思惑


 えっと、まずは報告。12月から沖縄で勤務することが、正式に決まりました。2000年に福岡に飛ばされて以来、5年ぶりの沖縄居住です。
 東京に本社のある会社で、今年になって開発部門を丸ごと沖縄に移し、地元で人材募集もしていたのですが。そこの開発の主体はWindows系で、UNIX/Linux系が強い沖縄ではなかなか人が集まらなかったようです。
 求人が欲しくて企業誘致をした沖縄側からすれば、ちょっと不本意な結果なのかもしれません。ただそれは、思うような人材を採れなかった会社側にも言えるのでしょうけど。
 話は変わりますが、今週、普天間米海兵隊基地の名護への移設問題で、日米両政府が移設の具体的な場所で合意に達しました。


 この合意、中央サイドから見れば「ごねるアメリカを最終的に日本側が押し切った」という形になっていました。
 私に言わせれば、「海兵隊は日本を守るためにあるんじゃないんだし、本来出て行くのが筋。それを米軍のたっての希望という事で沖縄に居残るんだから、アメリカが譲歩するのは当然でしょ」と思うわけですが。さすがに親米の自民党政権がそんなことを言い出せるはずもないし、さらに日本外務省はまたしてもアメリカの機嫌を取るために日本側を妥協させる方向で動いていたようなので、決してこうなることが保証されていたわけではないと言えます。
 なので、これを以て「よくやった、さすがは小泉政権だ」と思っている人も多いのでしょう。
 しかし沖縄側からすれば、「普天間の騒音が辺野古に移るだけ。軍民共用でもないし、15年期限は協議すらされなかった。ふざけるな、小泉氏ね」となるわけです。いや、そこまで言ってる人がほんとにいるのかはわかりませんが。しかし、この結果を素直に喜んでいる人はあまりいないのは確かだと思います。
 そもそも、この「軍民共用」だの「15年期限」だのっていうのは保守の稲嶺県政が主張している事であって、革新勢力の主張はあくまで「無条件県外移設」なわけですから。
 日本政府としては、「とにかく何が何でも沖縄の基地問題を進展させたい」という思惑があっての行動なのでしょうけど。結局沖縄とはこれだけの思惑の差が出てしまったわけです。
 批判ばかりしてもしょうがないとは思いますが、しかし残念な結果と言わざるを得ません。
 ところで。沖縄にある他の米軍施設の一つに楚辺通信所というのがあって、これはもうとっくに日米両政府で返還されることで合意されていて、今年がその期限だったのですけど。米軍側は、新しい通信機材が届いていないとかの理由で、未だに立ち退こうとしていないわけですね。
 国と国との合意、国家間の約束事すら守れないとは。一体どうなってるのでしょうねえ、あの国は。きっとあの国なりの思惑があるのでしょうけど。
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