国際」カテゴリーアーカイブ

東京五輪終了まで「自粛」は一時中断します


 東京五輪関係者、とりわけアメリカNBC社長の暴言と謝罪すらしない態度に抗議し、東京五輪が中止か終了するまで「自粛」を一時中断することを宣言します。

 私は元々誘致段階から東京五輪反対派でした。
 しかし、コロナ禍に伴う開催1年延期という”妥協”を開催派側がしたため、こちらも命と生活を守るという観点から曲げて東京五輪反対の畑を一度は降ろしました。

 しかし、もう我慢の限界です。

 JOC、IOC、自民党、その他諸々の失態。到底見過ごせるものではは無い。
 中でも、アメリカNBC社長が先月吐いたこの暴言は、絶対に許せるものでは無い。


東京五輪の開会式始まれば「みんなすべて忘れて楽しむ」 アメリカ向け放送権持つNBCユニバーサルCEO東京新聞 2021年6月16日 11時46分

 しかも、1ヶ月以上経った現在至っても尚、アメリカNBC社長はこの発言を撤回も謝罪もしていない。

 そんな東京五輪を、私は人道的観点から到底許すことは出来ない。
 よって、一度は降ろした「東京五輪反対」の旗を、再び掲げることをここに宣言する。

 その一環として、「東京五輪開催対策でしか無い”自粛要請”」を、東京五輪終了まで完全無視することに決めた。

 過労死寸前で踏ん張っている医療関係者に申し訳ないという気持ちは、勿論ある。だが、東京五輪関係者の一連の態度は、あなた達医療関係者をも愚弄するものだ。それへの抗議も含められている、という事で、どうか見逃して欲しい。

 というか、できれば医労連や連合系医療労組は、東京五輪開催期間中にゼネストを打って欲しい。
 それくらいの思いで下した決断だということを、ご理解願いたい。

 改めて述べる。今後、8/8若しくは途中で開催中止になるまで、いわゆる自粛行為は一切しない。
 人の目にはただ遊んでいるだけのように見えるかもしれないが、責任は全て東京五輪関係者にある。そもそも、遊びだって人間活動の一環だ。

 平和って、何でっすか?
 人間らしい生活が出来ない事を強いるイベントの、どこが平和の祭典なんですか?


12:21追記:
 勘違いしないで貰いたいのは、今回自分が宣言した”自粛一時停止”は、コロナ感染当初からいる「反自粛」とかその手の類の連中とは全く違うという事。
 あくまでも利権・侮蔑にまみれた汚れたイベント東京五輪に抗議する為の窮余の策という事であって、東京五輪が終わったら即感染予防協力の為の自粛生活に戻るのだという点は念押ししておく。


紛争幇助施設たる東京五輪を批判した結果か?



 7/11のSLS名古屋新刊「父に代わって弁解します」。
 同じものをとらのあな通販に委託した他、電子書籍版をBOOKWALKERにも委託していた。(とら電子版は何故か女子向けで承認されたあと、審査中のままになっている。)
 BOOKWALKERは申請して翌日、7/2に販売許諾の連絡が来た。



BOOK☆WALKER 同人誌・個人出版 著者センターをご利用いただき、
ありがとうございます。

以下の申請の確認が完了しました。
BOOK☆WALKERストアに今後24時間以内には反映されますので
今しばらくお待ちください。

【申請内容】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■申請対象  : 父に代わって弁解します
■申請種別  : 販売申請
※詳しい内容は著者センターでご確認いただけます。

(後略)


 販売開始日は、SLS名古屋と同じ7/11に設定していた。
 SLS名古屋では予想に反して7部も売れるというまずまずの結果であった。

 翌7/12。突然こんなメールが来た。(時間は13:12付。仕事中だったので今し方気づいた)



いつもお世話になっております、ブックウォーカー 同人誌・個人出版担当です。

著者センターに弊社からのご連絡がございますので、以下、ご確認をお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
件名: ご登録作品の停止について

ご利用ありがとうございます。
同人誌・個人出版サービスです。

販売させて頂いております、貴作品、以下1作品についてのご連絡になります。

・父に代わって弁解します

二次創作作品となるため配信停止をさせていただきました。

二次創作作品に関しては、有料・無料にかかわらず弊社が版権元に許諾を
頂いている作品か、著者さまが版権元に許諾を頂いている作品のみ取扱い可能です。

利用規約代9条【本二次作品】の項目をご参照ください。
https://author.bookwalker.jp/info/usepolicy

規約抜粋:
第9条:【本二次作品】
1. 会員は、本原作の利用方法その他諸条件については、二次創作許諾一覧に定める条件及び注意事項等に従うものとします。
2. 会員は、本サービスにおいて、会員が正当な権利を有する場合を除き、二次創作許諾一覧の本原作以外の二次的著作物を配信できないことを確認します。
3. 当社は、会員に事前に通知することなく、いつでも、二次創作許諾一覧を更新することができます。会員は、これに異議を述べないものとします。
4. 会員は、会員が正当な権利を有する場合を除き、本原作を本サービス以外において利用することはできません。
5. 当社は、会員が本条に違反した場合、第21条第2項及び第3項に従って当社が必要と判断する措置を講じることがでるものとし、会員は、これに予め承諾します。

 この規約の第何項に違反しているのかは、全く書かれていない。
 そもそも、7/2日に認証されて10日も経ってから登録停止というのは、随分おかしな話である。
 BOOKWALKERは審査が厳しいので、規約違反なら最初から許諾をdqしたりはしない。(実際、審査段階で却下された電子書籍が何冊かある。)
 それに、他の二次創作作品は引き続き販売継続されている。

「二次創作作品となるため配信停止」という理由は、明らかにおかしい。

 ちなみに、少女歌劇レヴュースタァライトの二次創作については、「(グッズはまずいが)ファンブック程度のものなら作っても良い」と版権元である株式会社ブシロードの会長である木谷高明氏がTwitterで発言しており、それが法的根拠(=正当な権利)である旨奥付にも明記している。
(※ただ、今確認したらTwitterその発言は検索に引っかからなかった。それがいつ消されたのか、或いはただ検索に出てこないだけなのか、Twitterのシステムはいろいろおかしいのでわからない。)

 「原著作者からクレームがついた」という話なら、それはもう事後でも停止せざるをえないし、仕方がない。だが、そういう話ならそう明記すべきだし、それを通知しないのは明らかに信義則違反だ。天下の角川系列のBOOKWALKERがそんな怠慢をするとは思えない。
 ましてや、この奥歯に物の挟まったかのようなメール文である。

 これはきっと何かある。

 だが、それが何なのか、今は憶測で語る程度のことしか出来ない。
 故にせめてもの抵抗として、販売ページの紹介文を、敢えてこちらのblogに掲載しておこう。心当たりの理由が、”こっち”方面しか考えられないので。



父に代わって弁解します

著者
荒野草途伸

配信日
2021/07/11

税込価格
380円 (345円+消費税35円)

あらすじ・内容

ひかりちゃんのお母さん
劇場版少女歌劇レヴュースタァライトが初週2周目とも満員御礼(※東海地方)だったにも関わらず、3周目以降上映回数を1日1回に激減されたどころか社会人が見に行けないような時間帯に上映時間を設定されてしまったのは明らかにおかしい、これはきっと何かある。きっとあの緋色の危険な生き物愛城華恋を封印する為の日本政府の陰謀に違いない。愛城を封印している暇があるならコロナの封印に専念すべきであり、その為にも東京五輪は中止すべきなのだ。そう、時代は疾風よりも閃光なのだ。俺達が、神楽ひかりだ。優木せつ菜(CV巴珠緒)は三船栞子(CV大場なな)にそう語り、レクサスに乗って紛争幇助施設たる東京五輪関連施設を次々に破壊していった。

 …という内容にするつもりだったわけではないが、”ひかりちゃんのお母さん”というテーマで7/11のSLS名古屋で新刊を出そうとしていたのは事実である。しかし6/10に劇場版少女歌劇レヴュースタァライトを初見した結果、ひかりちゃんのお母さんは劇場版で公式キャラに昇格したことが判明し、それまでの計画は全て破棄せざるを得なかった。
 急遽、「言い訳本」というテーマで新刊を出すことにした。ダメ元でひかりちゃんイラストで有名な?炭(ゆえたん)氏に表紙原稿を依頼したところ、意外にも引き受けてもらえたので、私の逃げ道は閉ざされた。訂正。私には希望が生まれた。
 読者からも万民からも一番大切な人からも逃げる事無く、ひたすら言い訳をする。それがこの書籍のテーマである。
 そして願わくば、劇場版少女歌劇レヴュースタァライトを万人が観れるようになる、そんな社会が訪れることを願ってやまない。

 尚、冒頭でも説明しているが、この書籍の本文、文章も4コマも、書いたのは荒野草途伸である。?炭氏では無い。?炭氏の名誉に関わる重大事項なので、これははっきり明記しておく。


 とりあえず現状電子版を配信できていない状態だが、書籍版はとらのあな通販に引き続き委託しているので、読みたい方はそちらをご利用頂きたい。


BBCを見た。東京五輪に一流の選手は来ない


 また140字越えしちゃったよ

 スカパー!が16日間無料とか来たから、試しにここ数日BBC見てみてるけど、日本マスコミの報道内容と全然違うね。

 東京五輪に不参加を決めた国はまだ少数だけど、選手個人だとかなりの数の有力選手が東京五輪不参加を表明してるらしい。

 五輪観戦ってどういう目的でするものなのか自分には全くわからないけど、二流三流の選手しか来ないスポーツイベントって、見て面白いのかね? まあ、それは個人の自由というか勝手ですけど。
 東京五輪のせいで俺らの生活制約されるのはふざけんな、って10年以上前から言ってんだよね。

 世界の一流のスポーツ選手はそういうのちゃんと理解してるんだろうな、と勝手に思っておく。


高速メモ帳から送信


エントロピーは情報の放出によって増大する


2日前の記事だが

機能一元化、公安調査庁に経済安保PT発足 中国の存在を警戒
https://mainichi.jp/articles/20210522/k00/00m/010/060000c
#毎日新聞 #ニュース

>日本のインテリジェンス機関は、内閣情報調査室(内調)▽公安調査庁▽外務省(国際情報統括官組織)▽警察庁(警備・公安部門)▽防衛省(情報部門)――の五つがコアメンバーを形成。これに海上保安庁や経済産業省などを加えた集まりは「拡大情報コミュニティー」と呼ばれる。

 ふうん。

 ICT,IoTその他諸々を含むITのうち、通信を所管するのは総務省でNICTも総務省の下部組織なんだけど。拡大メンバーにすら入ってないんだな。
 情報通信とかサイバーとか、コトバだけで無く内容までわかってんですかね? 先日も防衛大臣が予約システムの不備指摘されて逆ギレしてたし。

 さすが、公安調査庁に共産党の監視なんていう究極の税金の無駄遣いやらせてるだけありますなあ。

 This is Intelligence.

 ところでさ。私、8年くらい前からお出かけするたんびに警察が警護についててくれてたんだけどさ。
 2月から専門職非常識国家公務員始めたら、しばらくしたら警護してくれなくなっちゃった
(・ω・`)。


新閣僚「人となり報道」は本当に必要か?香港からの問いかけ【毎日】~より


新閣僚「人となり報道」は本当に必要か?
香港からの問いかけ
毎日新聞 2020年9月18日
https://mainichi.jp/articles/20200918/k00/00m/040/092000c

>16日発足した菅義偉内閣の閣僚を巡る日本メディアの報道について、が香港から投じられた。「『好物はトンカツ』『バスケ大好き』『元東大ボクシング部』などの情報は、本当に必要ですか」。民主活動家、周庭(英語名アグネス・チョウ)さんが、新閣僚の趣味や好物などを取り上げる報道姿勢に違和感を示したのだ。日本のテレビや新聞では、程度の差こそあれ、新内閣発足などの節目にそうした「人となり」を伝えるのが通例になっているが、ネット上では周庭さんの問いかけに賛同する声も強い…

 「人物像」の過剰重視は、STAP細胞の時もありましたよね。
 人物像を取り上げて猿のようにキャッキャ騒いでいた連中が手のひらを返したようにオボカタ叩きを楽しんでいる様は、醜悪でしかなく反吐が出る思いでした。

 香港の人に言われて初めて気づく日本。折角手にしている言論の自由を、全く生かせていませんね。


米中関係、というか習トランプ関係に思う


 COVID-19対策でアメリカ合衆国に於いては、合衆国大統領ドナルドトランプは比較的迅速な対応を取った。
 特に欧州との事実上の鎖国措置は、過激すぎると当時私は思ったほどだ。だが結果としてそれは正しかった。日本政府の対応の遅さとは好対照なほどに。
 彼には十分迅速な対応を取ったという自負があるのだろうが、それが評価されていない。その苛立ちが、中国との外交やWHOへの理不尽な態度という形でぶつけられているのだろう。
 中国政府はつまらない挑発に乗る事無く、大器を以て彼に接するべきだ。台湾問題をCOVID-19に絡めるなら、習近平はドナルドトランプと結局同じだ。


祝☆東京五輪延期決定!そして諸問題の解決に向けて


東京五輪延期が決定した為、トップページのスローガンを変更致しました。

 共に反東京五輪で闘った同志のみなさん。思いはそれぞれでしょうが、少なくともこれは「負け」ではありません。

 しかし五輪が延期になっただけでは、東京五輪が抱える諸課題は解決しません。
 右翼利権が排除されたわけでもありません。
 過労死・危険な労働環境・環境汚染・学生奴隷化(ブラックボランティア)など、東京五輪が抱える諸課題は山積です。
 これらを解決していくのはこれからです。

 これからも、これらの諸問題、東京五輪に限らず日本、否世界中の問題を、この荒野草途伸が出来る範囲で解決していく事を公約致します。


東京五輪2年延期の観測気球をIOCが上げているが


 IOC元副委員長に続いて、日本から送られているIOC委員までもが「東京五輪2年延期」を言い出したらしい。

 JOC国内選考での福岡敗退以来一貫して「東京五輪」に反対してきた身であるし、東京五輪中止が理想というスタンスは変わらない。
 ただ、東京五輪があぶり出した日本の諸問題、ブラックボランティア、五輪関連事業での過労死過労障害続発、環境汚染隠蔽体質、等々。これらに対する解決策を打ち出し最低でも今出ている問題は全部0にするのは当然として、これらも含めて全てをリセットして最所から実行計画を作り直す、というという大前提を条件いするのであれば。
 東京五輪2年延期、というのは落としどころとしては悪くないのかな、と思い始めている。

 今夏や1年後では計画リセットはさすがに無理だが、2年後なら何とかなるかもしれない。

 それで、自民党政権が汚しまくってしまったこの日本を、正常化できるのであれば。敢えて主義主張も曲げよう。

 問題は、IOCは本気なのか? という疑念だ。もし2年延期するなら、森喜朗を筆頭とするJOCや安倍自民党とは、全面戦争になる。勿論その時は我々はIOC側につくが、当のIOCにその覚悟があるのか。
 私はまだIOCを信用してはいない。


文化庁審議会が打ち出した「スクショ違法化」について


 Twitterで吹き上がっている、文化庁審議会が打ち出した「スクショ違法化」について。
 一応、文化庁のサイトでPDFを読み込んでみました。(※2章だけ)

文化庁文化審議会著作権分科会 ・文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会報告書(2019年2月)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/r1390054_02.pdf

 私は法律の専門家では無くただの行政書士試験合格者(行政書士とは言ってない)ですが、一応個人的課題として追いかけている分野でもあるので、読んだ内容を私なりにまとめてみます。

 話題になっているダウンロード(複製行為)(スクショ含む)については、2章で解説されています。

 で。一言で言うと、まあ問題だらけの答申内容です。
 問題点を要約すると、

  • 音楽・映像以外の著作物がお化け化している現状への認識不足(調査不足)
  • 違法アップロード著作物のみを対象とするとしているが、現実には識別不可能
  • ダウンロードという言葉の定義がおかしい
  • SNSでの誹謗中傷の証拠保全など、自己防衛の行為が違法となってしまう危険性がある
  • TPP11対応が目的なのが明白なのだが、論理構成が矛盾している。
  • 他にも公平性を欠く部分が多々あり、法律として不適格。

 細かく取り上げていくと
 まず「ダウンロード」を何故禁止するかということについて

>10月30日の知的財産戦略本部「検証・評価・企画委員会コンテンツ分野を取り扱う会合」におけるタスクフォースの座長による報告53の中でも,「著作権を侵害する静止画(書籍)ダウンロードの違法化の検討等,様々な側面から直ちに取り掛かることが必要な内容について,共通認識が得られた」との説明

>平成21年1月の文化審議会著作権分科会報告書54において,被害が特に顕在化・深刻化している音楽・映像の分野に限ってダウンロードを違法化する

 とあり、加えて「(2)これまでの法改正の経緯」 にて、複製行為に関連する著作権法改正の経緯を列挙しています。
 つまり、ダウンロードを「複製」とみなしている事が前提になっています。

 そして、「3.ダウンロード違法化の対象範囲について(民事・刑事)」にて、

>著作物の種類・分野による限定を行うことなく,広くダウンロード違法化の対象範囲に含めていくべきとの方向性については,概ね共通認識が得られた
(64p)

 とあります。音楽・映像に限定するという従来の方針から転換して、著作物であれば無差別に規制の対象にしよう、という話です。

 一口に著作物といっても、今著作権法の対象になっているものはマンガからキャラクターデザイン、プログラムのソースコードから実行オブジェクト、データベースに至るまで、もう何でもかんでも著作権の中に放り込まれている、はっきり言ってお化け状態です。
 そういう現状を考慮した上で議論が為されたのかというと、文書を読む限りそういう痕跡はなく、それどころか「限定する理由が無い」という理由で著作物全体に規制の範囲を広げると明記されています。

 「(2)音楽・映像以外の著作物(静止画・テキスト等)の特性」という項目で、使用者・権利者双方の観点から現状の著作物の分析が為されています。

 要約すると、音楽・映像に比べて、文章や静止画は適法違法の判断が付けにくいということが、ここからわかります。
 実際問題として。ぶっちゃけ、商業漫画家が描いた漫画と同人作家が趣味であげた漫画なんて、素人には区別なんかつかないですよね。ましてや知らなかった証明なんて、悪魔の証明に等しいです。

>違法化されるのは,あくまで意図的・積極的なダウンロード(複製)行為であり,単に,違法にアップロードされた音楽・映像を視聴・閲覧する行為については,違法とはならない
>視聴・閲覧に伴うキャッシュやプログレッシブ・ダウンロード(複製)についても,法第47条の4第1項の規定により適法となる

 とあります。
 しかし、閲覧を違法としないのでは、著作権侵害を取り締まる、という法改正の目的と矛盾します。
ブラウザ閲覧型の違法サイトは全く規制の対象にならない。)

 他にも、規制要件として「作品を一定のまとまりとしてダウンロードする場合に限定する」(73p)など意味不明な表現や尻抜け感が散見され、一体何のための法改正なのかわかりません。

 何のための規制拡大なのか、さっぱりわかりません。「誰も得しない」と言われてるのは、こういうことなんですね。

 また、そもそもの日本語の問題として。ダウンロードの定義がおかしい。
 キャッシュは適法とされていますが、キャッシュファイルとは閲覧データファイルをサーバーから複製(ダウンロード保存)する行為であり、これをダウンロードで無いとするのは無理がありすぎます。
 一方で、キャッシュファイル(既にローカルに存在する)をローカルストレージの別領域にコピーするのは違法とされています。
 「複製」を禁止する意図であることは汲み取れますが、これは「ダウンロード」とは言いません。
 言葉の定義が間違っています。(だから余計にこんな騒ぎになるのでしょう)

 話題になっているスクショ問題についてですが。スクリーンショットは画面を意図的にファイル保存する行為なので、「画面の複製」ということで規制の対象になると考えられます。
 また、「⑦適法コンテンツのスクリーンショット等の際の写り込み重要な情報と同じページに違法にアップされた著作物が存在する場合(SNSのアイコンに違法物が使用されている場合など)に,スクリーンショット等で保存しようとすることが困難となる。(70p)」という一文があります。
 懸念事項としてわざわざ示されていることから、「スクリーンショットは複製行為」との認識を前提に議論・答申が行われている事は明白です。

 これについて、
>特に経済的被害が顕著である部分,立法措置の必要性が高い部分のみに対応すれば足りる

 との記述があるのみで、弊害に対する明確な対応方針が示されていません。

 スクショに関しては、特にSNSなどで誹謗中傷があった際の証拠画像を保存する際に、タイムラインの前後に違法コンテンツがあってそれが商業著作物であると知っていた場合、証拠のスクショをとっただけで有罪となってしまう危険性があります。
 にも関わらず、ろくな対応方針も示していないのは、これは大問題です。大騒ぎになるのは当たり前です。

 他にも、「複製」が違法か否かのポイントなら、Firefoxのスクショ機能(アメリカにあるmozilla財団のサーバがページ取得して保存する)やGoogleのページキャッシュ(アメリカにあるGoogleのサーバーがページ取得して画像保存する)はどうなるのか? というのもあります。
 アメリカでやってることだから合法? であれば著しく公平性を欠く法制度になります。憲法が定める法の下の平等に反します。

 著作権というと、pixivが立命館大に言いがかりをつけてコンプライアンスレベルの低さを露呈したことで有名な「引用」問題がありますが、これとの兼ね合いはどうなんでしょうか?
 引用は著作権法で認められた行為ですが、現実には引用と言えるかどうかグレーなサイトも数多いです。この場合に「引用」に用いられた著作物をダウンロードしたりスクリーンショットをとった場合、違法になるのでしょうか?
 文書中では懸念事項リストの中にすら入っていません。

 意志を持った複製(ダウンロード)であれば一律に規制の対象としてしまっている為に、問題が生じていると言えます

 では、何故こんなとんでもない答申が飛び出してきたのか。
 考えられる最大の理由が、TPP11対応です。

「(オ)TPP整備法における非親告罪化の対象範囲に準じた限定を行う(刑事)」
「TPP整備法における非親告罪化の対象範囲に準じて対象を限定する」
 と言った項目があり、また第3章「アクセスコントロール等に関する保護の強化」 もTPP11対応を目的としたものだからです。

 しかしこのTPP11対応にも矛盾があり、

>いわゆるTPP11整備法(本年12月30日施行)により,著作権等侵害罪の一部非親告罪化が行われることとなるが,音楽・映像等のダウンロード違法化に係る刑事罰は,その対象となっておらず,引き続き親告罪のままであるところ,今回の対象範囲の拡大に当たっても,当然,ダウンロード違法化に係る刑事罰については,全て親告罪のまま維持することが適当である。

 とありますが、TPP11整備法の非親告罪化規定を援用して対象範囲を規定しているのに、刑事罰については非親告罪化規定の対象外である音楽・映像等のダウンロード違法化を援用すべしという、矛盾した内容になっているのです。法律の作り方として完全に破綻しています。

 国民生活においては、刑事罰は極力抑制するとはありますが、一方で威圧でダウンロードを抑制するというニュアンスの文章もあります。

 この答申のままで法律を作られたら、間違いなく国会は大荒れになるでしょう。
 (安倍自民党政権なので強行採決で通すんでしょうが。)

 ひとまず、こんなところで。いずれ時間のあるときに他の章も読んでみることにします。