我が青春の赤マント


 今夜の夕食をよく読んでいる人なら薄々感づいているだろうが、私は某Aマントという飲食店でバイトしている。琉大関係者であるならば、このAマントというのが琉大東口にある赤マントのことであると、容易に気づくはずである。もしわからなかったとすればそいつは偽琉大生である可能性が高いので、即刻琉球大学学生自治会(革マル派系)に突き出すべきである。
 琉大生のくせに赤マントも知らないような不埒なやつはこのようにジッチー連中にぼこぼこにされるのだ!というのは嘘である。大体自治会関係者が赤マントに来たことはない。何故か生協関係者は結構来るのだが。ライバルのはずなのに。あ、もしかしてスパイか!何ということだ、今頃になって気づくとは、この私としたことが不覚。
 まあ、そんな事はどうでもいい。実は今日は、全国一億二千万人の赤マントファンにお知らせしなければいけないことがある。いやたぶん実際にはそんな大量にファンがいたら私は過労死しなければいけなくなるから、今のはウソだが。でまあ、知らせることというのは、赤マントが五月で閉店になるということである。
 うん、確かに突然だ。こうも突然だと、「ああ赤マントって中小企業だから、きっと銀行の貸し渋りなんかにあって資金繰りが行き詰まって不渡り出したんだね」などという憶測をする人がいるかもしれないが、これは事実ではない。実際の所、赤マントは無借金経営の優良企業である。なのに何故この時期に閉店か、ということに関してはいろいろ理由はあるのだが、ここでは述べないで置く。まあ、人生の再出発ということにしておこう。
 でまあ、店が無くなるんだから私は当然クビである。退職金はない。ばいとなんだから出なくて当たり前だが。まあ、一年半もつとめてるんだから少しくらい出てもいいかなと言う気持ちもなくもないが、雇う側としては「使えないくせに一年半も居座りやがって」なんて考えているかもしれない。
 一年半といえば、大学生活の1/3以上を占める、あ、もしかしたら1/3切るかもしれない、自分の場合。とにかく、まあ結構長い期間ここで稼いできたことに代わりはないのだ。その間色々なことがあった。まあ、大したこと無いといえば大したこと無いことばかりなんだけど。ネズミが出たとか。
 てな感じで今はただ思い出に浸るのみ・・・と行けばいいのだが、どうも世の中そうそう甘くないらしい。実際の所今は間だ四月の頭であって、閉店までに未だ二ヶ月近くの期間が残っている。その間出勤しなければいけない。しかも、閉店を待たずに二人やめるという情報まである。何ということだ、しわ寄せがこっちに来るじゃないか。全く、留年するかもしれないっていうのに。関係ないけど。
 というわけで、来月までは忙しい日々が続きそうだ

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