中国等々


 大陸では、漢民族の方々が和民族系の商業資本を襲撃しているらしい。
 親中派としては面目丸つぶれといったところだろう。とか書くとまるで他人事だが、荒野草途伸自身「人民中国万歳」とか事ある毎に言ってるわけだから、決して他人事ではない。
 今ではそんなこと微塵も感じられないかもしれないが。10~20年ぐらい前、荒野草途伸が小中学生ぐらいの頃には、中国という国は「過去にいちいち触れることもなく日本と友好的な態度を取ってくれるいい国」という印象があったものだ。少なくとも天安門事件ぐらいまでは、そういう印象があった。
 周恩来やその養子の李鵬を始め、中国共産党上層部が親日派で占められていた、ということも大きいだろう。無論、中国が経済的にまだ発展途上であり、日本を頼らざるを得なかったということもある。またそれと同時に日本も、教科書の内容には配慮し、バカなことを言った大臣は即刻クビにしていた。
 そんな時代の話だ。
 ただ裏を返せばこれは、中国側も日本側も言わば強権でそれぞれ反日派・反中派を押さえ込んでいただけ、とも言える。
 その後中国は天安門事件に始まる国家改革の中で次第に親日派が淘汰されてしまい、日本でも自民党の政権転落をきっかけに民族主義派が力をつけてしまった。
 結果、日本政府も中国政府もお互いを挑発するような行動ばかり繰り返している。そしてそれに踊らされる形で、両国民中の一部のバカが大騒ぎしている。
 それだけの話だ。
 逆に言えば、騒いでいるのは元から反日の連中なのだから、何を言ったってムダなのである。日本国内の右翼連中が一向に考えを改めようとしない、それと一緒だ。
 だから、ここで日本側がガタガタ騒ぐようなことがあってはいけないわけだ。政権から遠ざかっているとは言え、中国国内に親日派と言える人は確実にいるはずである。そういう人たちを追いつめるような行動は、取ってはいけない。彼らが面目丸つぶれだとか言って日本に失望し、味方になるどころか敵にまで回ってしまったら、意味がないではないか。
 領土とか、国としての筋は通すべきであるが。何もわざわざ敵を増やす必要はない。そんなものは強さでもなんでもないのだから。
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