”野党統一”候補の地域事情


2016年3月10日(木)徳島・高知 参院統一予定候補 野党が確認書 選挙区に大西氏 みかじり氏 比例予定候補に
(赤旗Web版) http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-10/2016031004_01_1.html

 長野、宮城、熊本に続いて4つ目。”オール沖縄”の沖縄県も含めると、5つの参院1人区で”野党共闘”が成立したことになる。

 共通点としては、熊本を除くと、比較的共産党の強い地域というところである。長野は特に南部で伝統的に共産党が強く(かつては京都並みの無双ぶりだったらしい)、沖縄は一昨年の総選挙で沖縄1区で(”オール沖縄”候補としてだが)共産党が勝っている。また、徳島高知のうち高知県も、1996年総選挙で高知1区から共産党公認候補が当選しており、県議会は現在でも共産党が第2党である。宮城は昨年の県議選で(公認ベースで)県議会第2党に躍進した経緯がある。
 そういった地域で、共産党が敢えて候補を降ろした(正確には比例に回した)、というところに意味がある。
 
 例外が熊本で、ここは大して共産党は強くない。代わりに強いのが旧社会党系で、社民党が農村部でも一定の支持があるのに加えて、旧社会党から左派が分裂した新社会党が荒尾市などの旧炭鉱地域を中心に組織を維持している。熊本は市民連合系野党共闘の第一号となったわけだが、その裏では新社会党の貢献がかなり大きかったとの話もきく。
 (元々新社会党は共産党との連携に前向きな一方で、社民党からは数年前から再統合を持ちかけられている立場にあり、調整役として適任な位置にいた。)
 
 また、前述のように沖縄は”オール沖縄”が共闘の軸になっており、他県のような市民連合系が関与したものでは無い。(その為か、市民連合系の人達は現時点では未だに沖縄では野党共闘は成立していないとみなしている。)
 
 このように、中央から見ると「野党共闘」の一言でくくられるものも、実際には地域毎に個別の事情がある。

 一番わかりやすい事例として、5選挙区の共闘への政党参加状況を見てみよう。
 (※維新の党はまだ民主党と統合していないので、一応別扱いにした。)

選挙区候補者所属政党参加状況
民主 共産 維新 社民 生活 沖縄社大 新社会 市民連合 オール沖縄
沖縄 伊波洋一 無所属          
熊本 阿部広美 無所属      
宮城 桜井充 民主党            
長野 杉尾秀哉 民主党            
徳島高知 大西聡 無所属          

 こうしてみると、今のところ「沖縄型」(沖縄)・「熊本型」(熊本、徳島高知)・「宮城型」(宮城・長野)の3つの類型に分けられる。
 国政野党の左派が旧自民と手を組んでいるのが沖縄型、野党の大勢が参加して無所属候補を推しているのが熊本型、民主党と共産党の協定に社民党も加わって民主党候補を統一候補にしているのが宮城型、である。4/24の衆院北海道5区補選も、宮城型と言えるだろう。
 
 野党共闘と言っても、「やり方は一枚岩では無い」のである。当然だ。地域にはそれぞれの事情があるのだから。事件は東京で起きているのでは無い。各県で起きているのだ。
 
 それを踏まえた上で、残る1人区の調整支援もやっていかないといけない。「この組み合わせで無いとダメ」などという押しつけを、東京や他の大都市圏の人間がやってはいけないのだ。
 (そういう意味では、今のところ5つとも加わっている共産党が、共闘から外れて独自候補を擁立する1人区も、最終的には出てくるのかもしれない。「7条件」を満たさなければ共産党は共闘しないと明言しているのだから。)
 
 そうやって得た共闘のノウハウを中央にフィードバックして貰えれば、今度は衆院小選挙区での共闘作りにも生かせるだろう。
 
 
 参院選まで4ヶ月弱。衆院解散総選挙も同時にあるかもしれない。時間は少ないが、決して不可能なレベルでは無い。
 「勝つ方法は、あきらめないこと」、である。


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