勝川駅にてご通勤中のみなさま、おはようございます。
どうかお聞き下さい。”働き方改革法案”、即ち残業規制と高プロ、の話です。
一昨日5月23日、衆議院厚生労働委員会にて、高度プロフェッショナル制度、いわゆる高プロを含む働き方改革法案の審議が行われ、午後からは安倍晋三内閣総理大臣も出席しての審議が行われました。
通常、一つの法案を成立させるのに、委員会で45時間、重要法案なら60時間審議、最低でも審議するものとされています。ましてや、働き方改革法案は本来8つもの法案を一つに束ねて提出されたものなので、60時間の審議時間でも充分とはいえません。
しかし、働き方改革法案は、まだ実質30時間も審議されていません。
そもそも審議入りしたのがまだ今月初めの5月2日です。
その上、厚生労働委員会は毎週水曜日と金曜日が定例日で、しかも労働関係だけで無く福祉や年金、要するに旧厚生省に関わる案件も審議します。
その上、その僅かな審議過程の中でも、根本的な目的、が労働者保護に無いこと、根拠となるデータが明らかに恣意的であること、そもそも政府の過労死防止に対する意識が欠如している、と言った問題が噴出しています。
ですから、働き方改革法案は、明らかに審議不十分なのです。
にも関わらず。23日の委員会で、自民党は強行採決をしようとしました。
審議不十分にも関わらず審議を打ち切り、強行採決をする。これは、審議拒否をしているのと同じではありませんか!
先月野党の審議拒否を散々批判した自民党が、今度は審議拒否をしているのです!
しかも、その事に対して悪びれるどころか、開き直り、挙げ句過労死家族を誹謗中傷する卑劣な行為までしているのです。
過労死の家族で構成される過労死家族会という団体があります。
4年前、国会で全会一致で成立した過労死防止法の成立に尽力された団体です。
その方達が、安倍首相に、その当時の約束と話が違うでは無いか、また、そもそも自分達の発言記録が政府の手で改ざんされている、過労死家族会は高プロに反対しているから面会して欲しい、と要望しましたが、安倍晋三が会おうとしないので、首相官邸前で抗議の座り込みをしました。
その事を、国民党の柚木議員が演説で取り上げた際、自民党の杉田水脈という議員が、よりにもよってパフォーマンスだ、などと過労死家族会を中傷するヤジを飛ばしたのです。
審議拒否をした挙げ句、国権の最高機関の場で過労死家族への中傷をする。
これが、自由民主党という政党の本質です!
先週、20代のシステムエンジニアと50代のテレビ朝日の管理職の2名が過労死で労災認定されたというニュースが新たに入ってきました。
私も、システムエンジニアとして働いて、死にはしませんでしたが過労で障害認定された身です。
とても表では言えない言葉をぶつけてやりたい気持ちでいっぱいになりました。
この事を、マスコミは報じているでしょうか?
少なくとも、テレビメディアは無視を決め込んでいます。モリカケで新材料が出たことにかこつけて、働き方改革法案の強行採決未遂そのものを無視するテレビ局もあります。
この日の前の日の22日、東京の日比谷公園で、過労死家族会主催の高プロ働き方改革法案反対集会が行われました。しかし、テレビ朝日以外は、この事を全く報じませんでした。
NHKに至っては、自社の佐戸美和さんが2013年に過労死した上にその事を長らく隠蔽していた局です。にも関わらず、ニュースで完全無視したのです。
ちなみにこの集会には、佐戸美和さんのお母様の佐戸恵美子さんも、出席しておられました。
働き方改革法案の問題点は、高プロだけではありません。残業規制規定も、問題を残したままです。
とりわけ大きなものとしては、中小企業は適用免除、という規定です。
政府案では2020年までの猶予となっていますが、自民公明と修正協議をした日本維新の会は、無期限の適用免除を主張しています。
中小企業で働いていれば過労死してもいい、自民党や公明党、そして衛星政党と化した維新希望は、そう考えているのでしょうか?
36協定も知らないような経営者がいっぱいいるから、猶予期間を与えて漸進的に残業規制を適用免除する、のだそうです。
冗談ではありません!
そもそも、36協定も知らないような人間に経営者をやる資格などありません! 即刻公正な市場から退場させるべきです!
他にも、政府案は勤務間インターバルがただの努力規定であったり、2ヶ月で150時間もの過労死を認めたりと、問題が大ありです。
詳細は、私のblogに表でまとめてあります。興味があったら検索してご覧になってください。
5月22日の衆議院厚生労働委員会では、過労死家族会の代表を含む6名の参考人への質疑が行われました。
与党側からは、経団連、日本総研、法政大学教授。野党側からは、連合、全労連、そして過労死家族会の代表が出席しました。
この中で、与党側参考人である日本総研理事の人が、こんな発言をしていました。
「高プロは、総枠としては賛成だが、現在の政府自民党の考え方では、健康管理対策や労使協議の仕組みなどが不十分だと考えている」
このような趣旨の発言を、何度も何度もしていました。
与党が呼んだ参考人ですら、この法案には問題があると警鐘を鳴らしているのです。
昨年3月に一度は政府と合意した連合の神津会長も、昨日の参考人質疑では、共産党の高橋議員の質問に対し、政府案では不十分でこのまま受け入れるわけにはいかないと明言しました。
政府よりの、あるいは一度は政府と妥協した人達ですら、政府自民党の案は問題がありすぎると、こう言っているのです!
必要なのは、過労死しない基準での残業規制です!
決して高プロなどではありません!
安倍晋三は、高プロの必要性を問われた質問への答弁で、12年前散々批判されたホワイトカラーエグゼンプションを導入する理由と全く同じ、成果にとらわれない働き方、という回答を自信満々にしました。
何故ホワイトカラーエグゼンプションが労働者の猛反対で潰されたのか、全く理解していないのです!
まるで成長していないのです、あのアホ総理は!
政府や経団連は、しきりに産業競争力だのイノベーションだの、そういう事ばかりを強調します。
はい、確かにイノベーションは必要です。それは、長時間労働をなくし、定時で帰っても業務を完遂できるようにする、そういうイノベーションです。間違っても深夜まで働いて業績の代わりに過労死するという、そんなものではありません。そんなものはイノベーションではなく、ただの退化です。
経営者も、まともな、頭のいい経営者は、これをきちんと理解して既に改善に取り組んでいます。
頭の悪い無能な経営者が、自民党に泣き付いて、過労死促進法案を作らせようとし、自民党は強行採決で衆議院を通過させようとしているのです!
もう、漸進的な改革なんてやってる暇などありません。もう遅いです。一体、あと何人過労死させる気ですか?
今日は金曜日です。衆議院厚生労働委員会の開会日で、自民党政権は性懲りもなく、今日また強行採決を狙っているという話です。
しかし、それで終わりではありません。その後、衆議院本会議、参議院厚生労働委員会、参議院本会議と、まだ止めるチャンスはあります。
この話をお聞きになった方。どうか、この話を、真剣に受け止めていただきたい。そして、自分に何が出来るか、どこまで出来るか、考えてみてください。これは、あなた一人だけで無く、あなたの周りの働く全ての人に、影響が及ぶことなのです。
ご静聴、ありがとうございました。いってらっしゃいませ。
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