沖縄県知事選総括


 「総括」なんて言葉を使うと、またイデオロギー先行とか言われるのだろうか。(負け犬の皮肉)
 沖縄県知事選から一ヶ月が経とうとしている。正直、総括なんて全然出来ていないのだが、いくらなんでも一ヶ月超すのは良くない気がするので、とりあえず今まとめられることだけ書いておく。
 さて。まとめと言っても、とにかく今自分の所に入ってくる情報といったら、琉球新報と沖縄タイムスのWeb版ぐらいなもので、ろくな情報が入ってこない。よって、正確な判断が出来ない。というのが正直なところである。
 (愛知県図書館まで行けばタイムスの本誌は閲覧出来るが、微妙に遠いし。それに何故か新報は置いてない。)
 なので、分析や見解は、あくまで「荒野草途伸個人の行動」に付いてのみに限定する。まあ、元々が「荒野草途伸が勝手にやっていること」だったのだから、そもそもそれが順当な行動なのであるが。
 さて。荒野草途伸は今回、「Wiki」という手法を使って、伊波氏の政策を沖縄県民に訴求・浸透させようという策を取った。出来れば、自分以外外の複数の人間(場合によっては仲井眞派や金城派の人にも)に参加して貰って、ドキュメント群を構成していこうと考えていた。
 だが。そもそもこの手法は正しかったのだろうか。
 既に帰沖中に過去の同僚に指摘されていた事なのだが、「Wikiって敷居高くないですか?」と言われた。
 自分は、Wikiなんて基本テキスト打つだけで、整形もHTMLに比べれば遙かに簡単なのだから、そんな敷居高いなんて認識は全く無かった。が、結果は「参加者0」という過酷な現実である。閲覧数自体は決して少なくなかったにもかかわらず、である。
 ちなみに指摘した彼は、SEとして熟練している人であり、Web関係の知識・意識は一般人よりは高いはずである。その彼が「敷居が高い」と言っているのだから、この時点で対策を考えるべきだった。
 次に、アクセス者である。今回の知事選では、荒野草途伸の打つ手は何もかもが後手後手に回ったのだが、特にアクセス解析を本格的に始めたのが投票日1週間前というのは遅すぎた。
 そして、その解析の結果「アクセスの大半が沖縄県外からのものである」という衝撃的な事実が判明した。
 「沖縄の抱えている問題を県外の人に知って貰う」という観点から考えれば、これは決して悪いことではない。それもこのWikiの開設目的の一つでもあるのだから。本土人の沖縄に対する無知・偏見は時として本当に驚くべきレベルの場合がある。どこのクソウヨに吹き込まれたのか知らないが、「薩摩は琉球を侵略などしてない」等と言い出す人間までいる始末である。(ちなみにこの人は、沖縄に敵意を持っているわけでは決して無い。本当にただ、間違った知識を吹き込まれてしまっているのである。)
 そういう意味で、「正確な事実」をWikiのコンセプトにしたのは正解であった。
 だが。沖縄県内からのアクセス数がWiki全体の1/3を切っているというのは、ちょっと衝撃的であった。沖縄県外の人間で、沖縄に関する文書を作成出来る人など、限られている。つまり、文書編纂者が確保出来ないということだ。
 いづれにせよ、文書作成者を募る、という意味では大失敗であった。 
 というか、そもそも「文書作成者」を募る、という手法が正しかったのか、考え直さなくてはならない。
 あと、個人選挙運動という意味では、客観情報を前提にしたWikiに力を入れすぎて、自分が好き勝手にモノが言えるBLOGに力を割く余裕がなかったことが反省点である。
 自分としては、「経済の仲井眞」に対抗して「ITの伊波」を売り込んでいき、その上で「『経済の仲井眞』は実は虚構である」という主張を展開・浸透させられれば余裕で勝てる、と踏んでいたのだが、全然うまくいかなかった。
 BLOGに上げた2文書はそれなりのアクセスがあったが、どうせ本土からのアクセスが大半だろうし(こちらは解析タグを付けていなかったので正確には不明だが。よく考えたら付けることは可能だった。)。中には、明らかに勘違いした本土人のものと思われるコメントもあったし。
 とにかく。政治も選挙も素人な人間が、一人で何かやったところでうまくいくはずがなかったということだ。
 本来であれば伊波選対と緊密な連絡を取った上で、連携して運動を展開していくべきだったのだろうが。しかしそうなると、荒野草途伸が伊波選対の選挙運動員と見なされて公選法違反で摘発されてしまう恐れがあった。
 ぶっちゃけ、自分は逮捕覚悟でやっていた(法廷で争いたいこともあったし)から問題無いのだが、伊波氏や伊波選対にまで累が及ぶようではさすがに困る。ので、伊波選対からは完全に分断した形で独自行動を取っていたのだが。結局、そういうのはうまくいかないということが証明されたわけだ。苦い教訓である。
 しかし、公選法といえば、Wikiの触法性について、愛知県選挙管理委員会に事前に問い合わせていたのだが。2ヶ月以上経つ現在に至るまで、何らの回答も無い。
 別に沖縄県知事選について訊いたわけではなく、あくまで一般論として「こういうWebサイトを作るんだけど、問題無いか?」と、訊いたはずなんだが。まさか完全無視とは思わなかった。これは明らかな職務怠慢ではないか。
 愛知県だって、2月に知事選があるから、決して他人事じゃないはずなのに。
 まあ、愛知のことは脇に置いとくとして。沖縄県の4年間が仲井眞氏に託されたのは事実なのだから、しっかりやって貰いたい。
(落選後、菅首相が訪沖した際に、伊波氏がTwitterで仲井眞氏にエールを送っていたのにはちょっと感動した。自分はここまで人間出来ていない。)
 特に経済政策について、BLOGで指摘した2事項(大学院大学DFS)は、これは何も選挙の為に攻撃の為の攻撃をしたわけではなく、従前から疑問に感じていたことをこの機会に指摘したことであるから、しっかりと受け止めて頂きたい。
 …このBLOGを、仲井眞県政の関係者が見ているかどうかはわからない(つーか見てないだろう)が。
 …ただ。「仲井眞さん、本当に4年間やってくれるの?」という懸念がちょっとあるんだけどね。
 ぶっちゃけ、高齢だし。どんなに本人が元気だ元気だ言っても、常識的には引退してる年齢だし。事実1期目の途中で倒れて入院してるし。病気辞職の可能性は決して低くはない。
 そして。これは正直あまり考えたくないのだが。1998年の、当時の名護市長の「基地受け入れ表明、直後に辞任」という最低最悪な行動に走るのではないか、という懸念である。仲井眞氏がこんな無責任なことをする人だとは思わない(というよりむしろ、県外移設は本音だろう)が、前例として存在する以上、可能性としては0ではないと思っておくべきだろう。
 なんにしろ、4年を待たずに知事選が行われる可能性は充分にある。そしてそのときには、伊波氏には是非再チャレンジして貰って、そして勝って貰いたい。
 その為にも、今自分が出来ることを着実にやっていかねば。…でも、何が出来るんだろう? とりあえず、Wikiは「公約」通り継続するけど。
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