最終回は予想外の出来でした。悪い意味で。12話見た時点で、あまり期待はしないでおこうと覚悟していたのに、ラストの音無のクズっぷりに初見では怒りすら感じてしまいました。
何回か見直して、ネットでの意見とかも見て、ようやく冷静になれたという感じです。そういう意味では、「ここまで人の心を熱くさせ、泣かせる作品はなかった」という事なのかもしれません。
大変酷な言い方ですが、私個人の感想としてはそういう風に位置づけるしかありません。最終回、というか後半については。
まあしかし、ここでは最終回についてあんまり酷評するのはやめておきます。…ツイッターで散々吐きだしてしまった後なんですけどね。
しかしこの作品は、何も考えずに見ると「ナニコレ」だし、逆に深く考えると矛盾や粗ばかり出て来るし、楽しんで見るには「中途半端に考えながら見る」というちょっとしたテクニックが要求されますね。この作品を評価するのに奇跡理解力なる言葉が編み出されているようですが、言い得て妙だと思います。
全話を通してみれば良いところもあったし、なんだかんだ言って最終回まで見たし、DVDもとりあえず1巻は買ったし、総じてダメだったとは言い難いですが。
とりあえず、この作品を反芻する意味と出来るだけ肯定する意味を兼ねて、天使=立華奏の思考をちょっとトレースしてみようと思います。…まあ、殆ど独自解釈を交えたものになりますが。
1話:変な人が寄ってきて死なない事を証明しろと言ってきたから、左胸ぶっ刺してみた。→あ、心臓無い。もしかして私に心臓提供してくれた人? 大変、助けなきゃ。死にはしないから、保健室で寝かせておこう。→治ったみたい。ちゃんとお礼言わなきゃ。第二連絡橋にいるらしい、行ってみよう。→いきなりお腹撃たれた。なにそれ、ムカツク。あ、逃げた。
2話:彼はSSSの人達と地下空洞に行ったらしい。追いかけてお礼を言おう。→忘れてた、ここはトラップだらけだった。→やっと追いついた。あ、ゆりと一緒にいる。面倒くさいな。ゆりが撃ってきた。ムカツクから本気出そう。え、ゆりの事かばうの?なんで?
3話:SSSが公開ライブをやるらしい。ムカツクからポスターはがしてやろう。…一般生徒から文句言われた。まるで悪役ね…。→彼が会場にいるかもしれない、見に行こう。→いなかった。教師が乱入した。任せて帰ろう。→あ、いい曲。バラードは好き。→帰ったら部屋荒らされてた。ムカツク。
4話:球技大会にSSSが乱入したらしい。直井が野球部員を使って生徒会チームを結成しようと言ってきた。ちょっと卑怯だけど、彼と話する機会が出来るかもしれないから乗っておこう。→警告したら野球バカに反論された。あなたに用はない。→決勝戦でやっと彼のチームとあたった。また野球バカが挑発してきた。だからあなたに用はない。→意外と強い。負けたら野球バカがなんか言ってくるだけで彼と話が出来ない。絶対勝たなきゃ。ピッチャー交代よ。→ウザピンクの予想外の行動で勝てたけど、彼と話は出来なかった。て言うか何で野球バカに駆け寄るの?アレなの?ムカツク。
5話:試験会場で彼と一緒になれた。今日は話せるかもしれない。→SSSとつるんでるメガネが前の席になった。あやしい。→彼が教室飛び出そうとしてる。よし、話しかけよう。どこ行くの?テスト始まるわよ→名前は音無。かなで、覚えた。音無君も名前きいてきた。下の名前まで訊いてきたのに、答えたらさっさとSSSのところに行っちゃった。しくじった。→野球バカが吹っ飛んだ。ナニアレ。→ゆりが何か叫んだ。これを口実に近づこう。あ、音無くんの方から来た。野球バカが0点とか言ってる。そんなことはどうでもいい。あ、話し終わっちゃった、またしくじった。→今度は筋肉メガネが吹っ飛んだ。ナニアレ。→またゆりが叫んだ。今度こそ失敗しないぞ。あ、また音無君が来た。野球バカはハーモニクス使いらしい。あれバグ持ちで危険なのに。お気の毒に。→ショタがいきなり告ってきた。こんな時に場所も選ばずごめんなさいだって。じゃあ時と場所を選んで。でもちょっと嬉しい。恥ずかしいから振り向かないでおこう。…、また野球バカが飛んだ。何なの。→SSSの人達毎回吹っ飛んでる。音無君大丈夫かな?→テストが全科目0点だった。ふざけた答え書くなと怒られた。筆跡が違う。はめられた。きっとSSSの仕業だ。でも先生に言ったら音無君まで怒られちゃう。…ここは私が罪をかぶろう。→職員室出たら音無君が話しかけてきた。誰の所為でこうなったと思ってるの。ムカツク。→生徒会長解任された。音無君の前で大恥かいた。→よし、ささやかな復讐をしてやろう。あいつらがライブやってるまっただ中で麻婆豆腐食ってやる。きゃー何この超嫌がらせ。→あ、食券奪われた…。
6話:音無君が話しかけてきた。あれだけの事をしておいて何この人。でも恩人だから文句言えない。…麻婆豆腐おごる?おk。→音無君ウザい、食べてるんだから話しかけてこないで。…美味いわ。→直井にばれた。連れてかれる。さっさとかき込もう。→音無君と独房に放り込まれた。話をするいい機会だ。でも食べた後だから眠い。時間はたっぷりあるから寝よう。→音無君がビービー騒いでる。うるさい。→音無君が仲間を助けてくれと言ってきた。おかしな事を言うのね。うるさいから対処する事にした。→仲間になれたかもしれないとか言ってる。今更何言ってるんだか。ちょっと釘差しておこう。→遊びで作ったバージョン4が役に立った。音無君意外と頭いい。→外で直井が暴れてた。どうやって出たって、扉壊したに決まってるじゃない。命令してきてウザいから反抗しよう。→あ、直井がゆり成仏させようとしてる。ちょっと静観しよう。→音無君が突っ込んだ。直井抱きしめて慟哭してる。ナニソレ。ムカツク。
7話:畑の手入れでもして気分を鎮めよう。→音無君が釣りに誘ってきた。川は危ないのに。ほんとに危ないのに。→無理矢理連れてこられてしまった。SSSの人達嫌がってる。私も嫌だ。…え、ゆりが許可した?どういうつもり?→いい機会だから釣り竿で鬱憤晴らししてやろう。わー、メガネ良く飛ぶー。オーバードライブはパッシヴだから。→でかいのがかかった。SSSの人達が後ろにとりついてウザい。私一人の方が楽なのに。面倒だからまるごと上に飛ばそう。→みんなが魚に食べられそう。助けなきゃ。なんて世話の焼ける。いい加減にしろ→分裂してすっきりした。みんなとお料理しよう。音無君が馴れ馴れしい。お前の名前綺麗とか言ってる。キモイ。あなたがそうしたければどうぞお好きに。→ゆりが怪我だらけで戻って来た。どうしたんだろう?→分裂したの忘れてた。ゆりマジごめん。
8話:(赤目視点)いつも私をいじめるSSSを懲らしめてやろう。数は力だからいっぱい分裂しておく。とりあえずゆりボコった。いい気味。→逃げたゆりを追ってきたらSSSの連中がいた。みんなで夜遊び、ならお仕置きね♪→オリジナルが相打ちしかけてきた。ちょ、誰の為にやってると思ってるの。→SSSマジ許せない。オリジナルを囮に迎撃戦を仕掛けよう。→エセイングリッシュに情報吹き込んだらあっさり引っかかってくれた。まずはハルバード撃退。…あ、残りに逃げられた。次ヨロシク。→なんかでかいのが突進して押し倒してきた。うわ、何この人、汗くさっ、キモッ。あ、他の連中が逃げた。次ヨロシク。→みんな体当たりしてくるようになった。もっと数用意しておけば良かった。→爆心地に音無君とゆりの侵入を許してしまった。新技使おう。ハウリング!…え、効かない?耳栓?ふざけんな。→ハーモニクス発動!やったね!プログラムの書き換えをしたようね。自動でアブソーブするなんて好都合。音無君超動揺してる。ゆりなんかに色目使うからよ。いい気味。時間ね(ニヤリ)
9話:みんなで話し合った結果、音無君を懐柔する事になりました。壮絶な戦いだった(笑)→音無君はあっさり懐柔されてくれました。あまりにも無知だったのでささやかに馬鹿にしてあげました。音無君は気づいていませんでした。凶暴なフリしてSSS騙そうとまで提案してきました。汚いな音無汚い。でも直井は使えるから利用すればいいのに。
10話:音無君がユイから消そうといってきました。誰?あああのウザピンクの事ね。→お前のギターのせいで音が死んでいるといったら褒められました。嬉しい。→音無君の作戦通りギターを奪ってきたのに、怒られました。てめえの作戦が穴だらけなのがいけねえんだろうが。むかついたので2回目はギター思い切り高く放り投げてやりました。→音無君の見通しが甘かった所為で、ユイなかなか成仏しません。いかさまでサッカー5人抜きとか、本当に呆れてものが言えません。
11話:影が出たとかでゆりっぺさんに呼び出されました。私が会長なのに何でこんなに偉そうなのこの人? あと馬鹿な振りするのも疲れる。てか直井、フォローするのはいいけど無茶苦茶言い過ぎ。後でコロス。→影が大量出現したので、SSSと共同戦線張りました。もう隠す必要無いでしょ。→ゆりにばれました。もう完全に手下扱いです。ていうか音無君よりゆりの方が私の事理解してるってどうなの。つきあいは確かに長いけど。→ゆりがかなでちゃんと呼んでくれました。嬉しいけど、やっぱり唐突です。…別にいいけど。いいけど。
12話:みんなの為に影と戦ってます。あと少しで終わりだから…。→ゆりのピンチを感じたので地下に助けに行きました。もう、単独行動するなっつーの。最後の最後まで迷惑な子だなー。
13話:ゆりが目覚めたので卒業式です。るんるん♪やっと終わる。→麻婆豆腐の歌怒られた。でもめげない。あと少しで終わる。→みんな消えちゃった。後は私が音無君にお礼言って消えるだけ…。外に出る?まあいいか。→は? 一緒に残ろう? 何言いだしちゃってんのこの人。→心臓ありがとうって伝えたのに、音無君まだわめいてる…。こんな残念な人だったなんて…。→私が消えてこの人を送り出す事が私の最後の仕事なんだ…→命をくれて、ありがとう…。
…あー、かなり創作入れて、ようやくまとめられた。奏ってこんなに難しいキャラだったんだなー。ていうか、作品肯定になったのか、コレ…? まあいいか。
あ、そういえば奏って奏じゃなくてひらがなみっつでかなでと卒業証書に表記されていたらしいですが、画質が悪くて自分は確認できませんでした。アナログ放送の限界を痛感しました。
とりあえず、これだけは言っておきたい。麻枝准はアニメ脚本初めてだから、脚本の出来が悪いのは仕方がない。でもそんなのは最初からわかってたはずだから、これだけの素材を今回投入したのは勿体なかった。
個人的には、鍵っ子はたぶん買うであろう「まじかるさゆりん」をまず作らせて、アニメという媒体に慣れさせてから、AngelBeats!に取りかからせて欲しかった。賞味期限切れ寸前(というよりもう切れてる)だし、そもそもAngelBeatsをもう作っちゃったから、これは叶わない夢なのだけど。
で、出来上がったAngelBeatsそのものの結論を言うと。「傑作とは言えないが駄作でもない、奇作とも言うべき存在」ってとこかな。要は人を選ぶってこと。これは商業的にはすごく危険な賭けな気がするけど…でもすごく話題にはなってるから、そこからセールスに繋げていくつもりなのかなあ。こればっかりは、実際の数字を見るまでわからない。
さて。俺ももうそろそろ、Keyからは卒業しよう。…ん、何か届いてる。クドわふたー…? あああああぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!
すみません、まだKeyからは卒業できそうにありません。
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