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三周遅れの反戦左翼

 
 アメリカ海兵隊キャンプ・ハンセン訓練基地というのは、あまりにも皮肉なネーミングだなと気づく今日この頃。
 
 「終戦記念日」から二週間、沖国大にヘリが落ちてから+1日の15日が過ぎてしまった。つー訳で、本来ならタイトルは「二週」でないといけないのだが、敢えて三周としてみた。少々自虐的な意味も込めて。
 
 と言うことで、ヘリ墜落事件。と言っても、大半の人から「ヘリ事件? ナニソレ?」と言われかねないのが今の日本の雰囲気ではあるが。
 世間一般の日本人がアテネ五輪にうつつを抜かしているこの二週間の間、現地沖縄ではいろいろな動きがあった(ようだ)が、その動きは沖縄県外では殆ど伝えられていないように感じる。左翼系と揶揄され、沖縄タイムスと提携しているはずの朝日新聞ですら、1,2日に一本記事が載ってくる程度である。死人が出てないんだからたいした事故じゃないだろう、ぐらいの認識なんだろう。
 と言うことで、より正確な情報を知りたかったら、今は地元紙に頼るしかない。沖縄タイムス琉球新報ともに、事件の特集面を設けているので、是非ご一読いただきたい。地元(=被害者)の視点で書かれている、ということは敢えて申し添えておく。
 まあ要約してここで書いておくと、地元が事故機と同機種のの飛行訓練中止を求めるのに対し、現地米軍当局者が散々人をくったようなコメントを出しまくり(「不時着」ヘリのパイロットは五輪で金メダルを取った体操日本選手のようなものだ、という発言くらいは、記憶に留めておいた方がいい)、沖縄側が態度を硬化させて飛行全面中止を求めたら、ようやく28日になってアメリカ政府中央が事故機種の飛行中止を決定した、という経緯である。
 
 しかし、アメリカ政府もまた絶妙のタイミングで決定を出してくれる。
 沖縄側としては、ここまで引っ張られて散々拳を振り上げているし、そもそも基地そのものに反感があるから、はいそうですかとあっさり引き下がるわけにはいかない。
 しかし本土の認識はそうはならないだろう。元々関心が薄い上に、事故機種の飛行中止という一件沖縄側の要求をのんだかのような決定は、「ああもう問題は解決したんでしょ」という認識を生むだろう。それなのに沖縄はまだ騒いでいる。となれば、「なにあいつら、なにが不満なの?」と思われるだろうし、中には「沖縄ウザい」とばかりに攻撃を開始する人間も出てくるだろう。
 アメリカとしては、自らは何ら手を汚すことすらなく、沖縄の反基地派を掃討できるわけだ。
 
 これに対する有効な解決策は、残念ながら無い。ひたすら攻撃に耐え、真摯に「現状は変わっていない、問題はなにも解決していない」ということを訴え続けるしかない。非常に心苦しい話だ。つい、自暴自棄になっておかしな行動に出ないか、とも危惧してしまう。
 まあ実際、そこまで心配する必要はないとは思うが。彼らは意外とたくましい、ちょっとしたことで神経質になるそこらの日本人と違って。
 
 時に、全くの別件で友人のHT君(普天間在住)に、普天間基地の写真を撮ってくれるよう頼んでいた。どうせだから、そいつも載せておこうか、彼のコメント付きで。
 
 
 この島と、住人に幸あれ。
 
 
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