反撃能力増税の欺瞞


 政府与党が”反撃能力”なる先制攻撃を持つと言い出したりその為に防衛費を増やすと言い出したりその為に所得税他を増税すると言い出したり使い道はネット世論誘導の研究だという話が飛び出したりと、こっちが先制攻撃を食らったようなめまぐるしさです。

 論点がありすぎて自分ではとても追いつかないし、正直AIで防衛政策に影響力のある人を見つけ出してその人に任せたい心境なのですが。
 ひとまずやれることつぃて、岸田内閣や自民公明合意が言ってることの矛盾点をただしていきたいと思います。


1.反撃能力は抑止力にならない

 根拠は、北朝鮮。他ならぬ、政府与党が仮想敵に設定している北朝鮮です。
 北朝鮮は10年以上前からぼんぼんミサイルを撃っているが、その採取運目標は日本ではありません。アメリカです。世界有数の、人によっては世界最強の「反撃能力」を持つアメリカに届くミサイルを開発しようとして、日本海で実験を繰り返しているのです。
 強い反撃能力を持てば狙われないと言うなら、何故北朝鮮はアメリカを狙うのですか? 話が違うじゃないですか。

 北朝鮮とは別の話になりますが、強大なアメリカが狙われて手痛い被害を被った事件があります。2001年9月11日。国際テロ組織のアルカイダが民間機をハイジャックしてニューヨークとワシントンを攻撃して多数の使用者を出した事件がありました。
 このときアルカイダは何故アメリカを狙ったのか。ものすごくはしょって言えば、「アメリカが強かったから」です。

 強ければ攻撃されないなんて大間違いです。強いものはむしろ挑まれます。挑む側からしたら勝っても負けてもそれが名誉の勲章になってしまうのです。

2.防衛費43兆円もいらない

 元々は自民党が「日本の防衛費をGDP比2%にする!」と言い出して、結局防衛費と関連研究費を合わせてGDP2%、防衛費は分割払い分混みで43兆円に増額する、だから増税が必要だ、という話らしい。
 が、実際には分割払いで何を買うのかはまだ決まっていないらしい。アメリカからトマホークを買うという話もあるようですが、トマホークは攻撃用のミサイルでそれこそ持つだけで「先制攻撃の兆候あり」と見なされかねない代物なんです。
 さらには、防衛費の中に入るのか関連研究費なのかはよくわからないが、「ネット世論の誘導研究」等という「馬鹿者!」としか言いようがない話まで飛びだしてくる始末。

 自衛隊の建物に耐震基準を満たしていないものがあるという話もありますし、そういうのは防災上も問題があるし予算を確保しないといけないのだろうけど。それ以外のものの調達にそんなに必要なのでしょうか。否、いりません。

3.対北朝鮮では外交が唯一の実証済みの方策

 テロリストの方はまた話が違ってくるのでしょうけど、北朝鮮に関して言えばミサイルを撃たせない方策は。外交以外にありません。実証済みです。そして他に実証済みのものはありません。

 アメリカのトランプ政権が北朝鮮と直接交渉を開始してからトランプ退陣までの2年余り、北朝鮮はミサイルも撃っていないし核実験もストップしています。これが北朝鮮にミサイルを撃つのを止めさせた唯一の例です。

 なんかトランプの名前出すだけで頭吹き上がっちゃう人がいるからなのか、防衛力強化反対の人も何故かこの話をしたがりませんが。でもこれは事実です。

 ついでに。アメリカと北朝鮮の交渉が行き詰まった原因に、アメリカの同盟国のはずの日本と韓国の仲がめっちゃくちゃに悪くて足を引っ張られたこと、そして日韓対立を煽っていたのは自民党だった、という事実も併せて書き添えておきます。
 今北朝鮮がミサイル撃っているのは自民党のせいだ、と言っても過言ではないと私は思います。


 今必要なことは、同盟国であるアメリカに、あんた同盟国なんだからちゃんと北朝鮮と話をしろ、と外交的解決を迫ることです。増税して防衛費を積み上げることではありません。


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