トヨタ自動車から、配当金の証書が届いた。100株分で5000円ちょい。自分個人としてみれば、結構な収入であり、ありがたい話だ。
が、一方でこんな話もある。
「株主配当 たった3円分で90億円 3000人雇用守れる」(しんぶん赤旗)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-11-30/2008113001_01_0.html
景気後退で、トヨタは3000人の期間工を解雇しようとしているらしい。
そんなくらいだったら、こんな高配当してくれなくても雇用を守って欲しいなというのが自分の思いだが。どうもトヨタの場合はちょっと事情が違うらしい。
雇えば仕事させなならんし、仕事させれば車できちゃうし、車できても売れないから在庫になっちゃうし、だから解雇する。というのがトヨタ側の理屈らしい。
雇われてる側からすれば、ふざけんなと言いたくなるような理屈だ。
赤字だ、金がない、だからやむなくクビ着る、というのならまだわからないこともないが。「在庫が残るから首切りする」とか、正直あり得ない。
まあ、トヨタの例はちょっと非常識すぎるが。
他にも、「景気後退→首切り」と安易に走っている企業があまりにも目立つ気がする。
今の日本経済は外需頼み前提で史上空前のいびつな構造になっているのだそうだ。だから、日本経済自体は割と底堅かったはずなのにアメリカ経済の崩壊で簡単に不安定になってしまっている。
とはいえ、逆に言えばこれを内需中心型の正常な経済構造に持って行けば、立て直しの道筋は見えてくるという事だ。
でも、内需を維持・拡大しようと思ったら、当然みんなが給料もらわなきゃ成り立たないし、その為には雇用の維持は絶対必須条件である。
にもかかわらず、安易に首切りをする。これは、企業は自分で自分の首を絞めているようなモノだ。
体力があるのに首切りをするような会社には制裁を科す、そんな法制度すら必要なのではないかと思えてくる。
で、政府は何をやっているかと言えば、麻生首相が経済界に雇用維持の「要請」をしたそうな。
あのな。何を悠長なことやっとんじゃ。要請程度だったら共産党でも出来るっちゅーに。政見握ってんだから、もっといっぱい、やれることあるはずだろうが。安部の時もそうだったけど、政権についてる者としての自覚あんのか?
とまあ、とりあえずお約束の麻生批判もしたところで、配当証書を換金しようと思ったら。証書がない。
無くした…!?
3円どころの話じゃない、5000円丸ごと無くしたかも知れない。
欝だ…。
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「労働問題」カテゴリーアーカイブ
労働者を金儲けの道具にするのはいい加減やめましょうよ
荒野草途伸みたいな左翼かぶれの人間に噛みつかれる原因になりますよ。
(↑警告です、一応)
ということで、眠いのでとりあえず簡単に済ませる。眠いけど寝付けないのでネット漁ってたら、こんな記事が。
南西運転代行で労使紛争が起きているらしい(風のはて)
その元記事はこちら。
南星運転代行の組合否認・団交拒否と不当解雇(沖縄県労連)
要約すると、「南西運転代行という、県内では「安い」事で有名な運転代行会社の経営者が酷すぎ」という、そういうことらしいです。
自分は、2年くらい前からこういうのがあるっていう県労連(うまんちゅユニオン)の記事を見ていて、「沖縄の労働環境は相変わらず酷いなあ」とか思ってたのですが。よその(県労連絡みの)争議はだいたい組合結成->団交で解決の方向に向かってるのに、ここだけがえらい揉めてる感じだなあと。当時からそういう感想を持っていたのですが。
2年も引きずってるのはさすがに異常な気がする。
まあ、ここの場合は経営者が相当おかしい(というか、経営者じゃない?)みたいだから、ここまで話がこじれてるんだろうけど。
しかしここまで大きな話になってるのに、上部団体(全労連)は何やってんだろうねえ。キヤノンや松下みたいな大企業相手じゃないから動かないのか? 大企業の偽装請負問題は確かに全労連の大金星だったけど、でもこういう底辺(て言ったら失礼か)の問題にも真剣に取り組んでこそ、真のユニオンなんじゃないかなあ、とも思う。
非組織労働者である自分が偉そうな口きけた立場じゃないかも知れないが。
ところで話はちょっとずれるけど、沖縄の経営者って結構勘違いした人間が多いように感じる。まあ上の南西運転代行は例外としても。どうも従業員を道具のようにしか考えてない人間が結構多いように感じる。
以前、知の風というNPOの講座を聴きに行ったときに、沖縄のホテル経営の立て直しを手がけたコンサルタントがこんなことを言っていた。
「沖縄の経営者は、経営改善だとか言って正社員を雇わずにパートやアルバイトで済まそうとする傾向がある。私は叱った。そんなことをしていたら従業員は育たないし、すぐ辞める。会社の資産にならない。経営を悪くするばかりだ」と。
私は、首を振って賛同していた。ホテル業に限らず、人材を軽視する経営者が多いなと、前々から感じていたからだ。
ちなみに荒野草途伸の以前の勤務先の常務は、私の前でこんな台詞を吐いた。
「沖縄のSEはレベルが低いから、内地の技術者とは勝負出来ない。だから、単価の低さで案件を請け負っていくしかないんだ。」
私、その場で常務ぶん殴ってやろうかと思いましたが、そんな事したら逮捕されるのは私なのでとりあえず堪えて、一年後に辞表叩きつけてやりました。
経営者というのはどこの都道府県に行っても地域経済の中核を担う人物だと思うのですが。そいつらがこんな体たらくでは、そりゃあ経済の浮揚なんてできっこないと言うものです。
甲斐の名称武田晴信(信玄)は言いました。
「人は石垣、人は城」と。
従業員を大事にしない会社は、伸びるわけがないし遠からず潰れます。
もし労働組合が出来たりしたら、それは自社を治癒させるための苦い良薬と考えるべきです。組合つぶしなどもってのほか。
もちろん、沖縄県に限った事じゃないですよ。よその都道府県でも、こんなふざけた意識を持った経営者がいるなら、すぐに意識を改めるべきです。
最初に言った「警告」というのは、そういう意味ですから。
あー、10行くらいで済ませるつもりだったのに、結局長くなっちまった。
とりあえず寝よう。寝れるといいな。寝ないとまともに仕事出来ないから。
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主任のお仕事
部下にクドリャフカ呼ばわりされた荒野草途伸です。
シャクだから翌日からマント着てベレー帽かぶって「わふー!」とか言って接してやろうかと思いましたが、やめておくことにしました。
主任なので。
ということで、主任の立場について考えてみる。
主任という役職は世の中でも結構ありふれたものであるわけだが、しかし一口に主任といってもその位置づけは結構差があるように思う。
ウチの会社の場合、ヒラ<副主任<主任<係長<課長代理<・・・となっていて、最近のシステム会社に多い「チームリーダー」とほぼ同じポジションになるわけだが。じゃあよその会社でも主任といえばだいたいこんな序列や位置づけかというと、どうもそうでもないようだ。
例えば日立などは、制度的には ヒラ<技師<主任技師<技師長 という感じになっていて、字句だけ見ると主任技師っていわゆる主任と同じですか?と思ってしまうのだが。実は主任技師というのは、よそで言う課長クラスに当たるらしい。ちなみに技師が係長クラスで、技師長は部長クラスとなるようだ。
他にも、確か昔のNECは ヒラ<リーダー<係長<主任<課長 という順だったように聞いている。係長より格が上になるわけだ。
システム系以外でも、例えば主任看護師というと、まあたぶん自分と同じような非管理職の熟練リーダーという位置づけなんだと思うが、国の研究機関の主任研究員とか言ったら相当のお偉いさんである。
かと思えば、あやしい訪問販売のお姉さんが「私これでも主任なんです」とか言って名刺を差し出してきたりして、そりゃお前ヒラだとナメられるから主任って事にして箔付けてるだけだろそれで俺と同格気取りかよふざけんな、とか思ったりするわけである。
Wikipediaを参照すると、「官公庁、企業などの組織において、一般の従業員の中での熟練者をさす役職であり、管理職には該当しない。」ということらしいが、一方でJAでは準係長クラスとあるし、人民中国では国務大臣クラスに該当するなんて事が書いてある。
このように、主任というのは実にイイカゲンな融通の利く役職なわけだ。
荒野草途伸のような人間にぴったりのポジションと言えますネ。
ちなみに荒野草途伸が主任になったときというのが実はいつなったのかよくわからなくて、ある日常務との面談があったときに「君の今の立場は主任なわけだけど」と突然言われて、「僕主任なんですか?!」とかなり面食らった記憶がある。
まあ、そんなものだ。
というようなことを、書こう書こうと思って忙しさにかまけて書けないうちに、いつの間にか係長にされてた。しかも一週間前の日付で。
クドリャフカの方が良かった気がしないでもない。
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働く機械、産む機械
えっとね。日本人は判官贔屓だからさ。あんまりやりすぎると、かえって国民の同情が厚労相や首相に向いてしまうよと。
まあ、野党への念のための忠告。
とりあえずこの柳沢さん。ホワイトカラーエグゼンプションの時も、「もう法案出さない」で流れが決まりかけてるのに、「絶対この国会で出す」とか言い続けてた人なわけで。まあ、たいがい空気の読めない人なんだろうなあ、と。
そこらの平社員なら愛嬌で済みもするかもしれないけど。大臣だからねえ。
よもや、「男は働く機械、女は産む機械」という思想の持ち主ではないんでしょうけど。
たとえ真意がそんなんではないにしても、トップとしての資質に問題有り、と言わざるを得ないんじゃないでしょうか。
まあ、今の自民党に、トップの資質を持った人間なんて、殆どいないことはわかってるけどね。
野党もさ。こんなつまんないことで得意げになるよりも、もっと政策で攻めた方が良いよ。民主党でも共産党でも、今の自民党よりははるかに政権担当能力あるんだから。
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頭キた。総理を殴りてえ。
総裁戦の前はともかく、安部首相が実際に就任して以来はとにかくまずは様子を見ようかとこれまで直接の首相攻撃は控えてきた。が。もうさすがに我慢の限界。というか、完全にブチ切れた。
残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」。
サラリーマンならまず間違いなく話題に上っている「ホワイトカラー・イグゼプション」の件である。年400万程度のお得な価格で労働者を使い放題に出来る、営利企業に優しい政策のことだ。
もちろん、こんな制度が出来たら、今まで残業代を出すのを惜しんで、少なくとも形の上では「残業するな」と言ってきた企業経営者が、あからさまに「働け、残業しろ」と言い出すのは目に見えている。言葉に出して言わずとも、そうしなければこなせないような量の仕事を割り振ってくることだろう。
「能力のある人なら短時間で仕事をこなせるから定時で上がれる」などという言い方が聞かれるが。全くの机上の空論である。現実に会社で働いている人間なら多分わかると思うが、仕事というのは放っておくと能力のある人間に余計にまわってくるものなのである。簡単に言えば、人の倍仕事が出来る人間には、倍の仕事量が回ってくる。結果、出来ない人と同じ時間働かなければ、帰れない。
そういう人を正当に評価するために、ボーナスとか昇給とかで差をつけやすくするという制度ならまだわかる。残業をさせないために、残業がコスト高になるよう残業代を倍にするという論理もわかる。
だが。事もあろうに、残業代を無くしてしまおうというのは、もう全く的はずれな暴論としか言いようがない。詭弁。まさに詭弁だ。
さて。そんなホワイトカラー・イグゼプションに対して、偉い偉い首相がおっしゃった言葉は。
「家で家族そろって食卓を囲む時間はもっと必要ではないかと思う」。
ハァ? そんなもの、あなた様に言われるまでもなく、誰だってわかってますよ。て言うか、みんなそうしたいと思ってるよ。
何が仰りたいのですか、総理? 遅くまで残って仕事してる人間はみんな、はした金が欲しくて無駄な残業をやっていると。その為に家族との時間を意図的に犠牲にしていると。そう言いたいわけですか?
ふざけんなよ。
今どき、好きこのんで残業してる奴なんかどこにもいねーよ。
やらなきゃどうしようもないから、仕事回らないから、しかたなく、イヤイヤやってんだよ。
それをまあ、まるで残業してる人間に全ての罪があるかのようなこの言い草。いくら坊ちゃん総理だからって、ちょっともの知らずが過ぎるんじゃあありませんか?
いやもう、本当に今回ばかりはマジ頭に来た。ブチキレ。これはもう、思想とかイデオロギーとか関係なく。
て言うか真面目な話、自分の生活に直結する話なわけだしな。下手すりゃ、生命にも。
首相曰く、「参院選の争点は憲法改正」だそうだが。冗談じゃないよ。争点は、こんな無能な総理と、国民を虐げる自民党に政権を委ね続けて良いのか、というその一点ですよ。
ああ。そうか、それともあれですか。憲法23条を改正して、健康で文化的な最低限度の生活は保障しない国作りを目指そうって事ですかな。なるほど、それは確かに、憲法が争点ですね。
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SEの常識は世間の非常識
20時に帰宅して「今日はこんなに早く帰れた」とメールすると、「いつもこんな遅いの?」と言われてしまう。そんな31歳SE。
NIKKEI NETのIT+PLUSに、こんな記事が載っていた。
優秀な人材が逃げるIT業界の長時間労働――放置すれば罰金刑も
確かに、この業界(IT業界、システム業界)の残業の多さは問題だ。
数年前、新入社員の1/3が3年で辞めていくと言われた時代があったが、IT業界に関して言えば逆に残るのが1/3しかないとささやかれたものだ。適正や人間関係が理由の人ももちろんいたろうが、それだけで他業種とのこの差の大きさを説明は出来ない。
また、SEは非常に独身が多い。
別にかっこつけて結婚してないとか言うんではない。プライベートな時間が取れなくてデートも出来ない、それ以前に出会いすらない、という理由からそうなってしまうのだ。さらに離婚率も高い。運良く結婚相手に巡り会えたとしても、残業残業で家に帰らず夫婦の会話が無い為に、結局そうなってしまうのだ。
少子化が大いに問題となっている昨今、これはもう業界内部の問題だけでは済まされない話だ。
このような長時間労働以外にも、システム業界は、いわゆる偽装請負(しかも二重三重の)が常態化している(システム業界ではあまりにも多い為、みんなそれが当たり前と思っていて誰も違法性に気づかない程)など、労働面で非常に多くの問題を抱えた業界だ。
今や情報システムというのは社会が回るのに全く欠かせないものになっているわけだが。このままでは、上記記事のタイトル通り、優秀な人材がシステム業界に入ってこなくなってしまう。
システム開発というのは実はコストのほぼ100%が人件費だ。システム設計もプログラムも、現時点では機械化が不可能だからだ。だから人手が必要なわけだが、しかし優秀でない人間だけで回せるほどコンピュータシステムは甘くない。だから、もし優秀な人材から総スカンを食らうような状態になったら、システム業界そのものが立ちゆかなくなる。コンピュータシステムはメンテも更新も出来なくなり、社会全体に深刻な悪影響を及ぼすことになるだろう。
かつてあまたの産業が経験したように、情報システム業界も抜本的な構造改革を迫られているということだろう。無論それは、「コスト低下の為の人員削減」などという話ではなく。
ちなみに荒野草途伸の今日の退勤は19時。上流の仕事が詰まっちゃってる故普段より早いのだが、しかしこの時間で「早い」と思ってしまう自分にもまた、改革は必要なのかもしれない。
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