊勢市も鳥羽も志摩も、関ヶ原よりは東です。
 つまり、三重県の主要都市の殆どは、関西ではないのです。そもそも名古屋は三重県なので三重県は東海地方に決まってます。

 とは言え、荒野草途伸は2018年7月時点ではただの愛知県民(名古屋市民で無い)でしかなく、三重県が東海地方か否かは、感情論で語る立場に無く客観的データに基づいて判断せざるを得ません。

 なので、霞ヶ関官庁と企業・団体のうち三重県で営業・活動するもので、地域名に「東海」を使っている所とその範囲ざっくり調べてみました。

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1
省庁・組織・会社 区分 地方区分 管轄分組織名 管轄都道府県 参考URL
2
中日新聞 東海 東海本社 静岡県
3
マックスバリュ 東海 マックスバリュ東海 静岡県、神奈川県、愛知県、山梨県
4
キリン 東海 東海ビバレッジサービス 静岡県、愛知県(豊橋)
5
6
国土交通省 気象庁 東海 (定義) 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県
7
文部科学省 東海 (定義) 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県 http://keitai.mext.go.jp/i/saigai/jidouukeire/toukai/index.html
8
財務省 東海 東海財務局 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県 https://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/zaimud.htm
9
総務省 旧郵政省 東海 東海総合通信局 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/
10
総務省 旧自治省 東海 中央選挙管理会
(衆議院比例東海ブロック)
愛知県・静岡県・岐阜県・三重県
11
防衛省 東海 東海防衛支局 愛知県・岐阜県・三重県 http://www.mod.go.jp/rdb/tokai/soshiki/soshiki.html
12
農林水産省 東海 東海農政局 愛知県・岐阜県・三重県
13
14
東海テレビ 東海 愛知県・岐阜県・三重県
15
東海労働金庫 東海 愛知県・岐阜県・三重県
16
NTTドコモ 東海 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/tokai/
17
JR 国鉄
東海
(英名:central)
JR東海
(JR-Central)
愛知県・静岡県・岐阜県・三重県(伊賀以外)・
長野県(南部)・山梨県(身延地区)
18
近鉄不動産 東海 愛知県・岐阜県・三重県
19
20
税理士会 東海 東海税理士会 愛知県(名古屋市と知多地区を除く)・静岡県・
三重県
http://www.tokaizei.or.jp/shibu/mie.html
21
国鉄労働組合 東海 東海本部 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・長野県・
山梨県・東京都・大阪府
http://www.kokurotokai.com/menu5/index.html
22
23
厚生労働省 旧厚生省 東海北陸 東海北陸厚生局 富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 kouseikyoku.mhlw.go.jp
24
NHK 東海北陸 (広域ニュースエリア) 富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
福井県
25
サントリー 東海北陸 サントリービバレッジ
東海・北陸営業本部
富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
福井県
26
27
経済産業省 (電気) 中部電力、北陸電力 愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県、長野県
静岡県中西部、福井県越前
28
経済産業省 (ガス) 東邦ガス、中部ガス、等 愛知県、岐阜県、富山県、石川県、
静岡県浜松近辺、三重県(熊野市を除く)
29
アサヒビール 近畿 近畿圏統括本部
滋賀県、京都大阪、兵庫県、奈良、和歌山県
※Webサイトの地図だと三重県も含む
https://www.asahibeer.co.jp/aboutus/branch/
30
農林水産省 近畿中国 近畿中国森林管理局
石川県、福井県、三重県、滋賀県、京都大阪、
兵庫県、奈良、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県
広島県、山口
31
厚生労働省 旧労働省 三重県 三重労働局 三重県
32
コカ・コーラ 中日本 コカ・コーラ セントラル ジャパン 愛知・岐阜・三重・神奈川・静岡・山梨
33
国土交通省 旧運輸省 中部 中部運輸局 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・福井県 http://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/soshiki/index.html
34
国土交通省 旧建設省 中部 中部地方整備局 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、長野県南部 http://www.cbr.mlit.go.jp/kotsusyo/jimusyo.html
35
経済産業省 中部 中部経済産業局 愛知県、岐阜県、三重県、富山県、石川県 http://www.chubu.meti.go.jp/information/kankatu.html
36
総務省 旧総理府 中部 中部管区行政評価局 富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 http://www.soumu.go.jp/kanku/chubu.html
37
環境省 中部 中部地方環境事務所 富山県、石川県、福井県、長野県、
岐阜県、愛知県、三重県
http://chubu.env.go.jp/about.html
38
農林水産省 中部 中部森林管理局 富山県、長野県、岐阜県、愛知県
39
マックスバリュ 中部 マックスバリュ中部 愛知県・岐阜県・三重県、滋賀県
40
キリン 中部
中部キリンビバレッジサービス
愛知県、三重県
41
アサヒビール 中部 中部統括本部 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 https://www.asahibeer.co.jp/aboutus/branch/
42
財務省 名古屋 名古屋国税局 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県
43
法務省 名古屋 名古屋法務局 愛知県・静岡県・岐阜県・三重県・福井県・石川県 http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/chubu.html
44
中日新聞 名古屋 名古屋本社 愛知県・岐阜県・三重県、滋賀県
45
朝日新聞 名古屋 名古屋本社 愛知県・岐阜県・三重県、長野県南部、静岡県西部

 結論としては、官公庁だと「東海」は全て三重県が入りますが、企業だと含まないところもある、ということのようです。
 三重県を東海扱いしていない企業は、「東海=静岡県」という前提で地域区分しているようです。典型例が中日新聞東海本社(静岡県浜松市所在)です。

 一方で、「中部」だと若干微妙になってくるようです。官庁でも林野庁は今でも三重県は中部地方では無く近畿地方という扱いになっています。
 また、自分の記憶が正しければ、昭和の頃には三重県を中部管区で無く近畿管区として扱っていた省庁が他にも幾つかありました(大蔵省や建設省等)。

 そもそも、霞ヶ関で「東海」という地域名を使っていたのは、運輸省と郵政省ぐらいだったかと記憶してます。気象庁は運輸省の外局だったので、それに倣って当時から「東海」という呼称を使い、三重県も東海に含めていたのだと思われます。
 一方で他省庁は、名古屋にある分局名には原則として「中部」を使っていました。橋本行革の直前に発足した環境省も例外ではありません。高度成長期の頃からある大企業も、名古屋の拠点には「中部支社」「中部本社」という名称を使っています。

 しかしその後、橋本行革に伴う省庁合併に伴って内部機構も再編され、それに伴って、三重県を名古屋にある分局の管轄下に置き、一部の省では分局の名称も「東海~~」と変更したようです。
 一方で、「中部~~」という言い方は残したまま、三重県を近畿から中部に移した省もあります。国土交通省は運輸省と建設省が合併してできた省ですが、旧運輸省が「東海~~」という言い方をしているのに対し、旧建設省は「中部地方整備局」と中部の名前を残しつつ、三重県を近畿管区から移動させています。

 民間でも、昭和60年代以降に発足したり名古屋進出した会社だと、「東海」の呼称を使うところが多いようです。
 面白いところでは、東海税理士会という団体があって、これは東海4県(愛知岐阜三重静岡)のうち、名古屋地域を除く地域の税理士団体らしいです。三重県は東海だけど、名古屋は東海じゃ無いというわけです。おかしいですね。名古屋は三重県なのに。


TOKYO殺人五輪2020


xsreadで連続RTした東京五輪の問題ですが、自分のサイトのトップで東京五輪粉砕を掲げている関係上、自分のツイートも含めて少し補足しました。



五輪を理由に禁煙政策は打たれたが…



混雑リスクを避けるため五輪期間中にネット通販を控えろとのお達しが出て、大炎上



さらに、以前から問題になっていた、東京五輪の無償労働スタッフ(通称タダボラ)問題も再燃



無謀・杜撰な計画に、第二次世界大戦の日本軍インド侵攻作戦の無謀さになぞらえて”Tokyoインパール”との別称も。


https://twitter.com/yurikamome_chan/status/1017776318564331521

東京五輪で利益を得るのは東京貴族のみ。圧倒的多数の日本国民には、何のメリットも無い。


水道民営化の問題点


”働き方改革法”に関して、これから為すべき事をまとめようとしてなかなかまとまらないのだが、その間にも”水道民営化”法案も衆議院で絶賛審議進行中になってしまっているので、とりあえず一年前にGoogle+でコメントとして投稿した文章を掲載しておく。

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 電気やガスもライフラインであることを鑑みれば本来国営ないしは公営化すべき。
 明治以来民間資本を導入して整備が進められてきた経緯から現在は調達供給共に民間に委ねられているが、電気の場合供給の重要性から1地域1社独占を認める代わりに政府監督の下経営が行われ、資本も地元自治体が多く出資する半官半民形式が取られてきた。調達が自由化された現在でも、供給会社には最終供給責任が課せられており、調達専業会社との不公平性を考えれば発送電分離の上で供給会社を公営化し、公的責任で供給を担保するのが本筋である。

 水道の場合、電気以上に供給重要性が大きく生命的安全性も絡んでくる為、供給部分を民営化するのは公的責任の放棄に他ならず論外である。災害時であっても供給責任が生じることを考えれば、そもそも採算が合わない。
 調達部分も、水調達には水利権が不可分であり、また水道網が相互接続されている箇所も希少で自由化しても相互参入すら出来ずメリットが無い。
 よって、水道を民営化する意味は全く無い。口にするだけで無知のそしりを受けても文句が言えないレベルである。

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 昨日の豪雨で木曽三川で荒れた結果、愛知・岐阜の水道が濁って対処に終われているらしい。民営化したら、営利会社がこのような対処をきちんと取るだろうか? 多少濁っても安全性に問題は無いのなら、利益追求の観点からは放置するのが当然だろう。