AN君からメールが来たのは、出発の数時間前だった。自分からのメールだと気づかなかったらしい。しかも、メール送信時点で那覇にいるとかある。さらには、同じ大学の同級生のGS君も4月から石垣に赴任しているとのこと。夜3人で飲む機会を設けたいが、AN君はその日先約があるため難しいという話。とりあえず自分が石垣空港に着いたら迎えに来てくれるので、そのとき話そうという事に。
石垣行きの飛行機は、なぜか出発が大幅に遅れる。今回も含めて旅行中はとにかく本もたくさん読もうと思い、まずは機内で岩波新書の反貧困を読み始める。
石垣空港は、小さな空港だった。なにより、一般的な日本の空港にある、ターミナルビルから飛行機に直結する移動廊下(あれ、なんて言うんだろう?)が、無い。全便、昔ながらのタラップから駐機場の路上に直接降りてバスまたは徒歩でターミナルビルに向かう。
空港には既にAN君が来ていた。なにげに顔を合わすのは、2年ぶりくらいだ。近況などを話しながら、宿のある石垣市街地登野城地区へと向かう。
AN君「宿は、どこ取った?」
草途伸「えっとねー。地図見ればわかるんだけど。あー、このチサンリゾートの」
AN君「チサンリゾート!いいとことったな」
草途伸「の横の、なんか名前忘れたけど素泊まりの宿。」
AN君「・・・。」
草途伸「場所は覚えてあるから、行けばわかると思う。」
車を走らすこと10数分。港の近くの登野城地区に着く。AN君、入るべき道を一生懸命探す。そしてそれらしき道に入ると、宿の看板があった。
扉を見ると、「まず携帯に連絡しろ」とかある。
電話したら、今出かけているのでとりあえず中に入ってくれ部屋は302号室だと言われたので、とりあえず荷物を下ろして中に入っていく。
ここは、楽天トラベルで1泊2000円ネット付きという文句に惹かれて思わず予約してしまった「宿すとりーと」というところなのだが、なるほど2000円の宿というだけある。ちなみにクーラーは有料、冷蔵庫や電子レンジは共用だ。ネットは、LANコネクタらしきものが見つからない。どうやら部屋で使えるわけではないようだ。これはかなり誤算。
後日石垣市内を散策したら、この手の1500~2000円クラスの安宿は石垣市内にたくさんあるようで、中には朝食(と言ってもトーストとコーヒーだけのようだが)までつくところもあるらしい。まあ、沖縄本島にも数年前からこのくらいの値段の宿はいくつか増え始めていたが、だいたい部屋が個室ではなく共用で、このくらいの値段だったはず。そう考えるとここは個室なので、本島よりは割安という事になる。
いったん荷物を置いてAN君の車に戻る。AN君はその日用事があったが、GS君の勤め先が定時制で夜は10時くらいまで仕事な為、時間が取れるのは日曜日のこの日ぐらいなので、AN君が予定を変更して時間をとってくれるとのこと。感謝。
19時半くらいに待ち合わせの約束をして、いったん解散。近所を見て回るがてら、必要な物品を買ってこようと外に出る。離島桟橋とバスターミナルの位置を確認後、730交差点にあるコンビニで飲み物を仕入れる。(ちなみにこの730とは、沖縄が米軍支配下にあった当時車が右側通行だったのが、解放後日本国内の法に合わせて左側通行に変更された1978年7月30日のことと思われる。)
せっかくなので地元産の飲み物を買ってみようと思い、こんなのを買ってみた。
19時半になって、AN君が夫婦でタクシーで迎えに来る。飲む気満々だ。既に名前は忘れてしまったがタクシーで5分ほどの居酒屋まで行く。AN君の教え子がバイトしている店らしい。
ちなみにGS君は、これまたその日法事があったとかで那覇におり、20時半過ぎになるとのこと。何でこの日に限ってみんな那覇に。GS君が来るまで3人で話しながら飲み食い。イカキムチがうまい。AN君の嫁のYさん(35歳)が友達を紹介してくれるとかいう話に内心超期待してみたりする。
21時頃にGS君が来る。元気そうだ。去年までは人間関係とか何やらでちょっと人間不信入っていてかなりやばい感じがした彼だったので、少し安心した。
GS君が来た後は、なぜか荒野草途伸の大親友であるIS君の話題で盛り上がる。何故大親友なのに旅行に来ることすら話さなかったのかと言われ、とりあえず、メールだけ打っておく。その後もひたすらIS君談義。彼もまさか、400Kmも離れた海の向こうの島で自分が酒の肴にされているとは思わなかったろう。
あと、2000円の宿を取ったことに文句を言われた。金稼いでんだからもっといい宿に泊まれよという、そういう説教をされた。隣にあるチサンリゾートとの落差があまりに大きすぎたらしい。
GS君から、「宿はもういいから、メシに金をかけろ。明日から、朝は100円マックでもいいから、昼は800円以上の八重山そばを食べなさい。夜は3000円以上のメシを食いなさい」と言われた。まあ、確かにせっかく来たのだから、地元のうまいものを食っておくに越したことはないので、これには素直に頷いておく。
23時頃に居酒屋を出て、宿まで歩いて見送り。「素泊まり」の看板を見てGS君、改めて先ほどの言葉を繰り返す。
そして解散。
もらったフリーペーパーを見ながら、明日はどこへ行こうかと思案。その中に、波照間経由で西表東部へ行くツアーの広告があったので、波照間行きはいったん中止にしたがこれにしてみるかと、8時起きして観光会社まで行ってみることにする。
眠くなるまで本を読んで、就寝。
-----
「八重山旅行記_1日目」への1件のフィードバック
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。
北へ-5日目、弟子屈摩周温泉(休息日)
この日は休息日とした。特にそう予定していたわけでもなかったのだが、なんかもう疲れてぐったりして宿でぶっ倒れていたので、結果的にそうなった。