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規制なき残業からの生還者として


 70年ぶりの労働基準法改正、と自民党政府が胸を張る、いわゆる「残業規制」が安倍首相の仲介という形で合意した。率直に言って茶番と言うほかない。
 確かに、現状の「36協定で無制限定額働かせ放題」が「2段階上限制」になったという意味では、一歩前進ではある。だが、一歩でしかない。決して胸を張れるような内容ではない。当面の緊急措置として当然やるべき改正であり、この後半年か一年以内にさらに踏み込んだ改革が必要なのである。しかし、今回の連合と経団連の合意内容では見直し時期は「5年後を目処」となっており、緊急課題であるとの認識に欠ける。そして政府に至っては、それを手放しで自画自賛している惨状だ。

 では、今回の合意内容の何が問題なのか。私自身の経験を踏まえて列挙してみる。(ひとまず私が指摘できる範囲であり、ここに挙げる事項が全てでは無い、という事は予め申し添えておく)

・「繁忙期」の定義が従来通り企業任せのため、実質「いつだって繁忙期」が続くことになる。

 従来の労基法に基づく36協定の特例でも、残業(時間外労働)というのは本来例外規定なのである。通常期であれば1日8時間1週45時間(労使協定があればもっと短いところもある)が労働時間の上限なのである。
 しかし実態はどうか。残業のない恵まれた職場ならいつだって通常期だろうが、実際には「いつだって繁忙期」で毎月特例を適用して時間外労働をさせているのが現実では無いか。そしてその繁忙期か否かの判定は、完全に企業任せである。法令も省令もない。だからこれを理由に労基は動けないのが現状である。

 今回の合意内容でも、このルールは踏襲される。特例であっても100時間未満、とはなったが、月100時間と言ったら休出か平日深夜残業が必至になる時間量である。それが期末の1ヶ月だけ、とかならまだしも、数ヶ月にわたって続く事を認めたのが今回の政府ご自慢の法改正である。要するに、現状追認でしかない。自慢できるようなものでは決してない。
 しかも、「通常期は月45時間」という、よくわからないおまけ付きである。通常は時間外労働をさせてはいけない、というのが現行労働基準法の規定である。ここで言う通常期とは一体何か。改正どころかこれは改悪では無いのか。少なくとも、褒められた代物では無い。

・実態として勤務上限を超えていても、勤務記録自体をつけさせないいわゆる「サービス残業」への抑止策が無い。

 この「サービス残業」という言い方自体がよろしくない、というのは20年前から言われている事だが、それはひとまずさておき。

 今回の法改正で上限となった「45時間」「100時間」を超えても、勤務記録がなければ、超過勤務割増手当(いわゆる残業代)は出ない。
 自分が日立情報に派遣されていたときは、派遣元との36協定では月40時間上限だったのだが、実態としてはまるで守られていなかった。発狂して失踪寸前に陥った案件では、朝8時半から客先である大野城市役所に常駐を始め「定時」になると福岡市内の支社に戻り0時前まで開発業務、という日々が2ヶ月近く続いていた。名古屋市社会福祉協議会の案件では丸1ヶ月徹夜だった月もある。
 しかし、これらの超過勤務は40時間を超えた分は会社側の記録がない。よって、「働いていない」という扱いになり、残業代も出ない。
 当然違法なのであるが、記録がないから証拠が無いという話になる。

 マトモな労働者なら自分で勤務時間を控えておいたり、最近はその為の支援アプリも出ているのだが、それですら「セキュリティ対策」を口実に勤務時はスマホ携帯を電波の届かないロッカーにしまわせるという「対策」が取られてしまっている。

 というか、そもそもそんな自主記録を付けなければいけないこと自体がおかしい。

 今回の合意内容に、サービス残業に関することは含まれていない。政権は合意内容をそのまま踏襲すると言っているのだから、法改正にもこれは入らないだろう。
 つまり、上限規制を設けると言っても、結局は尻抜けなのである。それどころか、今までは超過勤務100時間を超えてもその分超過勤務割増手当を出していた会社も、これからは出なくなるのである。業務量自体を減らさなければ、結局は「サービス残業」ということになるだろう。
 到底褒められたものでは無い。

・インターバル規制が努力義務規定に留まり、過労死抑止策としての実態をなしていない。

 シフト勤務などで発生する「実質24時間労働」は、変形労働時間制という規定により、現状では脱法行為として合法になってしまっている。これを改善する為に、インターバル規制、即ち勤務時間と勤務時間の間に規定以上の時間間隔を置かせるという仕組みが提唱されている。
 シフト勤務でなくとも、連続した長時間勤務が過労死に繋がるとの報告があり、全業種において導入は急務である。

 しかし今回の政府ご自慢の法改正では、このインターバル規制は努力義務に留まっている。罰則がないどころか、ただの努力規定だから違法にすらならない。
 これの一体どこを誇れるのか。

・5年後の見直しを歌っているが、経営改革に5年は長すぎる。

 今回の政府ご自慢の法改正の最大の問題点がこれである、といっても過言では無い。

 今回の法改正がお話にならない状況を止める為の緊急避難措置である、という事を政府・経団連・連合ともまるで理解していない、という何よりの証左である。

 緊急避難措置であるから今回の改正労基法は可決次第即時施行されなければならない(もし即時施行しないようならそれこそ政府の怠慢である)が、経営環境が激変すると対応しきれないところもあるので激変緩和措置として妥協の産物な内容になるのは致し方ないだろう。
 だが、あくまで一時的な措置であり、直ちに次の法改正に取り組まなければならない。半年か1年、大目に見ても2年以内に行わなければならない。

 それが、5年先とはどういう事か。経営改革に5年も費やしていたら、上場企業なら株主から無能と突き上げられるだろう。
 大手企業の新入社員だって、3年経てば転職するか否かを考えるのである。その転職活動も、長時間労働で拘束されていては出来っこない。無収入に転落することを覚悟で辞めるか、過労死を目前に収入を得続けるかの博打を、5年も続けさせるつもりか。

 そしてそれを、70年来の大改革などと自画自賛する安倍自民党政権の果てしなき愚かしさ。現実に対する無理解、政権担当能力の無さを物語っている。


 過労死問題はなにも昨年始まったわけではない。25年前には既に「KAROUSI」という英単語が成立していたほどである。英語圏の人達はきっと驚くだろう、25年経ってまだ何もしていなかったのかと。
 死ななければいいという話でも無い。現に自分は生きている。生き延びた者として、この口から今一度言わせて貰おう。

 この程度で済ませる気か、と。


文学フリマ京都_参加告知


1/22に京都市・みやこめっせにて行われる「第一回文学フリマ京都」に参加致します。

配置番号は、「あ-20」です。
配置図はこちら

配置ジャンルが、何故か「社会評論」になっていますが、社会評論を出す予定はございません。
(申込時点で確実に出せた最新刊がリトバスリーダー論増補版だったので、ジャンル「評論」にした記憶は確かにあるのですが、なんで「社会評論」になってんだろう…。紹介文でAI云々書いたからだろうか…?)

まあ、それでも少しでも社会派っぽいものをと思いまして。最初書こうと思ってたものから急遽予定変更して。
新刊は、労組系ライトノベル風オリジナル小説「空想なんかじゃない」の1~2話のコピ本になります。

(本当はクライマックス部分になる3話まで書き上げたかったのですが、さすがに体力が尽きたので。。。)

20部程度持参します。

この他にも、既刊もコミトレで出してたのは一応会場には持参します。(というかコミトレ会場から宅配直送でもう送っちゃいました。)
実際並べるかどうかは、周りの雰囲気を見てからになりますが…。
(隣がPOSSEさんですし。。。あんまりチャラ付いた雰囲気もアレかなと)

一応、以下の2つは並べようと思ってます。(一応評論ジャンルなので)

瀬戸川家で語る駅メモ

誤解されてる方もいらっしゃるかもしれませんが、2つとも評論ジャンルです。

あと、コミトレ用のボールペンがかなり余ったので、お買い上げ頂いた方へのボールペン進呈を文フリ京都でも行おうと思います。
(ボールペンだし、まあいいですよね?)

1/22(日)、みやこめっせ あ-20 にてお待ちしております。


もはや闇ですらない


電通過労死問題を期に、一挙に動き始めたかに見える日本の労働問題。しかしこれがガス抜きになってしまう危険性はないだろうか。これが電通に限った話では無いという事を、どれだけの日本人が理解しているだろうか。
「経営者目線」に洗脳された労働者、否労働者と呼ぶにはあまりにも自覚の足らない”労民”は多い。彼らは時として、命を守る我々に敵意をむき出しにして牙を剥いてくる。

近鉄から電通まで~もはや闇ですらない

dentsuだけじゃない~RT履歴2016/10/30~11/8

抗うが如く xsread にてまとめたモーメントも、ほんの氷山の一角にしか過ぎない。
それでも我々は抗い続ける。戦って死ぬなら労民としてではなく、人間として。


精神論で貧困が無くなるかよ


Google+でざっくり単文で書こうと思ったが、長文になって却って読みづらいのでこっちに上げとく。

沖縄から貧困がなくならない本当の理由(6)貧困の本質
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161001-00064429-okinawat-oki

なんだろうねこのツッコミどころの多い記事は(--;

とりあえず
> 日本全国で600戸級の分譲開発が可能な市場は、東京、大阪、そして那覇くらいしかない。
> 名古屋や福岡でも難しいかも知れない」。
> 2012年以降の那覇は東京、大阪に次ぐ第3の経済圏というくらいの勢いがある

えーっと、これ、どこ情報だよ。あ、マンションの開発担当者ですか。
とりあえず、私ついこの間名古屋は大阪を抜いて第2の経済圏になる日も近いって記事を読んだばかりなんですが。実際、不動産価格の上昇率も名古屋市が全国一で、もう名古屋市内では先行投資の余地は無くて隣の隣な瀬戸市にまで不動産業者の物色が始まってる状態なんですが。逆に大阪は不動産全然売れなくてエロゲ会社が大阪市内に自社ビル2つ持てるぐらい物件余りまくりな有様なんですが。だから橋下一派があんだけ吠えてんでしょ?
なによりまず、この「東京大阪が2大都市圏」という時代錯誤っぷりになんの疑いも持っていないこと。

次に、好景気の要因。要因そのものの指摘はまあ間違ってはいないけど、「アベノミクスによる激しい円安効果」をえらい肯定的に書いておきながら、「民主党政権時に導入された「沖縄数次ビザ」」をどえらいこき下ろしてるんだけど。
ちなみに指摘しておくと、この制度、導入当初は「那覇空港で機中一泊」という抜け道使って東京や京都行く中国人観光客もいたんだけど、その後沖縄県の努力の甲斐あって飛行機から降りて泊まって貰えるようになってるわけね今は。
あと一括交付金は、これ2010年の沖縄県知事選で野党候補の伊波洋一氏(現・参院議員)が公約として掲げたもので、当選後仲井眞知事が取り入れて実現したものなのね。辺野古移設全く関係ないのね。
観光振興にしたって、25年前の大田県政の頃からずっと力を入れてきた分野で、日本政府におんぶにだっこだったわけじゃ無い(むしろ日本政府は何もしてない)んですけど。

こんな事もご存じない?

それでよく、「この景気が沖縄県民の実力によって生み出されたものではない」とか、そんな偉そうな口きけたもんだなおい。

> 県外からの参入障壁が高く

新規事業の利益を本土企業に食われてしまうことが、むしろ問題視されとったんですが。少なくとも、自分が浦添にいた頃は。

> 沖縄社会に根深く存在する、「自分だけが目立ってはいけない」という人間関係への繊細な配慮

んなもん沖縄にねーし…。は? マジで、は? どこの県のこと言ってんの????

> 補助金で社会は再生しない

あんたの話の一体どこに補助金が出てきたの? むしろ、日本政府の沖縄振興策は補助金を使ってない、ってはっきり書いてんじゃん。

なんかもう、文章が支離滅裂すぎて、こっちも箇条書き程度でもこんだけ長いツッコミ文になったんですけど。

とりあえず沖縄の貧困はインフラ未整備に寄るところが結構大きいと思うよ。東京とは違う。
で、インフラ整備しようとすると那覇じゃもう土地が無い浦添や宜野湾は基地が邪魔、だから米軍基地出てけ、って話になってんでしょ。辺野古にしたって、狭い沖縄いずれ発展が名護にまで及んだときに、確実に邪魔になるに決まってんでしょーが。米軍は一度居着いたら簡単に出てかないんだから。

精神論なんかじゃなく。


ヤンデレのSEに死ぬほど愛されて眠れないUSB


https://twitter.com/vitaone_/status/771550594674798596?s=09

「同僚ちゃん…起きてる? 頼んでおいたログの取得と解析…やってくれた? え、やってないの…? …ねえファイルはどれ? え? よく聞こえない。無いってどういう事? ログ、取ってあるんだよね…? 取っといてって、私、言ったよね…? ねえ。私一生懸命コード追って、どのログ取得すればいいかまで突き止めたんだよ…? それなのに。
やってないってどういうこと!!!
あ、そうかあ。同僚ちゃん、お腹空いてるんだ。それで仕事がはかどらないんだね。それなら大丈夫。私、同僚ちゃんのためにチキンクリスプ作ってきたから。…あいつのよりおいしい。そうよ!あいつが来てから同僚ちゃんダメになった!後輩ちゃん。あの子、可愛いけど、2進数の意味もわかってないよね…? それなのに。
何でみんなしてあの子のことチヤホヤするの!!!
あの子、モンエナとレッドブルの区別もつかないんだよ…? そんな子と同僚ちゃんが仲良くする事無い。それよりも、私の作ったチキンクリスプ、食べて。つま楊枝がない。大丈夫、包丁持ってきてあるから。食べさせてあげる。遠慮しなくていいよ。私と同僚ちゃんの仲じゃない。え? 何? よく聞こえない。怖い? 何が? ああ、先輩さんに見つかったら怖いって言ってるんだね。大丈夫、あの人って仕事できそうにみえて実は只のろ(ピー)いだし。それに、あの人はもう…。
それよりチキンクリスプ食べて。あいつのよりおいしい。ほら、包丁だと刺しやすいでしょ。口開けて。どうして首を横に振るの? 首を振るんじゃなくて口を開けるの。え? 今からちゃんとログ取ります? そんなの当たり前じゃない。でも同僚ちゃん疲れてるし。だから食べて、体力付けないと。そっか、先に設定済ませたいんだ。いいよ、同僚ちゃんなら30秒で出来るし。私、信じてるんだよ。あと、口開けて。食べながらでも出来るでしょ? どうして泣くの? そんなに嬉しい? 嫌? 嫌ってどういう事? 仕事するのが嫌なの? そんなのみんな一緒だよ。好きで残業してる奴もいる? うん、昔はいたよね。でも、そんな奴らは全部、ぜーんぶ私が片付けたから。どうして私が火消しの社畜ちゃんと呼ばれるようになったか、覚えてるでしょ? 覚えてる。嬉しいな。でもチキンクリスプ食べてくれたらもっと嬉しい。包丁はやめてって。どうして? 包丁がないと口に運べないよ? 手づかみ? 何言ってるの。人間の手って汚いんだよ。キーボードなんか隙間多いから雑菌の巣窟だし。同僚ちゃんが食中毒で倒れたりしたらどうするの。労災で入院して会社から逃げれるからそれもいい。そうだね。でも私は同僚ちゃんには倒れて欲しくないな。ログの取得と解析。やって欲しいな。あ、設定終わったんだね。さすが同僚ちゃん早い早い。

じゃあご褒美に、チキンクリスプ。ほらー、あーんして★」

~「ヤンデレのSEに死ぬほど愛されて眠れないUSB(※USBメモリーのこと)」より~

アベノミクスの欺瞞と共産党の代替政策


世論調査によると、「安倍政権下での改憲反対」という人は、7割にも達するそうです。にも関わらず、参院選では(野党がだいぶ巻き返してきたとは言え)未だに自民党優位が続いています。
何故でしょうか。
結局の所、”アベノミクス”がうまくいっている、と多くの日本人が騙されてしまっている為です。
参考:

結論から言うと、”アベノミクス”で成功したのは、第1の矢「金融緩和」と、番外編の「官製春闘」のみです。第2の矢(財政出動)は東北復興の遅れに象徴されるように大失敗、第3の矢に至っては実行以前にそもそも中身がありません

では”アベノミクス”とはそもそも何だったのか。整理しましょう。

アベノミクスとは、そもそもは2012年総選挙でアベ晋三がブチあげたリフレ政策(金融緩和)の事でした。この時点でリフレ政策の意味を理解していなかったアベ晋三は街頭宣伝で「私のこの演説だけで、何人の雇用が救われたと思っているんですか!」と叫んでいましたが、いくらなんでもアベ晋三の演説が経済政策になるはずがありません。金融緩和とそれに伴う市場マインドの向上が目的でした。

しかし、金融緩和だけではどうもダメだということが早々に判明しました。
金融緩和というのは、これまでも散々詳しい方から説明がなされていますが、ざっくり簡単に言ってしまうと「モンエナ飲んで仕事する」のと一緒です。
飲んだ瞬間は効果があります。何回かは効果があります。しかし、だんだん通用しなくなってきます。乱用すると、体に深刻な負荷がかかるようになって来ます。

ですので、金融緩和ばかりに頼っているわけには行きません。これは、リフレ派筆頭の黒田日銀総裁ですら、早々に認めていることです。

しかし、自民党内からはまともな経済対策が出てきません。そこで官邸は、野党に救いを求めました。これに積極的に応じたのは、当時「第3極」ともてはやされていた日本維新の会やみんなの党(※どちらも今は存在しません)でした。が、結局自民党内から出てくる案と大差ないものでした。
結局、官邸は自民党から出てきた案をベースに、「3本の矢」なる経済対策を打ち出しました。金融緩和を1本目と位置づけた上で、第2の矢として財政出動(要するに土建公共事業)を行い、3本目の矢は「今から考える」という内容でした。

第2の矢(財政出動)は、ただでさえ旧態依然な土建公共事業へのバラマキ政策の域を出なかった上に、当の土建業界は業界の衰退を見越して業態転換・人員整理を進めていた為、自民党からの突然の大量発注に対応できませんでした。
しかもこの当時、東北地方は東日本大震災の復興事業がようやく緒についたばかりで、土建業界はそちらにリソースを全面的に振り向ける予定でしたが、自民党の要らぬ横槍で東北向けのリソースが割かれてしまいます。さらに自民党政権は2020年に東京五輪を実施して東京大改造を行うという天下の大愚行を決めてしまい、人手不足の中東北復興と東京五輪という2つの巨大事業がぶつかり合うという大惨事になってしまいます。結果、東北の復興は遅れに遅れました。

これが第2の矢の実態です。

さらに酷いのが、第3の矢です。

この第3の矢の内容は「有識者」による諮問会議などに委ねたのですが、思惑や利権がぶつかり合って大紛糾し、結局なにも決められませんでした。

これ以上書くことはありません。そのレベルの酷さです。

敢えて書くならば、議論の過程で出てきた「労働規制の緩和」を口実に、労働者派遣法の改悪・特許発明者からの特許権利剥奪・残業代ゼロ法・解雇の金銭解決といった”労働者虐殺政策”を次々と打ち出してきたことでしょうか。
このうち、労働者派遣法の改悪は、派遣労働者を守る為の「みなし雇用義務規定」を撤廃する、という内容でしたが、そのみなし雇用義務規定が施行(実際に法律が有効になる)直前の2015年9月10日に、強行採決によって国会を通過してしまいました。
(殆どのTVメディアはこの法案のことを無視したので、未だに知らない人も多いです。)

番外編:官製春闘

安倍政権がまだ始まって間もない頃、官邸が野党も含めた各党と懇談する機会を設けました。共産党もその中に含まれていました。共産党は従前から「大企業は内部留保溜め込みすぎだから、賃金として還元しろ」という主張を行っており、経済同友会に志井委員長が申し入れるということも行ってきました。共産党はこれを念頭に、政府としてこれをやってみてはどうかと提言しました。
これに飛びついたのが、麻生副総理兼財務相です。直後のぶら下がり会見で、共産党からこんな提案があったと公表しています。
さらに、衆議院予算委員会で共産党の笠井亮議員がこの件を取り上げ、先の麻生副総理は「内部留保を賃金に回すべきだ」と、笠井議員の主張を全面的に認める答弁をしています。

参考:◎共産党と自民党が一緒に賃上げ “歴史始まって以来”と麻生副総理~トヨタで生きる http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-960.html

この後、菅官房長官や甘利経産相らが実際に財界に「春闘で賃上げ要求に応じるように」経団連に要求。この年の春闘は大手メーカーほぼ全てが満額回答に近い賃上げを行い、夏のボーナスの大幅アップに繋がりました。
これがいわゆる、「官製春闘」と呼ばれるものです。

この件を以て、大手企業の社員の中には「安倍さんのおかげでボーナスが上がった」と思い、自民党支持に走ってしまっている人も多いと聞きます。
しかし、そうではありません。少なくとも、「安倍さんのおかげ」ではありません。よしんば実行したのが自民党政権だとしても、地ならしをし提言をしたのは、共産党なのです。

共産党の経済対策

では、その共産党の経済対策とは、どういったものでしょうか。
今回、主要野党4党(民進・共産・社民・生活)が共通政策を発表しているので、それと被る部分も多々ありますが。
ざっくり言うと、「経済の基礎体力を付ける政策」です。

”アベノミクス”がモンエナなら、共産党の経済政策は漢方薬です。

労基法すら守られない(※法律が守られてない時点で法治国家の体をなしていないのですが)社会を正し、不公正な労働・下請け慣行を是正する。
とりあえず大企業や既成資産を持っている人に収益が集中してしまっている現実を直視し、収益を上げているところから必要な財源(税金)を頂く。
税金の使い方も、ただ胴元にバラ撒くだけの自民党式のやり方はやめて、ベースになる人(人材)を育てる政策に転換する。特に、高等教育。高度人材育成の為に、金持ちしか大学に行けないような社会をヤメる。才能のある人は親の所得に関係なく誰でも高等教育を受けられるようにする。その為にまずは月額3万円の給付型奨学金を創設し、財源が確保出来次第順次引き上げていく。

はっきり言って、即効性はありません。しかし、必要なことです。
バクチみたいな”景気対策”で急激なV字回復を狙うよりも、社会経済の基礎体力を付けていく。政治の力で、それを後押しする。それが共産党の経済対策です。そしてこの基本趣旨は、民進党始め共闘派野党との共通政策にも概ね取り入れられていることも申し添えておきます。

785707665

Twitterで140文字にまとめるつもりが、随分と長文になってしまいました。最後までご精読ありがとうございます。
そして、何卒、”アベノミクス”の欺瞞と、代替政策の存在に、気づいて頂きたいと存じます。

あと、自民党か公明党の広告が出てきたら、クリックしてやって下さい。笑い話のネタと僅かばかりの荒野草途伸の収益になりますので。

20160705すやま


ノート_政策談義


2016/4/16 五中総決定を受けて

保育所

  • 瀬戸みたいな田舎ですら保育所は足りない。瀬戸は0歳次は年間9人しか入れない(3園×3人)。
  • それでも瀬戸は(正規職員は)他の市よりは待遇いい(?)それでも月収20万は越えない。
    パート希望者が意外と多い。正規職員は事務仕事がサービス残業なので、割に合わない。
  • アートチャイルドへの委託で公設民営化した保育所(效範南)が、人員全部入れ替えで現場(園児)の実体がわからず、まともに回っていない。
  • 給料もだが、職場環境を整えてほしい。
  • 入所の際も、正社員は保育所入所の判定点数が高く有利(派遣は不利?)

賃金問題(昇給)

  • だいたい昇級の平均額はどのくらいか?
    →パートだと昇給は時給10円単位(100円は超えない)。
    →この4月でわかるが、1%ぐらい?
    →正社員時代は月5000円づつ。
  • 年収ベースで600万はあんまりない、ハローワークの求人だと200万も行かない。
    →高額所得者も含めて算術平均されているので、平均所得が高く見えてしまう。
  • 自分の会社はたぶん今後もほとんど昇給しない。

消費税

  • 経営やってるので消費税の単位が何百万単位、世間の消費税への感覚が逆にわからない。
  • 前回8%時に電車代あがったのが痛かった。
  • イラっとはするが、あり得ないという声にまでつながっていくかまでは疑問。
  • 消費税は年間ベースで見れば10万ぐらいになる。小さくは無い。

安保

  • 北東アジア平和構想は集団安保とどう違うのか?
    →対話重視の安全保障では?
  • 中国は大国のプライドがあるので対話には応じる。
  • IS対応は従来の戦争とはわけが違う。軍事と犯罪対応の切り分けの必要性がある。

 


野党共通政策システム構成図


野党共闘、特に主要4野党が共通政策を掲げて巨大与党に挑むのが、2016年参院選の構図である。とは言っても、4野党が100%同じ政策で統一しているわけでは無く、この辺りをどう説明したものか。思案に暮れていた。

とりあえず今日こういうのを思いついたのだが


まあ、普通に考えて間に合わない。(やれたら面白いとは思うのだが)

なので、とりあえずシステム構成図っぽく、4野党の共通政策と個別政策を図にまとめてみた。

20160617野党共通政策システム

SE(特にMicrosoft系)なら割とわかりやすい図だと思うのだが、SE以外にはこういう図はたぶん馴染みが無いので、どれだけ伝わるかはわからない。

尚、共通政策とは

4公約
安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回
アベノミクスによる国民生活の破壊、格差と貧困の拡大の是正
TPPや沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治に反対
安倍政権のもとでの憲法改悪に反対

15法案
平和安全法制整備法廃止法案
国際平和共同対処事態法廃止法案
介護職員等処遇改善法案<介護・福祉職の賃上げ>
保育士処遇改善法案<保育士の賃上げ>
児童扶養手当法改正案<児童扶養手当の拡充>
労働基準法改正案<残業時間の上限規制>
畜産物価格安定法改正案<肉用牛・豚肉のコスト補償>
被災者生活再建支援法改正案<被災復興住宅支援金の上限引き上げ>
民法改正案<選択的夫婦別姓制度>
性暴力被害者支援法案
LGBT差別解消法案
政治分野における男女共同参画推進法案
法人税法改正案
会社法改正案
金融商品取引法改正案

である。

(参照:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-05/2016060501_04_1.html

図面はともかくとしても。
政策の中身は、”アベノミクス”なる「三本の矢」「新三本の矢」「これまでと異なる全く新しい~~」と殻が変遷しながらも中身がnullのままの経済政策を恥ずかしげもなく掲げている自民党よりは、よっぽど立派な政策だと思いますが。

まだ耳を塞ぎますか?


悪貨が良貨を駆逐する現実に一矢報いたいと存じます


クラウドワークスという、在宅ワーカーを探すサイトがある。発足当初はテレビ東京のニュースでも取り上げられたので知っている人も多いだろう。

自分は発足当初(※当時まだ民主党政権だった)に登録したのだが、意識の低い募集企業の多さに閉口して、病気療養を機に一旦退会した。

その後昨年になって再登録したのだが

以前よりもっと悪化していた。

ぶっちゃけ、開発でもライティングでも、アフィブログ案件だらけ。中には犯罪まがいの案件を平然と募集しているものまである。闇サイト一歩手前である。自民党案件が(一応合法な分)まだまともに見えるほどである。
それでも、システム開発系だとまともな案件もあるのだが(募集数自体は以前より格段に減ったが)。しかし、酷いのも結構ある。「それどう考えてもシステム開発じゃ無いだろ」という根本的なものから、在宅ワーカー募集のはずなのに出社必須になってたり(一番酷かったのは毎日出社)、案件の内容が不明瞭すぎて見積もりも出せないようなもの、とか。

その中でも極めつけと言えるようなものがあったので、あまりに酷いのでツッコミさせて頂く。

募集会社の、プロフィールというか募集ポリシーみたいなものらしい。
まずは、その原文。

経験上、金儲けだけが目的な方、技術力だけを売りたい方とはうまくいかないケースが多かったです。
過去にはプロ意識に欠け、成果物もなく高額な支払いを余儀なくされた詐欺まがいな方もおりました。契約してからドキュメントや開発ソースを受け渡した瞬間に連絡が取れなくなった方もおります。
クラウドワークスのシステムの仕様上、余儀なく受け入れざるを得ないケースもあり、またはこちらの作業内容や作業指示方法にも問題があることがありますので、初めてお取引する方は、一定の短時間は低予算で、まずはお互いのコミュニケーションが問題ないことを充分確認させていただきたいと思っています。その後、希望の報酬に近づけられるように致します。
基本的に作業いただく時間帯等はお好きな時間に何時間何曜日でも構いません。(募集プロジェクトの納期や状況により、募集要項にこれと異なることを書く場合があります)
代わりにフルでは作業できない技術者の開発リソースを安価に得られることがクラウドソーシングのメリットだと考えているからです。

一つ一つ申し上げさせて頂きます。
全文章に対して突っ込み入れるわけでは無いし、冒頭部分に関しては総括と合わせてツッコみ入れさせて頂きます。


> 過去にはプロ意識に欠け、成果物もなく高額な支払いを余儀なくされた詐欺まがいな方もおりました。

どういう経緯かは存じませんが、成果報酬契約で無い時給制なら成果物云々に関係なく支払いはしないといけません、時給制とはそういう契約です。そもそも、本当に何の成果物も出てこない様な人間は作業途中の報告でわかるはずですし、それは本当に完成させられるのか確認を取るべきでは無いでしょうか? 成果物が出来なくて損をするのは御社なのですから。にも関わらず高額な支払いしなければいけないような事態を招いた、御社の管理能力に問題があるものと考えます。

> 契約してからドキュメントや開発ソースを受け渡した瞬間に連絡が取れなくなった方もおります。

どういう経緯かは存じませんが、急病や交通事故にでも遭ったのかもしれませんし、突然連絡がとれなくなるといったら普通そういう不可抗力かと存じ上げます。文面から持ち逃げを疑っておいでのようですが、ドキュメントやコードなんて今時一銭にもなりません。持ち逃げしても何の得にもなりません。

> クラウドワークスのシステムの仕様上、余儀なく受け入れざるを得ないケースもあり

強制契約って事ですか??? いくらなんでもクラウドワークスはそんなシステムにはなってないと思います。契約不履行の場合は契約解除出来るシステムになっているはずです。一旦契約したら契約内容通り報酬を支払わないといけないと言う話でしょうか? そんなのクラウドワークスに限った事じゃありません。法治社会の常識です。

> またはこちらの作業内容や作業指示方法にも問題があることがありますので、初めてお取引する方は、一定の短時間は低予算で、まずはお互いのコミュニケーションが問題ないことを充分確認させていただきたいと思っています。その後、希望の報酬に近づけられるように致します。

そもそも日本語がおかしいので意図する内容がよくわかりかねますが。コミュニケーションの確認は確かに重要です。ですが、それは報酬切り下げの理由にはなりません。全くの別問題です。

> 代わりにフルでは作業できない技術者の開発リソースを安価に得られることがクラウドソーシングのメリットだと考えているからです。

> 経験上、金儲けだけが目的な方、技術力だけを売りたい方とはうまくいかないケースが多かったです。

あのー。クラウドワークスって、在宅技術者が「お金を稼ぐ為に」仕事を探す為の場所なんですが? 間違ってもボランティアや自己実現の場所では無いんですけど? 何か根本的なところを勘違いされてませんか?

プロ意識に欠けているのは御社の方では???


ちなみに案件内容は、不明瞭以前に言ってることが矛盾してました。あと、まともな技術経験持ってる人間がこんな予算と期限で受注するわけねーだろ、という報酬でした。

なんかね。この会社に限らず、何かを勘違いしている発注者ばかりなんですわ。このサイトに限らないけどね。日本社会の縮図をここでも見た、って感じですわ。

あ、ちなみに私の契約先というわけではありませんヨ当然。こんなとこ当然願い下げですわ。怪しい案件なんか受けませんよ。もっとも、怪しくないまともな案件は、人気殺到でまず取れませんけどね。やっぱりわかる人はわかるんですよね。
だからといって悪質な連中を放置していい道理はありませんので。不合理不経済の原因ですから。
そこんことわかってないんだよね、こういう事言うと噛みついてくるバカは。

景気回復したらこういうのは市場原理で淘汰される? じゃあこの現実をどう説明するおつもりですか? 景気は回復どころか悪化しているアベノミクスは大失敗なに余計な矢を打ってくれたんだ、って事でおk?


宜野湾を落とした以上、京都を落とすわけにはいかなくなった。


そんな言い切りが出来るほど甘いものじゃ無いことは百も承知。
むしろ甘さには細心の注意を払いたい。

文化庁だの、北陸新幹線だの、「何でこんな時期に?」としか思えない報道が相次いでますね。

個人的には、文化庁移転は反対では無いです。
著作権を管轄しているのは文化庁であり、その著作権は複雑怪奇化していて整理分割が急務となっています。しかし、東京には営利主義の魑魅魍魎があまりにも徘徊しすぎており、これまでも何かにつけて利己主義に基づく介入を繰り返し、結果としてそういう作業を妨害してきています。
なので、文化庁は東京から切り離した方がいいと思うし、京都が誘致しているというのなら京都でいいと思います。

でも、何故それを今この時期に決めるのでしょうか? 全国ニュースで現職市長の映像まで流して。徳島の消費者庁とはえらい扱いが違いすぎやしませんか?
そこにもってきてさらに、JR西日本の「北陸新幹線は京都経由」報道。

こういうあたり、「自民党だなぁ」という感想しか持ち得ないのです。

事実、ディズニー佐喜真は選挙で勝ちましたからね。

選挙向けの飴をバラ撒きまくる、20世紀の自民党そのものです。

最近、廃棄するはずの食品を横流しした事件が話題ですね。

飴は確かに甘くておいしいです。
でも、その飴、出どころ確認しましたか?

あと、飴だけでは健康を害しますよ。
ビタミンもタンパク質も必要なんです。

本田久美子氏は、京都にビタミンもタンパク質も提供できる人だと思います。
http://www.kyo-mannaka.jp/revival/280
私は京都市長選では、本田久美子氏を全面支援します。
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日本国憲法は社会の礎。
労働者も中小企業も社会の礎。