マイナンバーカードの問題が止まらない。終わらない。未来を。目指して。マイナカードを選ばれるカードにする努力を続ける。それが岸田自民党のジャスティスらしい。
今日は健康保険証のマイナカード統合に関して岸田文雄が記者会見するというので、一応話だけは聞いてやるという感覚で中継を聞いてみた。
わざわざ記者会見開いて言うような内容じゃねえだろ、としか思えなかった。
というか、「資格証明書と両方から選べる」だの「選ばれるマイナカードを目指す」(※選ばれる云々以前に強制統合されるから反感買っている)だの、「電子化推進のために健康保険証のマイナカードへの統合は予定通り変えない」だの。
アンタ何言ってんの? としか。
ちなみに上記発言のダメだし一応書いとくと。
「資格証明書と両方から選べる」
→選べはしない。連繋してない人は最大5年間資格証明書が使えるだけ。使えない人もいる。
「選ばれるマイナカードを目指す」
→選ばれる云々以前に、健康保険証が廃止されたらマイナカードとデータ連繋して使うしか無い。
「電子化推進のために健康保険証のマイナカードへの統合は予定通り変えない」
→健康保険証の電子化は別にマイナカードで無くても出来る。
端的に言って、何が問題になっているのか全く理解していない印象だった。
何が問題なのかわからないなら、黙っていればまだいいものを。わざわざ記者会見開いて「予定は一切変えません」とか。
推進派からすら、今のマイナ保険証の進め方は問題だという指摘が出ているのに。一体何が彼らをそうさせるのか。情報システムに対する無知が彼らをそうさせるのか。
今更ではあるが、マイナンバーとマイナンバーシステムとマイナカードとマイナカードへの健康保険証の統合は、それぞれ別の問題である。当然、それぞれに対して賛否は割れる。
マイナンバー制度には賛成だが保険証をデータ連繋して統合されるのはさすがに困る、という人は多かろう。
医療情報というのは究極の個人情報で、漏れれば場合によっては深刻な差別や人権侵害にも繋がる。だからこそ、税務情報だけでなく今後行政情報や信用情報と結びついていくマイナンバーシステムとリンクさせてはいけない。
健康保険証を今後電子化するにしても、マイナカードやマイナンバーシステムとは完全に切り反して構築しなければならない。
それを突然統合すると言いだした挙げ句、健康保険組合が全くシステム対応していない補助も支援もしない状態で期限だけ切って進めたもんだから、健康保険情報を手入力でマイナンバーシステムに入力するという到底「システム連携」とは言えない前世紀的な作業が、今でも行われている。
まさに基本設計のミスに他ならない。
設計が間違っているのだから、選択肢は本来2つしか無い。
設計からやり直すか、そもそものシステム導入計画を中止するか、だ。
ところが岸田自民党政権は、「設計の誤りも修正せずにそのまま進める」という、誰も考えつかないような最悪手を取ったのだ。
それで泣きを見るのが自民党の連中なら、まあ別に構わんか自業自得だ、となるのだが。実際に泣きを見るのは現場の人間だ。
システム開発で使われる用語にデスマーチというものがある。
いつまで経っても終わらないプロジェクトに従事していると、そのうちSEに死の行進を奏でる幻聴が聞こえてくるものが現れることから生まれた言葉、と言われている。
そういう状態に陥ること自体、トップが無能な証拠なのだが。仮に陥ってしまった場合は、トップはプロジェクト中断を含めて改善策を講じなければならない。
そういう事が出来ない組織は、得てしてブラック企業である可能性が高い。
さて。明らかにデスマーチがかかり始めている健康保険証統合問題を、中止も改善も出来ずひたすら精神論を唱えるだけの岸田自民党に、国のトップたる資格はあるのだろうか?
仮にもITで飯を食ってきた私からしたら、当然「否」としか答えようが無いのだが。
非IT系の日本人におかれましては如何ばかりか。