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すのこタンと新潟の自立経済(2018新潟県知事選)


 今日すのこタンナナメが届くはずだと思ってたけど、配送日一週間間違えてて6/11配送になっていた。届くの待っていたら新潟県知事選挙終わってしまうので、今書くべき事を書いておく。言わずに後悔するより言って後悔した方がいい、と佳奈多も言ってたから。

 新潟って、「魚沼産コシヒカリ」があまりにも有名だから、新潟は農業県なんだとずっと思っていた。

 その認識が変わったのがこの「すのこタン」である。
 
 製造元の住所調べたら新潟県三条市で、上越新幹線で言うと燕三条駅の辺りらしい。
 で、その三条市とか燕市の辺りは金属加工業が結構盛んで、さらに新津(現在の新潟市秋葉区)の辺りは鉄道車両をはじめとして鉄道関係の会社が結構多く、つまり工業も結構発達している県なんだということを知った。

 一方で、新潟県は地理的には北陸なんだけど、新潟市というのは元々東北の日本海側を統括する役所や企業支社が置かれて発展した町で、かつては東北地方全域を管轄する新潟証券取引所というのもあった(2000年に東証二部と合併)。

新潟山形県境と入組んだ場所にある鼠ヶ先駅


 つまり、商業も発達した県だったわけである。

 そして、越後湯沢とか佐渡島とか、観光地として有名な町もあり、列挙するときりが無いので書かないが観光資源も豊富である。



 決してただの農村などでは無い、農業・工業・商業・観光のバランスの取れた、自立経済を回せるポテンシャルを持った県だ、ということに気づいたのは、一昨年ガタケットで新潟を訪れたときのことである。
 いくら島根と鳥取を合わせたよりも広い面積を持つとはいえ、このポテンシャルはなかなか得がたい貴重なものである。
 
 そして、その自立経済の可能性に気づいたのが、米山前県知事である。米山県政下で、農業・工業・商業・観光の4産業に加えて、長岡を中心にIT産業を、新潟市を中心にコンテンツ系産業の振興を進め、「脱東京」の自立経済路線を進めていた。
 これは、遠く離れた愛知県から見ていてもわかった。と、いうよりも、愛知県も農業・工業・商業のバランスの取れた自立経済型の産業構造をしているからこそ、それがよく見えたのかもしれない。

 米山氏は残念なことに県庁を去ることになったが、米山氏を支えた県政与党は結束して、前県議の池田ちか子氏を擁立し協力に推している。池田氏が当選すれば、自立経済路線は堅持され、近い将来いちいち東京の顔色を窺うことも無くなるだろう。
 そして自立経済が回れば、柏崎狩羽原発が廃炉になっても、技術者がスキルを活かして県内で転職する道も出てくるはずだ。

 一方で、自民公明両党が推す候補者は、残念ながら旧態依然な官僚丸出しの政策を掲げている。土建開発を中心とした、「東京案件」の仕事を受注する下請け経済しか頭に無い。なにより、IT・コンテンツ系等の新産業に対する理解がまるで無い。
 本人はどうだか知らないが、支持者の言動を聞いていると下手すると表現規制に走りかねないほどの酷さである。少なくとも、女性蔑視をする人間が支持者に混じっていることが明らかになっている。そして本人のTwitterアカウントは、ネトウヨばかりフォローしている。まさに、残念な人である。
 自公候補が当選すれば、柏崎狩羽原発の技術者は勤め先ごと扱いが宙に浮いたまま捨て置かれ、最終的には路頭に迷うことになるだろう。

 東京は決して正義などでは無い。上に行けば行くほど、汚い人間がはびこっている。否、そういう人間で無いと上に行けないのが「東京」という世界だ、と言ってよいだろう。

 そんな東京に依存した社会経済をこれからも続けるのか。

 それとも、東京依存から脱却した自立経済路線を続行するのか。

 新潟県民の賢明な判断を望みたい。

 そして補足として。新潟が脱東京路線を選択しても、決して孤立することは無い、自立経済路線を指向する県は他にもある、ということも申し添えておく。


残業規制街宣原稿_5月2日最新版


 ご通行中のみなさま、荒野草途伸と申します。
 どうかお聞き下さい。労働法制と残業規制、”働き方改革法案”の話です。

 まずはじめに、政府の働き方改革法案には、残業規制のような労働者を保護する内容と、高プロのような労働者保護に反する内容が同時に含まれていることを、知ってください。

 その上で、残業規制を中心にお話ししたいと思います。
 残業規制、とは、過労死を防ぐ為に、時間外労働、いわゆる残業に上限を設ける規定です。
 現在の労働基準法には無く、厚生労働省の政令でガイドラインが定められているだけです。
 IT系や商社などではずいぶん前から、過労による、死亡、病気、業務の滞り、といった問題が言われていますが、今や民間だけでは無く教員や公務員でも過労の実態が次々に明るみに出ています。
 しかし長い間、政治は過労死問題に対して、無策でした。

 ですが2015年12月 電通女性社員が過労自殺するという事件が起きました。ここから、過労死防止の法制化の動きが、ようやく始まりました。
 2016年10月には、野党のうち、民進・共産・社民・自由の4党が、長時間労働規制法案を提出しました。

 これを受けて、翌年2017年には政府も残業を規制する方向に政策を転換しました。
 ですが、自民党と公明党による連立政権が出した内容は、現在厚生労働省が政令で示している過労死基準を、大幅に超える100時間残業を、してもよいとするものでした。
 これはつまり、100時間残業したら死ぬ人間は、とっとと死ねば良い、と言っているのと同じです。この内容では不十分なのです。
 
 その上、2017年4月になって、2つの事件が残業規制の法制化の邪魔をしました。
 「共謀罪」と「モリカケ」です。
 人の命がかかった残業規制よりも、未遂の犯罪を取り締まることを、自民
党政権は優先し、 人の命がかかった残業規制よりも、国家財産の不当な払い下げの追求を、野党は重視したのです。

 この2つの事件の為に、2つの重要な法案が葬り去られようとしました。
 一つは、先程から述べている残業規制。
 そしてもう一つ、当時存在した、強姦罪の泣き寝入り規定の撤廃です。
 
 その後、強姦罪泣き寝入り規定の撤廃は、強制性交罪の創設という形で、辛うじて成立しました。
 しかし、代わりに残業規制は、秋の臨時国会に先送り、という扱いにされました。
 ただ、この時は、先送りとは言え、2017年秋に残業規制をやる、そう自民党は国民に約束をしたのです。

 ところが。その約束は破られました。
 2017年9月に安倍晋三が衆議院を解散したことで、残業規制は審議も提出もされる事無く、葬られたのです。

 このような経緯がありました。
 臨時国会直前の8月。
 自民党政権は、残業規制を、「高度プロフェッショナル制度」と「裁量労働制拡大」を、抱き合わせるという方針を出してきました。
 あの、第一次安倍内閣 以来一貫して猛批判を浴び続けている、高プロです。
 残業規制は、過労死基準を超える100時間残業を合法とし、挙げ句、10年以上前から批判を浴びている「高プロ」をまたしても国会に出そうとする安倍自民党政権に批判の声が高まり、政権支持率は急落しました。
 間違ってもモリカケではありません。
 労働法制が原因で、内閣支持率は落ちたのです!

 支持率が危険水域に達した安倍晋三はどうしたか。
 突如衆議院を解散したのです。
 衆議院が解散されると、それまで継続審議になっていた法案も含めて、選挙が終わるまであらゆる法案が審議できなくなります。
 つまり、自民党は、秋に残業規制をやるという国民との約束を、この瞬間破ったのです!

 総選挙後に開かれる「特別国会」で残業規制をやることも、可能でした。 もちろん、野党はそれを求めました。
 しかし、審議は行われることはなく、残業規制は有耶無耶にされたまま、2017年は終わってしまったのです。

 そして、悪夢の総選挙から約半年経った2018年2月。
 ようやく、ようやく、政府が「働き方改革」の名の下に、残業規制の法制化に再着手しました。
 ですが、「働き方改革」とは名ばかりで、実際には秋に話の出た欠陥抱き合わせ法案そのものでした。

 しかし、実はこんな話もあったのです。
 度重なる労働者の要求に恐れをなしたのか、霞ヶ関側から、共産党の高橋千鶴子議員に、働き方改革一括法案のうち、「残業規制と同一労働同一賃金のみ先行でどうか」という妥協案の打診があったのです。

 その後、裏でどのようなやりとりがあったかは、議員でない私にはわかりません。
 ですが実際、その後裁量労働制については秋に審議見送りという事になりました。

 ところが、です。
 3月になって、公明党の要求により、中小企業は残業規制を免除する、という規定が入れられてしまいました。これに自民党も同調しました。
 つまり、中小企業で働く人は、正社員も派遣社員も、100時間の残業規制の恩恵すら受けることはできない、という内容にされてしまったのです。
 その結果、次に挙げる人は残業規制の対象外にされてしまうことになりました。

1つ、・中小企業の従業員
2つ、・高度でプロフェッショナルな職業、
これは諸手当込みで年収1075万円以上の人が対象です
3つ、・個人事業主扱いの人
4つ、・管理職扱いの人
 以上の人は、たとえ政府の働き方改革法案が通っても、残業規制の恩恵を受けることは、ありません!

 ちなみに、中小企業の定義は中小企業庁のWebサイトに書いてあります。
 従業員数か資本金のどちらかが一定の数以下であれば、中小企業として扱われるのです。
 売上とか利益とか大企業の子会社とか、そんなのは中小企業の定義とは関係ないのです。
 つまり、やろうと思えば、残業規制逃れの”中小企業”子会社を作ることだって可能なのです!
 ブラック企業なら必ずやるでしょう。ちなみに、あのワタミの元社長は今、自民党の参院議員です。覚えていますか?

 そして、中小企業は100時間を超える残業も合法、が自民党と公明党の施策。これが4/7、確定したのです。
 人命よりも企業経営が大事。
 会社の為に死ねという昭和の発想そのまんま。
 これが自民党と公明党という政党なのです。

 中小企業に配慮するというのなら、人を確保する為の支援とか、無理な納期を拒否できる下請法の改正とか、やるべきはそっちな筈です。
 それが、過労死を合法化することが中小企業への配慮とは、一体どういう感覚ですか!?

 先頃、人命に配慮しない相撲協会が問題になりました。
 自民党も同じです。人権感覚が全く無いのです。

 ですから、残業規制は、野党が議員立法で法案提出すべきなのです。
 実際、立憲民主党も共産党も、対案の内容は既にまとめています。
 立民案では最大80時間規制、共産案では原則通りの45時間規制で、国民党も45時間尊重で検討中とのことです。社民党も、自由党も、沖縄社会大衆党も、基本的には同じ路線です。
 野党は過半数を持っていないから出すだけムダ、野党支持者の中にすら、こんな事をほざく輩がいます。
 いいえ、無意味ではありません。
 たとえ今は数の力で通らなくても、自民公明両党に対し、人命尊重の是非を問えます。これは、次の選挙の最大の争点になります。
 
 幸いにも、この過労死合法化法案に拍手喝采を送る人は少ないです。
 それでもまだ、こういう事を言う人間がいるのです。
「俺は働けるから大丈夫」。
 ふざけるな! お前らの話などしていない。
 我々は月80時間オーバーワークしたら死ぬ人間の話をしているのだ!

 私、荒野草途伸がTwitterで行ったアンケートで、こんな結果が出ました。
 今の安倍政権を支持するかどうか、というアンケートで、「日本死ね」、という選択肢を選んだ人が、13%に上りました。
 13%です。
 支持するしない以前に、日本死ねと思っている人が、13%もいるのです。

 それほどまでに、この日本の社会と政治は、病んでいるのです。

 もはや「知らない」では済まされません。
 これは、10年以上にわたる、我々労働者の命をかけた闘いなのです!

 先日、報道各社のニュースで、自民党がまたしても解散を検討している、との報道がありました。
 自民党は、1度ならず2度までも、解散で残業規制を潰すつもりなのでしょうか!?
 そんな事が許されるはずがありません!

 解散はしなくても、会期延長はしない等と言っているそうです。先週末、働き方改革法案は衆院で3日しか審議しないという情報も飛び込んできました。
 何故ですか!? 重要法案なのでしょう? 何ヶ月でも会期延長して、徹底審議すべきではないですか!?

今日はまず、皆さんに事実を知って欲しくて、この演説をしました。
次に何をするにしても、誰もなにもわかっていないのでは、話にならないからです。

今はまず、この労働問題に関わる事実を知ってもらいたい。
そして、野党がこの後提出する はず の残業規制の対案に、皆さんも賛同して欲しい。
 8時間働けばまともに暮らせる社会を。
それが今の私の願いです。

ご清聴ありがとうございました。

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※5/2(水)、愛環中水野駅前、JR高蔵寺駅北口で行った街宣内容になります。

4/24(火)高蔵寺駅北口、4/26(木)犬山駅前、4/28(土)勝川駅南口、YouTube公開版 で行った街宣演説から、若干内容を修正しています。


会期は大幅延長せよ、労働法制の為に!


働き方法案審議入り 日程ぎりぎり 与党避けたい「延長」~毎日新聞 2018年4月27日
https://mainichi.jp/articles/20180428/k00/00m/010/159000c

(記事引用)

  • >働き方改革関連法案は、労使協定(36協定)で定める残業時間を最長でも「月100時間未満、年720時間」とする罰則付きの上限規制や、正規・非正規労働者の不合理な待遇差を解消する「同一労働同一賃金」の導入などが柱だ。このうち、専門知識を持つ高所得の働き手を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が与野党の対立軸になっている。

 確かに野党は高プロと残業規制の区別も付かない情けない人間も混じっている程だから、野党の焦点は高プロということになるのだろうが、残業規制の方も大問題。ただでさえ厚労省基準を大幅に越える100時間残業容認な上に、中小企業は全面免除。問題だらけ。
 まず残業規制と高プロを切り離すことは最低限の必須条件な上に、それぞれ衆参50時間以上の審議が必要。(※高プロはもちろん廃案にするべきだが。)

(記事引用)

  • >与党は「全ての委員会でぎりぎりの日程になる」(森山氏)と危機感を募らせる。しかし不祥事続きで内閣支持率が下落する中での会期延長は、野党の政権追及の時間も長くする。政府関係者は「国会は早く閉じた方がいい」との立場だ

 それなのに、会期延長をしたくないとは。しかも理由が、「これ以上不祥事が出るのが怖いから」。労働者をバカにするにも程がある。ていうかまだ不祥事の心当たりがあるのか。

 労働者の命がかかった法案なのだから徹底審議は当然だし、その為の会期の大幅延長は当然。ザコ審議で済ませていい話ではない。統治能力を失った今の自民党には、理解できない話なのかもしれませんが。


アベ「働き方改革」2.10決起集会レポート


 昨日2月10日に、お茶の水の全労連会館で行われた安倍働き方改革決起集会に参加してきました。

 主催者側の意図としてはそこまで人も集まらず準備集会程度の認識でいたようですが、実際にはホールがほぼ満員になる200名の参加者が集まる規模の集会になりました。それだけ、この「働き方改革」なる労働問題政局に関心が高いという事でしょう。それはそうでしょう、遠い戦場の話と違って、目の前にある給与と労働時間、ひいては自分が死ぬかもしれないという話なのですから。

 全労連の集会という事で、冒頭は共産党の高橋衆院議員の報告から始まり、その後過労死遺族の方2名の講演、10年以上にわたる労働改悪問題に取り組んできた専門家の人からの報告、現場で過酷な労働条件と戦っておられる労働組合等からの報告、そして昨年御用組合「連合」本部にデモを仕掛けて一気にその名を上げたAEQUITAS(エキタス)からの呼びかけ、と続きました。

 以下、既にTwitterやGoogle+にアップした内容が殆どですが、内容をかいつまんで記しておきます。
 (部分的に、荒野の注釈も入っています。)

*日本共産党・高橋衆院議員の挨拶


・現在国会では貧困ビジネスの規制強化、しっかりやってるところへの支援強化を取り組んでいる。制度の陰で支援を受けられない人がいる。
・働き方改革はこの後すぐにでる。8法案一括。当初は2月下旬という話だったが、3月中旬にずれ込むという話になってきている。岡崎参与からは内々に「同一労働同一賃金と労働時間の2つではだめか」という打診もある。
(※政府がかなり弱気になってきている?)

 前の国会で(当時の)野党共同で出した長時間労働規制法案がある。これに盛り込めなかった、事業場外(みなし)労働規制の提案の必要性というのもあり、これも含めて全体をもっとバージョンアップして対案を出して迫っていく。
 ただ、長時間労働規制法案を出した中心メンバーは希望の党に行ってしまった。

 政府が過労死防止大綱の見直しに着手することになった。(与野党が加わる)議員連盟もフォローアップしていくことを提案。調査研究を行ってここまでこぎつけた。
 しかし、現「働き方改革」8法案には過労死促進の内容が含まれているのは齟齬があり如何なものかと(高橋議員が)発言。これに対し、馳議連会長(自民党)が、働き方改革法案をよく知らないと発言
 無期転換に絡み4月に雇い止めが発生する懸念。ある県で11万人と言う数も。

*東京過労死家族の会の方の講演

**佐戸恵美子さん(NHK記者過労死遺族)

 2013年参院選の選挙報道担当中に、過労でホテルで倒れそのまま無くなった。
 ハードな記者生活は、それまで問題なくこなしていた。
 当時の取材体制に問題があった。ベテランの男性スタッフが中心。ベテラン3名が自民・民主・公明をそれぞれ担当し佐戸氏がそれ以外の全政党を担当したが、2013年参院選は共産党が大きく延びた為、佐戸氏が全部それを担当し負担が尋常ではなかった。
 NHK内部では誰も責任をとっていない。
  

**中原のり子さん

 夫が小児科医師だった。19年前投身自殺。
 小児科部長就任後、スタッフが半減。感情のコントロールできなくなった。職業の否定。時間外労働83時間。労災認定に8年かかった。
 その後過労死防止法の制定に奔走。制定4日後に高度プロフェッショナル労働制が議員立法で浮上。

 看護学校で講演したとき、他の同僚は生きているから過労死ではない、と言われた遺族(子供)がいた
 

*働き方改革一括法案の内容と問題点

**鷲見賢一郎(自由法曹団)

 

・雇用対策法の改悪

 今回急浮上してきた法案。
 法案の名前とは裏腹に、労働者保護に関する文言は一言も出てこない。内容は「経済成長力」を目的とした法案。完全な財界目線の法案。
 

・労働基準法の改悪

 過労死ラインの上限規制。休日も含め100時間未満が基準(過労死ラインは80時間未満)。過労死合法化法案。
 過労死容認を法律に明記する歴史的な大改悪
 45時間を超えると発症の関連性が高くなり、本来は45時間を基準とするべき。

・高度プロフェッショナル制度

 抜け穴を駆使すれば毎日24時間労働を命じることも可能。
 現法案では対象者は年収1075万円以上とされているが、経団連は10年前に話が出たときから一貫して年収400万円以上にするよう要求している。さらに派遣も対象という話も出てきた。
 企画業務型裁量労働制=裁量的にPDCAを回す業務(どんな業務でも対象)。対象業務を増やす。
(※「PDCAを回す業務は全部対象」って。PDCAって社会人の基本だよね!? 
 社会人全員が対象って話じゃないのこれ!)

・労働者派遣法改正
・短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

 派遣とパートを一括で扱うことを目的とする法案。なのでまとめて話す。
 非正規に配転を可能にする。拒否する人は差別していい、という内容。
 待遇はそのままで正社員並の責任・能力を求められる。
 
 安倍晋三の言う同一労働同一賃金は本来の意味とは違う。言葉のすり替え。

 自由法曹団による法案不備の指摘と均等待遇の実現方法の提言
ア 不合理合理性等の基準から「職務の内容及び配置の変更(人材活用の仕組み)」を削除する。
イ (待遇の)不合理性の立証責任を労働者に負担させるのでは無く、合理性の立証責任を使用者に負担させる。
ウ 格差是正を理由にして正社員等の賃金を下げることを禁止する。(待遇切り下げによる同一待遇は禁止)

・雇用の請負委託化

 技術革新の中で今までにない働き方が出てきていることは事実。
 それに対応した労働者保護が必要だが、自民党政権は技術革新を理由に労働者の権利切り捨てに結びつけている

**伊藤圭一(労働法制中央連絡会)

 これからはフリーランスを増やそうというのが政府の方針。
 請負を保護するのではなく、雇用労働者は過保護すぎるという理屈。労働法制を全て無くしてしまえという動きすらある。
 アルバイトも裁量労働制にするという話が出てきた
 しかし労働者の圧力の声が弱い連合が既に了承してしまっている

*現場からの報告

(一例として、労基違反を取り締まる労働行政の現場から)

**河村直樹(全労働副委員長)

 労働行政は来年度定員を130人減らされる。地方労働体制を削減しつつ監督業務は強化しろと言う矛盾した政策。

 ハローワークの窓口一線はほぼ非正規。人事院指導で3年勤めたら一端解雇、ハローワークで再応募。一般求職者は、現職者と競争して落とされることになる。どちらにとっても何のいいこともない

 求人条件と実際の条件が違う場合の明示規定が、逆効果になりつつある。(やっていいのか、という事業者の声)。そもそも違う事自体がおかしい。

 他に、
全教から教員の長時間労働、
医労連から医療現場の超過労働、
自治労連からの自治体非正規職員の問題、
MICから印刷・アニメ製作の現場の問題、
自公総連からライドシェアの問題、
新婦人から家族側からの問題啓発、といった話がありました。

*日弁連より

**中村和雄(日弁連貧困問題対策本部委員)

 労働時間法制を考える院内市民学習会 の案内
 2月28日(水)18時~19:45
 衆議院第二議員会館1階 要事前申し込み

 日弁連は月45時間残業規制で実行しろと言う提言をしている。(1日2時間で案を出したが、理事会で否決された。)
{フランスでは1日2時間。日本だけが異常な状況。}

 最低賃金の大幅引き上げをしろという提言。
 社会保障の充実。10月4日青森でシンポジウム。具体的スケジュールも含めて提言をする。

AEQUITAS

山本

 バイトへの裁量労働制の適用に反対するデモ の案内
 2/25(日)13:15 柏木公園(西新宿)

 裁量労働制=定額働かせ放題。
 エキタス=公正(ラテン語)。働き方改革法案に公正はない

今後の労働法制関連行動予定

 最後に、集会では(何故か)特に出ませんでしたが、今後の労働法制関連行動予定が資料にあったので、抜粋しておきます。(※殆どが東京ですが)

2月15日(木)
ディーセントワーク宣伝全国統一行動(全国)
(東京は)17時~18時 新宿駅西口
内容:2018春闘、労働法制、最賃・賃上げ、無期転換・安定雇用などで各労働組合代表が発言。3.2全国一斉労働相談ホットラインの告知も行う。

2月28日(水)
日弁連2.28労働時間法制を考える院内市民学習会
(上記にあった案内のもの)
主催:日弁連
日時:2/28水 18:00~19:45
場所:衆議院第二議員会館
問い合わせ先:日本弁護士連合会 人権部人権第一課
 TEL:03-3580-9501

3月2日(金)
3.2全国一斉労働相談ホットライン

3月7日(水)
全労連中央行動(国会議員要請行動)

3月12日(月)
雇用によらない働き方・批判検討会
主催:労働法制中央連絡会
日時:3/12月 18:30~20:30
場所:全労連会館3F会議室

3月16日(金)
労働弁護団主催・院内集会
主催:労働弁護団
日時:3/16もしくは19日 11:30~13:00
場所:衆院議員会館を予定

4月11日(水)
全労連全国統一行動
東京では国会前昼行動や議員要請等を含む諸行動を検討中


 とりあえず、この集会は勉強になった。
 問題のある法案(特に高プロの件は10年以上も続いている)というのはわかっていても、8法案もまとめて出されてくると、どの法案がどういう内容でどんな問題点があるのか、わけわかめだから。
 全部理解したわけでは無いが、多少内容が整理できた。

 最後に、私荒野草途伸からの私見を、Twitterからの引用という形で。


Twitterモーメント「テレビじゃやらない労働争点」


ツイートはこの一週間のものをまとめたものですが、この問題はこの一週間で始まったものではありません。


「残業規制法」の経緯


・2015年12月 電通女性社員過労自殺。東大の同級生がネットで告発、炎上
・2016年10月 野党4党(民進共産社民自由)が長時間労働規制法案を提出
・2017年1月 政府が残業規制の方向に転換
・2017年3月 政府、残業規制案公表
・2017年4月 自民公明両党、共謀罪法案成立を優先。通常国会での残業規制成立見送り
・2017年8月 政府、残業規制を残業代ゼロ法案などと合併審議を決定
・2017年9月 安倍晋三、衆議院を解散。残業規制法廃案


野党が公約として掲げるべき事・安倍政権がやるべき事


「安倍政権がやるべき事」とタイトルに入れてはいるが、あのアホ総理が人の忠告に耳を貸すとは思えないので、基本的には野党向けの発信になる。ただ、勘違いしないで欲しい。野党だろうが安倍政権だろうが、「やらなければいけないこと」は同じだ、という話だ。

 では具体的に何か。眼前に迫った喫緊の課題としては、労働問題と教育問題だ。この2つは絶対にやらねばならないし、これを公約に入れられないようでは共産党だろうが民進党だろうが、政党としての存在意義を問われる。
 
 労働問題については、まずは先日述べた残業規制、これは問答無用でやらねばならない。人の命がかかった話だ。泣き叫ぶ者がいても無理矢理泥沼から引きずり出さねばならない。カルト宗教への対応と基本同じだ。
 
 (安倍晋三は責任放棄せず、政権を担う者の責として臨時国会冒頭で残業規制法案を成立させなければならないのだ。)
 
 それに加え、最低賃金の全国均一化、それに伴う中小企業への支援(公金バラマキでは無く、むしろ人的支援を中心に)。労働局並びに労働基準監督署の人員増強。失業・無業者支援、特に産業構造変化に対応できるよう職業訓練大学校の増強。
 これらに財源が必要ならば法人税率の引き上げ、海外への所得移転への課税。
 
 これらは決して、「実現不可能な公約」ではない。
 
 
 そして、教育問題。残念ながら自分は教育関係はそこまで詳しくは無い。だが、こちらも命のかかった問題だ。いじめ自殺や不登校自殺は、何年経っても消えていない。教育政策の失敗が原因である。
 原因の一端として、大人数学級がある。全国で少人数学級を実現しなければならない。
 40人の中の1人がいじめられているのと、25人のうちの1人がいじめられているの、どちらが見つけやすいか。それこそ小学生でもわかる話だ。
 
 そして、教員の過重勤務の一因となっている教員免許更新制度を撤廃し、元の終身免許に戻すべきだ。教員免許更新制度の欠陥については、第一次安倍政権の時に自分が書いた記事でも述べている。
 
 
 これらも決して、「実現不可能な公約」ではない。
 
 
 「憲法を生活に活かす」とは、こういうことだ。ただお題目を叫んだだけでついてくるほど国民は愚かでは無い。
 
 
 もちろん、安倍政権がこれら全部やるというのなら、それでいい。それをやる為には冒頭どころか臨時国会での解散など論外、という話になるが。
 
 


残業規制の適用除外など許してはならない


働き方改革 残業規制・高プロが一本化 法案の要綱諮問(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20170909/k00/00m/040/144000c

 ”高プロ”・裁量労働制拡大も問題だが、今回はひとまず”残業規制”に話の的を絞る。
 
 つい先日労使協定が問題になった医師、東京五輪関連事業で自殺者が出た建築、宅配が社会問題になりつつある運輸、22時が定時と言われて久しいSE。全て、この残業規制の「適用除外職種」である。
 ”残業規制”政府案では研究開発職は適用対象外である。労働法制に於いてはSEは研究開発職扱いにされている。現行労働基準法でも36協定特別条項で残業させられるのは月80時間が本則だが、SEは実質青天井である。研究開発職扱いで適用除外扱いになっているからだ。
 
 野党側が出す対案には、現在「規制基準を過労死推定基準の80時間未満に」という内容で検討されているようだが、この”適用除外”無しもいれるべきだろう。
 
 3月の原案策定時には残業規制は喫緊の課題であるから緊急で成立させる必要性があり財界同意を取り付ける為にとりあえず適用除外もやむなし、という理屈も成り立ったかもしれない。
 が、結局自民党は”共謀罪”を成立させたいが為に残業規制成立を妨害した。残業規制は先送りされ国会提出すらされず、今月末招集予定の臨時国会でようやく提出・審議入りという話になった。高プロ・裁量労働制拡大と一緒くたというおまけ付きで。
 3月からもう半年も経った。もうとりあえずが許される状況では無い。残業規制の適用除外など許してはならない。


めも:自民党が強姦罪・残業規制より準備罪を優先させた経緯


3月7日
刑法改正案(強姦罪泣き寝入り規定の廃止等)閣議決定

https://mainichi.jp/articles/20170307/k00/00e/040/151000c

3月13日
連合と経団連、尻抜け残業規制で合意
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC13H0R_T10C17A3EA2000/

3月21日
”残業規制”、閣議決定
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/265732.html
同日、共謀罪閣議決定
http://www.sankei.com/affairs/news/170321/afr1703210004-n1.html
(強姦罪改正案閣議決定の14日後)

3月24日
準備罪(共謀罪)国会提出
http://jijico.mbp-japan.com/2017/03/24/articles22817.html
(閣議決定から3日後)

4月4日
民進・共産・社民・自由の4野党が、強姦罪改正案を準備罪より先に審議するよう要求

https://mainichi.jp/articles/20170405/k00/00m/010/131000c

4月6日
共謀罪、衆院で審議入り
http://mainichi.jp/movie/video/?id=118959831
野党が要求した強姦罪改正案審議入りは実現せず

4月19日
政府、残業規制の提出先送り


(共謀罪国会提出から27日後)

5月8日
政府の規制改革推進会議が労働基準監督署の一部民営化を提言
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017050801201&g=eco

5月19日
企業法務弁護士集団から共謀罪反対の声明
https://this.kiji.is/238226366315200514?c=39550187727945729

5月23日
共謀罪衆院通過
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017052402000125.html

5月29日
安倍政権の関係者に強姦された被害者が検察審査会に不起訴不当の申し立て、記者会見
自民党信者による壮絶なセカンドレイプが始まる。

 3月7日に閣議決定されたはずの刑法改正案(強姦罪泣き寝入り規定の廃止等)は、5月30日現在を以て、未だに審議入りしていない。
 残業規制についても同様である。


ME: The process LDP made give priority to a crime of preparations over a rape charge and overtime work regulation

March 7
Criminal law proposed amendment (abolition of a rape charge putting regulation) cabinet decision
https://mainichi.jp/articles/20170307/k00/00e/040/151000c

March 13
A confederacy and Japan Federation of Economic Organizations reach agreement on the bottom coming overtime work regulation.
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC13H0R_T10C17A3EA2000/

March 21
” Overtime work regulation”, cabinet decision
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/265732.html
The same day and conspiracy crime cabinet decision
http://www.sankei.com/affairs/news/170321/afr1703210004-n1.html
(14 days later of rape charge proposed amendment cabinet decision)

March 24
Crime (conspiracy crime) Diet submission of preparations
http://jijico.mbp-japan.com/2017/03/24/articles22817.html
(From cabinet decision, 3 days later)

April 4
Nation Susumu, community of goods, a company nation and free 4 opposition parties request to deliberate a rape charge proposed amendment first than a crime of preparations.
https://mainichi.jp/articles/20170405/k00/00m/010/131000c

April 6
It’s begun to debate by a conspiracy crime and the House of Representatives.
http://mainichi.jp/movie/video/? id=118959831
(Rape charge proposed amendment beginning to debate an opposition party requested isn’t achieved.)

April 19
Submission postponement of a government and overtime work regulation


(From conspiracy crime Diet submission, 27 days later)

May 8
A regulation reform promotion meeting of a government proposes part privatization of the Labor Standards Inspection Office.
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017050801201&g=eco

May 19
The statement which is conspiracy crime opposition from a business law Tsutomu lawyer group
https://this.kiji.is/238226366315200514?c=39550187727945729

May 23
Conspiracy crime House of Representatives passage
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017052402000125.html

May 29
The victim raped by the person concerned of Abe political power, non-prosecution is unfair in the Committees for the Inquest of Prosecution, I allege and hold a press conference.
A heroic second rape by LDP believer starts.

The criminal law proposed amendment which should be endorsed by the Cabinet on March 7 (abolition of a rape charge putting regulation), one current as of May 30, i, please, it has not been begun to debate yet.


残業規制で野党は対案を


残業上限「月100時間」 政労使合意 これは「過労死の合法化」だ(毎日 有料記事)

 この記事を読むまでもなく、既に多くの人が知っているであろう「残業規制」の件である。当ブログでも今月頭に記事にしている

 「100時間」という(わかりやすい)数字ばかりが注目されているが、もっと深刻なのは、運輸業や研究開発職(システム開発、いわゆるSEを含む)が政府案では「適用除外」(=100時間規制すらない、現状と何も変わらない)となっていることである。

 そしてどの業種でも当てはまる「サービス残業」という奴は勝手に死んだだけですシステムは、罰則が付くとはいっても企業名の公表程度の軽いものに留まり、実質そのまま放置である。営業停止処分にまで踏み込む強さがなければ根絶などできない。

 「今より良くなるからいいじゃないか」等と寝言を言っている人間もいるようだが、今より良くなどならないのである。茶番ですらない。

  1.  適用除外の例外は無し
  2. 営業停止処分も含む強い罰則
  3. それを担保する為の労基・労働局人員の強化。

 野党はこれらの内容を軸に、対案を出すべきである。アベ政権与党の現状把握能力の無さ=政権担当能力の無さはもう多くのまともな国民は理解し、十分に知らしめられている。
 次は、野党の実力を示すときだ。