旧帝大を優遇してきたのは自民党の政策



学術会議任命問題は自民党が原因? 菅首相の新説「大学偏っている」のばかばかしさ

毎日新聞2020年11月8日 06時00分
https://mainichi.jp/articles/20201107/k00/00m/010/098000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20201108

>参院本会議で共産党の小池晃書記局長の代表質問に答える菅義偉首相。旧帝国大学への学術会議会員の「偏り」について説明した
>旧帝大の「既得権」?
>菅首相の「新説」を振り返っておこう。
>これまでも拒否の理由の説明を求められてきた菅首相、「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保するため」とよく分からない説明を繰り返してきたが、現在の会員構成について10月26日に「結果的に一部の大学に偏っている」(出演したNHKの番組)と述べたのを皮切りに、「いわゆる旧帝国大学といわれる七つの国立大学(東京大、京都大、大阪大、東北大、名古屋大、九州大、北海道大)に所属する会員が45%を占めている。それ以外の173の国公立大学は合わせて17%。615ある私立大学は24%にとどまっている」(同30日の参院本会議)などと、大学の「偏り」を問題視する発言を繰り返すようになった。とうとう「既得権」(11月5日の参院予算委員会など)という言葉まで使って非難を始めたのである。
>その政治的意図は不明だが、これは「偏っている」と言えるのか?
>事実を確認しよう。
>日本学術会議が公表している現在(第25期)の会員名簿を調べてみると、204人の会員は、大学や高専、国などの研究機関、民間企業など84の団体に所属するか、あるいは「非常勤講師」などを務めている。
>このうち大学は56校あり、複数会員が選ばれた大学は、多い順に①東大34人②京大16人③大阪大14人④慶応大10人⑤東北大9人⑥早稲田大8人⑦九州大7人⑧名古屋大6人⑨北海道大5人⑩筑波大4人⑪広島大、千葉大、一橋大、明治大各3人⑮神戸大、北里大、横浜国立大、東京都立大、東京医科歯科大、愛媛大、関西学院大各2人――の21校だった。このほか1人が選ばれた大学は35校ある。これは現会員に限った数字で、過去に選ばれた大学を含めればもっと多い。
>数字だけを見てみれば、なるほど、菅首相の言う通り「旧帝大」の多さが目を引く。これは不自然なことなのか?

これらの旧帝大系から会員が多く選ばれるのは、菅首相たち自民党の教育政策の当然の結果です。そこを問題視するのは、自分たちの政策を否定することになるのですが……」と首をひねるのは、教育史に詳しい日本大の小野雅章教授
「一部の大学に資金を集め、そこで『ランキングに入る大学を作れ』と言っているのですから、そこから学術会議の会員に選ばれるような優秀な研究者が多く出てくるのは当たり前です」

 一方で、地方の大学や研究機関では研究予算が足りず、「既に科研費(※国から選ばれた研究者個人の研究に交付される予算)を確保している事」を研究員の採用の条件にしているところも少なくありません。
 中には、こんな不正事件も起きています。


山形大、複数の教授間でパワハラか 不当評価や成果「横どり」 職員組合発表

毎日新聞2020年11月3日 10時00分
https://mainichi.jp/articles/20201103/k00/00m/040/028000c

>山形大職員組合は2日、山形大有機エレクトロニクス研究センター(米沢市)で、複数の教授らが4人の男性教授らに対して、着任前に約束した内容とは異なる業務をさせるなどのパワーハラスメントを行っていたと発表した。
>組合によると、パワハラを行っていたのは同センターに所属する教授ら4人。被害に遭った男性教授の1人は、当初、豊富な研究費があることや、ベンチャー企業設立に関わる補助などの業務があると誘われ、昨年11月に採用された。だが、実際にはベンチャー企業設立の責任を負わされ、業務が遅れると、「こんなに遅れていたら来期は雇用できない」などと告げられたという。
>他にも、国や企業から研究費として獲得した財源を研究とは関係の無い設備の購入に流用したり、実際の研究者が正当な評価をされず、一部の教授らが成果を上げたように報告したりするなどの行為もあったという。
>また、今年6月の同センターでの火災のあと、パワハラを受けていた別の男性研究員が、その数日後に亡くなっていたことも明らかになった。男性は機能不全の機械の運用などを任されていた。
>組合によると、大学側からの事情聴取の申し出に対し、組合は被害者4人が一緒に聴取を受けることを条件にしていたが、大学側はこれを拒否したという。ただ、同大のハラスメントに関する規定では、複数人で聴取を受けることは禁止していないとしている。組合の仁科辰夫教授は県庁で開いた記者会見で「大学側には被害者の権利を不当に侵害しない形式での手続きを求める」と訴えた。

 根っこを辿ればこれも自民党が進めてきた科学技術の競争原理を持ち込む政策の結果なのですが、このような諸問題の原因を無視して学術会議の人員構成にいちゃもんを付けるなど、噴飯物でしかありません。

 それらを承知の上で、敢えて自民党に闘いを挑んでいるんだというおつもりなら、はっきりそう言って貰わないと困ります。いろんな意味で対処に困ります。


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