日別アーカイブ: 2008年7月12日

アニメイト那覇国際通り店オープン


アニメイト那覇国際通り店オープン
 正直、コミケよりきつかった。(開店初日に行ってみての感想)
http://www.animate.co.jp/animate/map/west/naha/naha.html
 朝10時から開店ってあったのでまあ11時過ぎくらいに行けば早朝待機組の行列もはけて丁度いいだろう、ぐらいの気持ちで10時半ぐらいに家を出て23番の久茂地経由のバスに乗った。しまった松尾バス停が最寄りなんだからすぐ後に着ていた21番の牧志経由に乗った方が良かったんだと気づくも時既に遅しで仕方ないから県庁北口で降りて国際通りを歩いていったら、海邦銀行を過ぎた交差点の向こうにアニメイトの小さな看板が。
 おおここかと入ろうとしたら入り口の前になんかものすごい数の人の群れが。傍らを見るとそこにもなんか行列が出来ていて、「最前列」とかある。どうやら、入店待ちの行列らしい。
 通りを見渡すと、葉留佳地平線の佳奈多・・・とまでは行かなくとも、目視できる範囲まで行列が続いていることはわかる。一体これは何事だと、もし自分が情報を知らなかったら叫んでしまっているレベルだ。私が沖縄を知るこの10数年で、国際通りでこんな行列が出来ていたことなど、記憶にない。ましてや、今や観光客専門商店街と化し地元民向けの店がほとんど無くなってしまったこの国際通りで。
 何はともあれ、最後尾を目指してみる。結局、100m先の、JAL CITY沖縄がある交差点まで行って、さらにそこから路地に入って50m過ぎて、ようやく最後尾にたどり着けた。最後尾の看板に、「3時間待ち」とある。
 そして看板を持ったお兄さんから説明を受ける。来客数が多いので、20分の入店制限を行っているとのこと。て言うか、3時間?と、改めて考えてみる。3時間待ちというのはいくら何でも想定外だ。炎天下というほどの気温ではなかったが、沖縄の日差しはしっかりと頭上から照らし尽くしてくれている。帽子も水も、何の準備もしてきていない。だが。何故か迷うこともなく、私は列に並び始めていた。やはり鬱状態で判断力が鈍っているのだろう。
 暇だからiAcnにメールしたら、「クリスピークリームみたいだ」と返信が返ってくる。
 そして待つこと20分。やっと、列が少し動く。入店制限20分だから20分おきに人を入れ替えてそれで列が動く、ということのようだ。そう考えると3時間というのもあながち誇張ではないようだ。
 3時間って言ったら、コミケで7時に列に並び始めて10時に入場するのに匹敵する時間じゃないか。それを考えると、

コミックマーケット = アニメイト那覇国際通り店

 という等式が成り立つ。
 ラジオ沖縄が取材に来ていた。当然だ、何しろコミケ並みなのだから。
 そして、遅々として列は進む。途中の、波照間という居酒屋(?)の前に、こんな看板が立っていた。
アニメイトのレシート持参で1ドリンクサービス
 さすがウチナーンチュ。商魂たくましい。
 14:20頃。ようやく、通りの行列から建物前の集団に昇格する。隣の、大学生ぐらいの女子二人組がこんな会話をしていた。
「総入れ替えなら時間指定した整理券配ってくれればいいのに」
「ここまで並ぶなんて想定してなかったんじゃない?」
 うむ。確かに、誰も想像していなかっただろう。たかが南の島の30万都市にアニメショップが開店したぐらいで、こんなに人が押し寄せるなんて。私も想定していなかった。沖縄に、こんなにたくさんのオタクがいるなんて。
 だが、考えてみれば昨年エヴァンゲリオンの新劇場版が公開されたときも、立ち見の行列が出来ていたのだ。コンベンションのコミックライブでも、サークル数こそ少ないものの入場者自体は結構な数が並んでいてカタログが売り切れるくらいである。潜在的需要はあるのだ。
 そもそも、那覇市の人口は確かに30万だが、那覇都市圏として考えるとその人口は75万人に達するのだ。合併すれば政令指定都市に移行できるレベルである。大都市には必ず少なからぬオタクが生息する。にもかかわらず、沖縄にはこれまで彼らの需要欲求を満たす対象がほとんど存在しなかったのだ。
 故に、この行列はまさに、現代沖縄人民のフラストレーションを象徴するものであるとすら言えるのだ。
 14:47。ようやく、建物の中に入れてもらえる。これで入店…かと思いきや、4Fのフロアに、また謎の人海が。今度は座っている。どうやら、またここで待たされるらしい。文字通り気が遠くなりそうだったが、座れたので、ぶっ倒れて人に迷惑をかけることは避けることが出来た。
 自分たちが座っている集団の目の前に、さらに別の集団が座り込んでいる。ひょっとして、さらにあそこに並ばされるのかと思ったが、40分ほど待った後彼らを横目に店内に入れてもらえた。最終的に、4時間半待ちだったことになる。
 4時間半と言えば朝5時半にコミケ会場の入場列に並び始めて10時に一番乗りで大手サークルを目指すレベルである。実際にはそこまでやる人間は稀少であることを考えると、

コミックマーケット ≦ アニメイト那覇国際通り店

 という不等式が成り立つ。
 店内の様子は後述。とにかく、ざっと見て回ることしかできない。て言うか、レジ待ちの行列が凄くてまともに商品を見て回る事何て出来やしない。どうせ20分しか時間が無いし、店内の様子だけ把握して電撃G’sだけ買ってくことにして、レジ待ち列に並んだ。
 そして20分。
 先ほどの待機フロアに再び通される。そして、先ほど眼前にあった集団の中に加えられる。レジ待ち組の待機プールだった。レジ精算を座って行列待ちするのは、いくら何でも初めてだ。
 大昔に作ったポイントカードの精算に手間取ったこともあって、最終的にレジ精算が終わって建物を出たのは、17時前。外にはまだ、行列が残っていた。
 一息入れようとパレット久茂地の方に向かうと、噴水の前で青い袋を手にした女子二人が座っていた。青い袋とはつまり、アニメイトのビニール袋である。理屈抜きで、「同志だ」と感じた。
 
 その後、別件を済ませてバスで帰る途中、店の前を見たら、列は20mほどに縮小していた。それでも、列が20mということは建物前と建物内にまだかなりの人数がいたという事だ。
 閉店までにさばき切れたのだろうか…? と余計な心配をしつつ帰路に。
 ちなみに店内の様子であるが、店自体は決して広くはない。広くない上に、フロアの半分以上をコミック・雑誌のコーナーが占めてしまっており、CDやグッズの占める割合が少ないなと感じた。
 ぶっちゃけ、サンデーだのジャンプコミックスだのといったメジャーな本や雑誌はよその書店で手に入るのだから、そんなもので貴重なスペース消費したりせずにもっとCDとか充実させて欲しいと思った。
 ただ、少ないスペースの中で画材や同人誌までも扱っており、手広く商材を揃える意欲は感じられた。今回はある意味非常時だが、もう少し客入りが落ち着けば、待機列用に使ってしまっているスペースを店舗用として拡張することも出来るし、そうすれば結構な品揃えが実現できると思う。需要があることは今日一日で証明されたのだから、是非努力していただきたい。
 と、まあ店の感想も書いてみた。なんにせよ、アニメイトが沖縄に出来たことは歓迎である。日経も沖縄で印刷が始まるし、次はいよいよテレビ東京系列の沖縄進出カナ?カナ?
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沖縄の国境はどこだ


 7/3付けの八重山旅行記でも書いたように、台湾絡みの問題をちょっと考えてみる。
 今はもう事実上解決したことになっているが、つい先月まで日本と台湾の関係は少なくとも政治的には一触即発で戦争状態になる状態にあった。
 そもそもの事の発端は、6/10に日本領内である尖閣諸島で海上保安庁の巡視船が警戒活動をしていたところ誤って近くで操業していた台湾の漁船にぶつかってしまった。その際に海上保安庁側は、船長を拘束し、船も持って行ってしまった、ということに端を発する。この行為自体は確かにちょっと問題があったし、それについては最終的に海上保安庁側も謝罪している。
 ところが。これに関し尖閣諸島を自国の領土とする台湾が過剰反応した。どう反応したかというと、国家のナンバー2に当たる行政院長が、国会での答弁で「日本との開戦も辞さない」という発言をしたのである。
(7/3付けの文書では私はこの発言を馬英九 国家主席のものと書いてしまいましたが、これは間違いでした。済みません。)
参考:「戦争も排除せず」尖閣問題で台湾行政院長(msn産経))
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080613/chn0806132028016-n1.htm
 尖閣諸島を巡っては、以前から台湾でも確かに自国の領土という主張を元に日本の取り締まり活動に対して抗議活動などが行われてはいた。(最も、尖閣諸島問題初期に於いて台湾国民自体はそれほど活発な抗議活動は行ってはおらず、香港あたりの「民主化」活動家が煽って現在のような状況にしてくれたようだが)。が、今回のこの発言はあまりにも物騒すぎる。何しろ、「戦争する」と言ったのだ。しかも、そこらのゴロツキ活動家などではなく、国家のナンバー2が。いかな国会議員の誘導尋問によるものとはいえ、これは穏やかではない。
 ちなみに、旧ソ連や中国、北朝鮮ですらも、国家の重鎮が表舞台で「日本と戦争する」などと発言した記録はない。当たり前だ。いかに仮想敵国といえども、国家の首脳陣が軽々しく戦争の可能性を口にしていいものではない。戦争は遊びではない。国家と国民の存亡がかかった滅ぼし合いなのだから。
 逆に言えば、もしそれが口に上ったなら、その国は日本と戦争する気満々ですよと捉えなければならない。
 つまりは。今の台湾は、場合によっては日本と戦争する意志が十分にあると見なさなければならない。北朝鮮以上に、日本にとって危険な存在なのだ。
 実は、台湾との戦争の危機は、今回に始まったことではない。1972年に沖縄が米軍支配から解放されて日本の領土として復帰したとき、当時の国民党独裁政権はこれを阻止しようと戦争準備を行い、実際出兵寸前にまで至ったのである。ただこれは、国民党独裁政権のバックボーンであったアメリカの圧力によって中断されたが、日本領である沖縄県が国民党政府軍によって攻撃にさらされる危険性は十分にあったのだ。
 さて。話を現在に戻すと、台湾の現政権は、今年の総統選で親日の民進党から当時の独裁政党であった国民党に戻っている。
 ここで改めて念押しをしておくと、国民党(中華民国国民党)は、決して親日などではない。8年間にわたる民進党政権のおかげで、日本人の間にはすっかり「台湾は親日」というイメージが染みついていて、その所為で国民党までもが親日であるかのように誤解している人もいるようだが、これは全くの間違いである。前述のように、独裁時代には日本への出兵を企てるような、むしろ危険な反日政党であるとすら言えよう。
 以上を考えると、台湾と日本との戦争勃発は、決して夢想語りなどではない。国力が疲弊し戦争遂行能力など無いに等しい北朝鮮などより、よほど危険性は高いと言える。
 以上を考えると、日本政府並びに日本の世論は、台湾首相の発言にもっと過激に反応してもよかった。「戦争だと?ふざけんな!」ぐらいの発言があってもよかったとは思う。ただ、実際のところ政府にも世論一般にも、そのような意見はあまり見られなかった。自分自身もそうなのだが、あまりにも過激すぎる発言故に「少し落ち着いて様子を見よう」という空気が大勢だったのだと思う。結果としてこの問題が穏便に解決したので、まあこれはこれで正解だったのかなと思う。
 しかし、あきれ果てるのはクソウヨ/ネットウヨどもの二枚舌っぷりである。
 北朝鮮がミサイル実験を行ったとき、朝日新聞が社説で冷静な対応を呼びかけたところ、彼らはこれに対して猛烈なバッシングを加えた。ところが、より戦争の危険が大きかったこの問題に関して、彼らは一転して「冷静な対応を」などとのうのうとほざいているのだ。いったいこの豹変ぶりは何なんだろうか。
 さらに言えば、彼らの発言の中には看過できない内容がある。つまり、「台湾と戦争したって、勝てるから問題無い」というものである。
 確かに、単純な軍事力の比較で言えば、台湾海軍と海上自衛隊の戦力差は歴然としている。総力戦に持ち込めば最終的には勝てるだろう。「戦争には」。
 だが。彼らクソウヨの節穴のような目には全く見えていない事柄がある。それは、「台湾と戦争になったら、沖縄県、少なくとも八重山地区は間違いなく戦場になる」ということである。
 少し調べればわかることであるが、日本の最西端である与那国島から台湾まではわずか110Kmあまり。石垣島よりも近い。その石垣島も、台湾までの距離は300Km弱で、400Km以上離れた沖縄本島よりも近い。
 そして、この両島には自衛隊・米軍ともに軍事基地が一切無い。石垣島には海上保安庁の石垣海上保安部があるが、海上保安庁は所詮は海上警察である。いくら何でも軍艦、しかも対中国戦を想定して十分な訓練をしている台湾海軍に勝てるような装備など持ち合わせているはずがない。そして、与那国島に至っては海上保安庁の基地すらないのだ。
 これら八重山諸島から最も近い自衛隊基地は、宮古島にある航空自衛隊の警戒基地であるが、あくまで緊急発進用の戦闘機を配備しているのみで、ここの装備だけでは制空権を制することすらままならないし、ましてや台湾軍の上陸を阻止するなど到底無理な話である。
 台湾軍を牽制するにはやはり海上自衛隊の艦船が必要であるが、八重山諸島から最も近い海上自衛隊の基地は、沖縄本島の与勝半島にある。与那国島からは600Km近くも離れている。
 ちなみにこの与勝半島には米海軍のホワイトビーチ基地があるが、米軍はこと台湾戦に関しては全く動かないと見るべきだろう。なぜなら台湾はアメリカにとって日本と同様の軍事同盟国であり、台湾の軍備はそのほとんどがアメリカからの供与によるものですらあるからだ。そもそも、沖縄の米軍は日本を守ることを前提に配備されていない。
 以上を考え合わせると、台湾が奇襲作戦で侵攻してきた場合、まず間違いなく与那国島は占領されるだろう。下手をすれば西表・石垣も占領され、宮古沖で決戦ともなりかねない。最終的に台湾軍を撃退できたとしても、これらの島々は戦場になってしまう事は間違いないのだ。
 先島諸島が戦場になる。米軍は支援してくれない。彼らクソウヨどもの頭には、こういった事は頭にあるのだろうか。無いのなら無知不見識のそしりは免れない。
 それとも、わかってて敢えてこういうことを言っているのだろうか?
 北朝鮮がミサイル実験をしたときは、東京にミサイルが飛んでくる危険性があった。だから彼らは大騒ぎした。だが、台湾との戦争で沖縄が占領されることはあっても、東京や福岡が占領されることもミサイルが飛んでくる危険性もない。だから彼らは平気で言うのだろうか。台湾と戦争したって勝てる、と。
 「沖 縄 な ん て ど う で も い い」。
 これが彼らクソウヨの本音なのだ。
 彼らクソウヨは、沖縄の独立には強硬に反対する。それは、沖縄が独立すればそこが中国の勢力圏化に入ってしまい日本の権益が失われるからだという。その主張には、沖縄県民の利益不利益のことなど、一切考慮に入っていない。彼らクソウヨのエゴイズムしか見えてこないのだ。だからこそ、沖縄県民は「独立」という最終カードを手放そうとしないのだが、彼らはどうやらそれすらも理解できないらしい。
 彼らのいう日本の国境は、本当はどこにあるのだろうか? そんな事を疑いたくもなる。
 こんなクズどもが国士を気取りネットを中心に政界にまでのさばっている。そして反戦左翼カブレにまでこんな事を指摘されてしまう。こんな国の現状を、憂えずにいられようか。
 
 
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