終戦記念日まで残すところ一ヶ月を切った。終戦記念日には、我等が小泉総理が靖国神社への参拝を希望している。  小泉総理が靖国参拝に固執するのは、戦没者の冥福を祈り殉職した人たちに敬意を表すという、人間的感情に基づくものだという。この考えは、決してわからないでもない。  だが、少し立ち止まって考えてもらいたい。公職に就くものが、感情だけを理由として行動することが、正しいことであろうか。例えば、親しい人が死んだとき。その葬儀に参列し、香典を渡して過ごしでも遺族を慰めたいというのは、人として持つべき当然の感情であろう。だが、政治家がこれをやれば、犯罪である。彼らは公職に就く身であり、公正な選挙を行うにはこのような規制もやむを得ないからだ。  振り返って、首相の立場を考える。彼は、一国の総理なのである。日本という国を束ね、正しい方向に導く責務を追っている。普通の議員以上に、理性的な行動が求められる立場なのだ。  総理の靖国参拝には、国内からも国外からも異論が強い。小泉総理には是非、真の国益とは何かと言うことを深く考えた上で、英断を下されることを希望する。