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残業規制街宣原稿_5月2日最新版


 ご通行中のみなさま、荒野草途伸と申します。
 どうかお聞き下さい。労働法制と残業規制、”働き方改革法案”の話です。

 まずはじめに、政府の働き方改革法案には、残業規制のような労働者を保護する内容と、高プロのような労働者保護に反する内容が同時に含まれていることを、知ってください。

 その上で、残業規制を中心にお話ししたいと思います。
 残業規制、とは、過労死を防ぐ為に、時間外労働、いわゆる残業に上限を設ける規定です。
 現在の労働基準法には無く、厚生労働省の政令でガイドラインが定められているだけです。
 IT系や商社などではずいぶん前から、過労による、死亡、病気、業務の滞り、といった問題が言われていますが、今や民間だけでは無く教員や公務員でも過労の実態が次々に明るみに出ています。
 しかし長い間、政治は過労死問題に対して、無策でした。

 ですが2015年12月 電通女性社員が過労自殺するという事件が起きました。ここから、過労死防止の法制化の動きが、ようやく始まりました。
 2016年10月には、野党のうち、民進・共産・社民・自由の4党が、長時間労働規制法案を提出しました。

 これを受けて、翌年2017年には政府も残業を規制する方向に政策を転換しました。
 ですが、自民党と公明党による連立政権が出した内容は、現在厚生労働省が政令で示している過労死基準を、大幅に超える100時間残業を、してもよいとするものでした。
 これはつまり、100時間残業したら死ぬ人間は、とっとと死ねば良い、と言っているのと同じです。この内容では不十分なのです。
 
 その上、2017年4月になって、2つの事件が残業規制の法制化の邪魔をしました。
 「共謀罪」と「モリカケ」です。
 人の命がかかった残業規制よりも、未遂の犯罪を取り締まることを、自民
党政権は優先し、 人の命がかかった残業規制よりも、国家財産の不当な払い下げの追求を、野党は重視したのです。

 この2つの事件の為に、2つの重要な法案が葬り去られようとしました。
 一つは、先程から述べている残業規制。
 そしてもう一つ、当時存在した、強姦罪の泣き寝入り規定の撤廃です。
 
 その後、強姦罪泣き寝入り規定の撤廃は、強制性交罪の創設という形で、辛うじて成立しました。
 しかし、代わりに残業規制は、秋の臨時国会に先送り、という扱いにされました。
 ただ、この時は、先送りとは言え、2017年秋に残業規制をやる、そう自民党は国民に約束をしたのです。

 ところが。その約束は破られました。
 2017年9月に安倍晋三が衆議院を解散したことで、残業規制は審議も提出もされる事無く、葬られたのです。

 このような経緯がありました。
 臨時国会直前の8月。
 自民党政権は、残業規制を、「高度プロフェッショナル制度」と「裁量労働制拡大」を、抱き合わせるという方針を出してきました。
 あの、第一次安倍内閣 以来一貫して猛批判を浴び続けている、高プロです。
 残業規制は、過労死基準を超える100時間残業を合法とし、挙げ句、10年以上前から批判を浴びている「高プロ」をまたしても国会に出そうとする安倍自民党政権に批判の声が高まり、政権支持率は急落しました。
 間違ってもモリカケではありません。
 労働法制が原因で、内閣支持率は落ちたのです!

 支持率が危険水域に達した安倍晋三はどうしたか。
 突如衆議院を解散したのです。
 衆議院が解散されると、それまで継続審議になっていた法案も含めて、選挙が終わるまであらゆる法案が審議できなくなります。
 つまり、自民党は、秋に残業規制をやるという国民との約束を、この瞬間破ったのです!

 総選挙後に開かれる「特別国会」で残業規制をやることも、可能でした。 もちろん、野党はそれを求めました。
 しかし、審議は行われることはなく、残業規制は有耶無耶にされたまま、2017年は終わってしまったのです。

 そして、悪夢の総選挙から約半年経った2018年2月。
 ようやく、ようやく、政府が「働き方改革」の名の下に、残業規制の法制化に再着手しました。
 ですが、「働き方改革」とは名ばかりで、実際には秋に話の出た欠陥抱き合わせ法案そのものでした。

 しかし、実はこんな話もあったのです。
 度重なる労働者の要求に恐れをなしたのか、霞ヶ関側から、共産党の高橋千鶴子議員に、働き方改革一括法案のうち、「残業規制と同一労働同一賃金のみ先行でどうか」という妥協案の打診があったのです。

 その後、裏でどのようなやりとりがあったかは、議員でない私にはわかりません。
 ですが実際、その後裁量労働制については秋に審議見送りという事になりました。

 ところが、です。
 3月になって、公明党の要求により、中小企業は残業規制を免除する、という規定が入れられてしまいました。これに自民党も同調しました。
 つまり、中小企業で働く人は、正社員も派遣社員も、100時間の残業規制の恩恵すら受けることはできない、という内容にされてしまったのです。
 その結果、次に挙げる人は残業規制の対象外にされてしまうことになりました。

1つ、・中小企業の従業員
2つ、・高度でプロフェッショナルな職業、
これは諸手当込みで年収1075万円以上の人が対象です
3つ、・個人事業主扱いの人
4つ、・管理職扱いの人
 以上の人は、たとえ政府の働き方改革法案が通っても、残業規制の恩恵を受けることは、ありません!

 ちなみに、中小企業の定義は中小企業庁のWebサイトに書いてあります。
 従業員数か資本金のどちらかが一定の数以下であれば、中小企業として扱われるのです。
 売上とか利益とか大企業の子会社とか、そんなのは中小企業の定義とは関係ないのです。
 つまり、やろうと思えば、残業規制逃れの”中小企業”子会社を作ることだって可能なのです!
 ブラック企業なら必ずやるでしょう。ちなみに、あのワタミの元社長は今、自民党の参院議員です。覚えていますか?

 そして、中小企業は100時間を超える残業も合法、が自民党と公明党の施策。これが4/7、確定したのです。
 人命よりも企業経営が大事。
 会社の為に死ねという昭和の発想そのまんま。
 これが自民党と公明党という政党なのです。

 中小企業に配慮するというのなら、人を確保する為の支援とか、無理な納期を拒否できる下請法の改正とか、やるべきはそっちな筈です。
 それが、過労死を合法化することが中小企業への配慮とは、一体どういう感覚ですか!?

 先頃、人命に配慮しない相撲協会が問題になりました。
 自民党も同じです。人権感覚が全く無いのです。

 ですから、残業規制は、野党が議員立法で法案提出すべきなのです。
 実際、立憲民主党も共産党も、対案の内容は既にまとめています。
 立民案では最大80時間規制、共産案では原則通りの45時間規制で、国民党も45時間尊重で検討中とのことです。社民党も、自由党も、沖縄社会大衆党も、基本的には同じ路線です。
 野党は過半数を持っていないから出すだけムダ、野党支持者の中にすら、こんな事をほざく輩がいます。
 いいえ、無意味ではありません。
 たとえ今は数の力で通らなくても、自民公明両党に対し、人命尊重の是非を問えます。これは、次の選挙の最大の争点になります。
 
 幸いにも、この過労死合法化法案に拍手喝采を送る人は少ないです。
 それでもまだ、こういう事を言う人間がいるのです。
「俺は働けるから大丈夫」。
 ふざけるな! お前らの話などしていない。
 我々は月80時間オーバーワークしたら死ぬ人間の話をしているのだ!

 私、荒野草途伸がTwitterで行ったアンケートで、こんな結果が出ました。
 今の安倍政権を支持するかどうか、というアンケートで、「日本死ね」、という選択肢を選んだ人が、13%に上りました。
 13%です。
 支持するしない以前に、日本死ねと思っている人が、13%もいるのです。

 それほどまでに、この日本の社会と政治は、病んでいるのです。

 もはや「知らない」では済まされません。
 これは、10年以上にわたる、我々労働者の命をかけた闘いなのです!

 先日、報道各社のニュースで、自民党がまたしても解散を検討している、との報道がありました。
 自民党は、1度ならず2度までも、解散で残業規制を潰すつもりなのでしょうか!?
 そんな事が許されるはずがありません!

 解散はしなくても、会期延長はしない等と言っているそうです。先週末、働き方改革法案は衆院で3日しか審議しないという情報も飛び込んできました。
 何故ですか!? 重要法案なのでしょう? 何ヶ月でも会期延長して、徹底審議すべきではないですか!?

今日はまず、皆さんに事実を知って欲しくて、この演説をしました。
次に何をするにしても、誰もなにもわかっていないのでは、話にならないからです。

今はまず、この労働問題に関わる事実を知ってもらいたい。
そして、野党がこの後提出する はず の残業規制の対案に、皆さんも賛同して欲しい。
 8時間働けばまともに暮らせる社会を。
それが今の私の願いです。

ご清聴ありがとうございました。

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※5/2(水)、愛環中水野駅前、JR高蔵寺駅北口で行った街宣内容になります。

4/24(火)高蔵寺駅北口、4/26(木)犬山駅前、4/28(土)勝川駅南口、YouTube公開版 で行った街宣演説から、若干内容を修正しています。


会期は大幅延長せよ、労働法制の為に!


働き方法案審議入り 日程ぎりぎり 与党避けたい「延長」~毎日新聞 2018年4月27日
https://mainichi.jp/articles/20180428/k00/00m/010/159000c

(記事引用)

  • >働き方改革関連法案は、労使協定(36協定)で定める残業時間を最長でも「月100時間未満、年720時間」とする罰則付きの上限規制や、正規・非正規労働者の不合理な待遇差を解消する「同一労働同一賃金」の導入などが柱だ。このうち、専門知識を持つ高所得の働き手を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が与野党の対立軸になっている。

 確かに野党は高プロと残業規制の区別も付かない情けない人間も混じっている程だから、野党の焦点は高プロということになるのだろうが、残業規制の方も大問題。ただでさえ厚労省基準を大幅に越える100時間残業容認な上に、中小企業は全面免除。問題だらけ。
 まず残業規制と高プロを切り離すことは最低限の必須条件な上に、それぞれ衆参50時間以上の審議が必要。(※高プロはもちろん廃案にするべきだが。)

(記事引用)

  • >与党は「全ての委員会でぎりぎりの日程になる」(森山氏)と危機感を募らせる。しかし不祥事続きで内閣支持率が下落する中での会期延長は、野党の政権追及の時間も長くする。政府関係者は「国会は早く閉じた方がいい」との立場だ

 それなのに、会期延長をしたくないとは。しかも理由が、「これ以上不祥事が出るのが怖いから」。労働者をバカにするにも程がある。ていうかまだ不祥事の心当たりがあるのか。

 労働者の命がかかった法案なのだから徹底審議は当然だし、その為の会期の大幅延長は当然。ザコ審議で済ませていい話ではない。統治能力を失った今の自民党には、理解できない話なのかもしれませんが。


20180424残業規制に関する街宣(室内録画)


4/24に高蔵寺駅と大曽根駅前で行った、残業規制(働き方改革不安、長時間労働上限規制)に関する街頭宣伝の内容です。
25日もやるつもりでいましたが、4/24から4/25の朝まで東海地方が大雨になるとのことなので、YouTubeにアップします。

声、届きますように。


俺らが死ぬか、日本が死ぬか。二者択一だ


 あまりに急展開且つ情報量が多いので、自分でもどう文章を整理したらいいかわからず悶々としていた。6日に安倍自民党政権によって閣議決定され7日に衆議院に提出された、「過労死合法化法案」(安倍政権の言うところの”働き方改革法案”)の話である。

 とりあえず、事実関係として、昨年からここまでの経緯をおさらいしておく。

2015年12月から2017年3月までの経緯はこちら
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/%E3%80%8C%E6%AE%8B%E6%A5%AD%E8%A6%8F%E5%88%B6%E6%B3%95%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%B5%8C%E7%B7%AF/
に記載してあるが、改めて転記しておく。

・2015年12月 電通女性社員過労自殺。東大の同級生がネットで告発、炎上
・2016年10月 野党4党(民進共産社民自由)が長時間労働規制法案を提出
・2017年1月 政府が残業規制の方向に転換

 そして、2017年3月。

「裏切りの連合」

 2017年3月。
 御用労組連合との合意を盾に、自民党と公明党による連立政権は過労死基準80時間を大幅に超える100時間残業を正当化した。(参照
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%81%AA%E3%81%8D%E6%AE%8B%E6%A5%AD%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E7%94%9F%E9%82%84%E8%80%85%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6/

 しかし、既成労組の制約を受けない若手労働者の自主連帯組織”AEQUITAS(エキタス)”が連合本部にデモを仕掛けたことで、事態は急転する。国内最大の労働組合の本部が労働者集団にデモを仕掛けられるという異常事態は海外メディアでも報じられ、連合並びに連合の指示通り自民党政権との妥協に傾きかけていた民主党(当時)は激しく狼狽した。機能不全に陥った民主党は再起を図るべく旧みんなの党や維新系と合流し、民進党を新たに結成した。
 一方、当時法案提出権のある21議席を保有していた共産党も、野党共闘を優先して身動きが取れず、結局対案もだせなかった。(参照 
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/残業規制で野党は対案を/

 

「モリカケの罠、共謀罪の刃」

 2017年4月。
 安倍自民党政権は、国会に提出した東京五輪対策を口実に創作を含む未遂の行為を犯罪とする「共謀罪」(参照
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/共謀罪(準備罪)の事例をもう一つ/
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/%E3%82%81%E3%82%82%EF%BC%9A%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%8C%E5%BC%B7%E5%A7%A6%E7%BD%AA%E3%83%BB%E6%AE%8B%E6%A5%AD%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%82%88%E3%82%8A%E6%BA%96%E5%82%99%E7%BD%AA%E3%82%92%E5%84%AA/
)を審議入りした。残業規制は連合との骨抜きの合意内容ですら、当時存在した強姦罪の泣き寝入り規定撤廃と共に放置する選択をした。
 野党はこの共謀罪対策にかかりきりになり、残業規制の対案を出す間もなく、結局共謀罪は強行採決による成立した。愚かな日本国民は自民党のこの暴挙を拍手喝采した。
 
 その直後、安倍晋三首相と安倍昭恵首相夫人のシンパが運営する2つの学園に国有地が格安で払い下げられていた事実が明るみに出、野党・マスコミともこのスキャンダルに食いついた。国有財産の不当売却という問題があるとはいえ、人命に関わるわけでもないただのスキャンダルに野党は狂奔し、自民党もまたこれを好機と捉え、残業規制先延ばしの絶好の口実として利用した。

 その後、会期切れ直前になり、性犯罪被害に遭った女性達を中心に国会への猛批判の声が高まり、強姦罪泣き寝入り規定撤廃(強制性交罪への変更)は会議切れ1日前に辛うじて成立した。
 だが結局、この年の通常国会は延長されることもなく会期切れとなり、残業規制は秋の臨時国会に先送りとされた

「幻の臨時国会」

 2017年7月。
 前年の2016年に自民党を飛び出し、創価学会・一部連合系・一部共産系の支援を受けて東京都知事に当選した小池百合子が、東京都議会選で自身の与党となる「都民ファーストの会」を結成。自民党や民進党の一部がこれに合流し、創価学会との選挙協力もあって圧勝する。
 一方、自民党は2013年以来続く共産党の勢いに押されて、3人区を中心に次々と”討ち取られる”結果となり、歴史的大惨敗を喫する結果となった。

 2017年8月。
 東京都議選での惨敗を受けて慌てた自民党政権は、”秋の臨時国会”に向けて残業規制の法案化作業を進める。しかし、それは第一次安倍内閣以来一貫して猛批判を浴び続けている「高度プロフェッショナル制度」「裁量労働制拡大」と抱き合わせの内容であった。そして残業規制は、過労死基準を超える100時間残業を合法とする内容のままであった。
(参照
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/残業規制の適用除外など許してはならない/
 しかし、民間のみならず教員・公務員での過労実態が次々に明るみに出、挙げ句10年以上前から批判を浴びている「高プロ」をまたしても国会に出そうとする安倍自民党政権に批判の声が高まり、政権支持率は急落する。
(参考
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/%E9%87%8E%E5%85%9A%E3%81%8C%E5%85%AC%E7%B4%84%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%8E%B2%E3%81%92%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E4%BA%8B%E3%83%BB%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%94%BF%E6%A8%A9%E3%81%8C%E3%82%84%E3%82%8B/

 支持率が危険水域に達し、更に目前に迫った衆院4補選での劣勢が伝えられ、政権崩壊の危機に直面した安倍晋三は、9月23日、突如衆議院の解散を表明。愚かな日本国民は安倍晋三のこの決断に拍手喝采した。

「暗躍と狂想の逆転劇」

 しかし、この事態に、御用労組連合はまたしても愚挙に出る。
 前年7月に自民党を飛び出し東京都知事となった小池百合子は、都民ファーストの会を母体に希望の党を結党し国政進出を表明した。これを受け、連合は、エキタスによって損なわれた名誉と主導権を回復せんとばかりに、小沢一郎と共謀し、支配下にある民進党に希望の党との合流を指示。野党第1党が事実上の自主解散をするという異常事態を引き起こした。
 残業規制が争点になるはずだった総選挙は、連合のこの暴挙により一転ただの政局選挙へと様変わりした。一方で、労働問題で躍進を続けてきたはずの共産党も、「モリカケ」を公約筆頭に掲げる愚行を犯す、悲惨な選挙となってしまった。
 そんな中でも僅かに希望はあった。希望の党の国家主義路線に反発する左派議員が合流を拒否、元官房長官・枝野幸男を中心に立憲民主党を結成する。
 「3.11」の対応で右派からも評判の良かった枝野の新党結成に、いわゆる氷河期世代を中心に「立民ブーム」が起き、無党派層に飽き足らず共産や公明の支持層までをも食って、比例東海ブロックでは名簿登載候補者が足りなくなるほどの票を集めて地滑り的大勝を収め、一挙に衆院野党第1党に躍り出た。
 安倍自民党がパートナーとみなしていた維新、ポスト安倍を自称する石破茂の足場となるはずだった希望の党は、共に惨敗した。
 それまで自分達を支持していた労働者を裏切った共産党は、比例で議席を半減以下にまで減らした。一方で小選挙区の議席は守り切り、また左派連合(立憲野党連合)の立民・社民・自由各党の立てる選挙区の多くで候補者を降ろし、立民の小選挙区での議席確保をアシストした。

 しかし、残業規制は最後まで争点とならなかった。(参考
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/twitter%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%8C%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%81%98%E3%82%83%E3%82%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E5%8A%B4%E5%83%8D%E4%BA%89%E7%82%B9%E3%80%8D/
 選挙告示直前に、NHKの女性記者が過労死していた事実(朝日)が明るみに出るも、気に留めるものは少なかった。愚かな日本国民は自民党が微減に留まったことに拍手喝采を送った。

 総選挙後に開かれる「特別国会」で残業規制の法制化も審議も行われることはなく、「秋の臨時国会」は解散総選挙によって幻と消えた。

「さらなる悪夢と絶望と」

 2018年3月。
 悪夢の総選挙から半年。ようやく、政府が「働き方改革」の名の下に、残業規制の法制化に再着手した。しかしそれは、秋に提出しようとした「高プロ」「裁量労働制拡大」との抱き合わせと全く同じ内容であった。
 だが度重なる労働者の要求に恐れをなしたのか、霞ヶ関側からは共産党の高橋議員に「残業規制と同一労働同一賃金のみ先行でどうか」という妥協案の打診があった
(参考
http://bunsyo.kouyaxatosi.info/blog/20180316%e3%80%8c%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%9b%a3%e5%83%8d%e3%81%8d%e6%96%b9%e6%94%b9%e9%9d%a9%e6%b3%95%e6%a1%88%e5%95%8f%e9%a1%8c%e7%82%b9%e3%82%92%e8%80%83%e3%81%88/

 ところが、公明党の要求により、残業規制には「中小企業への配慮(=中小企業は残業規制免除)」という規定が盛り込まれることとなった
労働時間把握を義務化 厚労省、修正へ(毎日)

 4月になってこれに自民党も同調し、残業規制は
・中小企業の社員
・高度でプロフェッショナルな職業(諸手当込みで年収1075万円以上)
・個人事業主扱いの人
・管理職扱いの人
以外の労働者のみが、対象となることになった。

 ちなみに中小企業の定義とは、

製造業従業員300人以下 OR 資本金3億円以下
卸売業従業員100人以下 OR 資本金1億円以下
サービス業 従業員100人以下 OR 資本金5千万円以下
小売業 従業員50人以下 OR 資本金5千万円以下

※中小企業庁「中小企業の定義について」より引用
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/h21/teigi.html

 売上とか利益とか大企業の子会社とか、そんなのは中小企業の定義とは関係ない。やろうと思えば、残業規制逃れの”中小”子会社を作ることだって可能なのだ。
 そして、あらゆる中小企業は100時間残業合法化、が自民党と公明党の施策。これが4/7、確定した。人命よりも企業経営が大事。会社の為に死ねという昭和の発想そのまんま。これが自民党という政党だ。
 中小企業に配慮するというのなら、人を確保する為の支援とか、無理な納期を拒否できる下請法の改正とか、やるべきはそっちな筈だ。過労死を合法化することが中小企業への配慮とは、一体どういう感覚か。

 人命に配慮しない相撲協会の如き自民党がキチガイ論法で残業規制法制化を骨抜きにしようとしてきても、野党が議員立法で法案提出すれば、たとえ通らずとも自民公明両党に対し資本主義か人命主義かの二者択一を迫れることになり、次の選挙の最大の争点に出来る。その次の選挙は意外と早いという話も出てきている。
 しかし、野党もいつまでもモリカケに拘泥し、この問題となかなか向き合おうとしなかった。
 立憲民主党も対案をまとめたが、後手後手に回っており、残業時間80時間規制などの内容に留まっている。共産党は、上が一体どうなっているのか末端党員には全くわからないが、高橋議員1人が奮闘していて対案作りに手が回っていないように見える。

 安倍自民党政権は、残業規制を1年以上先延ばしした挙げ句、中小企業保護の名目で全ての中小企業を残業規制の対象外とし、過労死を合法化した。憤怒し残業反対を掲げ奮闘しバスを封鎖してでも過労死を防ごうという者が、この日本に一体何人いるのだろうか。

もはや「知らない」では済まされない。これは、10年以上にわたる、我々労働者の命をかけた闘いだ。

何故私は自民党を殺人政党と指弾するか
 
 幸いにも、さすがの愚かな日本国民といえど、この過労死合法化法案に拍手喝采を送るものは少ない。
 それでもまだこう言う人間はいる、「俺は働けるから大丈夫」。そう言って自民党を支持し続ける連中こそ、我々が倒すべき敵だ。
 お前らの話などしていない。我々は月80時間オーバーワークしたら死ぬ人間の話をしているのだ。


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20180316「日本労働弁護団働き方改革法案問題点を考える院内集会」報告書


 体調不良な上に反抗的なので、新しい勤め先を1ヶ月半でクビになった荒野草途伸です。まあ体調不良なのは事実なので、この件に関しては割とどうでもいいやという気分です。

 それはさておき。
 折角無職の身分になったのだからと、空き時間を有効活用しようと思い、11時半から国会前・衆議院第一議員会館で開かれた「日本労働弁護団 働き方改革法案問題点を考える院内集会」に出てきました。
 最初は院内集会ってあるから一般参加出来ないかと思ってスルーしてたんですが、今朝の嶋﨑量弁護士のツイートで一般参加も出来るとあったので、終了時刻から元々の予定にもギリ間に合うと判断して、東京のよくわからない地下鉄網乗り継いで議員会館まで行ってきました。

 以下は、会場内でポメラでとったメモ書き。(一部字句修正)

日本労働弁護団 働き方改革法案問題点を考える院内集会

労働弁護団会長挨拶

 自民党は400万でも高プロ適用が最終目標。労基法の性質を破壊してしまう政党。

幹事長 棗弁護士

 議会制民主主義の根幹が否定されている。働き方改革法案の信用性が崩壊している。
 裁量労働制は野党の抵抗で今国会には出さないことになったが、このままでは次の国会でまた出てくる。高プロはまだ残ったまま。過労死促進法。

*国会議員からの報告

立憲民主党 長妻昭衆院議員

長妻昭
 安倍晋三は労働法制を岩盤規制呼ばわりしている。労働法制感が間違っている。稼ぐ力が上がるわけがない。労働法制を強めることこそが超付加価値。
 裁量騒動制撤回の理由はデータのおかしさ。高プロも同じデータを使用している。

立憲民主党 初鹿明博衆院議員


 裁量労働制のデータがおかしかったのを突き止めたのが、森友のデータ改竄暴露にもつながった。平均労働時間が23時間という無茶苦茶なデータもあった。与党がろくに審査してない。野村不動産のデータでも問題が出ている。

希望の党 山井和則衆院議員


 働き方改革法案は3月中に出すと政府が言っている。強行採決は許されない。
 過労死家族会と支援者が奮闘した。おかげで裁量労働制ははずしたが、高プロは残っている。
 野村不動産の過労死データを隠していたことが質問趣意書で判明した。安倍総理への忖度。

日本共産党 高橋千鶴子衆院議員


 野村不動産の問題は2月8日に質問して、加藤厚労大臣がドヤ顔で野村不動産に指導したと答弁した。(実はデータ改竄。)
 政府の過労死ゼロ促進法の規定は、過労死が二人出なければ公表しない制度(1人だけ死んでも公表されない)。
 第一次安倍内閣もホワイトカラーエグゼンプションで潰した。

*法政大学 上西充子教授

 加藤厚生労働相は、Googleで検索すれば正しいデータが出てくるようなことを、きちんと調べていなかった。官僚鵜呑み。
 政府のいうことをいちいち検証しないといけない。
 高プロ1075万円は、実績ではなく見込み。実際に1075万円の年収がなくても、契約見込扱いで適用出来てしまう

 

*過労死を考える家族の会からの報告

佐戸氏(NHK過労死佐戸美和氏の母親)

 今後二度と過労死が起きない法制度を作ってほしい

工藤氏(神奈川過労死を考える会)

 夫が過労死教員。過労死として認定されたのが実態と100時間も乖離している。
 給特法 という昭和40年代の教師特有の給与体系が原因。時代に合っていない。「勝手に残業した」扱い。教師の意識が低くなっている原因。
 

渡辺氏(東京過労死を考える会)

 夫が元機械エンジニア。日曜も持ち帰り残業。このままでは過労死するという会話はしていた。
 死後、会社は裁量労働だと主張。労働時間を管理していなかった。課長職。自己責任だといわれた。
 ホワイトカラーエグゼンプション反対運動に尽力して、なんとか潰した。にもかかわらず、今回の「働き方改革」。
 過労死は周りの人間も巻き込む。
 

中原氏(東京過労死を考える会)

 3月13日の参議院公聴会に公述人として出て、ワタミ(自民党渡辺美樹参院議員)にトンデモな説教をされた人。 (参考:https://www.bengo4.com/c_5/n_7567/
 ワタミ「週休7日が人にとって幸せなのか」と発言。ろくに話を聞いていなかった
 中原氏はワタミから呼び出しを受けている。その後記者会見予定。
 

*国会議員からの報告(2)

共産党 山添択参院議員


 ワタミの姿勢は安倍政権の方針そのもの。こうろう大臣告示すら法案に書き込んでいない。労働法制のルールを守ることが労働者の願い。安倍政権の方針は労働ダンピングにもつながる。

*現場労働者からの報告

 

大手保険会社労働者(匿名)

 営業職。裁量労働制が昨年10月に適用された。個別営業活動が主で、裁量権などない。
 違法だと知らなかった会社の言いなりだった。
 みなしは1日9時間だったが1日9時間では帰れない。帰ろうとすると上司が叱責した。仕事を追加された。
 休日にも上司から電話がかかってくる。パワハラ上司生産工場状態。
 現在は裁量労働制を撤廃している。

 企画業務型裁量労働制は、自分のような人間を量産すると危惧している。

*棗幹事長 閉会挨拶

 高プロの適用対象は、実はまだ決まっていない。
 今年は全国5カ所で集会を開くネットで結ぶ

終了後

 集会が終わった後、前述の登壇された佐戸氏がすぐ隣に座っていたことに気づき、自分も日立に潰された人間であることを伝えながら、一応名刺をお渡ししました。
 子供が亡くなったら親が一番悲しむんだ、あなたは生きていて良かった、とおっしゃっていました。

 国会前では、労働組合が安倍退陣要求運動をやっていました。



アベ「働き方改革」2.10決起集会レポート


 昨日2月10日に、お茶の水の全労連会館で行われた安倍働き方改革決起集会に参加してきました。

 主催者側の意図としてはそこまで人も集まらず準備集会程度の認識でいたようですが、実際にはホールがほぼ満員になる200名の参加者が集まる規模の集会になりました。それだけ、この「働き方改革」なる労働問題政局に関心が高いという事でしょう。それはそうでしょう、遠い戦場の話と違って、目の前にある給与と労働時間、ひいては自分が死ぬかもしれないという話なのですから。

 全労連の集会という事で、冒頭は共産党の高橋衆院議員の報告から始まり、その後過労死遺族の方2名の講演、10年以上にわたる労働改悪問題に取り組んできた専門家の人からの報告、現場で過酷な労働条件と戦っておられる労働組合等からの報告、そして昨年御用組合「連合」本部にデモを仕掛けて一気にその名を上げたAEQUITAS(エキタス)からの呼びかけ、と続きました。

 以下、既にTwitterやGoogle+にアップした内容が殆どですが、内容をかいつまんで記しておきます。
 (部分的に、荒野の注釈も入っています。)

*日本共産党・高橋衆院議員の挨拶


・現在国会では貧困ビジネスの規制強化、しっかりやってるところへの支援強化を取り組んでいる。制度の陰で支援を受けられない人がいる。
・働き方改革はこの後すぐにでる。8法案一括。当初は2月下旬という話だったが、3月中旬にずれ込むという話になってきている。岡崎参与からは内々に「同一労働同一賃金と労働時間の2つではだめか」という打診もある。
(※政府がかなり弱気になってきている?)

 前の国会で(当時の)野党共同で出した長時間労働規制法案がある。これに盛り込めなかった、事業場外(みなし)労働規制の提案の必要性というのもあり、これも含めて全体をもっとバージョンアップして対案を出して迫っていく。
 ただ、長時間労働規制法案を出した中心メンバーは希望の党に行ってしまった。

 政府が過労死防止大綱の見直しに着手することになった。(与野党が加わる)議員連盟もフォローアップしていくことを提案。調査研究を行ってここまでこぎつけた。
 しかし、現「働き方改革」8法案には過労死促進の内容が含まれているのは齟齬があり如何なものかと(高橋議員が)発言。これに対し、馳議連会長(自民党)が、働き方改革法案をよく知らないと発言
 無期転換に絡み4月に雇い止めが発生する懸念。ある県で11万人と言う数も。

*東京過労死家族の会の方の講演

**佐戸恵美子さん(NHK記者過労死遺族)

 2013年参院選の選挙報道担当中に、過労でホテルで倒れそのまま無くなった。
 ハードな記者生活は、それまで問題なくこなしていた。
 当時の取材体制に問題があった。ベテランの男性スタッフが中心。ベテラン3名が自民・民主・公明をそれぞれ担当し佐戸氏がそれ以外の全政党を担当したが、2013年参院選は共産党が大きく延びた為、佐戸氏が全部それを担当し負担が尋常ではなかった。
 NHK内部では誰も責任をとっていない。
  

**中原のり子さん

 夫が小児科医師だった。19年前投身自殺。
 小児科部長就任後、スタッフが半減。感情のコントロールできなくなった。職業の否定。時間外労働83時間。労災認定に8年かかった。
 その後過労死防止法の制定に奔走。制定4日後に高度プロフェッショナル労働制が議員立法で浮上。

 看護学校で講演したとき、他の同僚は生きているから過労死ではない、と言われた遺族(子供)がいた
 

*働き方改革一括法案の内容と問題点

**鷲見賢一郎(自由法曹団)

 

・雇用対策法の改悪

 今回急浮上してきた法案。
 法案の名前とは裏腹に、労働者保護に関する文言は一言も出てこない。内容は「経済成長力」を目的とした法案。完全な財界目線の法案。
 

・労働基準法の改悪

 過労死ラインの上限規制。休日も含め100時間未満が基準(過労死ラインは80時間未満)。過労死合法化法案。
 過労死容認を法律に明記する歴史的な大改悪
 45時間を超えると発症の関連性が高くなり、本来は45時間を基準とするべき。

・高度プロフェッショナル制度

 抜け穴を駆使すれば毎日24時間労働を命じることも可能。
 現法案では対象者は年収1075万円以上とされているが、経団連は10年前に話が出たときから一貫して年収400万円以上にするよう要求している。さらに派遣も対象という話も出てきた。
 企画業務型裁量労働制=裁量的にPDCAを回す業務(どんな業務でも対象)。対象業務を増やす。
(※「PDCAを回す業務は全部対象」って。PDCAって社会人の基本だよね!? 
 社会人全員が対象って話じゃないのこれ!)

・労働者派遣法改正
・短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

 派遣とパートを一括で扱うことを目的とする法案。なのでまとめて話す。
 非正規に配転を可能にする。拒否する人は差別していい、という内容。
 待遇はそのままで正社員並の責任・能力を求められる。
 
 安倍晋三の言う同一労働同一賃金は本来の意味とは違う。言葉のすり替え。

 自由法曹団による法案不備の指摘と均等待遇の実現方法の提言
ア 不合理合理性等の基準から「職務の内容及び配置の変更(人材活用の仕組み)」を削除する。
イ (待遇の)不合理性の立証責任を労働者に負担させるのでは無く、合理性の立証責任を使用者に負担させる。
ウ 格差是正を理由にして正社員等の賃金を下げることを禁止する。(待遇切り下げによる同一待遇は禁止)

・雇用の請負委託化

 技術革新の中で今までにない働き方が出てきていることは事実。
 それに対応した労働者保護が必要だが、自民党政権は技術革新を理由に労働者の権利切り捨てに結びつけている

**伊藤圭一(労働法制中央連絡会)

 これからはフリーランスを増やそうというのが政府の方針。
 請負を保護するのではなく、雇用労働者は過保護すぎるという理屈。労働法制を全て無くしてしまえという動きすらある。
 アルバイトも裁量労働制にするという話が出てきた
 しかし労働者の圧力の声が弱い連合が既に了承してしまっている

*現場からの報告

(一例として、労基違反を取り締まる労働行政の現場から)

**河村直樹(全労働副委員長)

 労働行政は来年度定員を130人減らされる。地方労働体制を削減しつつ監督業務は強化しろと言う矛盾した政策。

 ハローワークの窓口一線はほぼ非正規。人事院指導で3年勤めたら一端解雇、ハローワークで再応募。一般求職者は、現職者と競争して落とされることになる。どちらにとっても何のいいこともない

 求人条件と実際の条件が違う場合の明示規定が、逆効果になりつつある。(やっていいのか、という事業者の声)。そもそも違う事自体がおかしい。

 他に、
全教から教員の長時間労働、
医労連から医療現場の超過労働、
自治労連からの自治体非正規職員の問題、
MICから印刷・アニメ製作の現場の問題、
自公総連からライドシェアの問題、
新婦人から家族側からの問題啓発、といった話がありました。

*日弁連より

**中村和雄(日弁連貧困問題対策本部委員)

 労働時間法制を考える院内市民学習会 の案内
 2月28日(水)18時~19:45
 衆議院第二議員会館1階 要事前申し込み

 日弁連は月45時間残業規制で実行しろと言う提言をしている。(1日2時間で案を出したが、理事会で否決された。)
{フランスでは1日2時間。日本だけが異常な状況。}

 最低賃金の大幅引き上げをしろという提言。
 社会保障の充実。10月4日青森でシンポジウム。具体的スケジュールも含めて提言をする。

AEQUITAS

山本

 バイトへの裁量労働制の適用に反対するデモ の案内
 2/25(日)13:15 柏木公園(西新宿)

 裁量労働制=定額働かせ放題。
 エキタス=公正(ラテン語)。働き方改革法案に公正はない

今後の労働法制関連行動予定

 最後に、集会では(何故か)特に出ませんでしたが、今後の労働法制関連行動予定が資料にあったので、抜粋しておきます。(※殆どが東京ですが)

2月15日(木)
ディーセントワーク宣伝全国統一行動(全国)
(東京は)17時~18時 新宿駅西口
内容:2018春闘、労働法制、最賃・賃上げ、無期転換・安定雇用などで各労働組合代表が発言。3.2全国一斉労働相談ホットラインの告知も行う。

2月28日(水)
日弁連2.28労働時間法制を考える院内市民学習会
(上記にあった案内のもの)
主催:日弁連
日時:2/28水 18:00~19:45
場所:衆議院第二議員会館
問い合わせ先:日本弁護士連合会 人権部人権第一課
 TEL:03-3580-9501

3月2日(金)
3.2全国一斉労働相談ホットライン

3月7日(水)
全労連中央行動(国会議員要請行動)

3月12日(月)
雇用によらない働き方・批判検討会
主催:労働法制中央連絡会
日時:3/12月 18:30~20:30
場所:全労連会館3F会議室

3月16日(金)
労働弁護団主催・院内集会
主催:労働弁護団
日時:3/16もしくは19日 11:30~13:00
場所:衆院議員会館を予定

4月11日(水)
全労連全国統一行動
東京では国会前昼行動や議員要請等を含む諸行動を検討中


 とりあえず、この集会は勉強になった。
 問題のある法案(特に高プロの件は10年以上も続いている)というのはわかっていても、8法案もまとめて出されてくると、どの法案がどういう内容でどんな問題点があるのか、わけわかめだから。
 全部理解したわけでは無いが、多少内容が整理できた。

 最後に、私荒野草途伸からの私見を、Twitterからの引用という形で。


何故私は自民党を殺人政党と指弾するか


 私は15年前、福岡の日立系のITベンダーに派遣されていました。派遣にも関わらず客先との矢面に立たされ、手当の付かない早朝から客先に行き、客先の定時になると社に戻って自分の担当分の開発をオフィスが閉まる0時近くまでするという生活を送っていました。あげく、客先で発狂して近所のJRの駅から電車に乗って失踪するということがありました。
 広島駅で乗越精算ができなかった為に我に返り、そのまま実家に帰りました。が、もしそのまま改札をでていたら、広島のどこかで死んでいたかもしれません。今この文章を書いているときでも、足が震えて平静ではいられません。
 過労死・残業規制は、私にとって決して他人事ではないのです。

 残業規制が何故必要か。人によって業務や耐久力は違うから線引きするのはおかしいという声があります。しかし、線引きをせずにどう過労死を防ぐというのか。自己責任は通用しない。過労死にまで至る時は、そんな判断力など喪失しているのです。安全ラインで線引きをしないのは、労働安全保障の考え方が欠落しているのです。
 自民党・安倍政権の主張する規制ラインは、この安全基準を上回るものです。これ自体到底受け入れられるものではなく、速やかな再改正が必要なものです。
 しかし自民党はこの欠陥規制を手放しで自画自賛したあげく、共謀罪審議を理由に残業規制を半年先延ばしたのです。
 しかも、安倍晋三はこの残業規制が審議されるはずだった臨時国会冒頭で衆議院を解散し、残業規制を無かったことにしたのです。

 
 過労死は企業による殺人です。自民党はこれにまとまな対策をとらず、挙げ句審議先延ばしまでした。私は、自民党は過労死是認の殺人政党であると声を大にして指弾したい。


Twitterモーメント「テレビじゃやらない労働争点」


ツイートはこの一週間のものをまとめたものですが、この問題はこの一週間で始まったものではありません。


「残業規制法」の経緯


・2015年12月 電通女性社員過労自殺。東大の同級生がネットで告発、炎上
・2016年10月 野党4党(民進共産社民自由)が長時間労働規制法案を提出
・2017年1月 政府が残業規制の方向に転換
・2017年3月 政府、残業規制案公表
・2017年4月 自民公明両党、共謀罪法案成立を優先。通常国会での残業規制成立見送り
・2017年8月 政府、残業規制を残業代ゼロ法案などと合併審議を決定
・2017年9月 安倍晋三、衆議院を解散。残業規制法廃案


野党が公約として掲げるべき事・安倍政権がやるべき事


「安倍政権がやるべき事」とタイトルに入れてはいるが、あのアホ総理が人の忠告に耳を貸すとは思えないので、基本的には野党向けの発信になる。ただ、勘違いしないで欲しい。野党だろうが安倍政権だろうが、「やらなければいけないこと」は同じだ、という話だ。

 では具体的に何か。眼前に迫った喫緊の課題としては、労働問題と教育問題だ。この2つは絶対にやらねばならないし、これを公約に入れられないようでは共産党だろうが民進党だろうが、政党としての存在意義を問われる。
 
 労働問題については、まずは先日述べた残業規制、これは問答無用でやらねばならない。人の命がかかった話だ。泣き叫ぶ者がいても無理矢理泥沼から引きずり出さねばならない。カルト宗教への対応と基本同じだ。
 
 (安倍晋三は責任放棄せず、政権を担う者の責として臨時国会冒頭で残業規制法案を成立させなければならないのだ。)
 
 それに加え、最低賃金の全国均一化、それに伴う中小企業への支援(公金バラマキでは無く、むしろ人的支援を中心に)。労働局並びに労働基準監督署の人員増強。失業・無業者支援、特に産業構造変化に対応できるよう職業訓練大学校の増強。
 これらに財源が必要ならば法人税率の引き上げ、海外への所得移転への課税。
 
 これらは決して、「実現不可能な公約」ではない。
 
 
 そして、教育問題。残念ながら自分は教育関係はそこまで詳しくは無い。だが、こちらも命のかかった問題だ。いじめ自殺や不登校自殺は、何年経っても消えていない。教育政策の失敗が原因である。
 原因の一端として、大人数学級がある。全国で少人数学級を実現しなければならない。
 40人の中の1人がいじめられているのと、25人のうちの1人がいじめられているの、どちらが見つけやすいか。それこそ小学生でもわかる話だ。
 
 そして、教員の過重勤務の一因となっている教員免許更新制度を撤廃し、元の終身免許に戻すべきだ。教員免許更新制度の欠陥については、第一次安倍政権の時に自分が書いた記事でも述べている。
 
 
 これらも決して、「実現不可能な公約」ではない。
 
 
 「憲法を生活に活かす」とは、こういうことだ。ただお題目を叫んだだけでついてくるほど国民は愚かでは無い。
 
 
 もちろん、安倍政権がこれら全部やるというのなら、それでいい。それをやる為には冒頭どころか臨時国会での解散など論外、という話になるが。