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デジタル時代の新技術と権利


 ここ数日「AIによる画像生成」が話題になっている。そんな中、mimicという自動画像生成Webサービスが(たぶんこれで2回目だと思うが)騒ぎになって、一部の絵描きが過剰反応するという事態にまでなっていた。
(※mimicは現在サービス停止中)

 mimicに限らずこの手のサービス絡みの騒動は過去に何度か起きていることで、その度に「学習用に画像データを読み込ませることは違法では無い」と指摘されているのだが。わかっていない人が一部にいて、何回言わせる気だとイラッとしたので、Twitterではキツい書き方になってしまった。

 で、この件、mimicの利用規約に対する疑義もあったので、利用規約も確認した。
 こっちは確かに酷かった。この条項違法だから無効でしょ、ってくらい酷かった。

 AIが生成したデータに誰かの権利が付くかのような書き方がされていた。
 そもそもAIが生成したデータには誰の著作権も付かない。AIは人ではないから。人ならざるものが作った著作物は、作ったのがAIだろうがエテ公だろうが、著作権は付かない。(「サル カメラ 著作権」で検索するといろいろ出てくる。)
 誰にも著作権が無いから、「私が描きました」は当然通用しない。
 なのに、AI生成物に著作権が付くかのように記載されていた。

 さらに、その下の条項で、利用者は著作者人格権を放棄するとかアホなことが書いてあった。日本の著作権法では著作者人格権は放棄できないし、そもそもどの法律でも関係なく法で定められた権利を契約で否定することは許されないんですよ。労働基準法で定められた有給休暇取得の権利を契約で破棄させるのは、違法だし無効なんです。
 ちょっとこの規約誰が作ったんだと。契約で全てを支配できると思い込んでんだったら、ファンタジーライトノベルの読み過ぎだぞ。

 とまあ、あまりにも酷い利用規約なので。mimicのサービス停止はこれは当然かな、と思う。会社側がどういう認識かはわからないけど。

 とは言っても、この手のサービスはこれからもどんどん出てくるだろう。中には「週間のび太」みたいなことやり出す奴も出てくるだろうし、そんなことされたらかなわん、というのはさすがに私でもわかる。
 なのだが、現行法ではこれを止める手段が残念ながら、無い。

 この1日考えて、技術的に止める方法として、電子透かしの導入とか、真贋判定AIの構築とか、AIモデルには構築者の個性が出る点をつくだとか、いろいろ方法を考えたのだが。残念ながら足止めや時間稼ぎにはなっても、抜本的解決になるような方法は思い当たらなかった。

 法的には、著作権という制度自体がアイデアや作風画風といった無形な部分は保護しない、という鉄則があるので、著作権の枠組みで考える限りどうしても壁にぶち当たってしまう。

 しかし著作権が限界だから為す術が無いかと言ったら、そうでも無い。工業デザインやプログラムの場合は、著作権も発生するがそれとは別立てで、意匠とかプログラム特許という保護方法が用意されている。意匠や特許ではアイデアやコンセプトも保護される(というよりそっちがメイン)。

 イラストを含めシナリオとか動画とかと言ったコンテンツ分野は、もはや文化芸術の枠組みを超えて産業として成立している。であれば、そういう前提で産業財産権として著作権とは別立ての権利を用意して、そこでアイデアやコンセプトといったものはある程度保護するようにした方がいいのでは無いか。
 もちろん、著作権のような「自動発生・生きてる限り無期限」とはならず、審査した上で期限付、ということになるだろう。ここは特許・意匠も変わらない。

 新しい権利を創設することになるので、国会議員に作れと要求しても1年や2年では出来ないとは思う。が、ほったらかしてたらいつまで経ってもできないので、ハードルが高いとは思うが勉強して要求していく、という事も必要なのでは無かろうか。


”経済安全保障”の範疇に「半導体」があるけどさ


 半導体不足半導体不足言うけどさ。半導体っていうのはシリコンとかガリウムヒ素とかのことでしょ。太陽光パネルだって殆どが半導体製品なわけですし。不足してるのは半導体に電子回路書き込んだチップでしょ。
 と、私は物理学科卒だからどうしても突っ込みたくなるんだけど。

 で、なんで半導体チップが不足してるかというと、日本のルネサスの唯一の工場が去年末に火事で焼けちゃったからなのね。日本だけで無く世界中でオーダーメイド回路のチップ作ってくれる工場がこのルネサスの工場だけだったから、今世界中が代替品探して大騒ぎになってるわけ。
 PCやスマホは汎用チップ使ってるからそこまで深刻な状況にはなってない。

 じゃあ今後日本が半導体チップ安全保障をするにはどうしたらいいかというと、2つ道がある。
 1つはルネサスの工場を2つ作らせること。でもそもそも2つじゃ採算が取れなくて1つに絞ってたわけだから、赤字補填を日本政府がしないといけなくなる。

 2つ目はチップはメーカーが汎用品を使うようにしてオーダーメイド部分はソフトウェアで実装させるように誘導していくこと。今の汎用チップは性能上がってるからリアルタイム処理でも殆どがソフトウェアで出来るはずなの。

 ただ、電子回路とソフトウェアでは作る技術が違うから、ソフトウェア移行するなら技術者育成しないといけない。あとソフトウェアは大型コンピュータ時代の名残で著作権法で保護することになってるから、権利として弱いという問題もある。アルゴリズムや設計思想も含めてソフトウェアを保護する新たな仕組みが必須になってくるのね。

 半導体チップ1つとってもこんだけの事やらないと経済安全保障なんていえないわけだけど。自民党政権はそこまで考えてるのかね?
なんか、議員も支持者も中国ガー中国ガーとか勘違いぶっ放してる連中ばっかに見えるけど、自民党。


高速メモ帳から送信


まともなIT人材を悩ますデジタル庁文明人


 Twitterに書こうとしたらまたしても140字越えたから、こっちに書く。て言うかそろそろこっちメインに復帰するか。

デジタル庁人材を悩ます霞が関の「紙とメール」 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20210507/k00/00m/020/197000c

 という記事があったので読んでみたんだけど。

 いやこれ、東京系”IT文明人”の「俺達がベストとと考えるIT化」がたまたま霞ヶ関で採用されてなかったもんだから、ブーたれてるようにしか見えないんだが。

 メール文化とか、いやむしろこれお前らがこれに慣れろよ。セキュリティを理由にするならまだしも、「情報共有」という点で最強なのは、未だにe-mailだぞ。ccをちゃんと入れない人がいるってのは確かに問題だけどもさ。
 インターネットが世界に普及して30年、その間無くなっていったサービスやその為のプロトコルが数ある中で、生き残っているのがHTTPとe-mailだぞ。
 特定企業が提供する外部サービスにばっか頼んなレベルの話だし。
 その意味考えたことあんのか?

 それと、PDFをPC画面で見た方が楽と本気で思ってるなら、眼科か精神科行った方がいい。
 何でもかんでもPDF文書にしてしまうとか、あまつさえExcel方眼紙使ってるとかだったら、そりゃブチギレ案件だけどもさ。

 俺らがデジタル庁に期待してった事って、そういう話なんですけど。
 この記事の通りの実態なんだったら、デジタル庁より「霞ヶ関」の方がマシでした、って話じゃねえか。

 ほんと、ふざけんじゃねえぞおい。

763文字


黄昏の野菜生活


 数日前のこと。テレワークの翌日に業務システムのレクチャーの予定があったので、案内メールを出した。
 明日レクチャーをするけど操作PCを大型モニターに繋いでみんなで見れるようにするから時間があったら見学に来て、とルールを出したら、若い女性職員から「スカイプ会議で配信すればいいんじゃないですか? 私明日テレワークですし」とツッコまれた。

 定時開けの時間はまだ夕暮れ時だった。ベランダに出て缶コーヒーを片手に
「俺も頭の古いおじさんになっちまったな…」
と黄昏れてみたくなったが、缶コーヒーがなかったので、野菜生活(マンゴーミックス)を飲んだ。

268文字。


 あ、このblogで全然書いてなかったけど、2月から非常勤の国家公務員やってます。なので最低でも1年政治活動はできません。

赤旗電子の版_読み上げepub作成支援ツール


 最近合成音声読み上げ機能が発達している。「赤旗電子の版」はタブレットで赤旗日刊紙が読める便利なサービスだが、眼精疲労で目も開けていられない状態だと、当然読むことはできない。
 AndroidにはGoogleテキスト読み上げという音声読み上げ機能が備わっているので、赤旗電子の版もスマホで読み上げ出来ないかと思い調べた結果、AndroidではepubファイルをGoogle Play Books に登録すれば読み上げが出来ることがわかったので、その為のepub作成を自動化出来ないかと考えた。

 1週間ほどVB.NETを使って片手間で作成した。epub作成までは行かないが、その前段階のHTMLファイルの出力までは出来るようになった。

http://kouyaxatosi.info/project/application/akahatadensinobansyutoku.zip

 尚、epub作成は一太郎を使うのが一番楽なので、作成ファイルを一太郎で開く機能もつけてある。このままActiveX経由でepub作成も(たぶん)出来ると思うのだが、さすがに時間がどれだけかかるかわからないし、一太郎はプレミアム版などに「詠太」というかなりまともな日本語読み上げプラグインが使えるので、スマホで無くPCの詠太で読み上げる場合もあるだろうし、開いてから先は手動で、と割り切ることにした。

 自分専用ツールと考えているのでサポートはしないが、使いたい人もいるかもしれないので、一応公開はしておく。
 ちなみに、ソースファイルが欲しい人は個別に連絡して欲しい。(公開出来るような綺麗なコードでは無いので。)


使い方:

  1. ダウンロードしたzipを解凍して、出来たフォルダの中にある「赤旗電子版読み上げ用抽出.exe」を実行する
  2. 出力先フォルダを指定する(デフォルトではC:¥TEMPになってます)
    一太郎で開きたい場合は、「出力ファイルを一太郎で開く」にチェックを入れて下さい。(※一太郎がインストールされていない場合は指定出来ません。)
  3. 一番下の「赤旗電子版本日分取得」を押すと、別ウィンドウが開いてすぐに取得処理が始まります。
    ログインセッションが切れている場合は、ログイン画面が表示されます。ログインするとすぐに取得処理が始まります。
    取得処理中に画面をいじると、取得処理は止まります。
  4. 取得が終了すると、出力先フォルダが開きます。ファイルは、「赤旗電子の版(日付)output.htm」という名前で保存されています。(※一太郎オープンを選択している場合は、一太郎用HTMLも出力されます。)
  5. 一太郎かGoogle Documentを使ってepubファイルを作成します。(※その他のepub作成ツールでも構いませんが、読み上げ確認はしていません。)

一太郎でのepub作成法


取得ファイルを開いた状態で、「ファイル」-「他形式の保存/開く」-「EPUB保存」を選択します。


[表紙]に[シート]を、[種類]に[リフロー]を選択して、保存します。

出来上がったepubファイルを、Google Play Booksにアップロードします。(後述)

Google Documentでのepub作成法

Googleドキュメントhttps://docs.google.com/document/u/0/ で、ファイル選択ツールを開きます。

「アップロード」画面に、出力したHTMLファイルをドラッグ&ドロップします。

「ファイル」-「形式を指定してダウンロード」-「EPUB Publication(.epub)」を選択します。

ダウンロードしたepubファイルを、Google Play Booksにアップロードします。

Google Play Booksへのアップロード

Google Play のマイブックhttps://play.google.com/booksを開き、右上の「ファイルをアップロード」ボタンを押します。

一太郎またはGoogleドキュメントで作成したepubファイルを、ドラッグ&ドロップします。

Androidでの読み上げ法

Play ブックス を開き、「設定」画面を開きます。

設定画面の下の方の、「自動的に読み上げる」にチェックを入れます。

アップロードしたepubファイルを開きます。
自動的に読み上げが始まります。

ちなみに、まともに通常速度で全部聴いてると、丸一日かかります。

補足:
標準のGoogleテキスト読み上げエンジンはあまり日本語がお上手では無いので、KDDIが提供している「N2 TTS」アドインの使用をお勧めします。

 尚、このプログラムは荒野草途伸が個人で作成したものであり、現状では日本共産党中央委員会とは何の関係もありません。


日本郵便の集荷依頼申込みを騙るウイルスメールが来ました


noreply@mp.post.japanposts.jpなるところから、
[日本郵便] 集荷依頼申込み完了のお知らせ」というタイトルのメールが届いた。

集荷依頼なんかした覚えないし、そもそも本文中に記されてる集荷希望日4/11なのに、送信日時が4/12 15:00:43。

明らかに怪しいと思ってヘッダ確認したけど、一見すると日本郵便(japanpost.jp)のSMTPサーバから送られてるように見える。

なんか添付ファイル付いてたから、これはかなり怪しいと思いつつ解凍してみたら

BIGLOBEが既に仕事してくれてました。
ウイルス名:Trojan Horse

で、もっかいヘッダをよーく見てみたら
dmarc=none header.from=noreply@mp.post.japanposts.jp
という1文がある。

japanposts.jp 。

ちなみにwhoisで確認してみたら、誰も使ってないドメインらしい。

しかしこれは、なんだつまり、日本郵便のSMTPサーバが認証くぐり抜けて乗っ取られたって事なのか?
(インフラ系はあまり詳しくないので)

まあ、個人的にはこの件調べてるうちにDMARCとかの最近のメール認証技術について勉強することが出来たので、いいんだが。
参考:https://www.cuenote.jp/library/marketing/dmarc.html


ヤンデレのSEに死ぬほど愛されて眠れないUSB


https://twitter.com/vitaone_/status/771550594674798596?s=09

「同僚ちゃん…起きてる? 頼んでおいたログの取得と解析…やってくれた? え、やってないの…? …ねえファイルはどれ? え? よく聞こえない。無いってどういう事? ログ、取ってあるんだよね…? 取っといてって、私、言ったよね…? ねえ。私一生懸命コード追って、どのログ取得すればいいかまで突き止めたんだよ…? それなのに。
やってないってどういうこと!!!
あ、そうかあ。同僚ちゃん、お腹空いてるんだ。それで仕事がはかどらないんだね。それなら大丈夫。私、同僚ちゃんのためにチキンクリスプ作ってきたから。…あいつのよりおいしい。そうよ!あいつが来てから同僚ちゃんダメになった!後輩ちゃん。あの子、可愛いけど、2進数の意味もわかってないよね…? それなのに。
何でみんなしてあの子のことチヤホヤするの!!!
あの子、モンエナとレッドブルの区別もつかないんだよ…? そんな子と同僚ちゃんが仲良くする事無い。それよりも、私の作ったチキンクリスプ、食べて。つま楊枝がない。大丈夫、包丁持ってきてあるから。食べさせてあげる。遠慮しなくていいよ。私と同僚ちゃんの仲じゃない。え? 何? よく聞こえない。怖い? 何が? ああ、先輩さんに見つかったら怖いって言ってるんだね。大丈夫、あの人って仕事できそうにみえて実は只のろ(ピー)いだし。それに、あの人はもう…。
それよりチキンクリスプ食べて。あいつのよりおいしい。ほら、包丁だと刺しやすいでしょ。口開けて。どうして首を横に振るの? 首を振るんじゃなくて口を開けるの。え? 今からちゃんとログ取ります? そんなの当たり前じゃない。でも同僚ちゃん疲れてるし。だから食べて、体力付けないと。そっか、先に設定済ませたいんだ。いいよ、同僚ちゃんなら30秒で出来るし。私、信じてるんだよ。あと、口開けて。食べながらでも出来るでしょ? どうして泣くの? そんなに嬉しい? 嫌? 嫌ってどういう事? 仕事するのが嫌なの? そんなのみんな一緒だよ。好きで残業してる奴もいる? うん、昔はいたよね。でも、そんな奴らは全部、ぜーんぶ私が片付けたから。どうして私が火消しの社畜ちゃんと呼ばれるようになったか、覚えてるでしょ? 覚えてる。嬉しいな。でもチキンクリスプ食べてくれたらもっと嬉しい。包丁はやめてって。どうして? 包丁がないと口に運べないよ? 手づかみ? 何言ってるの。人間の手って汚いんだよ。キーボードなんか隙間多いから雑菌の巣窟だし。同僚ちゃんが食中毒で倒れたりしたらどうするの。労災で入院して会社から逃げれるからそれもいい。そうだね。でも私は同僚ちゃんには倒れて欲しくないな。ログの取得と解析。やって欲しいな。あ、設定終わったんだね。さすが同僚ちゃん早い早い。

じゃあご褒美に、チキンクリスプ。ほらー、あーんして★」

~「ヤンデレのSEに死ぬほど愛されて眠れないUSB(※USBメモリーのこと)」より~

バックアップ


 久々に、PCデータのバックアップを取った。個人的なデータ約1GBを、2枚のCDに焼いて終わり。必要無いデータは消して、ついでにHDの掃除も完了。
 バックアップのやり方としては、専用ソフトを使って、HDの中身丸ごとをバックアップしたり、丸ごとでなくてもOSやアプリケーションの固有情報までバックアップするというやり方もあるが。自分は、そこまでのバックアップは取っていない。個人的に作ったデータと、メールデータ、ブックマーク。これくらいである。
 個人用データは一つのフォルダの配下にまとめるようにしているので、これとメールのバックアップファイル、ブックマークファイルを、CDーRライティングソフトで指定して、焼くだけ。実に単純な作業である。
 にもかかわらず。ここ数年、バックアップを取る頻度がめっきり減った。
 初めてパソコンを買った頃は、ヒマだったからそれこそ毎日、フロッピーディスクにバックアップを取っていたものだが。HDの容量もOSの規模も自分が扱うデータのサイズもすっかり大きくなってしまい、だんだん手間と時間がかかるようになって、頻度が減っていった。
 その後大容量のMO、CD-Rとメディアが変わっていったが。一度サボり癖が付いてしまうとなかなか元には戻らず、むしろ悪化していくばかりであった。
 最近は、どうしても消えてもらって困るデータはJUSTSYSTEMのインターネットディスクを使って、同期保存しておくようにしたので。万一HDが全壊しても、さして困らない、というのもある。
 まあなんにしろ、とりあえず当分はバックアップをとらなくても安心。である。焼いたCD無くさない限り。いや、最近なんか、昔焼いたはずのCDが全然見あたらないんですけどね・・・。
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