規制なき残業からの生還者として


 70年ぶりの労働基準法改正、と自民党政府が胸を張る、いわゆる「残業規制」が安倍首相の仲介という形で合意した。率直に言って茶番と言うほかない。
 確かに、現状の「36協定で無制限定額働かせ放題」が「2段階上限制」になったという意味では、一歩前進ではある。だが、一歩でしかない。決して胸を張れるような内容ではない。当面の緊急措置として当然やるべき改正であり、この後半年か一年以内にさらに踏み込んだ改革が必要なのである。しかし、今回の連合と経団連の合意内容では見直し時期は「5年後を目処」となっており、緊急課題であるとの認識に欠ける。そして政府に至っては、それを手放しで自画自賛している惨状だ。

 では、今回の合意内容の何が問題なのか。私自身の経験を踏まえて列挙してみる。(ひとまず私が指摘できる範囲であり、ここに挙げる事項が全てでは無い、という事は予め申し添えておく)

・「繁忙期」の定義が従来通り企業任せのため、実質「いつだって繁忙期」が続くことになる。

 従来の労基法に基づく36協定の特例でも、残業(時間外労働)というのは本来例外規定なのである。通常期であれば1日8時間1週45時間(労使協定があればもっと短いところもある)が労働時間の上限なのである。
 しかし実態はどうか。残業のない恵まれた職場ならいつだって通常期だろうが、実際には「いつだって繁忙期」で毎月特例を適用して時間外労働をさせているのが現実では無いか。そしてその繁忙期か否かの判定は、完全に企業任せである。法令も省令もない。だからこれを理由に労基は動けないのが現状である。

 今回の合意内容でも、このルールは踏襲される。特例であっても100時間未満、とはなったが、月100時間と言ったら休出か平日深夜残業が必至になる時間量である。それが期末の1ヶ月だけ、とかならまだしも、数ヶ月にわたって続く事を認めたのが今回の政府ご自慢の法改正である。要するに、現状追認でしかない。自慢できるようなものでは決してない。
 しかも、「通常期は月45時間」という、よくわからないおまけ付きである。通常は時間外労働をさせてはいけない、というのが現行労働基準法の規定である。ここで言う通常期とは一体何か。改正どころかこれは改悪では無いのか。少なくとも、褒められた代物では無い。

・実態として勤務上限を超えていても、勤務記録自体をつけさせないいわゆる「サービス残業」への抑止策が無い。

 この「サービス残業」という言い方自体がよろしくない、というのは20年前から言われている事だが、それはひとまずさておき。

 今回の法改正で上限となった「45時間」「100時間」を超えても、勤務記録がなければ、超過勤務割増手当(いわゆる残業代)は出ない。
 自分が日立情報に派遣されていたときは、派遣元との36協定では月40時間上限だったのだが、実態としてはまるで守られていなかった。発狂して失踪寸前に陥った案件では、朝8時半から客先である大野城市役所に常駐を始め「定時」になると福岡市内の支社に戻り0時前まで開発業務、という日々が2ヶ月近く続いていた。名古屋市社会福祉協議会の案件では丸1ヶ月徹夜だった月もある。
 しかし、これらの超過勤務は40時間を超えた分は会社側の記録がない。よって、「働いていない」という扱いになり、残業代も出ない。
 当然違法なのであるが、記録がないから証拠が無いという話になる。

 マトモな労働者なら自分で勤務時間を控えておいたり、最近はその為の支援アプリも出ているのだが、それですら「セキュリティ対策」を口実に勤務時はスマホ携帯を電波の届かないロッカーにしまわせるという「対策」が取られてしまっている。

 というか、そもそもそんな自主記録を付けなければいけないこと自体がおかしい。

 今回の合意内容に、サービス残業に関することは含まれていない。政権は合意内容をそのまま踏襲すると言っているのだから、法改正にもこれは入らないだろう。
 つまり、上限規制を設けると言っても、結局は尻抜けなのである。それどころか、今までは超過勤務100時間を超えてもその分超過勤務割増手当を出していた会社も、これからは出なくなるのである。業務量自体を減らさなければ、結局は「サービス残業」ということになるだろう。
 到底褒められたものでは無い。

・インターバル規制が努力義務規定に留まり、過労死抑止策としての実態をなしていない。

 シフト勤務などで発生する「実質24時間労働」は、変形労働時間制という規定により、現状では脱法行為として合法になってしまっている。これを改善する為に、インターバル規制、即ち勤務時間と勤務時間の間に規定以上の時間間隔を置かせるという仕組みが提唱されている。
 シフト勤務でなくとも、連続した長時間勤務が過労死に繋がるとの報告があり、全業種において導入は急務である。

 しかし今回の政府ご自慢の法改正では、このインターバル規制は努力義務に留まっている。罰則がないどころか、ただの努力規定だから違法にすらならない。
 これの一体どこを誇れるのか。

・5年後の見直しを歌っているが、経営改革に5年は長すぎる。

 今回の政府ご自慢の法改正の最大の問題点がこれである、といっても過言では無い。

 今回の法改正がお話にならない状況を止める為の緊急避難措置である、という事を政府・経団連・連合ともまるで理解していない、という何よりの証左である。

 緊急避難措置であるから今回の改正労基法は可決次第即時施行されなければならない(もし即時施行しないようならそれこそ政府の怠慢である)が、経営環境が激変すると対応しきれないところもあるので激変緩和措置として妥協の産物な内容になるのは致し方ないだろう。
 だが、あくまで一時的な措置であり、直ちに次の法改正に取り組まなければならない。半年か1年、大目に見ても2年以内に行わなければならない。

 それが、5年先とはどういう事か。経営改革に5年も費やしていたら、上場企業なら株主から無能と突き上げられるだろう。
 大手企業の新入社員だって、3年経てば転職するか否かを考えるのである。その転職活動も、長時間労働で拘束されていては出来っこない。無収入に転落することを覚悟で辞めるか、過労死を目前に収入を得続けるかの博打を、5年も続けさせるつもりか。

 そしてそれを、70年来の大改革などと自画自賛する安倍自民党政権の果てしなき愚かしさ。現実に対する無理解、政権担当能力の無さを物語っている。


 過労死問題はなにも昨年始まったわけではない。25年前には既に「KAROUSI」という英単語が成立していたほどである。英語圏の人達はきっと驚くだろう、25年経ってまだ何もしていなかったのかと。
 死ななければいいという話でも無い。現に自分は生きている。生き延びた者として、この口から今一度言わせて貰おう。

 この程度で済ませる気か、と。


荒野草途伸の2013年を反芻する(Twitterより)


この4年間、どこまで合っていてどこで道を間違えたのか振り返るための作業の一環。
とりあえず2013年分まで。
Google+分は含まんでいない。


2017浦添市議選を評す


2017年2月12日に行われた浦添市議会選の結果を、改選前会派と比較して分析してみた。

改選前の会派構成は、以下のページを参照した。
http://www.city.urasoe.lg.jp/gikai/kosei.html

「てだこ」というのは、これは確か子供会を母体に当選した議員の集まりで、前回は思いがけず4議席も取って議会第1党になりそうだったので(公明党に配慮して)わざわざ会派を分けた、というように記憶している。
また、(よその市でもよくあるように)政党公認の議員が無所属議員と組んでいる会派があり、これは実質その政党の会派とみなしてよい。

これらを加味すると前回選挙の結果は以下のようであった。

公明
てだこ
仁の会
自民
共産
民主(※当時)
社民
社大
そうぞう
イノベーション21
市民の会

会派としては「てだこ」が第1と第2に会派を分けていたこともあって、2人会派が異常に多い構成になっていた。

これが、昨年6月の沖縄県議選に当山勝利氏が社大党公認で、また又吉健太郎氏が民主党公認で立候補した為、市議職から外れた。
(当山氏は県議に当選。)

その為、改選前は以下のような構成だったことになる。

公明
てだこ
仁の会
自民
共産
社民
そうぞう
イノベーション21
市民の会
民進
社大

それが今回、このような結果になった。(増減比較は、前回選挙比)

公明
共産(+1)
仁の会(-1)
自民
社民
イノベーション21
市民の会
民進(-1)
社大(-1)
維新(=そうぞう)(-1)
てだこ(-3)
{無所属新人}(+5)

(無所属新人は現時点で所属会派不明)

 今回2017年の市議選で、「てだこ」のうち2名が不出馬となったため、選挙前から-2が確定した。また、出馬した2名のうち1名も落選したため、結局「てだこ」は3減の1議席に留まる結果となった。

 公明党は公認4名全員当選で、現有4議席を維持している。浦添市には創価学会と対立する顕正会の沖縄支部がある関係で、創価学会が糸満市と並んで勢力拡大に力を注いできた場所であり、その為公明党の力が非常に強い。が、近年共産党が浦添で勢力を急拡大させている為か、今回は手堅く現状維持の選択を取ったようだ。

 赤嶺昇県議(無所属-県民の会)系列の「仁の会」は1名が落選し、2議席となった。赤嶺昇県議は民主党在籍時代に、又吉健太郎氏が市長選に出ようとした際に強硬に反対して取りやめさせた経緯があり、以来両者の間には相当な確執があったようだ。(2016年の県議選に又吉氏が民進党公認で出馬したのも、赤嶺県議との確執があってのものと聞いている。)この余波があったのかもしれない。
 一方又吉氏は今回当時に行われた市長選に、維新国会議員となった儀間光男元市長の支援を受けて出馬したが、落選している。
 
 共産党は1増で、3議席。現職2名は前回に引き続いて1,2位独占の結果になった。浦添共産党は元々西銘純恵県議(元市議)の個人的人気が非常に高く(その為市議時代にはもう一人の共産党市議との票の乖離が凄かった)、現市議のうち1名も西銘県議の息子で初当選時はトップ当選だった。(前回と今回は2位。)しかし、1,2位維持した上での1増を果たした今回は「西銘党」依存からの脱却を果たせたと言えよう。ちなみに当選した新人も含めて、共産党浦添市議は3人全員30代である。
 
 自民党は現職2名がそのまま当選。当選した無所属新人5名のうち、少なくとも3名は自民系と見られる。これを加味すると3増という事になるが、議席を維持した「イノベーション21」(若手企業経営者の会派)も実質自民系であることを考えると、同じ会派になるかはわからない。
 また、翁長県政との関係を考えて、那覇の新風会と手を組む者も現れるかもしれない。

 社民系は30代の新人が3位当選したものの、系列の無所属現職が1名落選してしまったため、±0の2議席止まりとなっている。(ちなみに社民党は、前回浦添市議選でも新人が通って現職が落ちるという結果になっている。)社会党時代は市長と県議を出していた土地柄であったが、そこまでの勢いはもはや無いということなのか、淘汰的に世代交代が推し進められているということなのか。
 
 民進系は前述のように又吉健太郎氏が県議選に出馬して市議を離職したため、改選前議席からは1のまま変わらずだが、前回選挙と比べると1議席減になる。また、当選したのも無所属現職で、公認は候補者すら立てられなかった有様である。前進の民主党時代から既に沖縄民主党は議員どころか党員すら確保出来ない壊滅状態にあり、今後も沖縄での復権は全く望めないだろう。
 
 社大系は公認だった当山勝利氏が宿願の県議当選を果たし、今回は市長選に出た又吉健太郎氏の支援に注力して、公認候補を立てなかった。系列無所属の現職が当選し、改選前議席は維持しているが、候補者を立てなかった分前回選挙よりは1減らしている。党自体が解散寸前からの立て直しの過程にあり、当分は現状維持の時代が続くのかもしれない。
 
 そうぞうは自民党を離党した下地幹郎衆院議員が作った保守系地域政党であったが、下地議員が最終的に(大阪)維新と合流し、また元浦添市長の儀間光男氏が維新比例から参院議員になったこともあって、維新に合流した。が、現職議員1人が維新公認ではなく無所属で出馬して落選しており、また公認候補も現職以外は落選し、結果としては1議席に留まる惨敗となった。2015年県議選でも、現職県議だった儀間氏の息子が維新公認で出馬して落選しており、浦添でのそうぞう-維新系の退潮ぶりが著しい。
 
 
 今回当選した新人7名のうち、実に6名が20~30代の若手である。これが今回の浦添市議選の最大の特徴と言えるだろう。党派は(おそらく)真っ二つに割れるとは言え、有権者の選択が「若手」であったことは間違いない。浦添市は子育て世代が多く平均年齢の低い土地という事情はあるが、それ故に逆に、老人世代の「若い者に希望を託す」などというノスタルジアに乗った若手進出などでは無く、現役世代の意向としての若手進出である、ということが言えよう。
 
 
 
 前回2013年の浦添市議選では、前述のように共産党の30代候補者が1,2位独占を成し遂げ、これが同年6月の東京都議選を経て7月の参院選で30代2名を含む8名当選という結果につながり、その後の共産党躍進の鏑矢となった。
 
 今回の浦添市議選は、今後の日本の進路にどのような影響を及ぼすのであろうか。
 


京都雪華録(兼文フリ京都レポート)


 ”るろうに剣心”とか、”薄桜鬼”とか京都を舞台にしたアニメ見てると、だいたい京都の街は雪が降っている。演出上の都合だろうぐらいに思っていたのだが、もしかして京都で雪が降るのは日常茶飯事なのだろうか。だとしても言わせて欲しい、三重は関西じゃ無い、と。
 
  タイトルが「京都」になっているが、話の都合上、前週1/22の大阪から入らせて貰おう。
 
  1/15は大阪南港でこみっくトレジャー(通称コミトレ)があった。年明けまで金欠状態だった上に体調がよろしくなくその上翌週には本命の文フリ京都を控えていたので、日帰りとか安宿泊まりでは正直きつかったので、参加見合わせも考えていたのだが、まあいろいろあって当面の金策が付いたので、大阪港の旅館に一泊して参加することにした。そう、一泊だけのつもりだった。
 雪のことは何も考えていなかった。
 
 金曜日になって、初めて週末に空前の大寒波が襲来するということを知ったのだが、その時は「はのっしー先生新潟からだけど大丈夫かなー」ぐらいにしか考えていなかった。
 出発当日の1/14土曜日になり、自宅の窓の外は雪が積もっていた。うちは瀬戸市の中でも山の方の、愛知高原国定公園まで2Kmの場所にあるので、大都会名古屋よりも雪が積もるのは仕方がない。
 その後天気予報を確認したら夕方頃に濃尾平野に雪雲が襲来するとのことだった。近鉄の週末フリー切符を使うことにしていたので関ヶ原で足止めを食らう危険性は無かったが、念のため予定を早めてとっとと近鉄特急で大阪入りすることにした。お陰で宿には規定のチェックイン時間より1時間も早く着いてしまった。営業開始前だったのでロビーは暗かったが、すぐに宿の主人が奥から出てきた。
 「大寒波、本当に来るんですか!? 大阪はそれで大騒ぎなんですけど」
 「ええまあ、うちは出るときは既に雪積もってましたけど」
 三重県は全然降っていなかった、とは言えなかった。そう、この時は三重県はまだ、雪など全く降っていなかった。
 この日の夜、文フリ京都新刊の2話目をようやく書き上げた。
 
 夕が来て、朝が来た。日曜日である。西暦を採用していれば安息日にしなければならないこの日にこの国では、大学入試センター試験・日本共産党大会・コミトレ、と、おおよそ安息とはほど遠い慌ただしい一日が当初から予定されていた。
 その上大雪である。Twitterは大騒ぎだった。新潟は妖精の王国と化していたらしい。しかし大阪は快晴だった。
 新潟の人はたどり着けても、何故か広島の人が大阪にたどり着けなかったらしい。当日手伝ってくれた”かなたん”君(滋賀県在住)によると、「京都はかなりの雪だったのに、新大阪過ぎたらさっぱり降らなくなった」とのことなので、雪雲は新幹線沿いに西に移動していったらしい。
 
 天気予報を確認したら、伊吹山辺りに張り付いていた雪雲の残党がこの後三重県方面に降りてくる模様で渋滞しそうだった。自分はたとえお気に入りのサークルでも壁サークルになると並ばないといけないから行くのをやめるレベルで渋滞が嫌いなので、雪雲が三重県を通り過ぎるまで時間を潰すことにした。結局雪雲と関係あるのか知らないが踏切事故で近鉄が遅延してたので、奈良の天理で一泊することにした。(そこが一番安かった。)
 
 翌日、三重県は南部は快晴だったが、四日市に入るととんでもないことになっていた。要約すると、一泊した意味は無く近鉄は遅延したままだった。湯の山線に至っては一部運行停止の有様であった。
 
 これを教訓としなかったのが、後の京都での敗因となる。
 
 明けて翌週1/22。文フリ京都当日である。この日は、同じく文フリ参加者で桑名に住んでる人を途中で乗っけて車で京都まで行く予定になっていたので、当日の出発になった。
 途中、長島PAで休憩と連絡を兼ねて立ち寄ったら、加藤ナントカいう議員の後援会が借りた名阪近鉄のバス数台からジジババが大量に降りてきていて、しかもただ渡ってるだけならともかく車道にたむろして立ち話をしており、車が来てるのにどこうともしない有様で、これで15分くらいロスしてしまった。後で落選運動したろう思ってたのに、下の名前を忘れてしまった。
 おまけに桑名ICで方向を間違えて、桑名東で入り直す羽目になった。金はともかく時間をここで大幅にロス。
 新名神は特に混んではいなかったので、予定よりは遅れるがまあ何とかなるだろう、とここまでは思っていた。
 
 問題は、京都東ICを降りてからだった。地図を見て勝手に、「山沿いの国道一本道だから、会場のみやこめっせまで30分もかからず行けるだろう」と、思い込んでいた。
 全然違った。大都会山科だった。山道なんてどこにも無かった。一本道ではあったが、信号が多くて1時間近くかかってしまった。
 会場がすぐ見つかったのと駐車場が空いていたのは不幸中の幸いだった。が、この時点で既に10時半。開場まで30分しか無い。大慌てで段ボール箱を開く。設営用の備品はコミトレ会場から直送していたことにここで気づく。大慌てで受付に走る。別にそこまでして古新聞とリポビタンDに固執する必要も無いのだが、既刊も全部同じ箱に入っていたので、取りに行かないわけにはいかない。というか、送った以上取りに行かないといけない。
 写真を撮っている余裕は無かった。
 
 残り時間15分。なんとか見本誌提出まで漕ぎ付く。
 隣のスペースは労働問題で有名な「POSSE」、反対側も「怒れる女子会」という大阪朝日に掲載されるほど有名らしいサークル。それに挟まれて鎮座する、古新聞サークル。いっそ古新聞をテーマにした本でも出せば良かった。
 POSSEはまだ誰も来ていなかったが、「女子会」の方は自分より先に既に来て座っていた。新刊が100円コピ本なので、新刊交換すべきかどうか迷う。というか、そもそもこの手の文学評論系イベントで新刊交換の風習があるのかもわからない。というかそれ以前に相手は女性なので、声など迂闊にかけたら痴漢扱いされかねない。
 なので大人しく存在を無にして開場を待つ。
 その後POSSEの人が来て本を並べていたが、普通に書店で売っている2~3千円くらいの本を並べていた。そういえば文フリは商業誌もOKなんだっけと思いつつ、まあこれで100円コピ本渡したら怒られるだろうなと思って、黙っていた。
 
 来場者は、思いの外多かった。文章系だし、無料で読める見本誌コーナーは廊下を挟んだ反対側にあるしで、会場内に来る人はそんなに多くないだろうと思っていたが、そんな事は無かった。ただ、平均年齢はやや高めだった。
 あと、来場者が多い割には女性が少なかった。「男性向け」メインのコミトレより少なかった。自分のいた列が「評論」系だったので、小説・ラノベ系だとどうだったかはよくわからないが。たぶんそんなに変わらなかったのでは無いかという気がする。というか、なんで評論で申し込んでしまったのか。
 
 開場間もなくして、「一太郎」販売元であるジャストシステムの広報担当者さんが、わざわざ挨拶に来て下さった。
 Twitter始めた頃からフォローしてるし、名前は知っていたとのことである。まあ、それ以前に大学生の頃から足かけ21年一太郎使ってますし、花子の松下特許訴訟事件の時に自分が書いた文書は結構有名になりましたし(今でもちょくちょくアクセスあります)。新刊含めて、これまで出した本全て、カラー表紙と”討議資料”以外は全部一太郎で作ってPDF入稿してますしね。うん、”討議資料”は流石に無理だった。
 手土産に阿波ういろを頂きました。ジャストシステムの本社、徳島ですからね。行ったこと無いけど。そういえば、「金さんラーメン」の徳島製粉も、徳島じゃ無いか。今気づいた。
 
  売り上げは、0では無いけど、コピ本しか売れなかった。まあ、オフセ本は評論も含めて全部鍵系だし、仕方のないところである。0よりマシである。一年前の、あの屈辱のコミトレよりは。

瀬戸川家”討議資料”


 
 ちなみにうち1つは、お隣の「女子会」さんに買って頂いた”討議資料”。
 
 
 うん、確かにこれ、何で討議資料なのか説明しないとわからないよね。値段つけて売っちゃってるわけだし。公選法に引っかかる心配はないけど。そういえば、この件を追求してた蓮舫、今では民進党代表ですね。時の流れは速いものですね。
 
 開会時間も、時の流れと共に終了。さて、問題はここから。
 
 折角京都に来たのだから、せめて一泊しようと思っていたのだが、場所が定まらない。
 どうせ車で来てるのだし、いっそ京都府でも北の方の舞鶴か天橋立まで行ったろうかとも思ったが、疲れてて運転するのがだるかったので、流石にやめた。京都駅前の旅館が空いていたので、そこを取った。2泊分。この、2泊というのが大きな間違いであった。
 実はこの時点で、京都に再び寒波が押し寄せてきていることを、把握していなかった。そもそも宿を取ったのも、会場からは撤収作業の邪魔にならないようさっさと引き上げた為、車をいったん出した後京都市内をうろうろして、結局梅小路の近くのコインパーキングにいったん停めてそこでスマホから予約を入れたので、天候の確認をしている余裕など全く無かった。ので、雪が迫っていることを知ったのは宿で落ち着いてからであった。
 正直、青ざめた。
 
 とはいえ、2泊もすれば雪も去るだろう、とこの時は思っていた。
 
 明けて平成29年1月23日。この日は、武蔵境方面の人のいうところの京都方面である宇治市に巡礼に廻る傍ら、1日フリー切符を使って「駅メモ」の未取得駅を出来るだけ取ってやろうという計画だった。
 天気予報では雪だったが、窓の外は快晴だった。雪が降り出したら帰ろう。そう思って宿を出たら、雪は既に降っていた。快晴なのに、雪。晴なのに雨が降ると「狐の嫁入り」と言うが、雪の場合は何というのだろうか。名雪と真琴が取っ組み合いでも始めるのだろうか。あ、そういえば新刊の主人公の「相沢」は相沢祐一から取りました。他に名前が思いつかなかったので。
 
 何はともあれ、既に降ってしまってるのではどうしようも無い。酷くなったら帰る、に計画変更して、あちこち廻る。
 
 保津峡。
 
 
 宇治市・京都アニメーション本社
 

 蹴上駅
 
 
 結局、この日は大雪にはならなかった。
 夕飯は、京都駅のラーメン街で、徳島ラーメンを食べてみた。京都に来てるのに、何故か徳島尽くし。写真は録り忘れた。すき焼きラーメン、という表現が一番相応しいだろうか。
 
 宿に戻って天気を確認したら、なんかますます帰れなくなりそうになっていた。そう、この日のうちに帰るか、逆に3泊するか、だったら問題無かったのである。よりによって、一番大変なときに帰る日程になってしまった。
 どうせこの後特に予定もなかったし、延泊しても良かったのだが。延泊してもすることが無い。かと言って、このまま帰ると、滋賀県で確実に雪に掴まる。下手すると京都市内が大雪になって、車を出せなくなる。沖縄で調子こいてた頃に買った車なので、塩害対策はしてあっても、雪には全く対応していない。具体的にはチェーンが無い。
 
 
 
 
 
 さんざん天気予報と雨雲レーダーと京都周辺の地図と睨めっこしながら考えた結果、「久御山にあるイオンモールで雪雲が去るのを待ってから、京滋バイパスで新名神に入って積雪状況を見ながら帰る」というプランを立てて、4時過ぎに寝た。
 
 翌朝。天気予報を確認したら、午前中は曇りに変わっていた。だったらわざわざ時間を潰すまでも無い。京都から名神に入って、行けるところまで行くことにした。
 
 以降は、めんどいのでTwitterの記録を転載しておく。


 
 とにかく。つかれました。
 「雪華録」なんて、そんな小粋な名前が当てはまるような状況じゃ無かったです、すいません。


文学フリマ京都_参加告知


1/22に京都市・みやこめっせにて行われる「第一回文学フリマ京都」に参加致します。

配置番号は、「あ-20」です。
配置図はこちら

配置ジャンルが、何故か「社会評論」になっていますが、社会評論を出す予定はございません。
(申込時点で確実に出せた最新刊がリトバスリーダー論増補版だったので、ジャンル「評論」にした記憶は確かにあるのですが、なんで「社会評論」になってんだろう…。紹介文でAI云々書いたからだろうか…?)

まあ、それでも少しでも社会派っぽいものをと思いまして。最初書こうと思ってたものから急遽予定変更して。
新刊は、労組系ライトノベル風オリジナル小説「空想なんかじゃない」の1~2話のコピ本になります。

(本当はクライマックス部分になる3話まで書き上げたかったのですが、さすがに体力が尽きたので。。。)

20部程度持参します。

この他にも、既刊もコミトレで出してたのは一応会場には持参します。(というかコミトレ会場から宅配直送でもう送っちゃいました。)
実際並べるかどうかは、周りの雰囲気を見てからになりますが…。
(隣がPOSSEさんですし。。。あんまりチャラ付いた雰囲気もアレかなと)

一応、以下の2つは並べようと思ってます。(一応評論ジャンルなので)

瀬戸川家で語る駅メモ

誤解されてる方もいらっしゃるかもしれませんが、2つとも評論ジャンルです。

あと、コミトレ用のボールペンがかなり余ったので、お買い上げ頂いた方へのボールペン進呈を文フリ京都でも行おうと思います。
(ボールペンだし、まあいいですよね?)

1/22(日)、みやこめっせ あ-20 にてお待ちしております。


通販委託リスト2017/1/10時点(瀬戸川家)


Key系の通販リストはこちら

瀬戸川家

書籍

瀬戸川家で語る「駅メモ」
booth:
https://xatosi.booth.pm/items/322167

グッズ

瀬戸川家”討議資料”
とらのあな:
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/40/79/040030407968.html

epub

瀬戸川家で語る「駅メモ」
booth:
https://xatosi.booth.pm/items/322117
パブー:
http://p.booklog.jp/book/105065

「瀬戸川家の人々」企画資料
booth:
https://xatosi.booth.pm/items/322124
パブー:
http://p.booklog.jp/book/104773

瀬戸川家討議資料ニ於ケル「瀬戸市は実在しない」トノ表記ニ関スル弁明書
booth:
https://xatosi.booth.pm/items/322120
パブー:
http://p.booklog.jp/book/104774


10月30日に益川先生とお目にかかりました


 もう1ヶ月も前の話になってしまいますが、周りには言ったつもりで実は全然言ってなかった事が、iAcnからのメールで判明したので、遅延記事を書かせて貰います。

 去る10月30日(日)に、「憲法9条をまもる瀬戸の会」11周年記念イベントとして、ノーベル物理学賞受賞者で学者9条の会世話人の益川敏英先生の講演会が、瀬戸市の瀬戸蔵で行われました。

 講演会と銘打ってはいましたが、益川先生のたっての希望という事で、対談者数名とトークをしながら益川先生がお話をされていく、というスタイルになりました。
(※後で、対談形式そのものに聴衆から不満が出ているという話を聞いたので、益川先生の希望でそうなったのだという事をこの場で強調させて頂きます。今回に限らず、益川先生の『講演会』はだいたいそういうスタイルのようです。)
 
 その対談者の一人に、不詳私、荒野草途伸も列席させて頂きました。

 びっくりですね。

 ウチの親は、なんか私が物理学科卒だからそっち関係で回ってきた話だと勘違いして親戚にも触れ回った(丁度同じ日に、例の雪風乗務員だった祖父の法事だった)みたいですが。そんな、琉大の物理学科出ただけで大学院すら行ってないような人間が、物理繋がりで益川先生のような人との対談者の話が来るわけがありません。
 ぶっちゃけ言うと、共産党経由の9条の会繋がりです。
(9条の会自体は共産党員が多数参加しているというだけで、共産党系の組織というわけでは無いらしいのですが。正直、あまりよくわかってないです。)

 対談者は他に、元NHK記者の沖野さんをメインに、神田すみれさんという育児をしながら翻訳業をされている方、そして瀬戸市にある聖霊高校の高校生・加藤美羽さんと鈴木ま弥さん(※控え室で本人に確認とって名前は出してOKとのことだったので)、そして荒野草途伸の、合計5人で益川先生に挑む形になりました。

 で、肝心の対談講演会の内容ですが、ただでさえ緊張していて対談を乗り切る事で頭がいっぱいだった上に、途中でマナーのなってない聴衆が何人かいて、正直内容を全部は覚えていません。質問は挙手をして指名されてから答えると、学校で習いませんでしたか?
 まあ、冒頭からいきなり、予定に無い割り込みをしてきた某国会議員の挨拶で時間を取られた時点で、もうなんだかなんだかなんですが。というか、それ以前に、始まる前の益川先生との打ち合わせの最中なのに、その国会議員の秘書やらウィル愛知の事務局やらが入り込んできて、まともな打ち合わせが全然出来なかったんですね。だから実質ぶっつけ本番だったんです。
 なので、講演会の内容は殆ど覚えていないんです。

 そういうわけで、Twitterに自分が記録していた内容と、対談予備候補者だった高校生ミュージシャンのルセール君のツイートから

 あと、「二足のわらじ」という事をしきりに勧めておられて、要するに本業バカになってはいけない、という話をされていました。

 荒野がほぼ唯一覚えてる事として、益川先生の蓄電の確立を抜きにして自然エネルギーの普及を唱える事は無責任、という話をされた上で、「LC回路を使った蓄電法の研究」という提言をされた事が、荒野としては印象に残っておりました。
 ちなみにこの件について、最後の質問という形で「その研究は民間企業でも出来るレベルの事か、国家プロジェクトとしてやるレベルのものか」と尋ねたところ、「国家レベルで取り組まないといけない」と力説されておられました。『「二足のわらじ」ではダメなんでしょうか?』と蓮舫風に食い下がったら、国を挙げて取り組まねば駄目だ、と怒られました。

 ほんとはこの話をもっと聞きたかったんですけど、時間が無かったし、そもそもの趣旨が違ったので。
 聴衆の方にもこの話聞きたかったという人は何人かいたようなので、いずれどこかの機会でお話を伺えると良いですね。

 本来の趣旨であった、憲法9条と軍需産業の話が全然出来なかった本末転倒の講演会でしたが。
 私にとっては大変有意義な時間でした。

 最後に、講演会が終わった後、折角なので控え室で益川先生と二人の写真を撮って貰いました。
dsc_0470
 撮った人に、「二人、似てますね」と言われました。益川先生はなんか不満そうでした。

 この後、本当は懇親会があったのですが、疲労が極度に達していたので欠席して家に帰り、そのまま約1ヶ月寝込んでしまいました。
 まあ、これが原因というよりは、講演会前にあったあり得ないようなトラブルで心労が積もっていて、講演会の対談者自体辛うじてこなした、という状態だったのですけど。

 友達よこれが私の、益川先生と写真に写っていた経緯です。


もはや闇ですらない


電通過労死問題を期に、一挙に動き始めたかに見える日本の労働問題。しかしこれがガス抜きになってしまう危険性はないだろうか。これが電通に限った話では無いという事を、どれだけの日本人が理解しているだろうか。
「経営者目線」に洗脳された労働者、否労働者と呼ぶにはあまりにも自覚の足らない”労民”は多い。彼らは時として、命を守る我々に敵意をむき出しにして牙を剥いてくる。

近鉄から電通まで~もはや闇ですらない

dentsuだけじゃない~RT履歴2016/10/30~11/8

抗うが如く xsread にてまとめたモーメントも、ほんの氷山の一角にしか過ぎない。
それでも我々は抗い続ける。戦って死ぬなら労民としてではなく、人間として。


家計消費状況調査(二人以上の世帯の支出関連項目:平成28年8月分速報)より


総務省統計局公表データ 家計消費状況調査(二人以上の世帯の支出関連項目:平成28年8月分速報)
http://www.stat.go.jp/data/joukyou/pdf/gaikyou.pdf

より。

・冷蔵庫・エアコン(白物家電) 減少
・婦人用スーツ・ワンピース 減少
・洗濯機 名目では減少だが実質は増加
→白物家電が不振だが、服を買わずに使い回すようになったので洗濯機は必要になっている?

・ビデオカメラ・ビデオデッキ・ゲーム機が、白物家電以上に激減している
・デジタルコンテンツへの支出は伸びている。
→デジモノ好き層の支出傾向の変化の現れ?

・自動車は減っているが原付は増えている
・出産以外の入院料が伸びている
→交通事故の増加と関係がある?

・家屋のリフォーム代が伸びている
・婚礼費用が伸びている
・出産入院料は減っている
→結婚して親元に住む若夫婦が増えたが、子供は作ろうとしていない?

 結婚してどちらかの親元の家を改修して同居するようになり、冷蔵庫やエアコンはある程度共用できるが洗濯機はさすがに別にしたいのでそれぞれで買っている。同居なので服やデジタル家電を置く場所が無く、買わなくなった。代わりに場所を取らず狭い自室でも出来るスマホ用コンテンツで時間を潰している。
 駐車場も田舎で無いと確保は難しいので原付を使うようになり、交通事故を起こして入院するようになった。家は狭いし原付しか使えない有様では育児は難しいので、子供は作らない。

 そういう社会状況なのだろうか…?


2016新潟県知事選序盤の考察


なんか変な時間に目が覚めてしまったのでネット漁ってたら新潟県選管から序盤の期日前投票データが出ていたので、ちょっと分析してみた。
そんなに大したことはしてない(予防線)

まずは、公開データに単純に前回比の差分を加えたもの。市区町村毎の簡単な地域特性も書き加えた。

次に、これを前回比伸び率でソートしたものがこちら。

このデータはあくまでも期日前投票のデータで、誰に入れたかは全くわからないので、このデータだけで誰が有利かとかを特定することはできない。が、「本来特定の候補者が強いはずの地域」というのはあるはずなので、そういう地域で投票率が高い(or低い)なら、候補者の勢いの度合いを推測することは出来る。

特定候補者はさておき、全体的な傾向として。

伸び率が比較的高いのが、新潟市の中心部(中央・西・東・秋葉区)。篠田新潟市長は泉田知事の盟友らしいので、ここは泉田地盤と見ていいだろう。三条市も、泉田知事の出身高校・三条高校があり、泉田地盤とみなしていい。米山氏は泉田氏の後継を明確に打ち出しており泉田氏も事実上公認している為、泉田地盤は米山氏に優李な地域と見ていいだろう。
魚沼市も米山氏の出身地であり、米山地盤と見た方がいい。
一方、狩羽村は柏崎狩羽原発のお膝元で財政経済の原発依存率が高く、ここは森氏の地盤と見るべきだろう。小千谷市・見附市といった地域も、長岡市に近く長岡市長だった森氏に有利な地域と見るべきだろう。

一方、伸び率が低いのが、村上市などの県北部の他、新潟市の郊外部やその周辺都市である。特に、柏崎狩羽原発から30Km圏内に入る西蒲区で投票率が伸びていないのが、非常に気がかりである。
さらに言えば、森氏の地盤であるはずの長岡市ではもっと伸び率が悪い。柏崎狩羽原発のもう一つの立地値である柏崎市は、さらに悪い。ちなみに長岡市も柏崎狩羽原発から30Km圏内で、BSNの調査でも原発再稼動問題への関心は高めという調査結果が出ている。
正直、長岡市や柏崎市で投票率が伸び悩んでいるというのは、意外な結果だった。

まだ序盤なので、今の段階で投票していないというのはむしろ「誰に投票するか迷っている」という現れとも言えるので、この辺りの地域の人には大変な迷いがあるのかもしれない。

米山氏は元を辿れば自民党の人で、その辺りで旧来の左派層の一部には不信感もあるとも聞く。新発田市・佐渡市から出たもう2人の候補者がやたら左派色の強い主張をしていたのは、てっきり自民党政権による左翼分断作戦の一環かと思っていたが、北部・佐渡地域の左派層に米山氏への反発が強い事の現れ、という側面もあるのかもしれない。その結果が、北部・佐渡の序盤投票率の低さに表れているのかもしれない。

まあ、結果は投票箱が閉まるまでわからないのですが。まだ2週間近くあるんですね…。沖縄県知事選から2年近く経つので、もう感覚忘れてしまっていました。

個人的には、結果的に「沖縄モデル」の全国2例目となる選挙になるので、是非米山氏には勝って貰いたいところですが。