”IABP”という名の青春

 私の友人に、Gという人がいる。IABP版沖縄観光ガイドを読んだことのある人なら知っているだろう。読んだことがない人でも、実は表紙からG氏のWebページへのリンクが貼ってあったりするので、知らない間に彼についての情報を仕入れているかも知れない。
 所で、私の友人というのはそのほとんどが学科関係かネット関係であり、それ以外の友人というのはほとんどいない。G氏の場合も広い意味でのネット関係の友人といえるのかも知れないが、私やG氏がネット環境を導入する以前からのおつきあいなので、”ネット友達”というわけではない。まあ、言うなれば彼は、数少ない「その他の友人」と言ったところだろう。
 そのG氏だが、先頃(本当についさっきだ)おもしろい話を聞かせてもらった。彼は医学部の学生で、当然医学書を読んだりするわけだが、その索引の中に”IABP”という文字を発見したのだそうだ。
 IABPといえば、国際バギ星人協会の英語略称である。わからない人は表紙を見ると良い。(実は、この英語スペルの間違いもG氏に指摘してもらった。)それが何故、医学書なんぞに。そういえば、私は以前健康診断の際に難癖を付けられて病院に呼び出され、わけのわからない検査をされたことがある。もしかして、その結果があまりにも異常だったために(私は、かなり頭にくることがあったために結果を聞いていないのだ)「バギ精神症候群」とか何とかわけのわからない病名が付いて、その関係でIABPの名前がでているのか。いや、それにしても、医学書に載るにはあまりに早すぎる。すると、国際バギ星人協会以外にもIABPを名乗る不届きな組織でも存在するのか。いや、これはやはりCIAの陰謀・・・・
 等というわけのわからない理由ではない。この医学書に載っていたIABPというのは、I・・・・ええ、忘れてしまったが、なんとかかんとかバルーンポンプという、心臓疾患の補助器具の名前だそうである。
 その機構を簡単に説明すると、(何しろ伝え聞きのことだから知識があやふやだ)、足に穴をあけてくだを通し、その先端に付いた風船のようなものを心臓近くの大動脈にセットする。そしてその風船を膨らませたりしぼませたりすると、それがポンプの代わりになって血液を送り出してくれるのだそうだ。
 まあ、とにかくそういうことだ。CIAの陰謀でもなんでもなかった。しかし、紛らわしい事実には変わりない。そりゃあ確かに、「MTV」と聞いてCS放送のMTVと三重テレビを混同する人なんかいないように、なんとかかんとかバルーンポンプと国際バギ星人協会を混同する人もいないだろうが・・・・
 まあしかし、そもそもバギ星人というのが「心の民族」であることを考えれば、心臓用の器具であるなんとかかんとかバルーンポンプとも、あながち共通点がないとは言えない。そりゃあ、漢字一字だけだけど。
 真、そんなことをこの場でわめき立てたところで、日本医学界が動くはずもないだろう。だいたい、そんなことで動いてもらっちゃ困る。彼らには、HIVとか臓器移植とかO157とか慢性疲労症候群とか、そういうむづかしい問題にきちんと取り組んでもらわなきゃならない。だから今私がここで言っていることは、結局単なる暇つぶし以外の何物でもなかったのだな、という結論を得て、私はこの文書を保存する。

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