荒野草途伸ルート >> 日常の愚痴 >> 2005年5月分blog
5/3

国是と憲法

 最近、「国是」という言葉を聞かない気がする。

 辞書によると、国是というのは「国全体が正しいと認める、一国の政治上の方針。(goo辞書−三省堂提供『大辞林 第二版』より)」だそうである。これは民主国家に於ける定義であって帝政とか独裁者の国ではまた意味が違ってくるのだろうが、日本は一応民主国家なので、この定義に従って話を進めさせていただく。

 日本みたいな民主国家では、政治家がこの国是に安易に逆らってはいけない。また日本は法治国家でもあるため、政治を執行するための具体的な規範である法律も、これに沿ったものを作ることが求められる。
 法律の中の法律、最高法規である憲法も、同じ事が言えるだろう。むしろ、「国是を明文化して法規と為したものが、乃ち憲法である」とすら言える。
 こう考えると、憲法を改正するというのはつまり「国是を変える」「新しい国是を作る」ということだとも言える。


 さて。憲法改正(若しくはその阻止)を目標に各党各勢力が議論を繰り広げている昨今であるが。どうにも、「改正のための改正」をしたいのではないかという感がぬぐえない。国としての方針、国是をどうするかという視点に立って議論しているように見えないのだ。
 たとえば有名どころとして「9条」の問題があるが。これを改正する理由として「憲法を理由に集団的安全保障が出来ないでは、外国の理解が得られない」というものがある。ここからは、理解云々はともかく国としてどういう方針を持ちたいのか、という理念が全く伝わってこない。
 人権に関する議論もそうで、最近出てきた「人として固有」かどうか疑わしい権利を憲法に入れようという動きがある。また逆に、「最近権利を楯にうるさい奴がいるから、規制してやろう」という思惑の元で既存の権利を削除しようという、そういう理屈で動いているようにしか見えない主張もある。国と人との関わり、そして日本の社会をどうしていきたいのか、という考えが、そこには希薄だと言わざるを得ない。

 そもそも誰のために国はあるのか、どう作るべきかという考えが、抜けてしまっているのだろう。
 天皇崇拝者にはまだ「国は天皇のもの」という考えが明確なためか、憲法私案にも彼らなりの指針というものが明確に見て取れる。確かにこれは、彼らなりの「国是」かもしれない。が、残念なことに今の日本で国が天皇のものだなどという彼らの主張に賛同する者はごく僅かである。「国全体の意志」とするには到底無理がある。
 そして妥協の結果、一体どの辺に国としての理念があるのか、全くわからない状況になってしまっているのだ。


 国是も人の集合意思の表れであり、人が入れ替われば変わっていくこともあり得るだろう。だが根本的に、その意思や方針が無いというのでは、話にならない。明確な理念も無しに新しい国是や憲法を作っても、結局それは国を滅ぼす結果にしか繋がらないだろう。
 憲法改正も結構だが、その前に変えなければならないものがある。それは、政治家の意識であり、また我々国民の意識である。

 そんな風に思った、今日憲法記念日であった。


5/4

「ユーザーの暴言で傷ついた久弥は温泉で心を癒した」「お、憶測でものを言うなぁ〜」

 既に3日も経ってしまっているが、1日2日は三重県の湯の山温泉に行ってきた。

 湯の山温泉は三重県菰野町にある炭酸泉の温泉街であり、別名「鹿の湯温泉」としてもしられる。1300年前、猟師が傷ついた鹿を追っていったところ温泉で傷を癒しているのを発見したことから、この名が付いたらしい。
 ちなみに鹿の湯温泉という名称自体は、ここ以外にも数カ所あるようだ。まあ鹿なんて昔は日本中にいただろうし、温泉に入る鹿もあちこちにいたということなんだろう。ただ、歴史は三重の鹿の湯温泉が一番古いようだ。位置的に都(平城京)に近いから、伝承として残りやすかった、ということなのかもしれない。


 さて。実際の旅の肯定を長々と語り聞かせても、読んでる側はおそらくあまり面白くないと思うので、気になった写真だけ出しながら適当にかいつまんで書いておこうと思う。

 まず、湯の山温泉と全然関係ないが、途中のPAの食堂にあったメニュー。
讃岐きしめん食券

 ・・・讃岐きしめん?
(注:「きしめん」は名古屋の特産品。讃岐=香川県の特産品はうどんであって、きしめんではない。)

 ちなみに実物はこんな感じ
讃岐きしめん実物

 1日目は全国的に雨で、湯の山温泉並びに近くの御在所岳近辺も、雨だった。おかげで山の方は霧だらけ。観光どころではない。
霧の御在所岳
 仕方がないから早めに宿に行って、寝てた。

 2日目。雨が上がって空は晴れ渡った。が、強風が吹いているということで御在所ロープウェイは運行中止。しょうがないので、近くの蒼滝というところに行って見る。
 その途中で見かけた、「湯の山水産センター」なる施設。
湯ノ山水産センター
 一体何があるのかと見に行ってみたら
つりぼり
 ただの釣り堀だった。

 ちなみに滝はこんな感じ。まあ、普通の滝である。
蒼滝


 あと、いい写真が撮れなかったのだが、あからさまに場違いな、微妙に安っぽい造りの洋館風建造物があった。
CBCのロケ施設
 一体何だろうかと思ったらCBCの「湯けむりウォーズ」というドラマの撮影施設だった。まあ、湯けむりってくらいだから温泉地をロケ地に選んだのかもしれないが、なぜあんな意味不明な洋館を・・・?


 これ以上は特に見るところもないし、それ以上に疲れてしまったので、とっとと帰ってきてしまった。ていうか、PHS繋がらないのには参ったよ・・・・。AIRH”使えないからネットも使えないし。




5/5

連休中に読んで過ごす雑誌

 近所のヤマナカ東海地盤の食品スーパー)の雑誌コーナーには、いつも婦人雑誌に混じって「マジキュー」が置いてあるのですけど。どうしたらいいですか?

 まあ、そんなことは別にどうでもいいのだが。

 コンビニに行って、「FRAYDAYダイナマイト」と「週刊少年マガジン」を買ってきた。どちらも普段は全く読まないというか初めて買った雑誌なのだが、今回はどうしてもチェックしておきたい気になる記事があったので買ってきた次第。

1.FRAYDAYダイナマイト


 Webしろはたの本田透氏が麻枝准(所属:Key)にインタビューした記事が載っているということで、買ってきた。

 麻枝准関連の記事というと、これまではゲーム雑誌や萌え系雑誌ぐらいでしか見られなかったものだ。まあそういう業界の人なんだから当たり前なんだけど。それが、決して格が良いとは言えないものの、一般人が普通に読むような雑誌に記事が載るとは。ファンとして感慨一入である。

 とは言っても。そもそもこの手の週刊誌というのは明確に記事の方向性を持ってるわけではなく、主力購読者層(=3,40代)に受けそうな記事なら何でも載せるものなのだそうで。
 例えば10年近く前に「ヘアヌード」写真を載せるのが流行ったけども、それは結局当時の3,40代が若い時に「平凡パンチ」とか読んでたために、そういう類のものを好む傾向が強いから、載せてただけという、ただそれだけのことらしい。
 だから。時代が移って今度は、若い頃にギャルゲーや美少女アニメを見て育った世代がいよいよ30代に進出し始めたから、これからはそういう記事も載せるようにしていこうという、きっとそれだけのことなんだろう。

 そう考えると、「麻枝准って所詮ヘアヌードなのかよ・・・」と、ちょっと鬱入ってくる。

 まあしかし、鬱状態にばっかなっててもしょうがないので、とりあえず雑誌の方を見てみることにする。

 件の本田氏の記事自体は、120ページ中4ページ。さらにそのうち3ページは本田氏によるギャルゲーの紹介と解説であり、肝心の麻枝准インタビューは1ページだけ。麻枝准インタビュー記事
 ・・・まあ、1ページ丸ごとあるだけマシなのか。

 ちなみに内容としては、これまでのゲーム雑誌等のインタビューと比べて、そんなに目新しいことは出ていない。敢えて挙げるならば、麻枝准は「CLANNADは慣れるまで2時間プレイしてもらえれば、若い女性ユーザーに楽しんでもらえるもの」だと思っているらしい。んー。だったら、次にインタビューを受けるのはwithですか?


2.週刊少年マガジン


 あまりにも有名な雑誌なんだけど、実は自分で買ったの初めて。いや、読んだことはあるんだけど、全部他人のだったから
 ちなみにジャンプは未だ買ったことがないです、えっへん。

 そんな私が週刊マガジン買う気になったのは、久米田康治の新作「さよなら絶望先生」の連載が始まったから。これからずっと読むかどうかはともかく、最初ぐらいチェックしておかねばと思ったので。

 で、内容は・・・うーん、毎号雑誌買うほどじゃないかな。て言うか、「かってに改蔵」の時だって毎号サンデー買ってたわけでもないし。
 それよりもむしろ、「絶望先生」の破格とも言える紙面上での扱いが気になった。連載初回でいきなり巻頭カラー。2話一挙掲載。サンデーでの「かってに改蔵」の扱いとはえらい違いだ。あからさまに「うちはサンデーとは違うよ」ということをこれ見よがしに読者と久米田康治と小学館に見せつけているような・・・。

 そして極めつけがこれ。巻末のアンケートコーナーの質問の一節。
マガジンのアンケート
 いや普通、新連載だったら「面白かったか」とか、そういうことを訊くもんなのに・・・。

 ・・・まあ、いろいろあったらしいからねえ・・・。



 さて、雑誌ばっか読んでないで、そろそろやることやらんと。


5/7

夢のケーキは食べられない

 「夢のエネルギー」とも言われた(最近聞かないけど)「核融合」。その核融合の実験設備建設に関してのニュース。核融合炉誘致、政府が今月中にも断念決断へ(asahi.com)とのこと。
 核融合実用化研究の為に国際協力で建設しようとしている「ITER−国際熱核融合実験炉」の建設地を、日本(青森県六ヶ所村)とEU(南仏カダラッシュ)で争っていたのだが、結局日本が折れた、という話だ。

 この両勢力が争っていたのには、 という二つの理由であったようだが。結局日本が、EUから建設発注の大半を日本企業に出すという確約を得て、候補から降りたという事らしい。言うなれば、前者よりも後者を優先したという事か。まあ所詮日本という国は、そういうとこさね・・・と、ちょっとやさぐれてみる。つーか20年前ならいざ知らず今の日本には金無いんだから、しょうがないわな。


 それはさておき。ちょっと核融合について調べてみた。「物理学科卒なんだからわざわざ調べなくてもだいたい知ってるだろう」とか言われそうだが、物理学科だからといって現代物理の全範囲やるわけじゃないし、そもそも自分専門科目で可と不可しか取った事のない劣等生だったから。

 「核融合」の身近なところでは、太陽がある。他には、身近ではないけど水爆。身近だけど現実には存在しないのが、ガンダムの動力炉。ところで「ガンダムSEED」で出てくる機体は、あれは核融合エンジン搭載型ではないのかね。すぐエネルギー切れ起こすし、母艦から中性子ビームでエネルギー補給受けてるし。

 まあそんなことはどうでもいい。で。核融合という現象は、簡単に言えば原子と原子を組み合わせて違う原子にしようという話である。

 原子というのは、それを構成する3要素として陽子・中性子・電子というのがあって、陽子・電子は必ず1対になっている。この対の数が原子の種類を決める。例えば、水素は陽子・電子の対が1であり、酸素は8である。この辺の数は、中学の理科でやっているはずの「元素の周期表」を見ればよい。
 さらに中性子の数によって「同位体」と呼ばれる、種類は同じだが微妙に性質の違う原子が生まれる。前述の水素は、普通は陽子電子1対のみで構成されるが、これに中性子が1個加わった「重水素」と呼ばれるものが存在する。中性子が二個になると「三重水素」になる。ちなみにヘリウムは、陽電子の対が2つに中性子が2つというのが標準型である。

 では、例えば上記のうち重水素を二つ組み合わせたらどうなるか。数としては、陽子電子の対が2つに中性子が2つと、ヘリウムの構成要素と同じになる。だからといって通常は簡単にはいそうですかと水素がヘリウムになったりする事はないのだが、これをいったん原子を分解させた状態にしてやれば、再結合する時にヘリウムになる事もあり得る。
 これが核融合とよばれるものである。実際の核融合研究では、より条件が緩やかな重水素と三重水素を使う方向で進んでいる。
重水素と三重水素の核融合モデル図

 この陽子・中性子が結合する時の力が「核力」と呼ばれるもので、この理論はノーベル物理学賞を受賞した京大の湯川秀樹教授の論文が大台になっている。核力の実態はグルーオンという種類の素粒子を交換する事らしいのだが、この辺の事は素粒子物理の細かい事に入る上に自分自身理解していない事柄になるので、説明は省く。
 で、この核力が働く事によって陽子・中性子が自分自身を維持する力の負担が減るため、その分の質量がいらなって、捨ててしまうらしい(質量欠損というようだ)。ところで、かの有名な相対性理論に依れば、質量とエネルギーは等価である。なので、捨てられた質量は、原子の外にはエネルギーとして放出される事になる。
 このエネルギーを取り出して有効活用しようというのが、核融合炉の建設目的である。

 核融合を起こすためには原子を分解された状態にする(これをプラズマという)必要があるが、これを実現するためには普通はサイヤ人もびっくりの高温・高圧(具体的には温度換算で1億℃ぐらい)を必要とするとされている。(パラジウムなどの触媒を使った常温核融合という方法も研究されているが、そういう現象もあり得るといわれるだけで、未だに理論も確立されていない状態である。)
 水爆ではその高温高圧を原子爆弾を使って実現させているが、発電用核融合炉にそんなものはつかえないので、原子を加速して磁気で封じ込め、高い内圧を得るという方法が採られる。
 この為の装置が「加速炉」と呼ばれるものであり、直線型とリング型の2種類に大別される。リング型はさらに、加速方法の違いからトカマク型とヘリカル型に分かれる。国内では、筑波にある加速器が直線型(ミラー型)で、岐阜県土岐市にあるのがヘリカル型である。ちなみに、件のITERはトカマク型である。
 また、加速炉方式とは全く別に「レーザー爆縮型」という方式があって大阪大学で研究がされているが、現在の主流からははずれてしまっている。

 加速炉を使った核融合の研究はかなり進んでおり、実際に炉内で核融合を起こす事は可能になっている。が、これまでの実験で、得られるエネルギーの量が投入したエネルギーの量(核融合を起こすのに必要な高温高圧を実現するためのエネルギー)を上回った事が無く、実際に発電等のエネルギー源として利用できるのはかなり先の事といわれている。

参考文献:
自然科学研究機構:未来をつくるエネルギー 核融合発電への挑戦
http://safety-info.nifs.ac.jp/mirai-ene/mirai-index.html#plasma-doc
原子力教育を考える会:用語解説
http://www.nuketext.org/yougo.html#Anchor-49575
大阪大学大学院電子情報エネルギーコースレーザー工学講座:核融合とプラズマ
http://www.ile.osaka-u.ac.jp/tanakaken/laser_fusion/plasma.html

 と、以上が核融合と核融合炉のおおまかな内容である。

 このように、核融合は非常に高度で難しい技術である。アメリカなど、一度は開発を放棄してしまったくらいだ。(日本とEUが随分研究を進めたので、また乗り気になってきたようだが。)まあなんにしろ、簡単に実現できるシロモノではない。「シムシティ」だと核融合発電所は2030年頃に設置できることになっているが、現実には核融合発電が実現するのは、50年とか70年先とかいう話もある。宇宙開発並みに気の長い話だ。て言うか、そんな頃には俺ら死んどるがな。



5/8

お金あげたい

 現在このblogアクセス数トップは2004/12/04付けの「レモンバーム」(307アクセス)なのだが、数日前までは2004/12/23付けの「女子高生トラップ」(305アクセス)であった。レモンバームの方はここ一ヶ月で急激に増えたので原因はよくわからないのだが、女子高生云々の方はテーマに「女子高生」を設定しているので、どうもそちらの方から来ている方が多いようだ。

 一体何を期待しているんだか・・・・(フ)。

 ということで、一つアクセス数稼ぎを目的に、純粋にそれだけを目的に、女子高生ネタを一つ書いてみよう。

 まだ無職でなかった頃、要するに会社員だった頃。出勤途中、駅構内に一人の女子高生が立っていた。別に何の変哲もない普通の、否自分らの世代からすれば普通だが今時の普通よりはちょっとだけ真面目っぽい印象のある、女子高生だった。
 彼女を見た時、突如、何の脈絡もなく、私の心にある思いが沸き上がってきたのだ。
「この子にお金あげたい」と。

 別に、お金あげて何かしたいとか、そういう事ではない。本当に純粋に何の見返りも無しに、むしろ何か見返りがあったら嫌だというくらいに、そう思ったのだ。
 なんでそんな風に思ったのかは、全くわからない。もちろん全く知らない人だし、何か恩を受けたわけでもない。誰かに似ていたというわけでもない。自分の好みとかいう事ならそもそも女子高生という時点でアウトだ。前世からの繋がりとかそういうのだとさすがによくわからないが、そういうのは信じないし信じたくないしむしろ関わりたくない。お金あげるなんてもってのほかだ。

 向こうからしても、いきなり見ず知らずのむさ苦しい男から「見返り無しでお金あげます」なんて言われても、まず確実に退くだろう。見返り無しなんてまず信じられないし、もし本当だったら却って気持ち悪いし、それ以前にこの目の前のオタ男自体が気持ち悪いし。
 泣き叫んで助けを呼ぶのが彼女の当然の行動であろう。

 結果は明白。感情のまま動けば、悲劇以外の何物も生み出さない。

 にも関わらず、私の心の中ではさあ金を渡せと悪魔のようなささやきが聞こえ続けてくる。原因不明の感情と現実的判断の狭間に立たされてしまった私は、物理的にも一瞬その場に立ちつくしてしまった。
 彼女がこちらを見たような気がした。自分は我に返り、わき上がる感情を必死に押さえ込んで、その場を立ち去ったのだった。何らの金品をも渡すことなく。

 それ以来、彼女には遭っていない。そしてあの時の私の感情は、今以て原因不明である。



5/10

HIGASHIYAMA LINE

 万博が開催されている所為なのか、名古屋駅は外国っぽい人でいっぱいだ。
 どういうわけか郵便局のATMにまで並んだりしているのも見受けられるのだが、あれはシティバンクの口座から現金を引き出したいという事なんだろうか。日本はクレジットカードの普及率が悪いからねえ・・・。特に交通機関なんか、千円札がないと話にならんし。


 まあ決済の事もそうなんだが、つくづく日本というか名古屋がよそから来た人に不親切だなーと思う事があった。

 まだ先月の、万博が始まって数日の頃の話だが。名古屋駅の地下鉄11番出入口で、アフリカ系の人と遭遇した。アフリカのどこかの国から来たのかもしれないし、アメリカかもしれない。ハイチやフランスかもしれない。それはわからない。どこに行くつもりだったのかも、正確にはわからない。彼は英語しか話さず、私はかつて受験英語の偏差値が30台だったからだ。
 ただ、言葉の中に「HIGASHIYAMA LINE」というフレーズが出てきたため、「ああ地下鉄東山線に乗りたいんだな」という事だけは分かった。「このまま改札に入れば、乗れますよ」と言おうとして、はたと気づいた。指さそうとした先には、「桜通線」と書かれた看板しかなかったからだ。

 名古屋市営地下鉄名古屋駅というのは、東山線の名古屋駅と桜通線の名古屋駅がある。(詳細はリンクをたどっていただきたい)。とは言え、よその都市の地下鉄もそうだと思うが、双方の「名古屋駅」構内の連絡通路で繋がっており、どちらの入り口からでもたどり着けるようにはなっている。ただし道順を知っていれば、であるが。
 件の11番出口には、その道順を示す案内設備が不十分なのだ。自分は地元の人間だから「まあ適当に歩いてりゃそのうちたどり着く」と思えるが、よその土地、しかも日本語も不案内な外国人にそれは酷というものであろう。

 私は一旦そこから出て、東山線側の入り口まで案内する事にした。
 だがこの時、「東山線の入り口まで案内します、階段を上がりましょう」と言いたかったのだが、これを全く英訳する事が出来ず、Go Up Here Withなどと、意味不明の単語を並べ立てる結果になってしまった。当然彼は首をかしげていたが、私が腕を振って踊るように階段を上っていくのを見て、ついて行けばいいと理解したらしい。
 地上に出て、「東山線 HIGASHIYAMA LINE」と書かれた看板が見えるところまで来て、私は叫んだ。
「It's! It's! Here is HIGASHIYAMA LINE! We,we arrive the world...」
 It'sはともかくwe arrive the worldって一体何なんだか。全く以て意味不明である。だがそんな怪しい言葉を吐き続ける私に対し、彼は肩を叩いて「Thank you.」と言ってくれた。辛うじて、目的は達せられたのだった。


 とまあ、こんな一件があったわけである。だがそもそも案内が充実していれば、彼はこんな怪しい日本人に頼らずとも東山線に乗れたはずなのである。
 地方都市全部を英語対応化する必要は確かにないと思うが、しかし万博やるんだったらもうちょっとよそ者に親切にしてもなあ、と思うのである。



5/12

五月雨

 カンパを寄せられるのはとてもうれしいですが、寒波が襲来するのは嫌いです。

 風邪をひいてしまったっぽい。

 オホーツク海上空に高気圧が這っている所為で、冷たい風が日本列島に流れ込んできています。おかげで朝晩が冷えます。真冬ほどではありませんけど、相応の対策をしていない分、冬より厄介とも言えます。
 

 外は豪雨。「さみだれ」なんてレベルじゃないです。このまま梅雨入りかと思うぐらいの勢い。

 どうせ家の中にいるから関係ないのですが。

 あー。とりあえず寝とこう。



5/14

父と観鈴とクッションと

 GW前の話にさかのぼるが。妹は山形で運転免許の教習を受けた後、横浜の父親のアパートに滞在していた。

 妹はよくその部屋を利用するので、やたら自分の私物を持ち込んでいた。それがあまりにも多くなりすぎたので、押し入れの中を整理したらしい。
 その中から、クッションが一つ出てきた。その絵柄が「女の子」の描かれたものだったので、父はそれも妹のものだと思い、これも持って帰るように言った。しかし妹はこう答えたそうだ。
「私のじゃない。この絵柄はお兄ちゃんのだ。」

 後日その話を聞いた私は、正直な話身に覚えがないと答えたのだが、妹は「あれはお兄ちゃんのものだ」と主張して譲らなかった。

 彼女が言うには、そのクッションの絵柄は「目が大きくて、触覚だか翼だかが付いている。とにかく、女の子だけど人間じゃない」ものだったそうだ。
 目が大きい触覚
 まさに、「いたる絵」の特徴そのものではないか。

 相変わらず覚えは全くないのだが、なんだか自分の持ち物ではないかという気がしてきた。

観鈴クッション
 そういえば随分前に、iAcnにクッションを貰った事がある。彼が秋葉原の「メッセサンオー」で「PS2版AIR」を購入した際におまけとし「観鈴クッション」が付いてきて、それを私が譲り受けたのだ。

 ただこれは、こうして現在自分の手元にある(左図)。だから、父の部屋にあるのとは別物の筈だ。




 念のために、iAcnに確認を取ってみた。ところ、こんな回答が返ってきた。
>ご指摘のとおり、PS2Airについてきたのは
>クッションでした。んで草氏にあげて、
>それを父親の部屋に忘れてきたと言っておりました。
>#草氏にあげるためにわざとメッセサンオーで買ったのかなあ俺。

>あのころは そういうのがウケた時代でしたねえ。(遠い目)

 ・・・んー? そうするとやっぱり、父の部屋にあるのはAIRクッションで、私がiAcnに貰ったものなのか?

 いや待て。そうすると逆に、今私の手元にあるクッションは、これは一体何だ。どこで誰に貰ったものなんだ?


 結局わからずじまいである。妹も父も正確な絵柄を覚えておらず、当然何の作品の何のキャラかという事など解る由もないからだ。謎は謎のまま先送りされ、クッションは現在も父のアパートで有効活用されている、らしい。




5/15

頭の中からお花畑

 大須ラーメンって、前からラーメン300円でしたっけ・・・?

 とまあ、今日は栄・大須に行ったあと帰りに近所のダイソーで、また種を買ってきた。冬の間置いてなかっのは、撒き時じゃなかったからなんだろうか。確かに芽が出ない時期に売ってもしょうがないが、園芸店ではないダイソーがそこまで考えているとは思っていなかったので、取扱中止になったのかと思っていた。

 とりあえず、6袋315円分買ってきた。ゴーヤ2袋に、ほうれん草・赤紫蘇・タイム・レモンバーム。て言うか、ゴーヤの種こっちで入手可能じゃん。タイ産だけど。去年はわざわざ、HT君に沖縄から送ってもらったんだよなあ。その結果がコレだったけど。
 ちなみにレモンバームは、検索対策(笑)。いやだって、この一ヶ月で「レモンバーム」で検索してやってくる人が200人以上いるんだもん。・・・何かあったの? みのさんが何か言ったとか。

 とりあえず用意できた鉢が5つだけだったので、まだ株が残っているレモンバームは後回しにして、他の5袋分を撒く事にした。鉢を用意して土を入れている間、何故か頭の中では「ラブやん」の内容が繰り返しリロードされていた。まあ良くある、鼻歌を歌いながら作業というのと似たような状況だとは思うが。
 ・・・何故ラブやん・・・?

 とまあ、そんなわけで楽しみながら種まきを終えたのである。さて、ちゃんと芽が出てくれるかどうか。水やり忘れがちなのが心配だ。



5/16

つくづくハネとは縁がある

 iAcnとこの「アシナガバチは飛ぶ」って記事をみて、7年前の研究室時代を思い出した。

 荒野草途伸は物理学科卒ではあるが、専門科目の成績はボロボロであった事は、5/7付け文書でも書いた。
 加えて卒業研究も、「セミの羽根のスジ」に関するものであり、ちょっと純粋に物理とは言えない内容であった。ただこれは成績が悪かったからではなく、たまたま所属した研究室がそういう事をやっていたためである。

 その時同じ研究室だったのが、iAcnなのである。

 その時の私の卒論のタイトルが、「有翅昆虫の翅脈パターンに於けるフラクタル性並びにボロノイ多角形の適用」。長い。世間の常識と比べても、普通の物理学関連の論文と比べても、長い。当時は、こんな無駄に長いタイトルを付けるのが自分達の間でウケる時代だったのだ。指導教官も含めて。

 内容をざっと説明すると。翅脈パターン(=翅のスジの描く模様)は、昆虫の種類によってほぼ同じようなものを描いているのだが、これになにか数理的意味があるのではなかろうか、というのが出発点。
 そこで、形状科学の理論の中から
フラクタル図形とボロノイ図
の二つを用いて、翅脈パターンを数理的に解析してみよう、という目的だったのである。
 そして、我々の前にいた人は蜻蛉の羽根を、我々はセミと蝶の翅の解析を行ったのである。

 その後私は大学院入試に落ちたので、この研究の完成を見ることなく研究室を去ってしまい、後は院に進んだiAcnに引き継がれた。そして院に進んでからiAcnがやったのが、蜂の翅の解析だった、ということだ。

 結局iAcnのいる間には、結論と言えるようなものまでは出せなかったようなのだが。あれからあの研究はどうなったのであろうか。しばらく大学に寄り付いてないから、わからんなあ。自分はあの後、セミの羽根じゃなくて月宮あゆの羽根にはまりこんじゃったし(苦笑)





5/17

ポスター1枚3万円

 3/26付け文書で書いた、和歌山県のCLANNADなポスターの件。ようやく配布日が決定したようだ。

 件の西牟婁見どころ情報によると とのこと。
 ポスターを受け取るためには後日発表される方法によって申し込み(おそらくは往復はがきでの応募?)を行い、抽選の結果返ってきたはがきと引き替え、という形のようだ。

 当初の4月下旬から、二ヶ月近くもずれ込んで、ようやくの告知となったわけだが。まあ西牟婁振興局の人も、「どうしたら押し寄せるオタどもを混乱もトラブルも無くさばけるか」と頭を痛めた結果、こういう形に決めたのだろう。
 正直、ご苦労様ですという気分である。


 で。荒野草途伸自身はどうするかというと。うーん。土曜日ですか。土曜日ならまあ予定が入る事はないだろうが、配布予定時刻が午前中だったら前日から泊まり込まなならんのか・・・。旅費宿泊費合計で3万近く。うーん・・・・。


5/23追記:
配布会参加申込方法が発表になりました。
往復はがきでの申し込みで先着順(5/27(金)消印有効分まで)とのこと。
詳細は http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130600/cn/101.html を参照





5/22
トースター付きパソコン
 気が付いたら5日も書いていなかった。なんでこんなに間が開いてしまったんだろう。
 確かにここ数日派遣絡みでぱたぱたしていたのは事実だが、しかしそれは昼間の話。夜の時間はあったはずだ。だから今夜は寝かせないぜ、等という台詞が言える相手はPCモニタの向こうの二次元の世界にしかいないのだから、BLOG書く時間ぐらい優に取れたはずなのだが。

 まあでも、期間が空いちまったものは仕方がない。


 この数日間の間に、書きたい記事のストックが3件も溜まっているので、順次こなしていく事にしよう。


 まずは「トースター付きパソコン」。

 これは、個人的に親近感を感じずにはいられないダー氏(昨年12/5付け文書参照)との結婚が秒読み段階に入ったらしい健康一番地さんとこの記事を読んで、思いだしたものである。
 健康さんとダー氏が二人の新生活のためにそれを導入する事に決めた、というわけではない。念のため。二人の名誉のため。

 ではこれは一体何なのかというと、完全に荒野草途伸の妄想の産物。6,7年前に「家電パソコン」という言葉が業界で流行した頃に思いついた、ネタである。

 物としてはその名の通り、パソコンにトースターが付いているというシロモノ。デスクトップ機の5インチベイ(大概の場合CDorDVDドライブが付いている場所)に、パンを焼くためのドライブが付いているのだ。
 そしてトレイに食パンをセットして挿入すると、CPUの発熱でパンを焼いてくれる。

 現在はただPCを暴走させるだけの邪魔者としてしか扱われていないCPUの廃熱を少しでも有効利用し、省エネに結びつけようという、地球に優しいパソコンでもあるのだ。

 
 「パンが焼ける温度まで冷却せずにいたら、CPU壊れるよ!」と言われたら、まあそれまでなんだが。否それ以前にわざわざPCでパンなんか焼かねーよという人の方が多そうだが。


 何にしろ、現実性には乏しそうだ。








5/23

楽羅と公

 順次溜まったネタをこなしていく。
 今日は、iAcnが「公と楽羅との違いがわからない」などというとんでもない事を仰っているので、その解説をしようと思う。

 まず、この公(きみ)と楽羅(かぐら)というのは、白泉社の「花とゆめ」で連載されている「フルーツバスケット」という作品の登場人物である。
 ちなみに、現時点で最新の17巻を未入手であるので、以降の記述は16巻までの情報に基づいて書かせていただく。(「花とゆめ」本誌は購読していないので)

 楽羅は、フルネームを草摩楽羅という。
 この物語の核となる「草摩家の十二支」のうちの一人であり、故に5巻の表紙にもなっている。いとこの草摩夾のことが殺人的に大好きであり、良くいえば一途に、悪くいえば周りを顧みずに夾の事を愛し続けている(ただし、この辺はワケ有り)。

 一方公は、フルネーム藤堂公。13巻で初登場。主人公(本田透)等が通う高校の生徒会の書記であり、生徒会長の草摩由希(十二支の一人)にLOVEっぽいが、本気かどうか不明。裏設定があるのかも不明。良い意味でも悪い意味でも正直。

さらに細かいところも含めて、比較表にしてまとめてみた。

楽羅
身分 短大生(透の2つ上) 高校生(透と同じ)
性格 天然
猪突猛進
天然
小悪魔
一途さ 夾が命の危険を感じるほど   あまり感じられない
普段の態度 おしとやか ぶりっこ
対人関係 良好(慊人・リンを除く) 一部女生徒からは反感
好きな話 夾の話 エロい話
本音 実は隠している(?) あらゆる場面で隠さない
腕力 扉をブチ抜くほど 翔をみぞおち一発でノックアウト
紫呉の家他を破壊する 彼女のいる男にちょっかい出して破局に追い込む
良いところ 本当は優しい 正直
敢えて悪くいうと ストーカー 媚び女
中の人 三石琴乃 田村ゆかり
とまあ、共通点は天然な性格と腕力ぐらいか。

 ちなみに荒野草途伸は楽羅派であるので、上記文章に多少の偏見が入っていてもお許し頂きたい。


 と、以上のような次第である。この様に、公と楽羅は多少似てはいても、ちゃんと区別の付く別のキャラなのである。おわかりかね、iAcn?


5/24

食料軍ゲーム

 asahi.comの飢餓の島復興支援ゲーム、アクセス殺到 WFPという記事で、「FOOD FORCE」というゲームを知ったので、早速ダウンロードしてみた。

 国連世界食糧計画の日本語ページから、英語版のダウンロードページにたどり着く事が出来る。内容はもちろん全部英語だが、とにかく「DOWNLOADS」の文字をたどっていけばひとまずダウンロードはOK。Windows版とMacintosh版の2種類が用意されている。

 で、早速やってみた。

 感想としては、「英語わかんねー」。
 全部で6つのミッションがあり、都度ゲーム内容の解説をしてくれるのだが。何を言ってるのかよくわからないので、結局勘頼りで進めていく事になる。
 ゲーム自体がそんなに難しいものではないし、それでそこそここなせはするのだが。ミッション5でゲリラと遭遇した時に、英語で3択が出てきたのにはさすがに参った。結局選んだのが合ってたのかどうかすらわからない。

 ゲームの進行途中で、そのミッションに該当するWFPの活動を音声付きでいろいろ説明してくれるのだが、これもまた英語。


 ゲームだけでWFPが何をやっているのかは、だいたい分かるのだが。「理解を深める」というレベルまでは到底達しなかった気がする。やはり日本語で解説してくれないと。しかしそれをやるには人出がいるんだろうしなあ。

 そういうわけでという事でも無かろうが、WFP日本事務所で翻訳のボランティアを募集しているようなので、英語の出来る方は是非。





5/25

西牟婁行きぴんち

 17日付文書にも追記で書いたが、件の和歌山見どころ熊野古道風子ポスター配布会の申し込み方法が23日に発表された。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130600/cn/101.html

 申し込み方法は往復はがき。締め切りは平成17年5月27日(金)消印有効。だが、先着順受付なので本気で参加したいのなら、金曜日に出したのでは間に合わないだろう。
 はがきの記入例がこちらにある→http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130600/cn/903.html

 ということで。遅まきながら昨日(24日)に往復はがきを買ってきた。すぐ書いて出すつもりだったのだが、なんかいろいろやってるうちに忘れてしまい、夜になってしまった。・・・仕方がない。明日の朝一で出すしかない。あーあ、たぶんもう間に合わないんだろうなあ・・・・。






5/26

小渕さんがゴールしてもう何年ですか?

 AIRの本放送は当に終わってしまったけれど、これからも当分、毎週木曜日は「AIRの日」とすることにする。残念ながら特売はありません。

 今日は、ちょっとツボに来た、他人が書いたSS(っつーかネタ?)を紹介する事にする。
 藤枝宇宙開発事業団というところにある、The 2000’s summer―「雲印」って今大丈夫ですか?というもの。

 まあ、AIRをやって且つ通常版or全年齢版についてた絵本「はねのあるおんなのこのはなし」を読んでないと、ちょっと意味がわかりづらいものですが。

 要するに、一部の人種には大不評である某沖縄世界遺産が絵柄な日本国の正規通貨の話なわけですが。

 翼人といい二千円札といい。なんで人間というのは、こう自分が気にくわない少数派を異端として徹底排除したがるんでしょうねえ。と、ふと人類の業と言うものについて物悲しい気分を覚えたりもしてしまうのでした。

5/29

へびいちごに毒はない

 最近「こいこい7」の猪飼ヒフミがツボである。とは言っても「こいこい7」のことは実はまだあんまりよく知らないので、今日はへびいちごの事について書こうと思う。・・・いや、どう関係あるんだと問われたら少々困るが。

へびいちご枯れかけ
 さて、へびいちごというのは上の写真みたいなやつである・・・とは言ってもこの写真のはウチの庭に生えてた実が既に枯れかかったやつなので、ちゃんとした実の写真が載ってるページも2つほど紹介しておこう。
 撮りっぱなしの写真館―2005/5/11
 万葉の想い―花の散歩道―蛇苺(へびいちご)


 このへびいちごであるが。自分が小学生自分の頃は、「毒があるから食べてはいけない」と聞かされたものである。ただし大人にではなく、集団登校の上級生等からである。

 これは、新一年生が入ってきた時に、伝承すべきことの一つであった。
「あそこの家のばあさんは捕まるとうるさいから走って逃げるように」とか「登下校中のトイレはここである、但し家の人に見つからないように」といった、子供コミュニティの中で代々伝えられていく情報の一つであったのだ。

 今から考えればばかばかしいというか、ものによっては社会からの逸脱に繋がりかねない事柄まで含まれている。が、当時の幼い少年達は、この言い伝えやルールを律儀に守っていたのである。疑いもなく。特に明確な理由もなく。ただ日常であっただけだ。大日本帝国の少年少女の如く、それが当たり前であると信じて。

 だが。私は禁を犯した。

 あれは小四の初夏の頃。大嫌いな給食の椎茸を私は食べきる事が出来ず、一人で残されていた。残されたからといって食べる事が出来るものではなく、口に含んで帰りすがらどこかに捨てようと決め、学校近くの路地裏にそれを吐き出した。吐きだしても尚、不愉快な味は口に残ったまま。
 ふと脇を見ると、真っ赤な実がたわわになっているへびいちごの姿があった。禁忌の実。だが私はその時、それが口直しになるのではないかと考えた。直前まで自分を支配していたつらさに、判断力が鈍っていた。手を伸ばし、実を一つ摘まんで、口に入れた。
 何の味もしなかった。毒なのかそうでないのか、全く判別が付かなかった。
 そして、禁忌の実を食べてしまったという恐怖感が襲ってきた。以前聞いた事のある、蛇がイヴをそそのかして食べさせたという禁断の実。ふと、その話を思い出した。アダムとイヴは禁断の実を食べて楽園を追われた。自分は一体、何を失う事になるのだろう。毒ならばやはり、命だろうか。

 その日、私は何も食べる事が出来なかった。


 辞書には、「ヘビイチゴのイチゴ状果は有毒であるといわれているが,実際は無毒である。オランダイチゴと形は似ているが,そのイチゴ状果は多汁質でなく,甘さも香りもない。中国では,全草が薬用として利用される」(世界大百科事典Ver2.0〜日立デジタル平凡社 より)、とある。そう、へびいちごに毒など無かったのだ。

 実際私は、現にこうして20年経った今も生きている。それが原因と思われる病気も、特にない。ただ唯一変わった事は、それ以来私は、ただの言い伝えや伝承、呪いや迷信といった類を、額面通りには一切信じなくなったという事だ。
 その意味では、私に「知恵」を授けてくれたへびいちごは、確かに「禁断の実」であったのかもしれない。



 ところで、「こいこい7」って端から見たらやっぱり頭の悪いアニメなんでしょうか?





5/31

VS2005試用、たぶんその1

 とりあえず、明日から会社勤務再開です。短期派遣だけど。
 その関係でちょっとぱたぱたしてて、なんかいきなり疲れてます。オイオイこんなんで大丈夫か?

 ちなみに明日からの仕事は、ASP.NET開発の最終工程。そういうわけで、という事ではないけれど、VisualStudio2005 ExplessEdition Beta 2 日本語版を落として、少し試してみました。
 本当は今月頭にとっくに落としてインストールしていたのだが、先送りしているうちに月末になってしまった。


 VisualStudio2005は、MicrosoftがWindows向け標準開発ツールとして販売している「VisualStudio」シリーズの次期バージョンです。

 VisualStudioは、6.0までは、マイクロソフト提供の2大開発言語である「VisualC++(VC++)」「VisualBASIC(VB)」を中心とし、高級パッケージやゲーム、サーバーアプリケーションを開発するVC++と、ツール類や中小規模業務システム開発、教育用を目的としたVBで住み分ける、という構成でした。
 が、2002年に発売されたVisualStudio2002からは、マイクロソフトの対JAVA戦略技術である「.NET」テクノロジの元に設計思想が一本化され、新たに「C#」というJAVAに極めて近い言語も追加されました。また、「.NET Framework」という共通ライブラリ、そして「Common Language Runtime(CLR)」という共通実行環境を利用する事で、開発言語による機能や性能の違いを取り除いています。
 翌年には、開発ツールとしての機能を強化した(バグをつぶしたとも言う)VisualStudio2003が発売されました。が、中身としては実質2002と大きく変わりません。

 現在β2が公開されているVisualStudio2005は、このVisualStudio2003の後継ということになります。ただ、単純な機能強化版ではなく、言語仕様も含めて基本設計が随分見直されているようです。
 本当はどこがどう違うのか詳しく書けるといいのですけど、その当たりは実は自分も殆どよく把握していないので、書くのは差し控えます。詳細は、マイクロソフトによる解説や、@ITなどの開発者向けサイトを参照されたい。


 ということで。試用してみました。
 とりあえず、VS2002で作った自分専用のBLOG管理ツールがあるので、それをVS2005で作り直す、という事を目標にしてみた。「プロジェクトを開く」から既存のプロジェクトファイルを開くと、自動で変換が始まってくれる。バックアップも取ってくれるようだ。まあこれ自体は、.NET以前のVS(VB)でもやってくれた事だが。問題は、どれだけ性格且つ後の手間が無く変換してくれるかという事だ。

 変換完了、まずはそのまま実行。
 エラー。どうやら、プロジェクトリストに入れていたデータセットが変換されなかったらしい(図1)。んー、このエラー確か、VS2002でβ2から正規版に上げた時にも起きてたぞ。どうやらデータセットは、プロジェクトリストに追加する形では作成しない方が良いみたいだ。って、既にそう作っちまったんだよなあ。これは、VS2002で修正してからでないといかんということか。設計段階の問題になるしなあ。

 とりあえずこれは無視、というかエラー出ない形にして、再試行。
 またもエラー。今度は、デザイナ部分。どうやら、コントロールプロパティとapp.config(アプリケーション毎の設定ファイル)の連動部分の問題のようだ。しかもデザイナがエラーメッセージオンリーになっちゃって、触れない(図2)。やっぱりコードからやるしかないみたいだ。
 とりあえずコードを見て連動部分を削除。リビルドしてようやく、デザイナが回復。試しにそこからテキストボックスのTEXTプロパティをCONFIG連動にしてみると。app.configが図3のようになった。
 ・・・おいおい、全然互換性がないじゃんかよ・・・。これは、大規模プロジェクトだったら移行に手こずらないか?

 まあでも、いまやろうとしているツールはそんな大した物じゃないし、設定エントリ無しでも動くシロモノだから。この部分は無視して続けよう。
 と思ったら。今度はデータアダプタのエラー(図4)。
 今いじっているツールは、ADO.NETからMSDE2000に接続してごちゃごちゃやるものなのだが。どうやら、ExplessEditionではそういう「データベースサーバーに接続してどうこう」という事が、出来ないらしい。ACCESSのMDBファイルを使うか、SQLServerのMDFファイルを直接指定する、という方法しか使えないようだ。
 しゃあないから直接ファイルを指定してみたが、なんかしらんがうまくいかなかった。読み取りにはSQLServer2005ExplessEditionを使っているようなので、もしかしたらMDFの変換が必要なのだろうか・・・?


 ここでなんだかもうめんどくさくなってしまったので、これ以降は次回に、という事にして切り上げた。
 ・・・新しい開発ツールってのは、やっぱりいろいろ面倒だのう。






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