オタクの現実


 仕事が終わってビルを出たら、同じチームの女性が信号待ちをしていた。「おつかれさまです」と声を掛けたら、私の顔を見るなり悲鳴を上げて後ろに飛び退き、赤信号なのにそのまま渡っていってしまった。
 ただ笑っているしかなかった。
 オタクが女性に声を掛けることは、それだけで迷惑行為なのだと悟った。今までもなるたけ控えていたが、これからは近くに寄ること自体無いように気をつけよう。セクハラで訴えられるのもいやだから。
 これがオタクの現実である。無論、上記のことは今日私が経験した実話だ。
 電車男とかいうでっち上げ話のおかげで、オタクも身なりをきちんとすれば女にもてるとかいう、幻想というか説教を振りまく輩がいるが。そんなことは絶対にあり得ない。女だって馬鹿じゃない、オタクは所詮オタクでしかないということくらい、ちゃんと彼女たちは解っている。
 とは言え。電車男が未だに実話だと信じている人が多いのを見ると、オタクに対する認識もまだまだ低いのかなあとも思う。あんなことが、一般人ならともかくオタクに起きるはずがないのに。
 そう。もし起きるとすれば、むしろこんな感じだ。
 電車の中で暴れている男がいた。とても怖かったので何も出来なかった。でも、椅子に腰掛けている二人、若い女性と中年の女性がいたが、その人達に乱暴を働きそうな気配になったので、勇気を出して追い払った。
 若い女性の方がお礼を言ってくれたので、勢いともう一踏ん張りの勇気を出して、携帯電話の番号を訊いてみた。そうしたら女性の顔がみるみる変わって、それまで作っていた笑顔が崩れて、恐怖に怯えたような表情になってしまった。そうしたら隣にいた中年の女性が「あなた、いくら恩人だからって非常識じゃないの」と食ってかかってきて、また騒ぎになってしまった。
 そこへ事情を聞きに来た警官がやってきて、僕は警察署まで連れて行かれてしまった。
 まあでも、さすがに警官にまで差別されることはないだろう。相手が婦人警官だったらわからないが。
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オタクの現実」への3件のフィードバック

  1. FAZZ日記

    電車男、第3話「イタい、キモい、ウザい、って言うか無理!!!=( ̄□ ̄;)⇒ グサッ

    えー第4話放送当日に第3話の感想を書いているあたりでダメダメなんですが
    ま、一応観てますよってことで。
    電車男とエルメス、初デートもそこそこ上手くいっていたのだが
    「休日は何してるんですか?」とエルメスからの問いに
    「…」(休日の自分の回想)

  2. 荒野草途伸BLOG出張所

    いっそヒキになりたい気分です

     先日の一件以来、すっかり精神的に不安定になってしまっている。
     加えて体調悪い、というかこれはたぶん鬱症状が原因だと思うけど、とにかく体調悪いので今日は定時になると同時に速攻で上がった。

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