日別アーカイブ: 2005年9月15日

「鳥の詩」盗作事件、Keyがコメントを発表


 Key(株式会社ビジュアルアーツ)は15日、公式ページ上でコメントを発表しました。台湾で発売されたあるCDアルバムの中に、同社のゲーム作品「AIR」で使われている曲「鳥の詩」を盗用したものが収録されているとして、CD発行元の台湾SONYBMGに抗議していたが、現在の所誠意のある対応が見られない、という内容のものです。
参照:Key Official Homaepage
 http://key.visualarts.gr.jp/
 この問題の経緯を、ざっと説明すると。先月末に、Keyのファンが集まる2大拠点である、「Key Official Homaepage掲示板」「2ちゃんねるBBSPinkLeaf/Key板(通称葉鍵板)」に、「台湾のKeyファン」と名乗る人からの書き込みがあったのが発端でした。
 以下にその内容を転載します。(出典は葉鍵板、URLのみ修正)

日本のみんなさん、本当に申し訳ございません
http://www.bmg.com.tw/show_artist.asp?cid=4&sid=96&txtEmail=%BF%E9%A4J%B1z%B1%FD%ADq%BE%5C%AA%BAE-mail
事件の中心「永邦」のOffcial Web site
八月中にリリースの”真愛珍愛 風行珍藏版”アルバム、
その中のトラック14「melody」
明かり様にAIRのオープニング「鳥の詩」をパクリしたの作品です
台湾の鍵っ子として、これはどんでもないの事件けど、
僕たちできるのことは少ないです
そしてここに書き込むのことを決意した、
アドバイスとか貰いのは幸です M(_ _)M

 実際に試聴サイトで曲を聴いた人によると、一部盗用というレベルではなく、そのまんまパクリ、というものだったようです。
 Keyの公式ページへの書き込みもあったことから、Key自身も調査に乗り出し、その後正式に抗議したのだが、結果は上記Official Homaepageに記載されている内容通り、ということのようです。
 Key側としては、侵害を受けた被害者であるにもかかわらず、
『1.WEB上での謝罪
 2.当該曲が「鳥の詩」であり作曲者が「折戸伸治」であるとの明示
 3.上記2点が満たされれば金銭的要求はしない 』
と、抗議内容は控えめにしており、特に3.に関しては著作権業界の常識では考えられないほどの譲歩をしているわけです。
 ところが、それに対するCD制作会社側からの対応は、「すでに販売権を購入済みであるというような事実と違う発表が一方的になされ」た、というものだというのですから。これはもう、不誠実というより非常識と言った方がいいのではないか、とも思えます。
 「Keyなんて所詮、たかがエロゲメーカー」と高をくくって、なめてかかっているのでしょうか。ファンとして、非常に悔しい思いです。
 相手は外国の会社、しかも大手レコードの系列という事で、アリが巨像に抗議をしているようなものかもしれませんが。Keyには是非、くじけずに頑張って貰いたいものです。
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9/19追記:
この件の詳細は、「絵文録ことのは:AIRオープニング曲「鳥の詩」盗作事件のまとめ」にまとめられています。よく知りたい人はこちらにどうぞ。


いつまでも唖然ともしてられない


 総選挙のあまりの結果に呆然として、しばらく何もできなかった荒野草途伸です。いやだって、これは異常でしょう。比例東京ブロックなんか、自民党の名簿搭載者が足りなくなって、1議席が社民党に回ったってんだから。
 とはいえ。全国的に見ると、民主党も意外と健闘してるんですよね。小選挙区制なもんだからこんな結果になっちゃったけど、得票率で見ると実は自民党と競っているとこが非常に多かったわけで。議席もそこそこ取ってますし。北海道なんか逆に、民主党の圧勝だったわけですしね。
 ところがそんな中で異常だったのが、東京・神奈川・千葉。前述のように東京では比例区の自民候補が足りなくなる事態になるし、神奈川では選挙区で民主全滅。東京・千葉も、幹部クラスが一人づつ辛うじて当選という有様。
 もちろん他にも自民独占という県はあるわけですけど。そういうとこは元々保守王国で、何があっても自民党の議員を送り出してきたような場所。しかも、民主党とは得票で結構競ってるわけですから。この首都圏の異常ぶりは、やっぱり際だちますよ。
 集団心理って恐ろしいなあ。と思うわけです。東京で大震災でもあったら、また大暴動に発展するんじゃないのかあの街は? と思ってしまいます。
 さて。唖然としてる数日の間に動きが出た政治・選挙絡みの話題。とりあえず2点ほど、コメントしておきましょう。長いから記事分けました。
コメント1:在外選挙権制限違憲判決について
コメント2:下地新党結成へ~沖縄
さて。次の記事が待っている・・・。
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9/14 コメント2:下地新党結成へ~沖縄


下地氏が「沖縄」新党を構想 保守・中道層で200人規模に(琉球新報)
 そうそう、選挙期間中に言い忘れてたんだけど。沖縄社会大衆党は、確かに沖縄1区で下地幹郎(無所属)氏に「支持」表明を出したけど。同時に、赤嶺政賢(共産)氏に、より強い「推薦」を出してるんですよね。朝日新聞やJNNはそのことに一切触れなかったけど。
 で、そのうちの当選した下地氏のニュース。どうやら、沖縄に保守新党を作るつもりらしい。まあ、今の自民党ははっきり言って沖縄にとっていい存在ではないし、沖縄の民主党は保守の受け皿になってないから。この際そういうのを作るのは、まあいいんじゃないかとも。
 沖縄の保守勢力というと、ここ10年は結構分裂気味で、新進党解党後に地元組織がそのまま存続した「新進沖縄」とか、徳田虎雄で有名な自由連合の県組織であった「沖縄自由連合」とか。そういったのが、それなりの勢力を持っていたのです。どちらも、結局自民党県連に吸収されてしまいましたけど。ちなみに、今回沖縄4区から出た西銘恒三郎・金城浩の両氏は、どちらも沖縄自由連合にいた人です。
 そう言った意味では、今回の「下地新党」はまた沖縄の政治をおもしろくしてくれるんじゃないかと、思うわけです。下地氏はJC(日本青年会議所)沖縄の出身で若手の保守層に影響力があるから、たぶんそれなりの勢力を築けるでしょう。
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9/14 コメント1:在外選挙権制限違憲判決について


在外選挙権の制限は違憲 選挙区投票認める 最高裁判決(asahi.com)
 選挙制度や定数格差の違憲判断に関しては、昔の最高裁は「違憲だが有効」というよくわからない判断をする傾向がありましたが。最近ではちゃんと、駄目なものは駄目という判断を下すようになってきたようです。
 この間の定数違憲訴訟でも、このまま放置したら次は選挙無効にするぞという警告的な趣旨の判決を出していますし、今回の判決では明確に期限を切って是正しなさいという判決文を出しています。
 さらに注目すべきは、「通信手段が地球規模でめざましい発達をとげており、在外国民に候補者に関する情報を伝えることが著しく困難とはいえなくなっている」と、暗にインターネットを使った選挙情報提供を促している点。
 現在の公職選挙法では、インターネットを使った選挙活動は禁止ですし、選挙情報の提供も非常に限られていますが。争点と直接関係しないこういう所にまで敢えて切り込んできた点は、裁判官として英断と言えるでしょう。
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