国旗国歌・再論
 今日那覇の与儀公園で、国旗・国家法案並びに盗聴法に反対する集会が開かれたそうだ。ちなみに自分は与儀にある中央保健所で健康診断を受けていたのだが、この集会には参加していない。いやだって知らなかったしさ。そもそも、集会やってる時間は寝てたし。しかしまあ、こういう反対集会がおこなわれるのはいいのだが、国旗国家法案自体は、すでに衆議院通過と来ている。おいおい、なんでこんな早いんだよ。盗聴法案だって、まだ審議中なんだろ?どっちか、というか、絶対盗聴法案の方が大事だと思うんですけどねえ。だって国際公約なんでしょ?選挙公約すらしてない国旗国家法案を優先的に通過させちゃうって、どういう神経してるんだろうねえ。まあ、自分が法案反対派だからこそこう思うのかもしれないが。右翼連中なんて、さっさとしろ、遅い遅いなんて思ってんだろうねえ。
 ところで、この件に関してはすでに協会声明という形で、意見を発表している。これを読んだ友人からのメールが、昨日届いた。いや、ほんとは3日くらい前に出したものらしいが、メールサーバが不調で昨日やっと届いたのだ。その内容を、本人に無断で引用させてもらう。
自分の主張としては国旗、国歌は必要だと思う。 
たとえばオリンピックなどで国を代表として選手は戦う。 
今の選手はあまり言わなくなったけど、「お国の代表として恥ずかしくないようにがんばります」と選手は言う。 
彼らの言葉には戦争がどうだこうだということはもちろん考えていない。そしてメダルをとったときには泣きながら君が代を歌う。彼らがそういう発言、状態になるのはどうしてだろう。 
もちろん自分が勝ったんだというのは強いと思う。しかしもう一つ自分はあると思う。それは自分より大きな存在が応援してくれているというのが視覚的、メロディーという形で実感できることだと考える。人は自分より大きな存在に身をゆだねたいと思い、陶酔し、絵画としてあらわそうとする。それは世界的にいえばキリストや海の神山の神、人物ほか。それが単に国を表そうとしたときにできたのが、国旗であろう。音楽も同様(国歌)。歴史的にいろいろあり、日の丸、君が代を国旗、国歌としてそのまま使うのは自分も反対だ。 
「世界中に国旗や国歌のない国は存在しない」というのはお偉方のほかの国と一緒じゃなきゃいや!という考えからの言葉であろう。 
自分のとる立場としては、かっこいい国旗!坂本龍一でも小室でもいいからセンスよく、主権は国民だという詩で国歌を作ってほしい!愛とか戦争とか悩みとかいろいろありましょうが、みなみなでがんばりましょうみたいな。今からこんなもの作るのは無理か・・・
 私が思うに、これが今の日本人の大多数の意見ではないだろうか。特に若い世代はこう思っているだろう。日の丸・君が代は国旗・国歌として定着している、と政府は主張するが、何を根拠にそのようなことを言うのだろう。この件に関して、政府が統計調査をおこなったなどという話は聞いたことがない。そもそも、本当に定着しているのなら、この問題で広島の校長が自殺したりする必要があるだろうか?むしろ、定着していないからこそ法で強制的に定義してしまおう、というのが本当のところなのではないか。実際法案が衆議院を通過したあとに、自由党の議員が「慣習を認めない連中には法で強制するしかない」という事を言っている。これが本音だろう。しかし、慣習を認めないから法で強制するなんて、全くもって無茶苦茶な話だ。悪法も法、という言葉はあるが、悪習も法なんて、聞いたこと無い。だいたいが、慣習などというものは本来積極的に廃していくべきものではないか。人間という生き物は進歩的生物であって、前に進み続けなければ生きていくことができない動物なのだ。慣習なぞに縛られていたら、前に進むどころかずるずるひきづられて後退するばかりだ。全く、改革を掲げているはずの自由党の議員がこんな事を言うなんて、情けない限りだ。所詮奴らの言う改革なんてエセという事だ。
 ちなみに確認しておくが、私自身の立場は「国旗国歌そのものの存在に反対」であって、「日の丸・君が代に反対」なのではない。まあ、日の丸・君が代も嫌いだが。日の丸は、自分にとって「学校社会からの支配・抑圧の象徴」だし、君が代は歌そのものとして嫌いだ(あれが美しいとか言う老人連中の感覚が理解できない)。しかし、日本国民の大多数が、心から「国旗・国歌が欲しい」「日の丸・君が代を国歌にしたい」というなら、それも致し方ないだろう。だが、そうではない。国旗・国歌の制定自体はともかく、日の丸・君が代の使用には反対する人が非常に多い。とても国民的合意ができているなどとは言えない。にもかかわらず、ろくに議論もせず強引に法律で「これが国旗と国歌だ。おまえら従え!」などという態度をとるのは、もう国民をバカにしているというレベルの話ですらない。民主主義の危機、憲政の危機だ。
 今からでも遅くはない。法案を撤回するべきだ。もしこのまま強引に法制定をおこなえば、国民の間には深刻な亀裂が残る。賛成派は満足するだろうが、反対派は日の丸・君が代にさらなる反発感を抱くだろう。たとえそれが表面に出ることはなくなっても、心の中には憎しみが燃え続ける。心に秘めた憎しみがどんなに恐ろしいものか、それは民族対立の歴史に顕著に洗わされている。 今法律を作ったって、何の解決にもならないのだ。むしろ、あなた達の大切な日の丸・君が代がどんどん汚されていくことになるだけです。そうは思いませんか、賛成派の諸君? −−−−−−−−−−−−−−
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